ミリタリーデザイン

オリジナルモデルを継承

1994年から継続使用している、「ジャーマントレーナーのオリジナルモデル」の機材やアッパーデザインをそのまま使用して製造した、【ジャーマントレーナー　トレッキングシューズ】です。

オリジナルモデル＝本物のミリタリーシューズが持つ、機能性に特化したシンプルなデザインの美しさとその存在感は損なわれておらず、どのようなファッションでも合わせることができ、アウトドアでも綺麗な街履き仕様でも、迷うことなく使用して頂くことができます。

2種類の商品モデルの詳細

ソールデザインは2種類あります

今回は2種類の異なるソールを使用した、2モデルの新商品をリリースしましたので、使用するイメージに特化できるタイプをお選びいただければ、この商品の魅力を実感して頂けます。

「1476-TR」

1476-TRは、旧ドイツ空軍が使用していたとされるモデルのソールを使用しています。本来の空軍モデルのソールの裏には【LW】と刻印されているものがオリジナルなのですが、商用では使用することが出来ず、そのレプリカモデルのソールを使用しております。

【BW】の刻印は、旧ドイツ陸軍の使用するモデルであり、現在のドイツ軍へ納入しているソールを製造しているチェコのソールメーカーが作る、精巧なレプリカモデルです。

「3183-TR」

3183-TRのソールは、1988年のオリンピック以降、旧チェコスロバキアや東欧でスタンダードなソールとして使用されています。

「靴ひも」

靴ひもは、ドイツで130年間続く靴ひも工場が作るコットンのシューレースと、ポリエステルのシューレースの2本を付けます。

コットンのシューレースはふわりと柔らかく、きめ細やかな編み上げが上品な模様を描き出しています。

ポリエステルのシューレースも、柔らかく細やかな編み上げが特徴的ですが、コットンよりも若干太く、水汚れに強いアウトドアスタイルでタフな環境での使用に最適です。

「シューレースリング・フック」

また、両モデルの特徴ともいえるシューレース周りのデザインは、シューホールを作らずにリングとフックを使用することで、結びやすさや履いた時のフィット感の調整が自在に簡単にできます。
一般的なトレッキングシューズや、ブーツに付帯しているものと同じつくりになっていますが、パーツのみを見るとハードな印象を受けるのですが、デザインがシンプルで流線型の美しいボディデザインに装着することで、トータルイメージは、オリジナルのジャーマントレーナーが持つシンプルでエレガントな存在感を損なわず、ファッションアイテムとしても唯一無二のこだわりを持つシューズとなりました。

チェコやスロバキアの靴工場には、ブーツやトレッキングシューズだけを専門に製造する工場があるほど、実用性に富んだトレッキングシューズ造りの技術があります。

プロジェクト立ち上げの背景

私は、1994年までドイツ軍に納入されていたジャーマントレーナーの機材や靴型を当時のまま使用し、スロバキアで製造を行っています。

世界中で流通するジャーマントレーナーのオリジナルモデルは、軍に納入しなかったものやデッドストックの中古品、そして私が製造している商用のものだけです。

近年の不安定な世界情勢による、素材費、人件費、水光熱費、輸送費の価格高騰の影響により、とにかく安い素材を調達し使用せざるを得ないことは誰もが仕方なく受け入れている事でしょう。
これらの理由だけをとっても、近年のモデルと、過去のモデルでは素材の質が大きく違うことは明らかです。
1994年までのジャーマントレーナーが使用していた素材の規格では、10年使用しても問題なく、15年・20年使用しても美しいラインを保っています。

私はこの商品の、貴重な歴史的な背景と、オリジナル製品を守るという希少性・重要性を常に考えながら、この靴を大切に造り続けています。

オリジナルモデルの持つデメリット

しかしながら、オリジナルモデルだからこそのデメリットの声を、直接お客様から聞くことがあります。それは、サイズを合わせるのが難しい、という事です。

私たちの足の形は、ヨーロッパの方達とアジアの方達で異なります。

私が使用するオリジナルモデルの機材は、旧ドイツ軍に納入されていた当時の機材を使用していますので、ヨーロッパ型の足の形で製造されています。甲周りが薄く平たく、爪先はとてもタイトなデザインです。

この、今では誰も作ることができないデザインの美しさや希少性を評価し、愛用してくださる方が多いのですが、アジア型の私達の足でこのデザインを合わせた場合、爪先にゆとりが生まれ、足幅のフィット感がタイトで窮屈になる場合が多く、一般的には普段履く靴のサイズよりも0.5～1㎝アップしたサイズを試していただいています。

