昨年、一昨年とわたしたちのプロジェクトに多くのご支援をいただき、本当にありがとうございました。今回はもっとスピールを、もっとネルドリップを、そしてもっとコーヒーを楽しむ新しい体験のご提案です。

江戸時代の茶の湯まで遡るという名古屋の喫茶文化。豊かで生産性の高い土壌から、人々にはゆったりとお茶を飲む贅沢な時間を過ごす余裕があったと言われています。”名古屋式”は、ネルドリップらしいまろやかでコクの深い味わいを楽しみつつ、たっぷりのコーヒーオイルで冷めても美味しい珈琲を楽しめるフィルター。”スピール”に同梱しているタイプで、丈夫で扱いやすいのも特徴です。

明治時代に日本最初の喫茶が生まれ、今も最先端のコーヒー文化を生み出し続けている東京。近年では高品質なシングルオリジンコーヒーが流行しています。このスピール専用コーヒーフィルター”東京式”は、ネルドリップらしいしっかりとした蒸らしで豆のポテンシャルを引き出しつつも、華やかな香りも同時に楽しめるフィルターです。気分を切り替えたい時や、一日の始まりを爽やかに演出したい時におすすめです。

高度経済成長期に多くの喫茶が生まれたと言われる大阪は、サラリーマンの憩いの場として独特な発達をしたと言われています。このスピール専用コーヒーフィルター”大阪式”は、地元で長く愛されてきた大阪生産の布地を使用。アイスコーヒーいわゆる”冷コー”や、カフェオレなどに最適なこってりした味わいに淹れやすいフィルターです。ぜひアレンジしてお楽しみください。

ゆったり過ごす日曜日の午後、週末に向けてひと踏ん張りしたい木曜日の朝、日々の喧騒を忘れたい金曜日の夜。気分に合わせてフィルターを選ぶ、贅沢なひと時をお楽しみください。

とても長い歴史のあるネルドリップは、いつも喫茶店と共にありました。このスピール専用味変えフィルターは、全国のプロ御用達の老舗メーカー製。実績ある素材が紡ぐ味わいはまさに本物。喫茶店を選ぶように、自宅でも本格的な味わいを楽しめます。妥協しない珈琲を、自分でも淹れてみませんか？

スピール専用ネルフィルターを製造していただいているのは、半世紀以上ネルフィルター製造に関わっている名古屋の老舗メーカー・丸太衣料株式会社、通称”マルタ”さん。マルタさんには全国から日々多くの特注依頼が舞い込みます。それは全国個人経営の喫茶店の減少に伴い、喫茶店を支えてきたネルフィルター製造の会社が減っていく中で、簡単にフィルターを変えられない喫茶店オーナーが数多くいるからです。それほどフィルターで大きく味が変わってしまうのです。

特注依頼を数多く受けながら分かってきたのが ”地域の珈琲”。そんなマルタさんが培ってきた長年の経験を、３枚のフィルターに凝縮しました。

豆のポテンシャルを引き出す「蒸らし」はスピールの得意技です。湯気が対流する構造と陶器の保温・蓄熱効果、更にネルフィルターの伸縮性も相まって、旨味を効果的に引き出します。

ネルドリップの美味しさは知りつつもフィルターの管理に悩まされてきた方は多いはず。​マルタのフィルターは、冷凍保管することで気が向いた時にだけ解凍し使うことが可能です。毎日水を入れ替える必要はありません。

これまでの大掛かりな器具とは一線を画し、カップ、ドリッパー、受け皿が一つに収まるコンパクトさ追求。

収納から準備までのワークフローを見直し、専用のワンタッチネルフィルターを開発。ネルドリップが身近になるデザインに徹底的にこだわりました。

また、受け皿をセットにしたことでドリップする場所をキッチンから開放。ドリップ後にドリッパーを流しに焦って持っていかずに受け皿に置いておけるので、リビングテーブルやデスクでドリップして、そのままコーヒーを味わえます。

古き良き喫茶店が姿を消しつつある昨今。喫茶店と共に失われていくもののひとつに”地域の珈琲”があります。

昭和の喫茶黎明期から、喫茶店は独自の美味しさを追求しつつも、地域のお客様の舌を満足させるコーヒーを追求していました。そして豆だけでなく器具にもこだわり、地元のネルフィルターメーカーとタッグを組み新しい味を生み出していました。 当時は各地にそのようなメーカーがあり、徐々に地域ごとの特徴的な味やサービスが形成されていきました。

そんなお客様・喫茶店・メーカーの地域で循環するサイクルは、個人経営の喫茶店の減少に伴い徐々に失われつつあります。もちろんコーヒーは喫茶店の果たす役割の一部分でしかありませんが 「この地域の人達にとってどんな喫茶店が必要なんだろう？」という問いを続け、”地域の味”を作ってきた人たちのことを忘れないでほしいと思います。

そんなことも少し頭の片隅に置いて、一杯の珈琲を淹れてみてはいかがでしょうか。

ネルフィルターは各種２枚ずつパックの他に、各種１枚ずつ・計３枚入った飲み比べセットも用意しました。

素材：【東京式・大阪式】ステンレスワイヤー・綿100% 【名古屋式】ステンレスワイヤー・綿80%・ポリエステル20%

生産地：国内（愛知県）

販売予定価格：２枚入り 1,100円／３枚入り 1,650円

付属品：専用パッケージ、説明書

※３種とも蛍光染料溶出検査済み

生地が淡く透ける優しい白の "Milk"

