収納力と使用導線を、効率配置で整えたコンパクト二つ折り財布「2112」

キャッシュレスが進んでも、意外と減らせないカードたち。
だから財布は、日々の暮らしにちょうどいいバランスであってほしい。

キャッシュレスが進んでも、意外と減らせないカードたち。
保険証、免許証、通帳カード、仕事用、ポイントカード……
なくなく減らしたり、大きな財布から替えられなかったり、諦めていませんか？

コンパクト系の財布って、カードの出し入れが上から、横から…バラバラ。
全部1方向から出し入れできたらと思ったこと、ありませんか？

だからこそ「 2112 」は、“減らさずに、整えて収める”ことを
第一に考えました。サイズだけでなく、使いやすさと導線まで整えた、
新しい「効率系財布」を提案します。

ー 　「 2112 」の3つの特長　 ー

この財布が大切にしているのは、
「中身はそのままに、財布だけを小さくする」こと。
そのために、3つの特長を持たせました。

1.中身は減らさず、財布だけ小さく。

12枚のカードは、1枚革でつながった構造に収納。
重なりを避けるよう設計されたコインポケットは、倒すことで現れ、
“上から見るだけでどこに何があるか分かる”感覚を大切にしています。

重ならない工夫で無駄な厚みを抑え、
デッドスペースを極力つくらない構造によって収納効率を高めています。

ただ、効率よく詰め込むだけでは「使いやすさ」が損なわれてしまう。
実際に形にしてみて、“見づらい・取り出しにくい”という壁にぶつかりました。

そこで気づいたのが、「すべてを決まった場所に固定する必要はない」ということ。

閉じたときは薄く、開いたときは自然と取り出しやすい位置に。
“動かせる構造”を取り入れることで、厚みと使いやすさのバランスを両立できました。

そうしてたどり着いたのが、
**「中身は減らさず、財布だけ小さくしたい」**という願いを形にした、
この新しい設計です。

2. このサイズで、驚くほどしっかり入ります。

紙幣20枚、カード12枚、コイン15枚を、無理なく収納できるよう設計しています。
重なりを分散させる構造により、見た目も手ざわりもすっきりと仕上がっています。

革は使うほどに馴染んで扱いやすくなりますが、新品の状態でも、適度な余裕を持たせてお作りしています。
収納効率や厚みの変化については、後半で詳しくご紹介していますので、よろしければあわせてご覧ください。

3. 喜ばれることを願って、丁寧に作っています。
手縫いで一つひとつ仕立て、コバは蝋で磨き仕上げ。
革の選定から仕上げまで、妥協せず丁寧に仕上げています。

革は使うほどに表情が変わり、あなたの時間とともに深く育っていきます。
天然素材ならではの個体差や、使い方によって異なるエイジングも、
その人だけの表情として刻まれていくものです。
少しずつ“自分だけのもの”になっていく感覚も、革製品の醍醐味だと思っています。

小さく見えても、中身はそのまま。
使う人の「現実」に寄り添った、新しい二つ折り財布です。

ー 　使いやすさまで、設計しました。　 ー

「 2112 」は「入る」だけでなく、「使いやすさ」にも徹底してこだわりました。

◈ カードは、スライドして出し入れするだけでなく、
　ポケットを広げて選んで取り出す――
　少なくとも2通りの操作が可能な構造で、シーンに応じた使い分けができます。

◈ コインは、フラップを倒して引き抜けば、見やすい位置に。
　探さずに、すぐに取り出せます。

◈ お札は、収納後にはみ出さないよう、底とマチにわずかな“逃げ”を設けて設計。
　出し入れのストレスを感じにくい構造です。

財布を開いた瞬間、「どこに何があるか」が一目で分かるから、
使うたびに迷わず、自然に手が動きます。

― 暮らしの中での佇まい ―

「 2112 」は、ただ「持ち歩く」だけのものではありません。
何気なく置かれた姿さえ、暮らしの中に自然と馴染みます。

お気に入りの場所や鞄の中や、木のテーブルの上。
そこにあるだけで、気持ちが整う——
そんな空気をまとう存在です。

ふと目に入るたび、気持ちが整う。

お気に入りの道具たちと、静かに共にある。

お気に入りの場所に置いて、心も落ち着く。

ー　 丁寧に、手間をかけて仕立てています。　 ー

ー　「 2112 」は、すべての工程を一人で手がける、
　　　　　　　　　　　　手縫い仕立ての革財布です。　 ー

「 2112 」は、一つひとつの工程をすべて手作業で行っています。
革の厚みに合わせてロウ引き糸を使い、ひと針ずつ手で縫い上げる縫製。
コバ（革の断面）は、時間をかけて滑らかに磨き上げ、あまり見かけないほど丁寧な仕上がりに。
細部の美しさは、手に取っていただいたときに感じていただけると思います。
この財布に使う革や仕立ての方法は、使いやすさと美しさ、そして長く使えることを重視して選んでいます。
「長く使えるものを、まっすぐ丁寧に作りたい」
そんな思いを込めて、すべての工程を一人で仕立てています。

