弊社は創業から40年以上日本製の鞄の企画生産に取り組んできました。鞄と言えば「豊岡」ご存知の方も多いと思います。弊社も前回は豊岡製鞄のプロジェクトを立ち上げました。しかし今回はオリンピック開催も決定した「東京」にスポットをあてた企画を立ち上げました。

色々なスタイルに合わせて頂けます。エレガントなので女性の方でも使って頂けます。

今回のキーワードは2つ「東京製・美しさ」です。実は東京にも腕の良い鞄職人の工場が下町を中心に点在しています。その江戸職人の作る鞄に佇まいの美しさを加えた製品を企画しました。

サイズは小サイズ(上段）大サイズ(下段）の2サイズです。色は左からブラック・ネイビー・オレンジの3色です。

【小サイズ】

小サイズの重量は約780ｇです。ハンドルの高さ調節が可能(４段階)で、それぞれ23cm・20cm・16cm・13cmです。

小サイズの内装は、オープンポケット×4・ファスナーポケット×1です。大型ファイル(25×31×3cm）やドキュメントケース(26×34×2cm)も入ります。鞄の外側はオープンポット×2です。　

小サイズ≪ブラック≫使用イメージです。真ん中と右側の画像はハンドルを一番長く伸ばした状態です。

【大サイズ】

大サイズの重量は約900ｇです。ハンドルの高さ調節が可能(4段階)で、それぞれ26cm・23cm・20cm・16cmです。

大サイズの内装も同じく、オープンポケット×4・ファスナーポケット×1です。大型ファイル(25×31×3cm）やドキュメントケース(26×34×2cm）のほかに、水筒やちょっとしたポーチも入れられる大容量です。鞄の外側はオープンポケット×2です。小サイズも大サイズもファスナーポケットの中は撥水性の高い生地を使っています。

大サイズ≪オレンジ≫使用イメージです。真ん中と右側の画像はハンドルを一番長く伸ばした状態です。

こんな感じで肩にかけることも可能です。

まず美しさについてご説明いたします。鞄が美しく見える・見えないで重要なポイントの1つに素材の良さがあります。今回はメイン素材にリモンタ社のナイロンで【デービス】を使用しました。リモンタ社はイタリアで1893年に創業開始した歴史ある繊維メーカーです。リモンタ社が一躍名をはせたのは1970年代にイタリアの高級バックメーカーで素材として採用された事がきっかけでした。薄くて軽量、丈夫で防水性も併せ持ちその光沢はまるでシルクの様であると評されています。

【デービス】

リモンタ社の主力商品。高密度で水が染み込みづらくハリも素晴らしい。鞄のメイン生地に最適で、特に発色の美しさは圧倒的です。

早速ですが鞄の生産工程に話をうつしていきます。鞄は部品別に仕立てられ最後に縫製職人のもとに集まり組み立てられます。まず生地の裁断から始まります。裁断職人のもとに生地が運びこまれ、縫製職人さんが起こした型紙をもとに裁断を始めます。

これが型紙で全ての工程がこれを元に進んでいきます。どのようにしたら鞄の形が美しく見えるか長年の経験が物を云う作業です。これを間違えるとおかしな形の鞄になり美しく見えません。

上記画像で一番左が裁断機の全体図です。画像の左側に立ち生地をカットしていきます。生地をセットすると(一番右の画像)赤い矢印の方向に刃が下りてくる仕組みです。昔は包丁でこの作業をしていたそうです。

上記画像の一番左が裁断機でカットした状態です。カットした生地を「バンドナイフ」という機械で更に細かくカットしていきます。矢印の方向に時計回りで細い巨大な刃が回っています。曲線部分も全て職人さんの感覚でカットしていきます(作業のスピードと断面の美しさは衝撃です）。一番右の画像の状態で縫製工場に運び込まれます。

次は革の裁断です。この鞄の特徴でもあるのですが牛革を贅沢に使用しています。これもポイントで牛革を使うことにより美しさ、更に使い込んだときの味わいが合皮とはまったく違ったものになります。

これは革をカットする前の状態です(色はブラックです）。この革をカットしてそれぞれの部品の形にしていきます。

上記の画像は鞄底部分の革をカットする作業です。革はナイロンと違い金型を作って上からクリッカーという機械で圧力をかけ一枚一枚抜いていきます。

型から抜くとこんな感じです。

傷の部分をよけたり1個々のパーツが大きく、取り都合悪く革が残ります。もちろんこれは別の企画で使用しますので捨てるような事はしません。しかしそれだけ贅沢に牛革を使用しています。出来上がった部品が縫製工場に持ち込まれます。

いよいよ鞄の形が生まれる縫製に取り掛かります。

まず革に底鋲を打ち、鞄の表面と裏面の間に縫い合わせます。

※②革を重ねてミシンをかける部分だけ革をすいて薄くします(これによって底面の強度を上げています。革を重ねて縫製をかける工場は少ないです）。

表面と裏面を縫い合わせたら裏側にスポンジを縫い合わせ縫製をかけます。そして鞄の表と裏面を中から引っ張りだします。

あらかじめ作っておいた内装を広げて鞄の中に収め、腕ミシンで仮縫いをして更にその上から縁の部分に革を縫いこみ鞄本体は完成です。

この工場ではハンドルにも工夫をしています。日本でも数少ない革磨きの機械です。これで革の角を落とし、側面を丸く仕上げることにより美しく握り易いハンドルになります(この機械の刃にはダイヤモンドが使用されています）。生地の裁断・革の裁断・縫製全て都内の工場で行われています。建物の外見は普通の民家なので見つけることは難しいのですが、実は東京にも腕の良い職人さんがいて長年の経験と確かな技術で日々鞄を作っているのです。

私達「山一インターナショナル株式会社」は昭和50年の創業以来、ジャパンメイドの製品にこだわり物づくりをしてきました。高額なブランド品とは違い、使い易さ値段にもこだわっています。今回は「東京での物づくり」を知って頂きたくプロジェクトを立ち上げました。最後まで読んでいただきありがとうございました。