高齢者の認知機能の維持向上を目的とした商品としては「脳トレ」や「塗り絵」が一般的です。しかし中には文字を書くことに自信がなかったり、興味がわかず集中が持続しない方もおられます。さらには生活全般の意欲低下から、日中ウトウトしてメリハリの少ない生活を送られる方も多いと考えられます。

そこで手軽に楽しめる作業として高齢者用のジグソーパズルを作成しました。絵柄は「昭和の秋の田舎風景」をイメージしていますので、パズルに集中するだけでなく、完成後には絵柄を見ながら昔の思い出を語り合えるよう工夫しました。

導入時の工夫

ジグソーパズルには難しいルールはありませんが、提供側には少し工夫が必要です。初めて行う場合は、ピースを数個だけ外して高齢者の方の表情や手の動きを観察し、うまくはめられるようになったら外すピースの数を増やしていきます。繰り返し行うことで少しずつ自信がつき、集中力の向上も期待できます。完成後の達成感から安堵の笑顔が見られたら、介助者の方はしっかり褒めることが重要です。

思わず集中すると・・

パズルに慣れてくると一人で完成させることも増えてきますが、集中することで無口になり、生活の中でもっとも重要な「他者との関わり（会話）」が失われる場合があります。そんなときには付属の「解説書」を活用します。解説書には絵柄の説明を掲載していますので、介助者の方は時代背景を把握しつつ高齢者の方の話に耳を傾けたり、発言がしやすいような質問を投げかけます。普段は口数が少ない高齢者の方からも思い出話を引き出せたり、話のきっかけを作ることで高齢者の方同士で会話が盛り上がることもあります。

「介護老人保健施設さくら」機能訓練室での様子

医師の見守る中・・。

すべて一人で完成させました。笑顔・・そして拍手！

二人で仲良く・・。

二人で完成させた後、思わず立ち上がって、いつの間にか3人で協力体制・・。

最後は思い出話で盛り上がる！

最近の記憶はあいまいでも、感情を伴ったできごとは覚えている！

パズル完成後に記憶を引き出す取り組みが『回想パズル（商標登録申請中）』の特長です。若い介護者の方でも容易に会話のきっかけを作ることができます。

イラストの制作過程

仕様

パズルと解説書

パズルは、B4サイズ40ピースで作成しています。1ピースの大きさは約5～6ｃｍ四方の雲形になっています。イラストはひふ美と工房の平野秀明氏に依頼しました。

解説書は、パズルのイラストからピックアップした14項目の絵柄の解説や実際に高齢者の方から聞き取った思い出話をひとこと掲載しています。

スケジュール

2019年10月 パズルの一部が完成
2020年7月30日 プロジェクト開始
2020年8 月 パズル、解説書、収納箱 生産完了予定
2020年9月2日 プロジェクト終了
2020年9月10日 順次配送開始予定

リターンについて

マクアケ価格 2,700円
早割：（1個）2,430円（10％OFF) 200セット
セット割：（2個）4,590円（15％OFF) 20セット
セット割：（3個）6,480円（20％OFF) 10セット
※いずれも消費税、送料込み

現時点で絵柄1種類（40ピース）のみとなっています。
パズルと解説書を収納箱に入れてお届けします。

クラウドファンディングの目的

介護施設やご自宅において、高齢者の方と一緒に楽しめるツールとしてパズルを広く知っていただきたいと考え、実施に踏み切りました。現状ではピースの数や絵柄が1種類と少ないため、バリエーションを増やしていくことが次の大きな目標です。

2000年よりデイサービスに勤務。2005年『通所介護計画書き方ガイド』（日総研出版）を生活相談員との共著で出版。
2006年より介護人保健施設さくらケアマネジャー。管理栄養士、介護福祉士。

「こんなものがあったらいいのに・・」と長年考えてきたことをようやく形にすることができました。今回の作成にあたって、ひふ美と工房の平野様ご夫婦や高校時代からの友人には、試行錯誤に根気よく付き合っていただき、支えていただきました。
本来は高齢者の方同士でパズルを行ったり、介護者の方が寄り添って昔話を傾聴することを目的として作成しましたが、密を避けなければならない現状においてはすべて目的通りに行うことが困難な状況となりました。しかし高齢者の方が頭や指先を使ったり、会話を楽しむことが非常に重要であるとの思いは変わりません。一定の距離を保つことなど、工夫しながら活用していただきたいと考えています。
応援、よろしくお願いいたします。