隠岐の島の菜種油について

影山製油所は、島根県出雲市で創業から70年以上にわたり、薬剤を使わずに菜種を搾る「伝統の圧搾製法」を守り続けてきた老舗製油所です。契約農家と連携し、国産菜種にこだわった油づくりを行ってきました。

現在、日本国内で流通している菜種油の約99％は海外由来で、その多くが遺伝子組換え品種です。影山製油所は、「日本でたった1％（未満）」しか存在しない純国産菜種の生産と継承に取り組む数少ない製油所のひとつとして、その価値を次世代に残す努力を重ねています。

そして今回、新たな産地として選んだのが、ユネスコ世界ジオパークにも認定された自然豊かな離島・隠岐の島です。四方を海に囲まれた環境は、他品種との交雑を防ぐのに最適で、純粋な国産菜種を育てる理想的な場所でした。

現地農家・勝部さんとの出会いをきっかけに、影山製油所は隠岐の島での試験栽培に挑戦。初年度から高品質な菜種が育ち、今回初めて「隠岐の島産・純国産菜種油」として商品化することができました。

商品の特徴

特徴①：純国産菜種の厳密な管理

影山製油所は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構（農研機構）から、国産の無エルシン酸菜種品種「ななしきぶ」「キラリボシ」の育成者権の通常利用権を受諾して、菜種の原種を隔離ほ場で栽培しています。この原種を自社で管理し、種まきから製油まで約4年をかけて丁寧に生産しています。

さらに、他品種との交雑を防ぐために、ネットハウスでの隔離栽培を徹底。品種の純粋性を守りながら、安心・安全な国産菜種油の礎を築いています。

特徴②：隠岐の島という理想の環境

影山製油所が新たな栽培地として注目したのが、島根県沖の日本海に浮かぶ隠岐の島。

古くから神話や歴史の舞台となり、豊かな自然とともに人々の暮らしが営まれてきたこの島は、四方を海に囲まれた“自然の隔離環境”という独自の地理的特性を持っています。

【栽培農家】

この地での栽培を託したのは、地元で農業に励む勝部さん。「地域の資源を活かし、次世代につなげたい」——その強い想いで菜種の栽培に挑戦してくださいました。

潮風や気温変化、地形など、予想以上に過酷な条件の中で試験栽培を重ね、丁寧に育て上げた菜種は、粒ぞろいがよく、香り豊かで、私たちの想像を超える仕上がりとなりました。

この菜種を、影山製油所の伝統技術でじっくり搾ることで、風味・品質ともに妥協のない、まさに“島と人の挑戦の結晶”と呼べる一本の油が誕生しました。勝部さんの菜種が、影山製油所の伝統技術と出会い、いま特別な菜種油となって食卓に届きます。

特徴③：老舗製油所による伝統の圧搾製法

影山製油所は創業以来、松の薪で菜種を焙煎し、化学薬品（抽出溶剤ヘキサン、脱酸用苛性ソーダ等）を一切使わずに、圧搾機で丁寧に搾る伝統的な「圧搾製法」にこだわっています。

この伝統製法により、ビタミンEなどの栄養素や、菜種本来の香り・風味を損なわずに仕上げることができます。酸化しにくく、使い終わった油に「差し油」して繰り返し使えるのも大きな特長です。

