脱ぎ履きは楽で、見た目はきちんと。
しかも、使ったのはなんと害獣駆除された猪の革。
構想から３年以上かけて作ったローファー型スニーカーの自信作。

スニーカーと革靴の常識を超える一足です。

〈22年3月にSNSに投稿したローファー型スニーカー〉

こんにちは、株式会社ソウムと申します。

私たちは靴の街として150年の歴史のある浅草にて靴の製造に40年以上携わる靴メーカーです。

主な業務内容としましては国内外のコレクションブランドの靴の企画製造しております。

海外生産が主流となり、厳しい状況となった現在の国内靴産業で失われつつある靴の製造技術と人材を残すため2020年より新事業として自社ブランド【donuts hole】を立ち上げ、自社工場で企画デザインした製品を定期的に発表させて頂いております。

これまで私たちは「日本の美しいスニーカー」をテーマに、工場のある浅草周辺での製造、スニーカーの素材となるレザーも日本を代表するタンナー「栃木レザー社」や創業以来135年の歴史を誇る藤岡勇吉本店の「鹿革」など、日本のモノづくりを背景にした新しいチャレンジを続けてきました。

老舗革靴メーカーの経験を活かした、履き心地や現代に求められる一足を、素材から拘って作り続けている私たち【donuts hole】

今回はレザーの原料となる原皮から純国産の皮革素材となる「ジビエレザー」を使用したスニーカーを発表させていただきます。

市場に殆ど出回らない、田畑を荒らす害獣として駆除された希少な猪革を使用し、自然と人の関わりにフォーカスし、レザーから作りまで、全てにこだわりの詰まったプロジェクトです。

是非最後までお付き合いください。

プロジェクト詳細

革靴といえば、堅くて重くて、長時間履くと疲れる——。
そんなイメージを持つ人は少なくありません。
しかし今、時代は大きく変わり、働き方も、装いのルールも、自由度が高くなりました。

そんな“現代”にこそフィットする革靴が、ローファーです。

紐を結ぶ手間がなく、スマートに脱ぎ履きできる。
ミニマルで上品なシルエットは、スーツにもカジュアルにも自然と馴染む。
形式ばったドレスシューズよりも軽やかで、それでいてきちんと見える。

この絶妙なバランスは、現代のビジネスパーソンにとって理想的な靴の形と言えます。

特に日本では、室内での“脱ぎ履き文化”が根付いており、機能性と礼節の両方を備えたローファーは、これからの革靴スタンダードになり得る存在です。

私たちは、そのローファーにスニーカーの革靴メーカーならではの快適さを融合させ「現代の足元に本当に必要な一足」を目指しました。

【現代の暮らしに溶け込む、ミニマルで清潔感ある一足】

私たちの提案するスニーカーのデザインは、“上質さ” をテーマにしていますが、今回はとりわけ “軽やかさ” に重点を置いて制作しました。

ローファーはもともと、紐を省いた構造によって、革靴の中でもひときわ軽快な存在です。
その佇まいは、過度に主張しない端正さを持ちながら、現代の働き方や装いの自由度にも自然と溶け込みます。
私たちはその魅力をあらためて見つめ直し、今の暮らしによりフィットしたかたちで再構築しました。

・余計な要素を極力取り除いた、スマートですっきりとした清潔感のあるプレーントゥ
・ローファーならではの端正なラインを生かした、品のある細身のシルエット
・スニーカーでありながら極めて薄いソールを採用した革靴ライクな佇まい

ローファーという革靴が本来持つ“軽やかさ”を大切にしながら、現代のビジネスカジュアルにも違和感なく寄り添うような、落ち着いたミニマルデザインに仕上げています。

このスニーカーは、猪革という素材そのものの魅力を最大限に引き出すため、あえて足し算ではなく「引き算のデザイン」を採用しました。
装飾や過剰なディテールを削ぎ落とし、素材の質感や表情が自然と伝わる、日本的な佇まいに仕上げています。

