香ばしく、奥深い香りを実現。食卓をワンランクアップに繋げる燻製の醤油｜薫煙醤

個性のある角長様の濃口醤油に、私たちのアイデアを掛け合わせることで、日々の料理に新たな個性をプラスできる。そんな想像を膨らませながら、開発をスタートしました。

日本の伝統的な調味料、醤油。

人口の減少や味覚の多様化などによって醤油の消費量は減少傾向にあります。そのため醤油業界では、生産量やメーカーの数も減少傾向。
昔ながらの製造方法で醸造している会社も少なくなっていく一方だそうです。

日本各地を巡り、その土地の手しごとの品々をセレクトして販売している私たちですが、「醤油発祥の地」といわれる和歌山県湯浅の老舗醤油ブランド・角長様との出会いを通じて、はじめてこの醤油の現状を知ることになりました。

そして、各地を巡り、日本各地の「良い物」を組み合わせて販売している我々だからこそできる方法はないかと思い、『新しい醤油』の開発を試みました。

和歌山県湯浅町で創業180年以上の歴史を誇る「角長（かどちょう）」は、日本の醤油発祥の地として知られるこの地で、今もなお昔ながらの製法を守り続けています。天保12年（1841年）の創業以来、杉桶仕込みによる天然醸造を貫き、四季を通じて微生物と共にゆっくりと熟成させた深い旨みと香りの醤油を造り続けてきました。
現代の大量生産とは異なり、手間ひまを惜しまない伝統的な製法と、職人の経験に裏打ちされた技術が角長の味を支えています。その品質は多くの料理人や食通に支持され、国内外から高い評価を得ています。
本物の味を次世代へ伝えるため、これからも角長は変わらぬ製法で、誠実な醤油造りを続けてまいります。

『新しい醤油』を開発するにあたり、より素材の味を楽しむことができ、より素材の良さを引き出す調味料にできればという思いが生まれました。
個性のある角長様の濃口醤油に、私たちのアイデアを掛け合わせることで、日々の料理に新たな個性をプラスできる。
そんな想像を膨らませながら、開発をスタートしました。

神奈川県西部に位置し、海も山もある自然豊かなこの土地の名産は木工製品です。
木工品の生産メーカー「薗部産業」の名産品である「めいぼく椀」ですが、このめいぼく椀を製造する際にどうしても発生するのが”木くず”です。
現状は、馬舎の寝床などですでに木くずが利用され、最後は畑へ還すことで自然に戻せるような取り組みが行われています。
ところでこのめいぼく椀、木の種類は『くり、なら、さくら、けやき、くるみ、ぶな』の6種類。よく燻製のチップとして使われる品種です。
私たちは、ここに目をつけました。この木くずを燻製のチップとして使用し、醤油を燻製することで家でも外でも香りが引き立つ香ばしい醤油が作れるのではないかと考えました。


そして「液体を燻製する方法」技術をお持ちの、千葉県木更津の株式会社リオ様にご相談させていただき、ついに製品化することに成功いたしました。

こうして、両者大絶賛の薫煙醤が誕生しました！

最初は正直ちょっと半信半疑でした。
「焼いたらせっかくの燻製の香りが飛んじゃうんじゃない？」
「そもそも“焼きおにぎり”って香ばしいものだし、違いが出るのかな？」

そこで、一般的な濃口醤油を使ったものと、薫煙醤を使ったものを同条件で焼き比べてみることにしました。

結果は…ひと嗅ぎでわかるほどの違い！

フライパンでじゅうじゅうと焼ける香りから、すでに薫煙醤の個性が際立ちます。
いわゆる「醤油が焦げる香ばしさ」に加え、ふわっと広がる甘くてまろやかなスモークの香り。なんとも食欲をそそる芳しさです。

そして、いざひと口。

外はパリッと、中はふっくら。噛みしめた瞬間に、木樽を思わせるようなスモーキーな香ばしさがふわっと広がり、「あ、これ、今までにない焼きおにぎりだ」と我々は感じました。

濃口醤油と比べて塩味もやわらかく、上品さすら感じる味わい。
おにぎりという庶民的なメニューが、一気に“大人のおつまみ”に進化したかのような驚きがありました。

ものづくりの現場に元気があるかどうかは、商品を通して消費者に伝わります。熱量の高い商品は、自然と人々を惹きつけるものです。
私たちロカルコストアは、作り手の熱い思いを現代にマッチしたかたちに発展させ、日本のものづくりの現場を元気づけるような存在でありたいと考えています。

私たちは“日本のものづくりをもっと身近に”という想いから、2009年にプロジェクトを発足。
以来、日本各地のものづくりの現場に足を運び、事業戦略や販売戦略をクライアントとともに考えサポートして参りました。

各地で脈々と受け継がれてきた伝統を守ることはもちろん大切です。
しかし、伝統を守るためには、この時代ならではのクリエイティブの力を活かした商品開発や、数多くある他商品との差別化をはかる総合的なブランディング、また、さまざまなメディアを駆使したプロモーション、エキシビションへの積極的な参加など、時代に合わせた柔軟な革新が必要不可欠ではないでしょうか。

ロカルコストアは、これまでのノウハウに現代のエッセンスを取り入れてさらに磨きをかけ、ものづくりの本質を未来へとつないでいきたいと考えております。