ー　 「 2112 」という名前に込めた想い。　 ー

この財布を作るうえで、考え続けたのは、
「もっと、良い構造にできないか？」という問いでした。

サイズ、容量、使いやすさ。
そのすべてを一から見直し、組み直していく中で──
これが最適解だと思えるかたちに、たどり着きました。

そして「解」という名をつけようと思いましたが、
二文字ではありふれると感じたため、
一工夫して、昔あったある符号をもとに数字へと置き換えました。

ー 　素材・仕様について　 ー

「 2112 」は、限られたスペースに効率よく収納できるように作った二つ折り財布です。
サイズは　S　M　L　の３サイズ用意しています。

【サイズ】
「 2112 」 Sサイズ　
◈ 約10cm × 9cm × 厚み1.4cm（空の状態）
◈ 約10cm × 9cm × 厚み1.5cm（適量）　
　紙幣：１５枚　カード：６枚　硬貨：８枚（収納効率 32.7%)
◈ 約10cm × 9cm × 厚み2.2cm（最大量）　
　紙幣：２０枚　カード：１２枚　硬貨：１５枚（収納効率 38.1%)

「 2112 」 Mサイズ
◈ 約10cm × 9cm × 厚み1.7cm（空の状態）
◈ 約10cm × 9cm × 厚み2cm（適量）
　紙幣：２０枚　カード：１２枚　硬貨：１５枚（収納効率 42%)
◈ 約10cm × 9cm × 厚み2.2cm（最大量）　
　紙幣：２０枚　カード：１６枚　硬貨：１８枚（収納効率 46.2%)

「 2112 」 Lサイズ
◈ 約10cm × 9cm × 厚み２cm（空の状態）
◈ 約10cm × 9cm × 厚み２cm（適量）
　紙幣：２０枚　カード：１４枚　硬貨：１５枚（収納効率 45.9%)
◈ 約10cm × 9cm × 厚み2.6cm（最大量）　
　紙幣：２０枚　カード：２０枚　硬貨：２０枚（収納効率 45.6%)

※コインは１００円で計測しました。
※最大量入れると出し入れがやりづらくなりますのでご注意ください。
※収納効率の数値の求め方は、このページの下部でご覧いただけます。

ー 素材について ー

「 2112 」に使用している革は、**イタリア・トスカーナ州の名門タンナー「ワルピエ社（Conceria Walpier）」が手がける高品質な革「ブッテーロ」**です。

ブッテーロは、植物タンニンだけを使って時間をかけてなめされた、伝統的な“ヌメ革”の中でも特に評価の高い素材です。
しっかりとしたハリとコシ、そしてなめらかな手触り。さらに、染料仕上げによる透明感ある色合いと自然な濃淡が特徴です。
光の角度や使い込む時間によって表情を変える、深みと艶のある美しい革に育っていきます。

この革は、ただ“色がきれい”というだけではありません。
ショルダー部位（肩の革）ならではの繊維密度によって、強さとしなやかさのバランスが取れており、実際に手にするとその違いが伝わります。

使い始めは少し張りがありますが、使うほどに馴染み、傷や変化も味わいに変わっていく革。
「長く育てる」楽しみがある素材だからこそ、大切なものを仕立てるときに選ばれてきました。

さらにこの革を生み出すワルピエ社は、イタリアのタンナーズ協会「Pelle Vegetale（ペッレ・ヴェジェターレ）」の認定工房でもあり、
環境に配慮しつつ、100年以上続く伝統的ななめし技術を今に受け継いでいます。

「 2112 」ではこのブッテーロを、外装・内装ともに贅沢に使用。
手縫いで仕立てるからこそ、素材そのものの良さがまっすぐ伝わる──そんな革を選びました。

ー 変化を楽しむ、という選択 ー

「2112」に使われているブッテーロは、使い込むことで色に深みが増し、艶が育っていく素材です。
以下の写真は、2025年1月6日から使用したキーケースと、同じ革の未使用端材を並べて撮影したものです。