その豊かな質感が過度な装飾を必要とせず、シンプルなデザインの中に静かで確かな存在感を与え、足元に上質さと個性をそっと添えてくれます。

特別な一足でありながら、日常にもきちんとした場にも似合う、「大人が履くためのレザースニーカー」です。

なぜ猪革を使うのか？

ローファーという靴は、本来“革そのものの素質”が強く現れる靴です。

紐やバックルによる調整ができないため、素材の伸びやすさ・馴染み方が、履き心地の良し悪しに直結します。

そこで私たちが目を付けたのが猪の革でした。

猪革は繊維密度が非常に高く、耐久性に優れ、一般的な革に比べて横方向に伸びにくい傾向があります。

〈金ブラシで擦っても殆ど無傷〉

そのため、キズが付きにくく長く履き込んだ後もフィット感が大きく崩れにくいため、ローファーに求められる“形の安定”を支えてくれる素材です。

ローファーは、履き込むと時間とともに革が伸びて緩んでしまうことが少なくありません。

しかし猪革なら、履き込むにつれてわずかに馴染みながらも、過度に緩んだり、型崩れを起こしにくい。

素材の特性とローファーの構造がぴたりと合致した、必然の選択です。

【循環型の皮革素材として注目を集めている「ジビエレザー」とは？】

さて今回のプロジェクトの主役「ジビエレザー」とはいったいどんな革なのでしょうか？

ジビエレザーは、シカやイノシシなど野生動物の捕獲個体から生まれる革素材です。農作物被害対策として捕獲された命を無駄にせず、価値ある素材として活かす取り組みから生まれました。

一般的な家畜革は、計画的に飼育された牛などから安定的に供給され、品質が均一で量産に向いています。

一方、ジビエレザーは自然の中で生きた個体が原料のため、捕れた時期や性別、大きさによって個体差が大きく、一足の靴になるまでに家畜の革とは比較にならない程、長く複雑な仕事が要求されます。

このプロジェクトは、そんなジビエレザーに長く携わる兵庫県のタンナー、株式会社オールマイティ様、自身もハンターとして皮革業界に身を置くVARIED様より「国産の猪革」の提供を受けて制作しています。

【ジビエレザーが市場に出回らない理由】

日本では鹿やイノシシなどの野生鳥獣が農作物被害や生活被害を防ぐために多数捕獲されていますが、その多くは活用されずに廃棄されるのが現状です。
農林水産省などの統計によると、捕獲された野生鳥獣のうちイノシシや鹿の捕獲個体のジビエ（食肉利用）率はおよそ5〜10％前後にとどまっており、革の利用となるとさらに少ない数字となり、残りの多くは利用されずにゴミとして廃棄されています。

革として活用される割合が低い背景には、次のような実務的な事情があります。

・野生動物の皮はサイズや傷のばらつきが大きく、革製品としての品質管理が困難。

・食肉処理が優先され、皮の回収や加工ルートが整備されていない。

・ごく少量の流通となる為、鞣し作業を行えるタンナーが限られており、一般の皮革に比べ鞣しのコストが高い。

さらにハンターの高齢化や後継者不足、土地の管理者の高齢化で山林の維持管理がままならなくなっている事も、皮革の確保が難しくなっている要因として挙げられます。

こうした課題があるため、現状は活用率が低い一方で、資源としての活用モデルの構築や、循環型の取り組みがようやく始まっている段階です。

【お手入れ次第では一生もの！？優秀な日本の猪革】

日本国内で連日ニュースになっている害獣問題、日本の革靴メーカーとして「少しでも現在の状況を変えることは出来ないか？」そんな思いからこのプロジェクトは生まれました。

駆除された生き物の革を無駄にせず、ひとつの命を手に取れる「モノ」という形に昇華する。

猟師さんが猪を捕獲し、タンナーさんが革を作り、私たちは靴を作って皆様にお届けする。

これはスニーカーというありふれたプロダクトを通し、里山と都市の暮らしをつなぐ、新しい循環の試みです。

日本では古くから、猪は山の恵みとして人々の暮らしを支えてきました。
猪革はその非常に高い耐久性と引き裂き強度から、古くは鎧や籠手、臑当（すねあて）などの武具や猟具、山仕事の道具など、過酷な環境でも確実に使える実用品として使われてきた革素材です。

