今回ご紹介するのはアランセーター。最近見かけることが多くなってきたアランセーターですが、意外とルーツは知られていません。そんなルーツを探りながら、まさに温故知新なプロダクトをご紹介します。

スーパー・カムバック・ラムとは

現在ではメリノ種の原種は殆どいません。そのため、今回使用する羊毛はオーストラリアのメリノ種と英国羊毛（長毛種）との交配で生まれてくる羊が最もメリノ種の原種に近いとされています。メリノウールの持つ柔らかい肌触りと、英国羊毛のスポンジッシュな膨らみがある非常に優れた羊毛です。品種としての呼び方はカムバック種と言います。羊毛としては非常に高価なため、流通量も少ないです。当時のアランセーターを再現するためには、どうしても従来のメリノ種よりもカムバック種の羊毛を使用することで、忠実に再現ができると判断しました。

スーパー・カムバック・ラムの特徴

寒い冬でも安心の優れた保温性

羊毛の特徴は、大気中の湿気を吸収して熱を発生させます。そして繊維の表面にあるスケールという鱗状の組織が、この熱を逃がさない働きを持っています。中でもスーパー・カムバック・ラムの繊維は、他の羊毛より縮れ（クリンプ）が細かく、絡みやすいため、デッドエア（動かない空気）をたくさん含むことができます。デッドエアは人の体温で温まり、その温かさが着ている人の体を温めてくれる、という相互効果を生みます。スーパー・カムバック・ラムはこの機能にとても優れています。

天然の防臭力

羊毛は天然素材で免疫機能を持っているため、それ自体が防臭力を持っています。人間は細菌が体内に侵入すると、免疫が働いてこれを無害化します。同じようにスーパー・カムバック・ラムはニオイの原因となる細菌を抑制してくれるので、不快なニオイを防ぐことができます。

汗冷えを防ぐ除湿力

スーパー・カムバック・ラムは高い保温性と除湿性を併せ持っています。汗をかいてもべとつかずウール独特のニオイも少ないのもポイントです。というのも、取り込んだ（吸湿した）汗を、気体状にして繊維の外へ放出（除湿）する仕組みがあるためです。また、このとき体から熱を奪い体を冷やす働きをするため、暑い時にも涼しく感じることができ、汗冷えも防いでくれます。

紡績糸ができるまでをご紹介！

職人が愛情を込めて丹念に仕上げる様は、ただただリスペクトです！

歴史ある伝統のアランセーターとは

一般には「フィッシャーマンセーター」とも呼ばれ、日本でも1970年代初頭に大流行しました。縄編みの柄が浮き出すように入った白いセーターで、その発祥は、ケルト民族の聖地としても知られるアイルランド西岸のアラン諸島で女たちによって編まれたものでした。アランセーターは6世紀の昔からアラン諸島で編み続けられており、その独特の編み柄には、漁に出る夫の無事と豊漁を願う女たちの祈りの意味が込められています。その組み合わせは、家々の編み手によって家紋のごとく異なり、それは母から娘へと伝承されています。万一、不幸にも漁での溺死者が岸に打ち上げられたときには、着ているセーターの柄でその身元が判断できたといわています。荒海に漕ぎ出す男たち、それを優しく包む女たちの愛。このストーリーは、アランセーターが世界に普及するにつれ、皆に知られるようになり、いつしか伝説とまで言われるようになりました。

荒涼としたアラン諸島の北大西洋の海

数多く残るケルト民族の遺跡

編模様の意味

今回のアランセーターのデザインに採用した編模様の名称と意味をご紹介します。

Haneycomb（蜂の巣：画像左）

勤勉な蜂が貴重な蜜を作るのと同じように、当然の報酬をもたらす、骨の折れる仕事を象徴しているといわれています。

Diamond（またはダイアモンド・ケーブル：画像右）

これは成功と富と財産を象徴しています。そして時には、漁師の網として、漁村の繁栄に欠かせないケーブルと結び付けられます。

Trinity Stitch（三位一体：画像左）

一模様が「父と子の霊は神から出、神は父と子の霊から成る」、つまり「一から三は出、三は一に集まる」という、キリスト教の原理を示しています。技術的には「1目から3目を編み出し、次の段で3目一度をする」模様で、英国ではブラックベリー（黒いちご）、イタリアではスバイダー（くも）、アメリカではパプコーンとして知られています。