使用開始時は、明るくややマットな印象だったキャメルが、日々の使用により自然な艶をまとい、色も落ち着いたトーンに変化していきます。
手に触れる時間、光や湿度、過ごす日常──それらすべてが「革を育てる時間」になります。
このようなエイジング（経年変化）こそが、ブッテーロレザーの魅力のひとつ。
時間とともに少しずつ“自分だけのもの”になっていく感覚を、ぜひ味わっていただけたらと思います。

ー 糸の色見本 ー

【素材】
◈ 本体：イタリアンレザー「ブッテーロ」
◈ 糸：蝋引き糸
◈ 金具：真鍮

【カラー展開】
◈ ブラック
◈ ブラウン
◈ キャメル
◈ ブルー
◈ グリーン
◈ オレンジ
◈ レッド
◈ ナチュラル

収納効率や使いやすさを追求しながら、
素材と仕立てにはしっかりとこだわっています。
「持ち歩く革製品」として、長く付き合える品質を目指しました。

ー「効率系」とは何か？とご提案ー

「 2112 」は、「限られたサイズに、必要なものを無駄なく収められる構造」を追求した、“効率系”の二つ折り財布です。

私はこの“効率系”という言葉を、以下の3つの要素がバランスよく整っていること、と定義しています。

◈ サイズ（平均またはそれ以下のコンパクトさ）
◈ 容量（十分な収納力）
◈ 使用導線（出し入れのしやすさ）

特に「使用導線」については、お札・カード・コインのうち、2つ以上が同じ方向から出し入れできることを一つの目安としています。

たとえば「 2112 」では、お札・カード・コインのすべてが上方向から取り出せる設計になっており、視線や手の動きが自然とひとつの方向にまとまります。

このように、使う動作がスムーズにつながることで、日々の使いやすさが大きく向上します。

ー「 2112 」の収納効率は「約42%」ー

「 2112 」（Mサイズ・適量時）の収納構成：
・紙幣：20枚（約24.3cm³）
・カード：12枚（約42.1cm³）
・硬貨（100円×15枚）：約9.1cm³

合計収納体積：75.6cm³

本体の外寸（10cm × 9cm × 厚み2cm）＝180cm³

→ 収納効率 = 75.6 ÷ 180 ≒ 約42%

この数字は、単に「たくさん入る」ということではなく、
“このサイズの中に、これだけ整った量を、無理なく収められる”という構造の工夫を表しています。

内部構造を根本から見直し、収納物を立体的に配置することで、「 2112 」はこの効率を実現しました。

このように、収納の割合と使用導線の整合性が備わることで、
財布はより合理的で、日常使いにおいても快適なものになると私は考えています。
今回のMakuakeプロジェクトでは、「 2112 」という新しい形を提案するとともに、

この“効率系”という考え方そのものも、広く共有できればと願い、このような形でご紹介させていただきました。

ー 　応援の方法とお届け予定　 ー

「 2112 」を応援してくださる皆さまへ、3つの応援プランをご用意しました。
どのプランも、製作・発送・サポートまですべて一人で行います。
そのため、リターンごとの数量とスケジュールには限りがあります。

【応援プラン】

◈ 超早割（36,000円・税込）
最もお得に応援購入いただけるプランです。
20個限定・先着順となりますので、お早めの応援購入をおすすめします。

◈ 早割（37,500円・税込）
通常価格よりお得に応援購入いただけるプランです。
40個限定となっており、数に達し次第終了いたします。

◈ 通常価格（39,000円・税込）
40個限定でご用意しています。
本プロジェクト期間中は、同価格での応援購入が可能です。
一般販売の時期や価格は未定のため、「 2112 」をいち早く確実に手に入れたい方は、ぜひこの機会に応援購入ください。

【発送スケジュール】
2025年8月11日より応援購入を受付を開始し、
応援購入順に、募集終了（９月１１日）から半年の期間で発送予定です。
発送情報は活動レポートでお知らせいたします。

【配送方法について】
リターンはすべて**日本郵便のレターパックライト（追跡あり・ポスト投函）**にて発送予定です。
配達日時の指定はできませんが、ご不在でもお受け取りいただけるため、ご都合に合わせてお受け取り可能です。
発送完了後には、追跡番号を個別にご案内いたします。

