「日本の伝統的な装いを現代版に。」

「日本の伝統的な装いを現代版に。」こんな風に思うようになった原点は、製品（日用品）を製作する際にそのロゴやパッケージに自分自身がローマ字をずっと使っていたからでした。日本人向けの日本の製品なのになんでローマ字を使っているのかよくわからなくなって、でも日本語のフォントを使ってみると、なんか古臭いというかダサいというか。

毎回作るたびに、そんなジレンマを抱えてきましたが、街を歩いてみると人の服装にも同じような状況が起こっていることに気付いたんです。「服装としてのスーツ、ローマ字の入ったＴシャツ、日本企業のブランドなのにローマ字を使用している、等々・・・」いや、これ自体はまあ別にいいとは思いますが、でももっと日本人が現代まで築いてきた日本の文化、日本の服装、日本語等もう少し大事にしてもいいかなって思いました。

だから、一旦他国の文化から少し距離を置いた製品を私たちは作っていこうと考えたのです。そんな原点の話でしたが、今回もその思いを胸に開発してきました。ちゃんと「日本流でも大丈夫。」というところをアパレル製品で表現していこうと思います。

今回チャレンジするプロジェクトは、和紙１００％（表生地）で作る、“陣羽織”をイメージした和紙ダウンベスト「ジン羽織」。日本の伝統を大切に。だけど、ちゃんと現代感のあるダウンベストです。

私たちが長く扱ってきた「和紙１００％の生地（織）」。それに「国産再生羽毛（ダウン）」をかけ合わせて作った日本流のダウンベストを今回皆さんにご提案致します。※和紙の生地は水には溶けません。

今まで和紙100％の生地を使った和風×普段着にこだわってきました。

2022年にはじめてMAKUAKEにてプロジェクトを始めてから、全て和紙100％の生地（織物、ニット）を使った和風のアイテムにこだわり、現在進行中のものを含め５回のプロジェクトを行ってきました。ニッチなアイテムにも関わらず、多くの方に共感をいただき嬉しく思います。

陣羽織からインスピレーションを受けた、新和風ダウンベスト。

時は戦国時代より。実用性とお洒落を兼ねて当時戦場で羽織られていた「陣羽織」。そんな陣羽織を現代版にアレンジしました。その名も「ジン羽織」。いや、そのまんまなんですが、アイテム自体にその名前が入っているわけでもなく、他のアイテムと区別のつきやすいようにそう名付けました。

デザイン性、着心地、躍動感、そのどれもが秀逸。

ちゃんと伝統的な和風の風貌を醸しながら、でも現代に通用するデザイン性、着心地、躍動感、そのどれもが秀逸なダウンベストが完成しました。

そして、大事なのが”行き過ぎない”和感。

現代の服装と伝統的な服装のギリギリの、ちょうどいい部分に落とし込んでいます。コスプレや作業着の様には見えないように細心の注意をして作り込みました。

男女問わず毎日着回ししたいダウンベスト。

しかも、このデザインなら女性にもぜひ着て欲しい。ファスナーを開けても閉じてもサマになるし、長めで末広がりに広がる丈のおかげで背面から見てもかなり美しい。男女問わず毎日着回ししたい和風のダウンベストが完成しました。

デザインの特徴

１．太目の衿（縦）デザイン

和装の大きな特徴である首元から裾まで続く太めの衿を配置し、その衿部の内部にもダウンを贅沢に入れています。そのため衿がふっくらとし存在感のある仕上がりに。

２．裾部に向かって末広がりに広がる長めの丈

胸部から、ウエスト部、裾部に向かって末広がりに広がっていく仕様。

一般的なダウンベストに比べ、丈はかなり長く、独特で優雅な雰囲気。※左：ジン羽織（M～Ｌサイズ）右：他社ダウンベスト（Ｌサイズ）

３．存在感のある背部のスリット

着用したまま腰を掛けられるように背面に長めのスリットを入れています。歩行時にはスリットがひらひらと存在感のある動きを演出します。

４．高貴感のある高めの立襟

首元を温める上部の立襟は高めの仕様にしています。もちろん内部にダウンも入っているので、高い保温効果に加え、高貴感が生まれました。

５．和風な質感の和紙100％の表地

ダウン製品といえば表地にナイロンやポリエステルを使用することがほとんどですが、表生地に和紙100％の生地を使用することで、凛とした和風な印象を高めました。今まで着てきたダウン製品とは質感が全く異なります。そして、一見和風デザインとはわからない高いデザイン性。