Tree of Life（生命の木：画像右）

木の幹と大枝を表すこの模様は、着る人に、長生きと、漁の手助けとなる丈夫な息子たちが生まれることを保証してくれます。

メリノウールの歴史

今や誰もが一着以上は所有していると思われるウール素材のアイテム。しかし、ウール（羊毛）の歴史は意外と知られていません。まずは今回のアランセーターで使用している羊毛であるメリノウールと呼ばれる羊毛の歴史を簡単にご紹介させていただきます。人類と羊の関係は古く、一説には紀元前9000年ごろには野生の羊がイラクや中東に生息していました。紀元前6000年ごろのメソポタミアでは羊の肉や毛皮を食料や衣類に利用するようになりました。

メリノ羊は14世紀初頭のローマ統治下のスペインで誕生しました。色々な品種と交配し、大量生産が可能で衣料に最も向くように品種改良されました。毛色は白く、染色が容易だったことから、広く衣料として浸透し、世の中へ広がっていきます。スペインはメリノ羊によるウール産業で莫大な富を築き、大航海時代のアメリカ大陸を発見したコロンブスの航海も実は羊で稼いだ国費によって賄われたものだったらしいです。

当時のスペインでは、メリノ羊は国の貴重な財産であったため、国外へ持ち出すことが禁止されていました。たった一頭の羊を持ち出そうとした者が死罪に処せられるほど、厳重に輸出規制を課していました。14世紀から18世紀までスペイン・メリノの毛織物は世界を席巻しましたが、18世紀後半にフランスのナポレオンによる侵略で、メリノ羊はフランス、英国、アメリカetcへと流出します。

今日のメリノ種の羊といえばオーストラリアが有名で、約9000万頭ものメリノ羊を放牧しています。しかし、この隆盛は18世紀後半に南アフリカ経由でオーストラリアへ輸出された13頭のスペイン・メリノから始まったものなのです。

ビジネスにもカジュアルにもどんな時でも
アランセーター

オフィスカジュアルの強い味方！

オフィス内のジャケットスタイル、スーツスタイルにもどちらにも相性抜群です。インナーで着てもごわつかない絶妙な肉厚感！

インナーのオフホワイトが上品な雰囲気を演出！ 身長180cm Lサイズ着用

落ち着いた大人コーデにはネイビーがおすすめ！ 身長170cm Mサイズ着用

リラックスできる休日スタイルに！

インナーとしはもちろんのこと、一枚で着ても様になるボリューム感。休日のリラックスタイムの大人なコーデ！

少し大きく着ることで可愛らしさが倍増、旬のコーデが完成します。

身長153cm Mサイズ着用（左） 身長150cm Mサイズ着用（右）

大人の休日スタイルの必需品！

身長170cm Mサイズ着用（左） 身長182cm Lサイズ着用（右）

商品詳細

【カラー】オフホワイト、ネイビー

ブランド紹介

大量生産、大量消費の時代は終わり、

本当に価値のあるものだけを求める時代に移り変わる。

すぐに必要とされなくなるものではなく、ずっと大切にされるもの。

長きにわたり愛されるこれからのスタンダードを求め、

何が正しいのかを探し続ける譲らないモノづくり。

大手セレクトショップなどのものづくりに携わる３人が、大量生産、大量消費されるものづくりではなく、本当に価値のあるものづくりを行いたいと、sISIn（シシン）というブランドを立ち上げました。

プロジェクトについて

今回のプロジェクトは、sISIn（シシン）というブランドの立ち上げ第一弾のプロダクトになります。親会社が新潟のニットメーカーということもり、ニットに関してのものづくりについては業界内でも高い評価をいただいています。一見どこにでもありそうなセーターですが、素材や着心地はもちろん、コーディネートがしやすい肉厚感など、かなり細部にこだわっています。

毎日でも着たい！

3年後、5年後でも古く見えない。

そんな想いを込めて、商品を生み出しました。1人でも多くの方にこの商品を手に取って触れていただければ幸いです。

今回の皆様からのご支援は、これからブランド運営するにあたり、ブランドのアイデンティティーである、世の中の大量生産、大量消費という流れに逆行する新しい商品の開発費にあてたいと考えています。