【ラッピングについて】
本製品はギフト包装（リボンや箱など）には対応しておりませんが、簡易なプレゼント用の袋をご希望の方には、無料で同封いたします。

【ご注文方法】
リターンを選んでいただき、ご希望の
外装、内装、糸の色、サイズ、プレゼント袋の有無をそれぞれご指定ください。

革の色：ブラック、ブラウン、キャメル、ブルー、
　　　　グリーン、オレンジ、レッド、ナチュラル
糸の色：ブラック、ダークブラウン、ブラウン、麦色、
　　　　ブルー、ライトブルー、グリーン、ライトグリーン、
　　　　イエロー、オレンジ、レッド、ピンク、ホワイト

※画像は開発中のものです。製品改良のため、仕様やディテールに軽微な変更が
　生じる場合がございます。あらかじめご了承ください。
※応援購入後の内容変更（カラーやサイズの変更）は原則としてお受けできません。
　ただし、製作に入る前にご連絡をいただけた場合は、
　変更可能な場合もございます。
　製作開始後の変更には対応いたしかねますので、あらかじめご了承ください。
※リターン内容に関してご不明な点がある場合は、
　必ずご購入前に「実行者にメッセージ」よりお問い合わせください。

一人での製作となるため、発送は順次対応とさせていただきます。
そのぶん、1点ずつ丁寧に仕上げてお届けしますので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

ー　使用上の注意・取り扱いについて　ー

本製品をご愛用いただくにあたり、素材や構造の特性をご理解いただいたうえで、適切な使用環境・お手入れをお願いいたします。

◈ 天然素材としての特性について

本製品には、植物タンニンで鞣されたイタリアンレザー「ブッテーロ」を使用しています。天然素材の特性上、色ムラ・シワ・血筋・小さなキズなどが見られる場合がありますが、風合いや使用上の問題がないと判断した革のみを使用しております。これらは素材の魅力のひとつとしてご理解いただける方にお届けできればと思います。状態が気になる方は、念のため応援購入をお控えいただくことをおすすめします。

◈ 携帯・保管時のご注意

カバンの底など、常に荷物の重みや圧力がかかる環境での使用・保管は避けてください。湿気や圧迫が続くと、革が変形・変質する原因となります。

また、お尻のポケットへの収納は基本的に推奨いたしません。たとえば短時間のお出かけなどで一時的に入れる程度であれば問題ありませんが、着席時には必ずポケットから取り出してご使用ください。

◈ 色移り・水濡れについて

染料仕上げの革のため、水濡れや摩擦によって色落ち・色移りが発生する可能性があります。特に淡色の衣類との併用にはご注意ください。

水に濡れた場合はこすらず、乾いた布でやさしく水分を取り、風通しのよい場所で陰干ししてください。直射日光やドライヤーなどによる急乾燥は避けてください。

◈ お手入れと経年変化

ブッテーロレザーは使い込むほどに色艶が増す経年変化（エイジング）が魅力のひとつです。過度な保革油の使用は避け、乾燥が気になる場合のみ、少量のレザーケアクリームをお使いください。

◈ ハンドメイド製品としての個体差

すべての工程を作家本人が手作業で行っているため、若干の個体差がございます。強い力を加える・無理な力をかけるなどの行為は破損の原因となりますのでお避けください。

ー　OUGI Leathersのこれからと、
　　　　　　　　　　Makuakeプロジェクトの理由　ー

「 2112 」は、OUGI Leathersにとって、ひとつの挑戦です。
構造そのものから見直し、これまでにない答えを形にしました。

私のような手縫いの革専門店は、製作に時間がかかるため、
そもそも数が少なく、あってもBtoBのような量産とは相性がよくありません。
だからこそ、一人または少数での製作が現実的な選択肢になります。

それでも私は、大量生産で省かれがちな“丁寧な仕立て”を大切にし、
作業効率ではなく「より良いものとは何か？」を常に考え、
構造から見直して試作を繰り返してきました。

これからの時代、ひとつのものを大切に使うという価値観も、
改めて必要とされていくのではないかと考えています。

この「 2112 」を、Makuakeプロジェクトというかたちで発表したのは、
OUGI Leathersが、そうした“本質的なモノづくり”をこれからも続けていくために、
このプロジェクトで、皆さまのお力をお借りしたいと思いました。

これまではすべて一人でやってきましたが、
いつか仲間が増えたらいいな、とも思っています。

ひとつずつ、丁寧に。
この挑戦が、次のモノづくりにつながっていくように、応援していただけたら嬉しいです。

「 2112 」は今回のMakuakeプロジェクトを通して、初めて皆さまにお届けする財布です。
一般販売については未定ですが、まずはこのプロジェクトでいただいた声や反応を受け止めながら、今後の展開を検討していきます。
ひとつひとつ手間をかけてお作りしますので、気になる方はぜひこの機会にご検討いただけたら嬉しいです。