伝統工芸は、現代の生活様式の中で薄まってきたように思います。
生まれた時から輪島塗に囲まれてきた僕ですら、
学生の頃は輪島塗や伝統工芸品に興味のない生活を送っていました。
大学生になり上京し、自分が将来何をするのか分からないまま、
量販店で買った器で味噌汁を飲んだ時、はっとしました。
輪島塗は、漆の効果で持ち心地や口当たりが良くなるので、
味噌汁にも心から温まる感覚がありました。その時に、家業に戻ることを決意しました。
輪島塗に欠かせない「漆」の魅力を伝えていきたい思いから、
今までになかった輪島塗を作っています。
多くの方に気軽に使っていただき、伝統工芸に興味を持っていただきたいです。