私たちは革靴を作る職人として、日々さまざまな革に触れてきました。
素材の良し悪しは、手に取った瞬間だけでなく、使い続けた先でこそ分かるものだと考えています。

猪革をアッパーに使用したサンダルを、実際に2年以上履き続けています。
試験ではなく暑さ、湿気、汗、雨など革にとって厳しい条件も含めて使ってきました。

その結果、現在まで大きな型崩れはなく、構造に影響するような傷も見られません。

猪革は、見た目以上に繊維が締まった革です。
表面だけが強いのではなく、革の芯まで粘りがある。

そのため、足の動きに合わせて柔らかく馴染みながらも不要な伸びは起こさず、形状そのものはきちんと保たれる。

素材は、机の上で選ぶものではありません。
実際に2年以上、過酷な状況で履いたサンダルが、今もなお「大きなダメージがない状態」であること。

それが今回の靴に猪革を採用した一番の理由です。

【猪革の主な特徴】

・強い繊維構造による高い耐久性と引き裂き強度

・軽くて通気性に優れる

・経年で深まる美しい艶

・猪革の特徴でもある三つ点の毛穴

ジビエレザーは大量生産の家畜の革とはまったく違う、“野生の生きた証が宿る素材”でもあります。

また猪と分類学的に近い関係のヨーロッパ野豚の革は「チンギアーレ」と呼ばれる高級な革製品の素材として知られています。
緻密で強靭な繊維を持ち、耐久性が高いのが特徴で、イタリアでは親子2世代にわたって長期間愛用することが出来る「一生もの」として世代を超えて受け継がれています。

【〈ジビエレザー〉を応援購入いただく前に知って頂きたいこと】

今回使用している猪革・熊革は、いずれも野生動物として自然の中で生きてきた個体から作られています。
草木でついた擦り傷、戦闘傷、虫食い痕など──。
飼育下の動物にはない野生ならではの痕跡がそのまま残っている為、製品にも傷などが入ってしまう場合があります。

これらは欠点ではなく自然の中で生きた証であり、ジビエレザーの個性そのものです。

タンナー様でも丁寧な仕上げを行なっていますが、顔料で表面を塗って傷を隠すことはせず、あえて“自然のままの表情”を残すことで同じ部分が二つとない製品として仕上げています。

使うほどに艶が深まり、キズが馴染みながら味わいへと変化し野生の生命力を感じられる唯一無二の皮革素材です。

これらは、大量生産では決して再現できない、ジビエレザー最大の魅力です。

【革のスペシャリストが作る、こだわりの詰まった3つのカラー】

猪革の魅力を最大限に引き出すため、私たちは独自のカラーを開発しました。

〈Fade Black〉

〈Fade Black×White〉(ソールのカラーがホワイトになります)

漆黒からじわりと錆のように褐色へと変化する「茶芯レザー」

使い込むことで、革表面の塗装が剥がれ落ち、茶褐色の下地が顔を出します。

時間がつくる深みを楽しむ黒。

Fade BlackのみソールをBlackかWhiteの２色からお選びいただけます。

〈Umber Brown〉

大地の温もりを感じさせる、しっとりと落ち着いた雰囲気のオイルドレザー。

水や汚れに強く、使い込むことで柔らかくなり、さらに艶を増していきます。

〈Innocencegrain〉

染色を施さず、素材本来の無垢な表情をそのまま活かしたナチュラルカラー。

ブランドの顔にもなっているタンニン鞣しのヌメ革

摩擦や紫外線などで艶を増し、アメ色に変化していきます。

命の純粋さや尊さをそのまま閉じ込めたような色合いです。

野生の猪革には、使い込むほどに味わいを深めていく、独特の美しい経年変化があります。
繊維が非常に緻密で強いため、日常使いで傷みにくく、革本来の表情が長く保たれます。
その丈夫さが、ゆっくりとしたエイジングを可能にし、履く人の生活に寄り添いながら、時間をかけてしなやかな艶をまとっていきます。

