「ママの下で18時半ね。」と彼からLINEが来た。

ママとは、六本木ヒルズにある蜘蛛のオブジェのこと。

私は、恥ずかしかった。

ここは、このビルで働く友人たちが、必ず通るからだ。

彼は、少し遅れて現れた。

「どうして、待ち合わせに、ここを選んだの？」
「だって、今夜は月がきれいだから。」

見上げると、満月がほほ笑んでいるように見えた。

彼は、今、強烈な淡路推しだ。
旅好きの彼は、先月、淡路島に行って以来、魅力に取りつかれてしまった。

「日本の始まりは、淡路島なんだ。なぜかって、古事記では・・・」

「淡路島の食材を満喫できるテッパン料理に、行きま～す！」

西麻布への坂道をまるでスキップするように、大人が歩いている。

店内に入ると驚いた。和を基調とした、おしゃれな空間。

「この壁は、鳴門海峡の潮流をイメージした壁の紋や淡路瓦のウォールデコレーションです。淡路島にようこそ！」

店長の中瀬隼斗さんが迎えてくれた。
「もちろん、私は淡路島出身です。」

私は、率直すぎる質問をしてみた。
「この人、熱狂的な淡路島推しなんですが、その理由は何だと思いますか？」

中瀬さんは、ゆっくりと話してくれた。

きっと故郷のコトを思い出しているのだろう。

「淡路島は、四方を海に囲まれているので、魚介類が豊富。さらに、肥沃な大地からは、オイシイお米や野菜、果物。また、酪農も盛んで味わいが深い淡路ビーフは有名ですよね。」

さらにサービスの女性が優しい声で付け加えた。

「私たちが提供するのは、淡路ビーフや淡路野菜、名産の玉ねぎ、海鮮ものだけではありません。デザートで使う淡路の乳牛ミルク類まで。すべて淡路島だらけの創作鉄板なんです。」

淡路ビーフとは、淡路牛の中のA4ランク以上をさすらしい。
このしるく屋は、淡路ビーフのA5のみを使用。

魚介類も淡路島の真鯛、鮑、海老、ウニも由良漁港からの直送。

玉ねぎは、納豆菌を使った甘味のある玉ねぎを作っている農家とも契約し直送してもらっているそうだ。

なるほど、なるほど。
彼が「淡路推し」になるのも分かる。

赤沼絵奈さんは、元ホテルマン、数々の賞も受けている。

「淡路島の食材を使ったウエルカムドリンクを用意しています。」

アルコールカクテル
淡路レモンサワー・淡路デトックスカクテル・淡路オーガニックカクテル

ノンアルコール
淡路レモンスカッシュ・淡路デトックスモクテル・淡路オーガニックモクテル

乾杯をした後、彼が目をキラキラさせながら私の顔を覗き込んだ。

「さあ、しるく屋には、淡路が誇る食材が勢ぞろい！いわば、淡路オールスターズ！
その優秀な選手たちの能力を引き出すのが、「この鉄板」だ！！！

さあ、アレ・キュイジーヌ！

【コースメニュー例】

※当店は少しずつのポーションでアミューズからデザートまで
たくさんの食材を楽しんで頂けるコースコンセプトでご提供させて頂いております。

※メニューは仕入状況等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。

淡路ビーフステーキ　＆　ハンバーグ
日本最高峰の純血但馬の淡路ビーフを淡路島からブロックで直送。
脂の旨みや香りが最高で、味の濃さも
他では無い味わいをお楽しみいただけます。

淡路ビーフのステーキもハンバーグも楽しめる鉄板焼きは
しるく屋しかございません。

その日に入る高級食材を使った
シェフのおまかせメニューをご提供いたします。

私は驚いた！食べるのが楽しい！淡路島は、最高かもしれない！
さらに、こんな贅沢な素材を使った料理が、意外にもお手頃だ。

さらに、秘密のデートや接待にもつかえる個室もある。
会計が楽な飲み放題がつけられるという。この店を使わない手はない。

「このメニューを支えるのは、鉄板三銃士たち！」

「え？」

「鉄板料理を中心に、和食、フレンチ、イタリアンのシェフが、剣をコテに持ち替えて、腕を振るってくれるんだ。」

「彼は、フレンチの虎の穴ともいえるLe　cordon blueを 卒業。
さらに・・鉄板フレンチ　“ahill” 銀座店料理長をつとめたシェフなんだ。」

「コルドンブルーにア・ヒル！？エリートシェフじゃない？」

とんでもない人がここにはいる！

田原さんは、Hong Kong “Kazuo Okada” 鉄板焼料理長でミシュラン１つ星獲得した。

「鉄板三銃士、最後のシェフは、イタリアンの小林三喜男さん」

イタリアンを徹底的に学んだ彼は、吉祥寺で圧倒的な人気を誇る
リストランテ　“プリミ・バチ”にて12年間スーシェフを務めた実力者

「さらに、三銃士の料理をうけとめるのが、パティシエの磯井萌里さん」

彼女は、有名外資系ホテルでパティシエをつとめ、
彼女の作る創作デザートは、数々のコンクールなどでも受賞してきた。

彼女のデザートは、繊細でアート性が高い。

「私も、淡路島推しになりそう。」

「だったら、来週末、淡路島に旅行しよう！」

私は、しるく屋が大好きになった。

（店舗情報）

西麻布しるく屋

住所 ：〒106-0031 東京都港区西麻布2-13-15　大山ビル2階
電話番号：03-5774-4439
営業時間：17:00～23:00
フードL.O：21:30 / ドリンクL.O : 22:30
定休日：日曜日(場合により祝日)