おすすめの使い方・レシピ例

ビタミンEを多く含み、酸化しにくいこの菜種油は、揚げ物や炒め物も軽やかに仕上がり、毎日の料理に頼れる存在 ―それが影山製油所の菜種油です。

天ぷらやフライに：カラッと揚がって軽やか。素材の味を引き立て、後味もすっきりしています。年齢を問わず安心して召し上がっていただけます。

炒め物に：野菜炒めや肉料理など、加熱しても香ばしさが残るのが特徴。香りが立ちすぎず、素材を引き立てます。

サラダや冷奴にそのままかけて：菜種本来の香ばしさとやさしい甘みが味わえます。シンプルな一皿が豊かな風味に。

※酸化しにくいので、揚げ油の「差し油」として使えば、油が長持ちして無駄がなく、経済的です。

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@kageyama_seiyusho

開発ストーリー

影山製油所では、これまで出雲の地で国産菜種にこだわり、伝統製法での油づくりを続けてきました。

しかし、近年は気候や環境の変化、栽培農家の高齢化などにより、純国産菜種の安定的な確保が難しくなっています。「このままでは、“安心できる油”を次の世代に残せないのではないか」──そんな危機感が、私たちを次の一歩へと駆り立てました。

そこで新たな栽培地として選んだのが、海に囲まれた島、隠岐の島。交雑リスクが少なく、自然環境にも恵まれたこの地で、地域農家の勝部さんと出会い、試験栽培がスタートしました。

潮風、寒暖差、地形…決して楽な条件ではありませんでしたが、勝部さんの丁寧な手入れと、菜種への深い愛情により、粒ぞろいの高品質な菜種が実りました。

その菜種を、影山製油所が伝統製法でじっくり搾った結果、香り高く、力強く、それでいてやさしい味わいの“新しい菜種油”が誕生しました。

＜勝部さんコメント＞

はじめて菜種づくりに挑戦したのは、「隠岐の自然を"未来につなぐ"仕事がしたい」という想いからでした。

他品種との交雑を防げる島の環境は、実は“純国産菜種”にとって理想的です。

影山製油所さんとのご縁で、離島からでも全国に誇れるものをつくることができると確信しました。島の空気や水、育てる人の気持ちごと詰まったこの油が、誰かの暮らしをほんの少し豊かにしてくれたら嬉しいです。

勝部さんフェイスブック

【製造の様子】

隠岐の島で大切に育てられた菜種は、影山製油所に運ばれ、丁寧な手仕事と伝統製法によって油へと生まれ変わります。

松の薪をくべてやさしく焙煎した後、香ばしさを残しながらふるいにかけ、職人の目で品質を見極めてから、圧搾機でじっくりと搾油。化学薬品（抽出溶剤ヘキサン、脱酸用苛性ソーダ等）を一切使わず、自然の力と技で仕上げる"圧搾しぼり"です。

仕上がった油は1本1本、手作業で丁寧に瓶詰めされ、皆さまの食卓へと届けられます。

【産学連携パッケージ】

本プロジェクトのパッケージデザインは、常葉大学の学生の皆さんとともに制作しました。彼らが着目したのは、「日本で1%未満しかない純国産菜種油」という希少性だけではなく、隠岐の島という土地そのものが持つ、静けさと力強さをあわせ持った魅力でした。

今回、パッケージのモチーフとなったのは、隠岐の島の象徴とも言える「ローソク島」です。

夕陽が岩の先端に重なるその瞬間、まるでローソクに火が灯ったように見える —— そんな幻想的な光景からインスピレーションを受けて、ローソクの火を菜種油の雫として自然の恵みを表現しました。四方を海に囲まれた環境、潮風と寒暖差が育む菜種、そしてそれを支える人々の想い。それらすべてを一滴の菜種油に込めるような気持ちで、自然と伝統が共存する表現を探りました。

