◆ 放牧ミルク加工を確実に続けるための、あと一歩。

はじめまして、北海道 美深（びふか）町のチーズ職人、目黒英二です。僕は今、無化学肥料の牧草だけで育った牛のミルクを、町内で加工しています。

この、全国でも数少ないグラスフェッド乳製品をより多くの皆様に知って頂きたいと考え、今回のプロジェクトに挑戦しました。

まず、原料となるミルクを頂いている「塩崎牧場」さまの風景をご覧ください。

この風景、絵本に出てきそうでしょう？　牛たちが歩き回って草を食べることで、草地が美しく保たれるのだそうです。（塩崎牧場さまのミルクの素晴らしさは語りきれないので、後でまたお話しさせてください！）

チーズの世界では、「質のよい牛乳を現地加工するのが最良」と言われます。その点、僕の工房があるのは牧場の二軒隣（牧場が広大すぎて車で5分ほどかかりますが）です。つまり、乳製品のために作ろうと思っても作れない理想の環境と言えます。唯一の悩みは、製造に必要な「チーズバット」（牛乳を温度管理する機材）が壊れていて、少量ずつしか製造できないことです。そこで、

機材を整えてあと少し生産力を上げ、この特別な味をもっと伝えたい。

これが、僕の今の願いです。

バターの工程はほぼ手作業で、二の腕が鍛えられます（笑）。毎朝7時半に搾ったばかりのミルクを取りに行き、新鮮なミルクの香りの中でする作業はハードでも、楽しくて飽きません。
 

【グラスフェッド＝草だけで育てること】

第一にお伝えしたいのは、国産のグラスフェッドミルクの希少性です。
グラスフェッドとは、grass（草で)＋ fed（養った）なんだそうです。
牛は草食ですが、日本ではお乳がたくさん出るよう、穀物の入った高カロリーの餌で飼う方法が主流です。一方、うちの工房のミルクをくれる牛は、広い放牧地で自ら草を食べ、積雪が150cmにもなる冬は牛舎で干し草を食べています。外にいる牛たちは好きな場所で遊んだり、のんびり寝そべったり、気持ち良さそうです。

放牧地は数カ所にわたるそうですが、一部をドローンで撮って頂きました！
（撮影地：塩崎牧場さま、ドローン撮影：株式会社エンターリムさま）


そんな健康でご機嫌な牛のミルクを、ご馳走になりました。
不思議なほどゴクゴク飲めて、爽やかに甘い！
ただ一軒の酪農家の特別なミルクを製品にできるのは、ちょっぴり誇らしいです。

【塩崎牧場との出会い】

次に、この稀有なミルクを分けてくれる生産者の方についてお話しします。

北海道北部の美深町は、林業、酪農、農業の町。酪農家の塩崎智史さんは大阪から帯広畜産大学へ進み、この町で就農されました。森と小川のある100ヘクタールの農地でブラウンスイス種、ジャージー種、ホルスタイン種の牛を育てています。牛が健康で質の良い乳が出るようにと、よい牧草、よい土づくりも大切なのだそうです。寒さに強く暑さに弱い牛に適した気候、そして大自然と広い農地のある美深町の環境が、放牧酪農を支えています。

牛たちは塩崎さんが大好き。撮影の時もこんな風に甘えてました。
この牛たちの質の良いミルクを使うチーズ工房を引き継いだのが、僕の工房、プティフロマージュです（継承のきっかけは、この後にお伝えします）。

【商品紹介】
ここからは、製品の中で最も貴重なバターをご紹介します。


・極上バターは5つの味

グラスフェッド乳製品の特徴は、色と味に季節感があることです。例えばバターの色は、夏はタンポポのように濃い色に、冬は淡い色になります。これは牛の餌が青草か干し草かの違いによるもので、夏は草原の香りがして爽やかな甘み、冬は甘い香りでコクがあります。朝絞ったミルクを乳酸菌で発酵させ、クリームからバターの粒を分離し、水分を絞ります（ぜひ動画もご覧ください）。一回の製造量は機材によって違いますが、この手作り方式は今後も変わりません。

このグラスフェッド発酵バターを市販のものと比べてみると、香りも味も豊かで、それなのに後味はすっきり。札幌のミシュラン二つ星のレストランでも、ご試食後すぐに採用して頂きました。輸入物の高級発酵バターの匂いが苦手な方にこそお試し頂きたい、新鮮な国産発酵バターです。