「普段着にとにかく馴染みます。」

和紙100％生地×国産リサイクルダウン

●特別な加工を施した和紙100％の生地（織）を使用

少しシャリシャリして、光沢があり、そして頑丈で、軽やか。「和紙100％」の生地はかなり和の風合いの強い生地で「和」感を出すのにピッタリです。加えて、和紙混合生地（和紙生地を使ったアパレル製品によく使われる、綿やポリエステル等を混ぜた生地）とは違い、「和紙100％」はより独特な質感を持っています。しかし、反面、そのまま使用すると生地が硬すぎる問題があります。そこで、特別な加工（ノンケミカル）を別注で施し、生地をふんわり柔らかくさせました。

加工により生地が柔らかくなったおかげで、着用感が軽やかになったのに加え、立襟が首に直接触れてもふんわり優しい当たりになりました。和紙100％の和の質感と、ふんわり柔らかい着用感をぜひお試しください。

そして、和紙100％の生地は自然から生まれているのでその全てを土に還すことができる地球環境にとっても優しいエコロジーな生地です。

●ダウン専門会社が手がける日本製の「リサイクルダウン（羽毛）」を使用

動物愛護・環境保全の観点から新たに動物（鳥）を傷つけることのない、ダウン専門会社が作る高品質な“日本製”の「リサイクルダウン」を使用しました。

※左がダウン、右がフェザー

日本の厳しい洗浄基準を大幅にクリアし高い清潔さを持つ高品質な羽毛（ダウン80％、フェザー20％相当　※組成分析データではダウン率87％）を贅沢に使用しています。

ダウンの比率が高いので保温性も高くとても暖かいです。また、フェザーに含まれる固い芯も極力少なくなるよう選別されているので、軽くてふんわり柔らかなダウンです。

ダウン製品は縫製の隙間等からダウンが出てきてしまうことがありますが、当製品では先ほどの羽毛を「ダウンパック」と呼ばれる薄い生地で包むことにより羽毛が外に出づらくなり、永くお使いいただけるようになっています。

「和紙100％×リサイクルダウンの特別感。 」

使用感的にも機能的にも本当にいい組み合わせなので、是非試していただきたいです。

細かい仕様について

●ファスナーの位置に関して

ファスナー開閉の際、先端に手が届きやすいように、ファスナーのエンドの位置を裾から上に離れた位置に配置しています。

●表ポケットに関して

寒い季節にはポケットに手を入れて使うことが多いため、ポケットの大きさ・手の入れやすい位置にこだわりました。個人差はあると思いますが、着用テストでは男性女性問わずポケットへの手の収まり感が良好でした。

●裏ポケ付き

左側の裏地には適度な大きさの裏ポケット付き。

●和紙100％生地の弱点を克服

和紙100％の生地（織）はその性質上シワが寄りやすいのですが、中のダウンにより生地が常に膨らんでいることでシワが目立ちにくくなりました。

●立襟の部分にもひと工夫

高めに立つ立襟ですが、その高さゆえ中のダウンが下に落ちて襟がヨレてしまう問題がありましたが、襟の裏側にステッチを入れてダウンが落ちないように工夫することによってその問題を解決しています。

羽毛専門会社で製品を製作

今回、羽毛のことを知り尽くした羽毛専門会社「日本羽毛製造株式会社」さんにご協力いただき、羽毛の手配や生地の裁断～縫製までを一貫してお願いしております。日本羽毛製造さんの製品は有名な代官山のあのショップや新宿三丁目のデパートで取り扱うダウン製品にも採用されているそうです。日本羽毛製造さんにはじめて声を掛けさせていただいてから、もう1年以上は経ちます。その間、試作も数多く行ってきました。

試着のたびに遠くまで足を運んだ甲斐もあり、やっと試作品を完成させることができました。そんな、ご協力いただいている日本羽毛製造さんとも撮影をしてみました。

（174cm 普通年齢体形 M～Ｌサイズ着用）

Ｔシャツの上にジャケット、その上に本品を羽織っています。少し肌寒い日に一枚あるだけで大活躍です。

（156cm Ｓ～Ｍサイズ着用）

このようなロング丈の格好に合わせるのはとても相性がいいですね。羽織っていてとっても楽ちんな印象を受けます。

（左：162cm Ｓ～Ｍサイズ着用）（右：177cm M～Ｌサイズ着用）

男女共にシャツにもとっても似合います。右側の男性の体型がしっかりしているので、好みによりギリギリひとつ上のサイズでもいいかもしれません。

（左：155cm Ｓ～Ｍサイズ着用）（右：162㎝ Ｍ～Ｌサイズ着用）

サンプルが各サイズ１つしかないので、左側の女性にＳ～Ｍサイズ（ユニセックスサイズ）、右側の女性にＭ～Ｌサイズ（メンズサイズ）を着てもらいました。ユニセックスサイズは「Ｓ～Ｍサイズのみ」なので、女性がM～Ｌサイズを着用すると肩幅が若干広すぎるかなといった感じです。まあでも変ではないかなあ。