また、猪革の高い耐久性は「長く使える」という大きな価値にもつながります。

私たちの商品はスニーカーであっても全ての製品をソール交換可能にしています、またすべての工程を浅草の工場と近辺の職人さんと連携して作っているので、細かいフィッティングの調整や修理などを行うことが出来ます。
「長く使える」事は買い替えの頻度を減らすことができるため、環境への負荷を抑えることにも貢献します。
農作物被害を減らすために駆除され、本来であれば廃棄されてしまうはずだった猪の命を、こうして“資源”として丁寧に活かすことは、環境保全や地域の持続可能な取り組みにも直結しています。

自然の中で生きてきた野生動物ならではの質感や小さな表情の違いは、使うほどに深みを増し、世界にひとつだけの個性へと育っていきます。
履くたびに革が自分の足に馴染み、色艶が増していく過程は、まさに一足の靴とともに「時間を共有する」ような感覚です。

丈夫で、長く履けて、そして環境にもやさしい循環型のプロダクト。
猪革のローファースニーカーは、ただ消費するための靴ではなく、未来の時間までも豊かにしてくれる一足です。

数十年にわたり靴と向き合い続けてきた老舗メーカーが、一足一足に注いでいるのは「履き心地」への徹底したこだわりです。

革の選定から木型の設計、仕上げにいたるまで、長年培ってきた職人の経験と技が凝縮されています。

足を包み込むようなフィット感や歩くたびに返ってくるしなやかな返り、蒸れにくく長時間履いても疲れにくい構造。

そのすべては、履く人の一日を快適にするために追求されてきたもの。

ただ “良い靴” を作るのではなく、“毎日を支える相棒としてふさわしい一足” を届けたい。
そんな想いを胸に、老舗靴メーカーの職人が今日も丁寧に作業を進めています。

アッパーを木型に沿わせる「釣り込み」の工程は全て職人の手作業で行われています。

【専用木型の開発】

靴は木型をもとにして作られるため、履き心地の良し悪しを決める最も重要な役割を果たします。

木型を吟味しなければ、良い靴はあり得ません。

ローファーは紐でフィットを調整できないため、一般的な紐靴よりも木型（ラスト）の精度が履き心地を大きく左右します。
私たちはこのローファーのために、従来の木型よりもわずかにタイトな設計を採用し、甲周り・かかと周りのホールド感を丁寧に見直しました。

日本人の足は、欧米人に比べてかかとが小さい傾向があります。

この特徴に合わせ
・かかとは抜けにくく、包み込むようにフィット

・甲周りをタイトに調整
・つま先や前足部には適度なゆとりを確保
というバランスを細かく調整しています。

「スニーカーの軽さ」と「革靴のフィット感」のちょうど良い中間を目指し、日本人の足に寄り添う、確かな履き心地を実現しました。

スニーカーでありながら、革靴としての確かな存在感を持つ理由は、この素材選びにあります。

【一日履いても快適な一足を目指して】

革と向き合い続けてきた老舗メーカーが、一足一足に注いでいるのは「履き心地」への徹底したこだわりです。

革の選定から木型の設計、仕上げの磨きにいたるまで、長年培ってきた職人の経験と技が凝縮されています。

足を包み込むようなフィット感、歩くたびに返ってくるしなやかな返り、長時間履いても疲れにくい構造——。

そのすべては、履く人の一日を快適にするために追求されてきたもの。

ただ “良い靴” を作るのではなく、“毎日を支える相棒としてふさわしい一足” を届けたい。

そんな想いを胸に、浅草の工場では職人が今日も丁寧に針を進めています。

②トライアングルアングルモカ(三角モカ)は、角度をつけて革を漉き、貼り合わせて縫い上げるモカシンの一種で、革の切込みからの水の侵入を防ぎ、切り返しに美しい立ち上がりを作る伝統的なモカ縫いの一つです。

