はじめに

「米の恩返し」の特徴

…そんなストーリーをかたちにするためにスタートしたのがこのプロジェクトです。

新しいブランドロゴとして、鶴と稲穂が円形につながるシンボルマークを、地元長岡造形大学出身のデザイナー「シマダマサノリ」さんに考えていただきました。

地元の田んぼからお酒、さらにはまた田んぼと地域の循環するイメージをロゴとして表現しています。

特徴①

お米本来の甘味があるお酒！濃い味の食事との意外なペアリング

現代の食中酒として、豊かな時間を提供します。

特徴②

温度による味の変化。常温からぬる燗がおすすめ。

まろやかな口当たりで、ほっとする穏やかさ。

お米の旨みや奥行きを引き出す製法「酸基醴酛(さんきあまざけもと)」

（細かい温度調整と仕込みのタイミングが味わいの鍵になる製法）

「米の恩返し」の最初のチャレンジでは「酸基醴酛(さんきあまざけもと)」という製法を採用しています。

呼称が統一されておらず「高温山廃」や「乳酸菌酒母」などとも呼ばれる「酸基醴酛」は日本酒のスターターである酒母で「高温糖化」と「乳酸発酵」を組み合わせることによりお米の旨みや奥行きが感じられるお酒になると言われています。

実はこの製法、約100年前に”速醸酛”の生みの親である新潟県出身の江田鎌治郎先生が考案したものなのです。

（明治45年刊行「乳酸馴養　最新清酒連醸法」より抜粋）

55℃の高温で糖化した甘酒を25℃ぐらいまで冷却して、そこに培養した乳酸菌を投入して乳酸酸性をつくる。100年前の設備や衛生環境では難しかった製法も現代の技術で復活させることができました。

恩田酒造はこれまで全量を高温糖化酒母という製法でお酒をつくってきました。その経験と設備を活かしながら伝統的製法である生酛系酒母にチャレンジできるというのがこの「酸基醴酛」でした。まだまだメジャーではない「酸基醴酛」は使用する乳酸菌の種類や様々な酵母との組み合わせなどによって更なるバリエーションが今後考えられると思います。その可能性にこの150周年のタイミングで出会えたのはとても良かったです。

今後出てくるお酒にもご期待ください！

（新潟県醸造試験場で培養していただいた乳酸菌）

（細かい温度制御のできる酒母タンク）

「半農半酒造」少人数で行うお米づくりから酒造りまでの一貫したこだわり

蔵のすぐ裏にある自社田では「一本〆」という酒米を育てています。

田んぼの管理は蔵人自らが行います。田おこしから田植え、そして水管理に草刈りまで、決して量は多くないですが丁寧に米づくりをしております。

（田植えの様子）

「一本〆」という酒米は新潟生まれの酒米で「五百万石」に代わる次世代の酒米として開発されました。

新潟の「五百万石」と青森の「豊盃」を交配して生まれた「一本〆」は一般の酒造好適米に比べ茎や穂が短く、稲が倒れにくいことから栽培しやすいという特徴があり、また醸造特性としても「五百万石」に劣らず粒も心白も大きく精米でも割れにくい非常に優れたお米です。

恩田酒造が「一本〆」にこだわる理由として、

・栽培しやすいお米なので酒造りをしながら少人数でも米づくりができる。

・米の旨みがしっかりお酒に現れ、自分たちの目指す酒質に合うお米である。

この2点からこだわりの「一本〆」自社栽培を続けています。

また自社に精米所があり、自社精米も可能になっています。

その精米機で自社栽培の「一本〆」をあまり磨かず精米歩合88%の「舞鶴鼓　八割八分磨き」というお酒を10年前ぐらいからつくっています。

（外側12％だけを削ったほぼ食べるお米と同じ精米歩合）

今ではSDGsなど環境に配慮したり、多様な日本酒の需要からあえてお米を磨かない低精白米の日本酒も増えていますが、恩田酒造ではその流れとは関係なく、どっしりとしたボディのあるタイプのお酒がほしいというお客様の要望からスタートしました。

フルボディタイプの日本酒は海外でも需要があり、現在はアメリカにも輸出されています。

（海外輸出用ラベル）

このように自社栽培の「一本〆」をあまり磨かずに醸すお酒が骨太でふくらみのある、恩田酒造の最も表現したいお酒なのです。

商品の詳細

・米の恩返し　EP1「酸基醴酛との出会い」　720ml

試験醸造の88DIGを踏まえて、よりヨーグルトのようなまろやかな酸味に

温めるとおにぎりのような穀物感と香ばしい香りがします。

令和6年酒造年度醸造・火入れ後タンクでゆっくりと熟成

常温保存可

・米の恩返し　EP2「低精白・低アルコールへの挑戦」　720ml

年明けに仕込む予定の米の恩返し・酸基醴酛への挑戦2年目のお酒

自社栽培米を磨かずに仕込む恩田酒造のやり方で

飲みやすい低アルコール日本酒にチャレンジします！

通常の88はワイルドなつくりで酵母が元気すぎてアルコールが出過ぎるので、今回は一段仕込み・低温発酵で旨みのしっかりある低精白・低アルコール日本酒を目指します。

火入れは常温保存可ですが、生酒は冷蔵保存でお願いします。

・舞鶴鼓 88DIG(ディグ) 酸基醴酛　720ml

「米の恩返し」シリーズに先立ち酸基醴酛製法で醸した試験醸造酒

DIG(ディグ)とは深掘りするという意味。

歴史を深掘りして、新たなチャレンジのはじまりとなった1本。

ほどよく酸味があり、肉料理(特にローストビーフ)と相性が良い。

令和6年酒造年度醸造・火入れ後瓶貯蔵で1年間熟成

常温保存可

スケジュール

2025年12月1日〜　プロジェクトスタート

2026年1月　米の恩返し　EP2　仕込み・発酵

2026年1月30日　　プロジェクト終了

2026年2月〜　順次発送開始

実行者紹介

恩田酒造は新潟県長岡市六日市町にある総勢5名の小さな小さな造り酒屋です。

六日市町は、金倉山と信濃川に挟まれ、田んぼと住宅街の真ん中をJR上越線が駆け抜ける閑静でどこか落ち着く場所です。

そんなのどかな場所で蔵元杜氏の社長を中心に少数精鋭で日々酒造りを行っています