国産オーガニックコットンの服を
誰もが当たり前に着られる日を待ちわびて、
自分たちから向かっていくことにしました。

わたしたち「ニュード」は、子どもたちが健やかにのびのびと暮らせる未来に向け、地元神奈川県平塚市での綿産業の創出と定着を目的地に据え、2023年に活動を始めたばかりのプロジェクトチームです。

今回、わたしたちが企画制作した２つの製品のご紹介を通じて、
私たちの「愉快なもくろみ」とも言うべき活動の目的や趣旨を知ってもらいたく、プロジェクトを掲載させていただきました。

１つめの製品はキッズサイズのコットンのTシャツです。
もちろんただのコットンTシャツではなく、大切な子どもを育てている親御さんたちに、気に入って選んでいただけるものを目指して作りました。

ニュードのTシャツは、素材選定と縫製設計をいちから組み立てて、肌への刺激を減らすためにできるあらゆる視点からの工夫をこらしています。

わたしたちは、肌への刺激を抑えるため厳格な品質基準の国際認証を受けた有機栽培のオーガニックコットンの生地をTシャツの生地として使うことを最初に決めました。
それもできれば、国産の原料を使いたい。

しかし2024年現在、日本国内のオーガニックコットン市場の海外依存度は100%。
「国産のオーガニックコットン」という素材自体が市場に流通していません。

希少な国産綿を織り込んで作った、特別な生地を使用

日本の綿市場の復活に向けて自分で綿花の栽培も行っている私たちは、海外から輸入したオーガニックコットンに、自分たちで育てて収穫した希少な国産の天然綿を5%混成して織り込んで作られた、特別な生地でTシャツを作ることにしました。

今は全体のたった5%だけの混成率ですが、国産オーガニックコットン100%の服が当たり前に着られる未来に向けた第一歩です。

天然素材を使用したのは生地だけではありません。
生地同士を縫い合わせるのも、綿で作った糸、綿糸（めんし）です。

「そこまでする必要があるのか」と言われれば、この小さな違いでどれだけ差が生まれるかは分かりません。
でも肌の敏感な子を持つ親御さんの不安を少しでも取り除くためには必要なことだと思い、私たちはこだわることにしました。

※縫製に使用した綿糸は一般の綿素材です。

素材に加えて大切なのは、その「縫い方」です。

首まわりや脇から腰にかけての汗をかきやすい箇所や、衣服との摩擦の多い箇所は特に刺激が多く発生します。
それから衣服から飛び出して角の立った洗濯タグなどもお肌の大敵。

そこでわたしたちは、オーガニックコットン衣料を専門として長年手がけてきた老舗アパレルブランド「プリスティン」さんに縫製設計の協力をあおぐことにしました。

生地同士の縫い合わせや端の処理、洗濯タグの生地やインクに至るまで相談と検討を繰り返し、最善策を話し合った結果、ニュードのTシャツは低刺激にこだわった機能性だけでなく、衣料としての品質の高さも同時に実現することができました。

生地同士をつなぎ合わせる”身頃脇”と”アームホール”は、特殊なミシンでしかできないフラットシーマーという縫い方をしています。
これは、生地や糸の端をシャツの内側に向ける一般的な縫製方法と違い、内側にも生地の端が出ないので、肌への刺激が抑えられます。

洗濯表示や生産者の情報は法律で表示が義務付けられているだけでなく、長く着てもらうためにも、タグが破れたり印字が消えてしまうようなことは避けなければなりません。
そこで、タグにだけは耐久性が高く発色も良いポリエステルの素材を採用しています。

そんな化学繊維のタグを肌に触れさせないため、
ブランドロゴを表示する「ネームタグ」はTシャツ前面の裾口に、
洗濯タグは胸ポケットの内側に、それぞれ縫い付けました。

ニュードのTシャツはやさしい素材と縫い方で、子どもの健康をサポートします。
でも、それだけではありません。

かけがえのない日常を供にさせていただけるよう、3つの工夫が凝らされています。

せっかくの衣類も耐久性の面で繊細では、使うこと自体に躊躇してしまいます。
だからニュードのTシャツは「丈夫さ」も追求しました。
丈夫さの秘密は、生地のつくり方にあります。

綿生地は、短いコットンの繊維を紡いで撚（よ）りあげた綿糸を織ることで作られます。この綿糸の撚り方も、時計回りと反時計回りの２通りがあって、それぞれ「S撚り」「Z撚り」と呼ばれています。

生地を編むときに、S撚りの糸だけまたはZ撚りの糸だけを使うと、洗濯後の乾燥時に繊維が元に戻ろうとする力がはたらいて、袖や裾がねじれたり、生地全体がヨレてしまうことがあります。

この乾燥にともなう変形を防ぐため、繊維が元に戻ろうとする力をお互いに打ち消し合うように、S撚りとZ撚りの糸を交互に編み込んだ「SZ編み」という特別な編み方の生地を選択しました。

良いものだから毎日使いたい。普段着として気兼ねなく使いたい。
ニュードのTシャツは、「使いたおすコスパ」を感じていただけます。

子どもの体型はおとなに比べて頭が大きいのが特徴。
毎回の脱ぎ着は子ども自身にとって大変ですし、着せたり脱がせたりするわたしたちも気を遣います。
そこで80〜90cmの小さなサイズは肩あき仕様としました。