目立ちすぎず、しかし、確かに手がかかっている。
スニーカーであっても伝統は残していきたい、そんな思いから現在ではあまり見なくなったトライアングルモカを採用しています。

④本モデルに採用しているオパンケ製法は、ソールを“接着だけに頼らない”構造が大きな特長です。

アッパーとソールと縫い留めるため、歩行時に負荷のかかりやすい前足部でもソールがはがれにくい構造になってます。

接着剤は補助的な役割に留め、ミシン縫いによって物理的に固定する事で、ソール交換などの修理が容易に行えます。

高い屈曲性、壊れにくく、そして、直しながら付き合っていける。

「履いた瞬間の軽快さ」だけでなく、数年先まで想像できる作りを想定しています。

⑤“革は呼吸している”という言葉があります。
これは比喩ではなく、革を構成するコラーゲン繊維が非常に高い親水性を持ち、
合成繊維とは比べものにならないほど多くの水分を吸収・放出する性質を表しています。

本製品の裏革とインソールには、東京・墨田区の老舗タンナーが丁寧に仕上げた国産の豚革 を採用しました。
豚革は繊維の密度が高く、通気性と吸湿性に優れ、足裏の汗を素早く吸収してくれます。
長時間履いても蒸れにくく、スニーカーの中を清潔で快適に保つことができます。

スニーカーの軽快さを保ちつつ、内側には本格革靴の快適さを。
この一足が“永く履きたくなるスニーカー”である理由は、見えない部分にまで上質を求めた素材へのこだわりにあります。

⑥踵抜け防止スポンジ

ローファーで最も多い悩みのひとつが、歩行時の踵が脱げやすい事です。

本モデルでは、この問題を軽減するため、かかと内部に薄くスポンジ材を仕込んでいます。

単に厚みを持たせるのではなく、見た目のスマートさを損なわない範囲で必要最小限の分量に調整。

過度な圧迫感はなく、履き込むうちに自然と足に馴染む設計です。

⑧〈donuts hole〉ではブランド設立当初から本格的な革靴に用いられる、厚口の牛ヌメ革（ショルダー）を中底として贅沢に採用しています。
履きこんでいく程に足に馴染み、繊維がしっかりと詰まっているので複数回のリペアに耐える耐久性を持っています。

さらに、歩行時の屈曲性を高めるためにスリットを施し、堅牢でありながら、足の動きに合わせて自然に曲がる“クセ”がつくよう設計しました。

履き始めから柔らかく、履き込むほどに革が沈み込み、足裏に寄り添うように馴染んでいく感覚を味わえます。

使用している牛革は吸湿性に優れ、タンニン鞣しの革に備わる“消臭効果”も期待できると言われています
（※本商品自体では消臭試験は行っておりません）

⑨中物には高級紳士靴にも使われる天然コルクを使用し、こちらも履き込むことで沈み込み、履く人それぞれの足型に合わせて沈み込んでいくため、まさに「自分だけの一足」へと育っていきます。

【作り手からユーザーへこだわりが詰まった一足を】

選び抜かれた素材と伝統的な製法によって、ソールの貼り替えも容易に行える構造となっており、修理を重ねながら長く愛用していただけます。
ただ消費して終わる靴ではなく、時間とともに価値が育つ一足を目指して仕立てました。

【スニーカーを通して考える、未来の残す一足】

一般的な安価な靴は、1〜2年で履き替えられることを前提に作られていると言われています。
接着のみの製法が多くソールが剥がれたり、合成皮革やウレタンソールが加水分解してしまった時点で修理は難しく、そのまま廃棄されてしまうケースがほとんどです。