さらに他では味わえないのが、料理人のアイデアで独自に開発したオリジナルバターです。工房のオーナーである料理人が色々な塩で有塩バターを試作したのがきっかけで、北海道ならではのバリエーションが生まれました。5種セットはとてもカラフルで、こだわりのギフトにもおすすめです。




・至福の味、２つの使い方

まずはパンとバターを一緒に味わってみてください。


無塩発酵バターは、フランスパンのような塩気のあるパン、ドイツパンなどに。ゲランドの塩入り発酵バター（いわゆる有塩バターです）は甘みのある食パンに。

木苺のピュレを加えたフランボワーズバターはパンケーキやトーストに。
クラッカーに乗せて、ワインのおつまみに（だから手土産にも喜ばれます）。

もうひとつのおすすめは、調味料として使うことです。蒸したジャガイモや熱々のご飯には、「これ、チーズ？」と言われるほどコクのある蕎麦の実と三升漬入りバターを。ゆずと利尻昆布のバターはホタテや鮭のホイル焼きなど、魚介料理を引き立てます。
こちらはゆずと利尻昆布バターを、北海道のウニの一夜干しと一緒にご飯にON。

たらこパスタには有塩バターをひとかけ。そそる香りが広がります！

・チーズやヨーグルト、その他の乳製品も

ここまでバターをご紹介してきましたが、プティ・フロマージュでは他にも色々な製品を作っています。

みずみずしいモッツアレラチーズや、スライスして焼くと最高にミルキーなカチョカバロ。無糖でミルクの味わいそのままのヨーグルトや、デザートに使っているフロマージュブラン。バターづくりの時にできるバターミルクは、隣町のパン屋さんのパンに使われますし、最近ひそかに「ギー」の開発にもチャレンジしています。とにかくこのおいしいミルクの価値を伝えたい。

だから、少しでも多くの方に応援して頂き、味わって頂きたいんです。

【リターンについて】

・4500円コース
グラスフェッドバター２種とモッツァレラチーズ1個のセット（バターは無塩発酵バター、ゲランドの塩の発酵バター）

・7500円コース
グラスフェッドバター5種、チーズ2種、ヨーグルトのセット（チーズはモッツアレラ１個、フロマージュブラン１個）

・1万1000円コース
グラスフェッドミルク製品たっぷりセット（上記のバター5種セット、無塩バター１ポンド、フロマージュブラン、モッツアレラ２個、カチョカバロ、ヨーグルト）

※リターンは冷蔵送料を含みます。
※生もののため、購入後のキャンセル、返品はできません。
※商品は2019年12月1日より順次発送し、発送時にMakuakeメッセージでお知らせします。

● リスク＆チャレンジ
※放牧は天候など自然条件に影響を受けることがあります。万一、原料乳が不足するような場合はお届けに遅延が生じる可能性がございます。予めご了承ください。
※日によって製造内容が変わるため、発送順にずれが生じる場合がございます。
※パッケージやデザインが予告なく変更になる場合がございます。

ここまで読んでくださった方に、ぜひお伝えしたいことがあります。
ここからは、工房のオーナーで料理人の須藤民篤にバトンタッチします。

【価値あるチーズ工房を、自分たちが守りたい】

チーズ工房プティ・フロマージュのオーナー、須藤民篤と申します。
僕は3年前に美深町のお隣の名寄市に移住して、イタリアン食堂を営んでいます。
お店のピッツァやカプレーゼに使うチーズの職人さんが引退されると知り、悩んだ末、今年2019年、工房を引き継ぐことにしました。
地元っ子の目黒君が手を挙げてくれてスタートした、小さな事業です。

現在、モッツァレラの製造量は週50個。バターはわずか週産５kg。
製造量が少ない主な理由は、機材不足です。
職人１人の工房ですから、拡大は考えていません。
あと一歩必要なのは、毎日一定量を製造できる環境です。
それが叶えば、目黒君は地元で迷うことなく仕事を続けられます。
僕はこの間違いのない乳製品を、自分のお店で使い続けられます。
そして「道北はおいしいですよ！」と魅力をお伝えしたいのです。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
皆さま、ぜひ道北に遊びにいらしてください！