足袋の革新。一体感に包まれる。老舗こはぜメーカーのルームスニーカー

おうちスニーカーは、本物の足袋にスニーカーのソールを付けた新感覚シューズ。
足袋の良さはそのままに、現代の生活に落とし込んだ一足です。
履き心地と歩きやすさの「いいとこどり」にこだわり抜いて生み出されました。

だから...

スリッパでは感じられない、まるで素足のような一体感。

本物のこはぜで足をホールド。家中移動もラクラク。

気分が華やぐ、伝統技の色使い・デザイン。

何気なく履くスリッパの悩みを解消する、新感覚の履き物がおうちスニーカー。

また見えないところに宿る、美意識。24金メッキのこはぜが語る上質感

ぴったりと足にフィットするので、ずれたり脱げたりしにくいのもポイントです。

リーマンショックの影響で、当時の主力製品の売上がガタ落ちし、2億円の借金を抱えたのがおよそ15年前のこと。その後、経営が立ちゆかなくなり、二度、こはぜをつくる機械ごと他社に譲渡したものの、いずれの会社でも「無理です。自分たちには作れません」と撤退を望まれた結果、機械が帰ってきたのは、私たちの運命（さだめ）だったのかもしれません。
100年という歴史の中で培われた技術力が、私たちのつくる「あおやまこはぜ」の生命線です。

厚さ0.3mmの真鍮に刻印を打つことで、指で触ってもわからない程度の0.01mmの凹凸が生まれます。ちなみに、片面にのみ刻印する技術を有しているのは、日本で当社をおいて他にありません。
ブレスレットや雑貨など、他分野でもその技術を生かしています。

「こはぜ」に針金を巻いているのは、ほどよい弾力性を生み出すため。かすかに気づく程度のたわみが、「留めやすく、外れにくい」すぐれた性能を与えます。
針金を巻いていない「こはぜ」は、鋭利で危険な上に、ちょっとした力で曲がってしまうのです。

当社のこはぜはすべて、日本製の真鍮を原料に使用しています。
用途に応じてさまざまな表面加工を施していますが、環境意識の高いEU圏内の規定をクリアするクロムフリーなど、安心・安全な処理法を採用しております。
身体にやさしい「あおやまこはぜ」は、本物志向にこだわる私たちの心意気を示した自社ブランドなのです。

当社のこはぜがひときわ輝いているように見えるのは、メッキをかける前の下地の表面を研磨する材料として、米ぬかや木くずといった自然由来のものを使用しているからです。
洗浄も環境にやさしいヤシノミ洗剤で行うなど、一般消費者の目に触れないところにも私たちはこだわっています。

足の親指が分かれている足袋型のシューズは、足で地面を掴む力の効果が期待されています。
この力を把持力と言いますが、

把持力は歩行だけでなく、体の支えにも重要な役割を果たします。
おうちスニーカーは、健康志向の皆さまにもぴったりのアイテムなのです。

カラー展開は赤・緑・紫の3色。

こはぜ模様のかわいらしいデザインは、丹波篠山市に拠点を置くテキスタイルブランド「kijinichijo」が手掛けました。

【kijinichijo】デザイナー
フィンレイソン200周年記念「Finlayson × FELISSIMO」
テキスタイルデザインコンペティション大賞受賞

「手捺染（てなっせん）」 という伝統技法で、一枚ずつ丁寧に染色。職人の手仕事ならではの風合いと、ポップなカラーが魅力です。
鮮やかな色合いで、お家時間さえも気分を高めてくれます。

外を歩ける足袋型の履物として地下足袋がありますが、おうちスニーカーはさらにシルエットの美しさや履き心地の良さにも、とことんこだわりました。

足袋型の靴は世の中にいくつかありますが、本物の足袋を使っているものはあまり見かけることはありません。それは、底が平らな足袋と凹凸のあるソールを合わせるのは、相当な技術を要するうえに、履き心地の良さを実現するのはさらに困難だから。