実際、日本では年間およそ9,000万足以上の靴が廃棄されているとされ、その多くが修理されることなく処分されています。

一足あたりの価格だけを見れば、安く見えるかもしれません。

しかし、直せず、使い切れず、捨てられる靴と直しながら10年付き合える靴。

時間軸で見れば、この靴は「高価」なのではなく、無駄の少ない選択だと私たちは考えています。

害獣駆除された動物の革を使い、国内で作り、修理しながら履き続ける。

このスニーカーは「大量に作って、早く消費する」ものではありません。
一足を大切に使い切るための靴です。

この靴は、今を生きる私たちのためだけのものではなく、次の世代に「ちゃんと考えて作られたものが残っていた」そう思ってもらえるような一足を目指しています。

【安心して応援購入していただくために】

私たちは「自分たちの手でつくった大切な靴」を、安心してお選びいただきたいと考えています。
そのために、サイズ選びの不安や、長く履き続けたいというお客様のお気持ちに寄り添う、三つのお約束をご用意いたしました。

〇サイズ交換について
商品到着後 1週間以内 であれば、無償でサイズ交換 を承ります。
（※往復送料のみご負担いただきます。）

〇アフターケア・修理について
お買い上げいただいた靴の オールソール交換（9,800円・税込）をはじめ、
各種リぺアを 製造メーカーにて責任を持って対応 いたします。

〇適切なフィッティングアドバイス
靴づくりのプロとして、お客様にとって最適なサイズ、履き方をご提案いたします。
私たちは、日本国内で靴を製造するメーカーとして「売って終わり」の製品づくりはしたくありません。
いただいたフィードバックは、すべて次の製品をより良くするための糧とし、確かな品質へと反映してまいります。

【〈靴の街・浅草〉から、誠実なものづくりを】

浅草が“靴の街”と呼ばれるようになったのは、1872年（明治5年）に軍靴工場が設立されたことに始まります。
以来150年間、途切れることなく靴づくりが続いてきた、国内随一の靴産業の集積地です。

大都市の中心にありながら、革・材料・木型・縫製・底付けに至るまで、靴づくりに必要なすべてが揃う地域は、世界的に見ても極めて稀有な存在です。
浅草の靴づくりは長く「分業制」によって支えられてきました。
革屋、材料屋、パタンナー、縫製職人、底付け職人、内職さん、それぞれの工程に特化したプロフェッショナル達が技を受け継ぎ、互いに連携することで、一足の靴に深い品質と温度を宿してきたのです。

しかし近年、安価な海外製品に押され、国内需要の減少、次の世代を育てる余力が失われつつあります。
分業制のどこか一つの工程が途絶えるだけで、靴は “つくれなくなる”非常に危うい繊細なバランスの上に現在の浅草は成り立っています。

かつて1990年頃にピークを迎えた国内生産は、直近20年で 6分の1 にまで縮小しました。
アパレル全体の国産比率も わずか1.5％日本のものづくり産地は今もなお、静かに衰退が続いています。

それでも浅草には、150年の歴史が磨いてきた技術があります。
そして、その技を次世代につなごうとする職人たちの想いがあります。

私たちは、伝統的な靴づくりの産地が未来に残るよう、浅草の技術を守り、育て、継承していく一助となりたいと考えています。

【〈donuts hole〉について】

2020年のコロナ禍より私たち、株式会社ソウムでは靴メーカー発のブランド〈donuts hole〉を立ち上げました。

高品質のレザーを使った履物を多くの方に届けたい、多くの人に履いて頂けるものを提案し、そして浅草の職人の丁寧な仕事を是非知って頂きたいという思いからブランドをスタートしました。

職人さん、靴メーカー、そしてお客様を繋ぐ〈輪〉をこの〈donuts hole〉プロジェクトに込めています。

リターン詳細

カラー展開全4色

〈Fade Black〉

〈Fade Black×white〉

〈Umber Brown〉

〈Innocencegrain〉

全てに猪革を使用

サイズ全4サイズ〈①24.5～25㎝、②25.5～26㎝、③26.5～27㎝、④27.5～28㎝〉

【サイズについて】

本モデルはローファータイプのため、紐靴に比べて足を固定できる範囲が限られる構造です。
その特性を踏まえ、全体のフィット感はやや細めに設計しています。

特に

・かかとが浮きやすい

・歩行時に足が前へ動いてしまう

といったローファー特有の悩みを軽減するため、足に沿う収まりを意識した木型を採用しています。

足の形には個人差があり、甲の高さによっては、履き始めにやや緩く感じる場合があります。

その際は、タンパッド（甲パッド）などでの微調整をおすすめしています。
インソール全体を変えずに調整できるため、フィット感を損なうことなく、安定した履き心地が得られます。