ローソク島の灯りを模した油のしずく、墨で描かれた岩肌、和紙調の風合いが調和し、静けさの中に、島の物語がそっと息づくような佇まいが完成しました。

若い感性が描き出した「隠岐の空気」が、ラベルの中にやさしく宿っています。

ぜひ、島の風景とともに、この菜種油をお楽しみください。

商品の詳細

・商品名：隠岐の島の菜種油（純国産）

・内容量：230g

・原材料：国産菜種（島根県隠岐郡隠岐の島町で栽培）

・特定原材料8品目：なし

・製造国：日本（島根県出雲市）

・賞味期限：製造より約1年半

・保存方法：常温、暗所で保存してください。

スケジュール

・商品の発送はMakuake終了後、順次発送いたします。

・9月末頃までに皆様の元にお届けいたします。

※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。

※本文中に記載させていただいたスケジュールは、あくまでプロジェクト公開時点の予定です。応援購入の性質上、配送遅延のおそれがございます。

リターンについて

＜内容＞

隠岐の島で育った純国産菜種を、影山製油所が昔ながらの圧搾製法で搾った香り高い菜種油を1個お届けします。調理油としてはもちろん、そのままかけてもおいしく味わえる、やさしい風味が特長です。

・内容量：230ml×1個
・賞味期限：製造から約1年半

＜内容＞

ご家庭用にもちょうど良い、便利な3個セット。

毎日の料理に使いやすく、揚げ物も後味すっきり。

贈り物にもおすすめです。

・内容量：230g×3個
・賞味期限：製造から約1年半

＜内容＞

料理好きの方や、ギフト用途が多い方に最適な5個セット。
差し油としての使い回しや保存用にも便利で、毎日使っても飽きのこない風味が魅力です。

・内容量：230g×5個
・賞味期限：製造から約1年半

＜内容＞
影山製油所の菜種油シリーズを詰め合わせた、ギフトにも最適な特別BOXです。
隠岐の島産の菜種を使った今プロジェクトの新商品に加え、影山製油所のこだわりが詰まった出雲の菜種油を詰め込みました。

・内容量：隠岐の島の菜種油（230g）×1個、出雲の菜種油（460g）×2本
・賞味期限：製造から約1年半
・箱入り・ギフト仕様

実行者紹介

影山製油所（島根県出雲市）は、創業70年を超える老舗製油所です。

化学薬品（抽出溶剤ヘキサン、脱酸用苛性ソーダ等）を一切使わず「伝統的な圧搾製法」にこだわり続けています。

これからも、「日本で1％しかない純国産菜種油を未来に届けるために」。

新たな産地づくり、そして次世代農業への挑戦を続けてまいります。

近年、隠岐の島では少子高齢化が進み、コロナ禍も重なって、人の往来が減り、どこか寂しい空気が漂いはじめています。

そんな折、出雲で開催された菜の花祭りで、勝部さんと出会いました。

「なんとか隠岐の島でも菜種を栽培できないだろうか。」その一言が、この新しい挑戦の始まりでした。

それから何度も電話を重ね、菜種栽培や菜種油について語り合いました。

離島での菜種栽培は前例がなく、輸送費などの課題も山積みでした。けれど、勝部さんの熱意に心を動かされ、2ヘクタールの畑で挑戦を決意しました。

栽培方法は事前にしっかりと打ち合わせを重ね、各作業は出雲の生産者のもとで直接学んでもらいました。

秋には堆肥を撒き、溝を掘り、丁寧に畑を整備。そして、播種機でひと粒ひと粒、菜種の種をまいていきました。冬を越え、春が訪れると、畑一面に黄色い菜の花が咲き誇りました。

6月にはコンバインで収穫し、乾燥調製を経て、8月に無事、弊社へと搬入されました。

2年目となる昨秋も種まきを行い、この春も菜の花は1か月にわたり美しく咲き続けました。

収穫した菜種は、常葉大学の学生さんがデザインした新しいラベルを貼り、「隠岐の島の菜種油」として、いよいよ新たに発売いたします。

これからは、春になれば菜の花畑を目当てに多くの方が隠岐の島を訪れ、そのお土産としてもこの菜種油を手に取っていただける。そんな未来を描いて、私たちはこの取り組みを進めてまいりました。

このプロジェクトが、隠岐の島の活性化、そして地域振興の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

今回の挑戦は、地域と未来をつなぐ、確かな一歩。

ぜひ一緒に、この菜種油の物語を育ててください。

皆さまの温かい応援を、心よりお願い申し上げます。