おうちスニーカーでは、本物の足袋との相性を徹底的に追求し、プロランナーのシューズを参考に試行錯誤を繰り返してオリジナルソールを開発。

半年の試行錯誤を繰り返してたどり着いたのが、足袋の生地に沿った白いソールと、体重を乗せたときに膨らみを計算した黒いソールを組み合わせた二重構造。

足袋そのもののフィット感や履き心地を維持しつつ、歩いても足が痛みにくい独自のソールが完成しました。

伝統文化・技術の継承を願い作られた本製品は、『100年先の生き物にも地球にも優しく、残すべき伝統、文化や技、心』を伝えていくことを目的とした京都清水寺で開催される「1000market（サウザンドマーケット）」でも出品されました。
イベントを主宰する清水寺の大西和尚様からもご支持を受けています。

ゆったりと履きたい方は一つ上のサイズをお勧めします。1点1点が手作りによるものですので、多少の大きさのズレが生じる場合がありますことをご了承ください。

着物に欠かせないのが足袋であり、足袋に欠かせないのがこはぜです。
着物を主とした和服の需要が減るとともに、こはぜの需要が減りだして以来、ゴム製品の加工や通信関連部品、ゆるまないネジこと「アンダーホールナット」など、こはぜづくりで培った技術を生かした新製品の開発に私たちが取り組んできたのも、こはぜを守り抜くために他なりません。

当社オリジナルのこはぜをつくる機械は、部分的に改造・改修しながら90年以上使い続けているものが大半です。動かなくなることはしょっちゅうで、機嫌が悪いときには、１ヶ月近く直らないときもあります。
でも、信じていただけるかはわかりませんが、夜、ふと工場をのぞくと、機械を直している昔の職人さんの姿が見えることがあるのです。

「（おまえらの仕事は）まだ終わってないんや」

という励ましのメッセージを受け取るとともに、今も息づく職人さんの“魂”を感じる瞬間です。

そんな日本の「伝統文化」であるこはぜの魅力を次の世代の方々へも継承していきたいという想いから、様々な試行錯誤を繰り返していた時にふと思いついたのが、こはぜの代名詞でもある「足袋」を現代のライフスタイルでも生かせるようなアレンジができないかというアイデアでした。

☑フローリングや屋外といった、様々な生活様式でも気軽に履ける構造。
☑現在のファッションにも合う、明るくポップで気分も上がるデザイン。

家の中はもちろん気軽にお出かけもできるような、新感覚のルームシューズを作ることができれば、日頃和装に親しみのない方々にも、きっと伝統文化の魅力が伝わるはず...

そんな私たちの「想い」に共感していただいたのが、「足袋」「染め」「ソール」の各分野で独自の技術とノウハウを持つ3つの「匠」の方々でした。

皆さまの元へ、足繁く通い続けること3年。

理想と現実のギャップに何度も行く手を阻まれそうになりましたが、皆さまのご協力のおかげで、ここに「おうちスニーカー」を完成させることができました。

創業112年の小町足袋製造所は、足袋専門の製造・卸売販売会社です。職人により一つひとつ生み出される足袋の数々は、伝統を守りながらも、履きやすさやシルエットの美しさにとことんこだわって作られています。
おうちスニーカーでは、本物の足袋が使用されているため、やわらかな履き心地でよりリラックスしたおうち時間を過ごすことができるでしょう。

有限会社鷲野染工場は創業以来、特別な技法の「手捺染（てなっせん）」にこだわり続け、雨傘や洋服、水着、鞄のプリントを手がけています。
「made in京都」「made in日本」にこだわながら伝統技法の継承を目指し、今回の開発に関わりました。手捺染だからこそ実現できる鮮やかな色合いは、通常よりも色落ちしにくいと言われています。

神戸の老舗靴メーカーの藤原化工株式会社は、耐久性や軽さ、美しさを追求して製品を開発しています。
婦人靴からプロスポーツ選手のシューズ製造まで幅広く対応しており、今回は、本物の足袋を外でも履ける靴にするためのソール製造を担当しました。足袋本来のシルエットの美しさと心地よい履き心地を実現しています。