革は履き込むことで徐々に足に馴染んでいくため、最初は「少しタイトかな？」と感じる程度が、長く履くうえではちょうど良いフィット感になります。

【サイズ選びに迷われたら】

サイズ選びに不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

靴作りのプロとして、足の特徴や履き方に合わせたアドバイスをさせていただきます。
「売って終わり」ではなく、安心して履いていただくことまでが、私たちの仕事です。

【追加リターンについて】

【SPECIALORDER　熊革で作る】

数量限定の特別なリターンとしてバリード様よりご提供いただいたヒグマの革でお作りするスペシャルオーダーをお受けしています。

※ローファースニーカー本体のレザーを猪革ではなく、熊革でお作り致します。

※カラーはFadeBlack、　FadeBlack×Whiteのみの展開となります。

【熊革 – 野生が宿る力強さとしなやかさ】

熊革は古来より “武具や革鎧にも使われてきた” とされるほど、強靭な繊維構造と高い耐久性を備えています。
生来のイメージからは想像できないほどしなやかで、使い込むほどに柔らかく、野生動物ならではの深いシワ感や濃淡が唯一無二の表情を生み出します。

しなやかさと厚みを両立した存在感のある素材で、とても脂なじみが良く人の皮脂だけで驚くほどの艶が出てくるのが特徴で、使うほどに「自分だけの表情」に育っていく、特別な一枚革です。

熊は近年、全国的に人里への出没が急増し、農作物被害や人的被害を防ぐために、やむを得ず駆除されるケースが増えています。

本来、こうした個体の多くは廃棄されてしまうのが現状です。
しかし、命を無駄にせず資源として生かすことは、環境保全と地域社会のどちらにも寄与する “より良い循環” を生み出します。

・被害対策として必要な駆除 → 革として活かすことで価値に転換

・地域のハンターにも収益が還元され、持続可能な野生動物管理に貢献

・廃棄物を減らし、自然資源の有効利用につながる

ジビエレザーの活用は、単なる素材選びではなく、「必要な自然管理」と「ものづくり」が結びついたサステナブルな選択肢なのです。

【Option Arrange】サドルパーツを変更できるオプションを追加しています

本モデルでは、標準仕様のサドルパーツに加え、タッセルと馬蹄金具へ変更できるオプションをご用意しました。

ローファーの印象を大きく左右するサドル部分。
パーツを変えることで、同じ靴でも表情は大きく変わります。

馬蹄型の金具は、クラシックでありながら、足元にさりげない存在感を与えます。

革の表情を引き締め、ビジネスカジュアルやジャケットスタイルとも好相性。
金属パーツならではの落ち着いた艶が、全体の印象を端正にまとめてくれます。

タッセルは、程よく力の抜けた上品さが特長です。
足元に動きが生まれ、カジュアルにも綺麗めにも馴染むバランスに仕上がります。

ローファーらしい伝統を感じさせながらも、堅くなりすぎない。
日常使いしやすい仕様です。

スケジュール

12月29日 プロジェクトスタート

1月30日 プロジェクト終了

2月1日初旬 材料手配、作業開始

5月下旬頃 発送開始　(熊革のオーダーは6月の発送を目安にしています)

リターンについて

Q１

サイズが合わなかった場合や商品に不備があった場合、交換は可能ですか？

A１

製品の到着後７日以内、以下の場合に限り１度にだけ返品交換を受付します。

◯サイズが合わなかった場合
◯万が一製品に欠陥等が見つかった場合

(ただし屋外でご使用になられていない状態の物、お客様のご使用による柔軟剤の匂いやキズ、シミ、汚れ等が見られた場合、交換をお断りする場合がございます)

