プロジェクト概要

皆さん、観光でお城に行き、殿様はこの景色を見ていたのか？とか家来は常にこの石畳を歩いて登城したのかとか、戦国時代や江戸時代に思いをはせたことはありませんか？

私は普段高価なお茶道具を取り扱う茶道具屋ですが、長年の趣味である歴史と名城巡りを何かの形で仕事に活かせないかと思っておりました。そして今回、繊細な着色と加工、加賀前田藩ゆかりの高岡銅器400年の伝統を誇る鋳造技術にこだわり、重厚感あふれる名城『熊本城』の金属模型をつくり、「箱城」と名付けました。

ひとつひとつ鋳造から仕上げまで日本の小さな工場で手仕上げで作ります。

プロジェクト詳細

【名城熊本城を再現する繊細な鋳造】

銅や金属に細かな模様などの繊細さを求めることから始まったこのプロジェクト。

城の細かなディテールを再現する製法を考えながら、様々な技術を持つ工場を選定し組み合わせ、試作と打ち合わせを重ねました。

まず、錫素材の石垣。石組みにこだわって模様を決めましたが、錫自体粘りのある金属ですので繊細な線を出すため試行錯誤してもらい鋳造しました。

錫素材は水にも強いため、水盤に置いたときに水に映る名城も楽しめると思います。

次に本体の鋳造について、鋳造方法も色々なやり方がありますが今回はロストワックスの鋳造法を選択しました。

このような緻密で動きのあるものを金属で作ることができるんです。高価です！

もちろん安価な鋳造の仕方もあるのですが、金属模型の再現力、加工の精度を考えると、鋳造単価は高いのですが、模型の細部までの再現性が高いロストワックスは今回のプロジェクトに最適といえます。

城屋根の鯱まで一体で鋳造が可能です。

今回は長年美術作品などを鋳造し、弊社も誂えの茶道具を依頼している工房に全面的に協力していただきました。

鋳造が出来上がるまでの工程は次のとおりです。

①石膏などで元となる原型を制作します

②その原型をシリコンゴムで型取りしてゴム型を制作します。

③ゴム型にワックスを流し込みます。

④ワックスに特殊な砂を何回も重ねて型を強化します。

⑤その型を加熱しワックスを溶かします。すると強化した型の中に原形（お城）の形状の空洞ができます。

⑥そこへ溶かした銅を流し込み成型します。約1000度の銅が型に流れ込む様子は圧巻です。

⑦冷えたら型を丁寧にこわしてバリ（はみでた銅）をヤスリで慣らして生地を完成させます。

【高級銅製茶道具と同じ伝統着色仕上げ】【砂張色】

熊本城は黒壁と白い切妻のコントラストがきれいなんですが漆でただ黒く焼き付けただけでは、長年の風雪に耐えたお城の風格を再現できません。そこでお茶道具の銅鑼（茶会開始の合図に鳴らす）や建水（お茶碗を清めた水を保管する）などの製作で使う砂張色が浮かびました。銅の素材そのものの発色を活かす昔から伝わる着色技法の仕上げで、以下はそれを施した弊社商品のひとつです。

その道40年のベテラン職人さんの工房です。漆に顔料を混ぜ、微妙なグラデーションを作り、侘、サビの風合いを表現しました。

金属茶道具は人が触ったり時間が経過することで更に味わいが加わり、深い色に変化していく過程を楽しみます。そのように長い年月育てていける商品をと思いました。

【丁寧な箔貼りの装飾】

白い切妻の破風を際立たせるために、白金の箔を仕上げに施しました。

白銀の輝きを保ちつづけ、城を優雅に見せてくれることでしょう。

利用シーン / 利用方法・操作方法

付属の石と砂で自分仕様の石庭を作り、城を飾ります。

戸外で採取した苔や花びらを配置して、自宅の小さな空間で季節を感じましょう。

自分だけのワークスペースやヌックスペース（仕切られた狭い空間）に

仕様

城本体：鋳銅 石垣：錫鋳物

サイズ：H6.0cm W8.1cm D4.5㎝

付属品PC台：W18㎝D13cm 飾り用石砂

スケジュール

４月1日~5月31日 まで公開

６月20日から順次リターンの配布を開始

リターンについて

熊本城の金属模型を1セットお送りします。

資金の使い道

一点につき500円を原型となった城の保全に寄付します。

集まった資金でまた新たな箱城プロジェクトを展開します。現在 大阪城・名古屋城・姫路城といった全国の名城を鋳銅で再現するべく準備中です。さらには地元の城を盛り上げたいという要望や武将ゆかりの城を有志でつくりたいという要望にも応えるため職人さん達と連携して受注生産の体制も強化します。

実行者紹介

株式会社宮津商店 三代目社長 宮津健志

1938年 より富山県高岡市にて鋳物を扱う卸問屋として開業。以来80余年にわたり茶釜、鉄瓶、美術鋳物を多くの作家と共に企画製造。茶道具においては修理製造を統括できる日本でも数少ない会社です。