「とにかく男女年齢関係なくお洒落に着こなせる逸品です♪」

サイズチェック

●男女共に使えるユニセックスデザイン

今回「Ｓ～Ｍ」「Ｍ～Ｌ」「Ｌ～ＬＬ」の３サイズを用意。「Ｓ～Ｍ」に関してはユニセックスデザインとして、絶妙に肩幅の広がりを抑えております。もちろん、メンズでも問題なく着用できます。

・モデルＡ：167ｃｍ　体重70ｋｇ（ガッチリ体型）　Ｍ～Ｌサイズ着用

・モデルＢ：身長177cm 体重75kg（普通年齢体型）　Ｍ～Ｌサイズ着用

・モデルＢ：164ｃｍ（スリム体型）　S～Ｍサイズ着用

●適応サイズ目安（男性）

・「～170cm」標準体型

　➡Ｓ～Ｍサイズ

・「～170cm」体重有り

　➡Ｍ～Ｌサイズ

・「170cm～180cm」標準体型

　➡Ｍ～Ｌサイズ

・「170cm～180cm」体重有り

　➡Ｌ～ＬＬサイズ

・「180cm～」

　➡Ｌ～ＬＬサイズ

※どのサイズに当てはまるか心配な方はご相談いただければお答えします。

●適応サイズ目安（女性）

・150㎝程度～170㎝程度

　➡Ｓ～Ｍサイズ

※他サイズでも着れないことはないですが、肩幅が若干広いのでやめた方がいい気がします。一度、ご相談ください。

●老若男女誰でも着てください。

特徴のあるデザインのはずなのに、とにかくシンプル。普段着になじんでしまうので、誰でも、どのような場面でも使えます。前のファスナーを閉じて使えば、スポーティーな印象さえあります。

仕様

・品質表示

表地：分類外繊維（和紙） １００％

裏地：ポリエステル １００％

詰物：国内リサイクルダウン（ダウン８０％ フェザー ２０％相当※組成分析データではダウン率87％）

カラー：黒

【Ｓ～Ｍサイズ】 着丈：73cm 身幅：51.5cm 肩幅：39cm

【Ｍ～Ｌサイズ】 着丈：77cm 身幅：53.5cm 肩幅：44cm

【Ｌ～LLサイズ】 着丈：81cm 身幅：55cm 肩幅：46cm

Q＆A

●どれくらいの暖かさですか？

ダウン80％、フェザー20％（組成分析データではダウン率87％）の比率なので、かなり暖かいです。秋、春は長袖のＴシャツ、シャツ等の上に、冬はトレーナーやセーターの上に羽織れば快適です。

●洗濯はどうすればいいですか？

クリーニング店でのクリーニングを推奨しますが、それ以外の方法では手洗いを推奨し、陰干しで乾燥後、中の羽毛が偏らないように軽く叩いて均等に伸ばしてください。また、水に濡れても和紙の生地は溶けません。

●羽毛は外に出てきますか？

ダウンパックという薄い生地に羽毛が包まれているので、基本的には羽毛は外に出てきません。まれに外に出ることはありますが、無理に引っ張ったりしないようにしてください。

●インナーダウンとして使えますか？

特に問題ないですが、丈が長いので本製品の上に羽織るものも丈が長ければ見た目には良さそうですね。

ブランド名に関して

今まで当社で製作するアイテムは男性用、女性用とブランド名を分けていましたが、今回は男女兼用のアイテムのため、新たにブランドを作りそれを使用することにしました。ブランド名は「ひときわ」。ひときわ目立つ、良い品を。という願いが込められています。意地でも日本語を使います。笑

最後にひとこと

上半身を動かしやすいダウンベストが好きで元々よく着ていますが、昨今の暖冬により自分にとってより身近なアイテムになっています。そんなよく着ているダウンベストを今回和紙の生地で作れたのでとっても嬉しく思います。今まで開発してきたアイテム以上に普段着に馴染むので「和」の格好に興味のない人にもおすすめできるアイテムだと思います。丈の長めのダウンベストもほとんど見かけないし、ほんのり目立つ太い衿がアクセントになっていいんですよ。そして丈が長いことで女性にも本当によく似合います。和紙の生地はとても丈夫なので永く着用していただけると思います。おすすめは、長袖Ｔ、トレーナーやダボっとトレーナー、フード付きのパーカー。綺麗目に着るならニットセーター、ハイネックセーターもいいですね。フロントのボタンを留めたシャツなんかも似合いますね。お仕事用でしたらジャケットやスーツの上にもどうでしょうか。丈が長いので似合います。まさに万能です。アレンジはいくらでもききそうなので、それぞれ個人個人で試していただけると嬉しいです。それでは、今回も宜しくお願いします。