左肩のスナップボタンをパチンとはずせば、お着替えトレーニング中の小さな子どもでも、自分ですっぽり被ることができます。

開口たっぷりのデザインは、パパやママに頼らずに自分でできた！という子どもの成功体験をやさしくサポートします。

100cm以上のサイズでは首周りに「タコバインダー」という処理がしてあります。
左右両肩から首後ろにかけて、一本の長いテープ生地を縫い付ける工夫で、繰り返し脱ぎ着しても首周りが伸びず、型崩れしない耐久性に一役買っています。

発育状況に合わせた着心地デザインには、「これなら自分で着られる」「キツくない、痛くない」「力任せに着脱しても大丈夫」という子ども自身の体験と実感から、子どもにとっての「お気に入りの一枚」にしてもらえるようにという願いを込めました。

プリントなどのデザインを使わない、コットン本来の生成り無地のTシャツは、好みを選ばず飽きもきません。
普段使いのアイテムとして馴染みやすく、どなたにもすぐ着こなしていただけるスタンダードなシルエットは、子ども自身を主役にしてくれます。

開け放った窓から見える青空、湧き上がる入道雲。
無限に広がる好奇心とエネルギーに満ちた「子どもの世界」を垣間見せてもらう。

そんな日常の幸せをモチーフにしたブランドロゴは、わたしたちのプロジェクトのシンボルマークでもあります。

２つ目の製品は、くじらのオブジェです。
綿産業の創出に向けて自前で綿の栽培をしているわたしたちですが、紡績（糸にすること）はまだこれからの課題です。

せっかく育てた綿をいま一番有効に活用できる方法を考え、ぬいぐるみに詰めることにしました。

ニュードのくじらは、わたしたちが自分の手で畑を耕して栽培して収穫した”ニュードの初めての天然綿”を詰めた、世界にたった10頭だけしか存在しないくじらのオブジェ（ぬいぐるみ）です。

生成りのコットン生地でていねいに縫製された美しいくじらは、子どもたちの豊かな想像力と創造性が空に描き出す「くじら雲」をモデルにしたオブジェで、わたしたちの活動にとっても守り神のような特別な存在です。

全長およそ35センチメートル、幅はヒレを入れて25センチメートルほど。

お部屋に大きな白いくじらをゆったりと泳がせて、イマジネーションに満ちた時間を過ごしてみませんか。

くじらの背中には小さな輪っかが縫い付けてあるので、カラビナやフックつきの紐を引っ掛ければ、どこにでも簡単に吊るすことができます。

輪っかの位置は重心を計算して決められているので、吊るしたときに前後に傾いたりすることなく、しっかりと水平を保って空中に静止させることができます。

コットン生地（※）を縫い合わせて作られたこの大きなくじらには、口の先からしっぽの先までぎっしりと、わたしたちが初めて栽培して収穫した天然の綿が詰めてあります。

分量でいえば、ちょうどキッズサイズのTシャツが作れるくらい、結構たくさんの綿が入っているのです。

この“ニュードのくじら”の制作を手掛けてくださったのはタケノコプロダクツさん。

ニュードの活動拠点でもある神奈川県平塚市で、独自にデザインしたバッグやアウトドアグッズなど、こだわりの作品を工業用ミシンを操り制作している縫製クリエイターです。

そんな彼の代表的な作品のひとつが、
ザトウクジラを模したぬいぐるみ「ハンギングホエール」。
アウトドアでの利用を想定されて環境変化に強いポリエステルやナイロンといった化学繊維の生地で制作されることが多いそうですが、今回はわたしたちニュードとのコラボレーションにより、10頭限定で生成りのコットン生地仕様で制作いただきました。

最大限シンプルに設計された美しい流線型の縫い目は、大量生産ではなくあくまでひとつひとつ仕上げることにこだわるタケノコプロダクツさんの、ていねいな手作業で実現しています。

ニュードはまだ活動を始めたばかりです。

今回ご紹介したTシャツやくじらについて、
その生まれたわけとそれを作ったわたしたちのことを、発起人の言葉でお伝えさせてください。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

もしもあなたが私たちの「愉快なもくろみ」に共感したなら、一緒に活動しませんか？
製品だけではなく、体験コンテンツを応援購入してぜひ私たちに会いに来てください！

神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙「タウンニュース」さんに取材いただきました。

10月26日（木）号　WEB版掲載
https://www.townnews.co.jp/0605/2023/10/26/703668.html

（以下記事本文より引用）
今後は社会福祉法人進和学園の利用者に収穫作業を依頼するなど、農福連携の障害者就労支援も視野に入れる。市内小学校の児童に、綿摘みなどを体験してもらう計画も練り始めた。わが子の健康を願う気持ちから生まれた事業は産声を上げたばかりだが、｢目指しているものの実現には何十年とかかるけれど、悲観的にならず楽しみたい｣と表情は晴れやかだ。

地元神奈川県平塚市で開業しているクリニックの院長、村松重典先生に応援のコメントをいただきました。

ニュードのTシャツ サイズガイド

※商品生地の特性によって、1-2cm前後の誤差が生じます。
※デザインにより着用感が異なることがあります。