本製品には、害獣駆除された野生動物の革（ジビエレザー）を使用しています。
その特性上、天然のキズ、シワ、色ムラ、虫食い跡などが見られる場合があります。

これらの部位はなるべく避けるように制作しておりますが、やむを得ず入ってしまう場合がございます。

本製品においては、これらは不良ではなく、自然の中で生きた証であり、素材の個性として捉え、製造販売をしております。

革の表情やキズを理由とした返品・交換はお受けできません。
あらかじめご理解のうえ、ご支援をお願いいたします。

サイズ交換や不備による交換方法は、メッセージもしくは下記メールアドレスまで、ご希望のサイズ、カラー、ご返送先をご連絡の上、恐れ入りますが元払いにて以下の住所までお送りください。

１１１－００２５
東京都台東区東浅草２－２６－８
株式会社ソウム ３Ｆ donuts hole事業部
donutsholeshoes@gmail.com
TEL 03-3875-3649(平日10時～１８時)

その他お気づきの点が御座いましたらお知らせください。

Q２
サイズはどう選べば良いですか？

A２

本モデルは、快適に履いていただくため、足の実寸（足長）を基準にしたサイズ選びをおすすめしています。

■ 足長の測り方

直立した状態で、床に置いた定規やメジャーの上に足を乗せてください。

かかとの一番後ろから、つま先の最も長い部分までを測り、この数値を「足長」とします

■ サイズの目安

測っていただいた足長の実寸に、0〜最大5mmを足した数値を、靴のサイズとしてお選びください。

本モデルのウィズ（足幅）は E を基準としています。
ローファータイプのため、全体のフィット感はややタイトな設計です。

■ 万が一サイズが合わなかった場合

足の形には個人差があり、甲の高さによっては、履き始めにやや緩く感じる場合があります。

その際は、タンパッド（甲パッド）による微調整をおすすめしています。
甲部分にパッドを入れることで、フィット感を損なうことなく、安定した履き心地に調整できます。

商品到着後、サイズが合わなかった場合も１度のみ交換が可能です(詳しくはQ1を参考にしてください)

〇Makuake開催期間中に浅草の弊社工場にてフィッティングイベントを開催しております。

ご希望の方はdonutsholeshoes@gmail.com又はTEL 03-3875-3649までご連絡ください。

〈開催日程〉

Makuake開催期間中の土日祝日を除く平日10時より17時まで(事前にサイズをご連絡ください)

Q３

お手入れ方法を教えてください。

A３

◯天然皮革の特性上、色落ちする場合がございます
◯カビや表面のヒビ割れ等の原因になりますので、高温多湿の環境を避けて風通しの良い場所で保管してください
◯汚れがついてしまった場合は靴用ブラシで汚れを払い落としてください、汚れがひどい場合は濡れ布巾などで拭き取って自然乾燥させてください
◯水に濡れた場合、なるべく早く拭き取り自然乾燥させてください
◯型崩れ防止の効果のあるシューキーパーや防水スプレーなどのご使用もお勧めします

Q４

ソール交換はどのように頼めますか？

A４

弊社にて有料(9800円)で承ります。

メッセージもしくは下記連絡先までご連絡の上、元払いにてお送りください。

１１１－００２５
東京都台東区東浅草２－２６－８
株式会社ソウム ３Ｆ donuts hole事業部
donutsholeshoes@gmail.com
TEL 03-3875-3649(平日９時～１８時)

Q５

商品はどのように届きますか？

A５

第一貨物様もしくはエコ配様にて発送予定です。

〈実行者紹介〉

株式会社 ソウム

〈弊社木型室にてクリストフ・ルメール氏と〉

私たちはこれまで、プレステージ性の高い著名なデザイナーのシューズの製造を数多く手掛けて来ました、クリエイターの世界観、素材へのこだわりといったモードを正確に理解するセンス、そしてそのクリエイティブを再現するテクノロジーで、多くのデザイナーから高い信頼を獲得しています。