それでも、足幅のタイト感をあえて楽しむ方や、爪先の空間に違和感があり気持ちが悪いという方もいらっしゃるので、自分に合うサイズ感を見つけるのがとても難しいです。

スロバキア工場との対話から生み出されたアイデアと解決策

そんな時に、スロバキア工場のオーナーとの会話で、ブーツを履く場合はそこまで悩む必要が無い、という言葉をきっかけに、今回の商品のアイデアが生まれました。

多くのブーツで使用される靴ひもを通すリングは、靴ひもを強く結ぶことへの耐久性も強く、また、足首近くまで靴ひもを縛ることができるので、サイズ感を自分好みに調整できます。

靴自体に靴ひもを通す穴があると、靴ひもを強く縛った時の負荷によって使用する部分の素材全体が引っ張られることがありますが、リングタイプだとそのような負荷もありませんので、本来の美しいデザインを長期間保つことができます。

そして、オリジナルモデルのジャーマントレーナーは、メンテナンスをすれば10年や15年程度は形が崩れることは無く、普段履きに使用している方が多くいます。今回のトレッキングモデルでは、さらに耐久性が増すと考えています。

そして新しいモデルを生み出そうと考えたもう一つの大きなきっかけは、

ジャーマントレーナーのデザインは、世界中で誰もが使うことが出来る、ということです。

旧ドイツ軍が兵士へ支給し、トレーニングシューズとして使用していたという歴史と、ジャーマントレーナーという一般名詞を使用した名称。これらの2つの理由から世界中のどこの国でも商標登録や意匠登録ができないのです。

日本、アジア圏、世界。どこでもジャーマントレーナーのデザインがあるのは、こういった理由です。

私とスロバキア工場は、1994年まで使用されていたオリジナルモデルの機材を使用して、ジャーマントレーナーの製造を続けているのですが、そこには、歴史的な価値やオリジナルモデルの希少性を守りたいという想いがあります。

靴、とりわけスニーカーの発祥がこのジャーマントレーナーだろうという有識者もいるほど、シンプルなデザインでありながら存在感も持ち合わせており、機能性だけのデザインの美しさがこれほど優美な印象を放つシューズはありません。

だからこそ、オリジナルモデルのデザインには手を加えずにサイズ感の悩みを解消でき、シンプルな機能美が完全に反映されたこの新しいトレッキングモデルは、是非多くの方に試して欲しいと考えています。

ちなみにですが、当時のドイツ軍の兵士が支給されていたジャーマントレーナーには、ロゴマークはありませんでした。

私が製造をする、オリジナルモデルのジャーマントレーナーは当時のままの姿として、ロゴマークは入っておらず、手を加えることでオリジナルでは無くなってしまうと考えています。そしてこの想いは今回の新しいトレッキングモデルにも受け継ぎ、ロゴマークの類は一切入っておりません。

今回のトレッキングモデルは、1994年以降、オリジナルモデルの機材を使用してジャーマントレーナーの商用モデルを取り扱う当社と、約30年間一緒に同モデルを製造し続けてきたスロバキアのシューズファクトリーが製造しました。

着用イメージ：街履き～アウトドア

今後のスケジュール等

プロジェクト終了後、スロバキア工場へ製造依頼（9月）
使用する素材（レザー、ソール、リング、靴ひも）調達（9月～11月初旬）
スロバキア工場製造開始（11月中旬～）
日本への納品・商品の検品（1月下旬～）
お客様へお届け（2月中）

サイズ表

36：23.0cm-23.5cm / 37：23.5cm-24.0cm
38：24.0cm-24.5cm / 39：24.5cm-25.0cm
40：25.0cm-25.5cm / 41：25.5cm-26.0cm
42：26.0cm-26.5cm / 43：26.5cm-27.0cm
44：27.0cm-27.5cm / 45：27.5cm-28.0cm

実行者メッセージ

私とスロバキア工場は、世界中で様々な変化が起こっている中、過去の歴史と人の想いを脈々と受け継ぎ、愚直にオリジナルモデルを守り続けてきました。
過去にドイツ軍の兵士が履いていたというだけではなく、製造工場がある東欧では国自体が歴史に翻弄されてきたこともあり、過去から続くジャーマントレーナーの背景にはストーリー性への価値があり、守る意義のあることだと考えています。

また、東欧の旧チェコスロバキアは靴産業が国力に相当する産業として重要な位置づけがなされていて、そこで従事してきた多くの方達の想いを受け継ぎ、今もなお新しいブランドやデザインが次々と生み出されています。
現チェコ共和国のズリーン市では、当時勢力を誇っていたブランドの町が今もなお存在し、靴産業に特化した大学で学ぶ若者も少なくありません。

靴産業に情熱と希望を抱き、日々世界中の新しい靴を造り続けているスロバキア工場は、ジャーマントレーナーのオリジナルモデルに込められた想いを大切に守り続けてきました、
そして、彼らと共に生み出したこの新しいモデル、そして希少性のあるオリジナルモデルを多くの方に履いて頂きたいと私たちは望んでいます。

よろしくお願いいたします。
リベルテーク合同会社