複雑な色合いの変化が楽しめる重厚な "Dark"

色も質感も違う２つのテイストを、お好みでお選びいただけます。

大変好評だった木製蓋バージョンも、今回２年ぶりにご用意しました。岐阜県美濃加茂市の木工職人・工房やすさん制作の特注品です。熱に強いガラスコーティング仕上げで、木目のきれいなウォールナット製。数量限定となっていますので、この機会にぜひご検討ください。

色：Milk、Dark

素材：陶器・綿・ポリエステル・ステンレスワイヤー・(木）

本体重量：受け皿(陶)約100g、受け皿(木)約25g、ドリッパー約150g、カップ約250g

生産地：国内（岐阜県・愛知県）

販売価格：本体+名古屋式フィルター2枚 7,480円

付属品：専用パッケージ、布巾、説明書

※陶器の本体は食洗機、電子レンジが使用できます。

※２種とも重金属溶出検査済み

Q. ネルフィルターを使う時の注意は？

A. 新品には糊気がありますので一度煮沸してください。ドリップした後は洗剤を使わずに洗い、冷凍または冷蔵で保管してください（詳細は下記）。使い方でご使用可能期間は前後しますが、50回ほどを基準に交換をご検討ください。

Q.ネルフィルターの保管はどのようにしますか？

A. 乾燥するとコーヒーの油脂が酸化し生地を腐食させやすくなりますので、（洗剤は使わず）洗った後は保存袋に入れて冷凍庫で保管するか、水を張った容器に入れて冷蔵庫で保管して下さい。時々の方は冷凍保存、毎日使う方は冷蔵保存がおすすめです。回数に限らずヌメリが出てきたり起毛が痛んだ頃が替え時です。

Q. 追加の専用フィルターはどこで買えますか？

A.suzugamaのホームページ、またはプロジェクト終了後にはマクアケECで購入できる予定です。

Q. 陶器は汚れますか？扱いは難しいですか？

A.二色共コーティング力が強く汚れにくい釉薬ですが、陶器の性質上完全に汚れないとは言い切れません。汚れが気になった場合は、薄めた漂白剤で浸けてから洗うか、メラミンスポンジで擦っていただくことをお勧めします。また、食洗機や電子レンジもお使いいただけます。

Q.スピールについて詳しく教えてください。

A.第一弾プロジェクトにも詳しく解説しています、こちらをご覧ください。→https://www.makuake.com/project/soupir/

また、専用ネルフィルターを製造していただいている丸太衣料株式会社代表の鷲野さんとの対談動画もあります。初心者、中級者のスピールの使い方動画も制作しております。ぜひご覧ください。→https://youtu.be/XxvuIbfk7Ig

Q.ネルドリップにおすすめの豆はありますか？

A.お気に入りの豆を探すことも楽しみのひとつだと思いますのでコレっとは言いにくいですが、とりあえずネルドリップらしさを味わうには、深煎り〜極深煎りの豆でしっかりコーヒーオイルを抽出していただくと違いを楽しめるかと思います。ぜひお気に入りの焙煎屋さんを探してみてくださいね。

この度は最後までご覧いただき誠にありがとうざいます。毎回ながら長い長いプレゼンテーションにお付き合いいただき感謝しかありません。本当にありがとうございます。suzugamaの佐藤と申します。

一昨年スピールをリリースしてから、私自身多くの方からコーヒーの奥深さを学び、そしてこの世界にもっと魅了されるようになりました。ずっと焼き物の世界にいる私にとってコーヒーの世界はすごく楽しくて、創意工夫の結果が舌を喜ばせてくれるというのは、今も驚きでしかありません。

一方で、知れば知るほど考えが複雑になってしまうこともありました。フィルターのリニューアルにあたっては、もう一度初心に立ち戻ることから始めました。スピール開発当初マルタさんと会議と称して雑談を繰り返していた時のこと。初めてネルドリップをした時の感動を思い出しながら、もういちど「コーヒーの楽しさってなんだろう」を考え直すことから始めました。そして、昨年プロジェクトを一緒に行っていただいた京都の老舗喫茶店・六曜社珈琲店の奥野薫平さんとの出会いが教えてくれたのは、”場”としての喫茶店とコーヒーの、深い深い関わりでした。

今は個人的にコーヒーの好みを探る選択肢はとても多いですが、喫茶店に行くのはまた違う楽しみだと思います。店主のこだわりであったり、お客さん同士での出会い。人に出会い街を歩き、五感で感じる非日常の空気。そしてチェーン店では味わえない地元が作り上げた味わい。素敵なお店に出会った時の、あのなんだか心が開いていく感覚を大事にしたい。私は器具を作ることしか出来ませんが、そんな感覚もコーヒーの楽しみのひとつだと気付き、今回のプロジェクトに繋がりました。

美味しいだけじゃないネルドリップを、ご自宅での喫茶店巡りを、ごゆっくりお楽しみいただければ幸いです。