そずり肉の濃厚だし×蕎麦！“つやまの和牛そずりそば”、誕生

　初めまして。岡山県の県北地域にて蕎麦処「あかりあん」を営む綱島と申します。私は、生まれ育った岡山県北津山地域のホテルにて洋食をメインに和食、中華、製菓の調理に携わった後、弁当の企画・開発・販売管理にも従事した経験により培ってきた様々なジャンルの調理技術・ノウハウ、商品の企画力・開発力を活かすため独立し現在に至ります。

　今回のプロジェクトは私の料理人人生の集大成ともいえるスペシャリテ“つやまの和牛そずりそば” を広く知っていただくための挑戦です。単なる商品PRだけではなく私が生まれ育った津山地域の食文化を次世代に伝えたいという強い想いを込めています。どうぞよろしくお願いします。

骨のまわりに宿る旨味—津山が育んだ“そずり肉”という文化

　岡山県北部・津山は、古くから交通の要所として栄え、牛馬の取引が盛んだった地域です。705年にはすでに牛馬市の記録があり、江戸時代に肉食が禁止されていた時代にも津山藩では養生食（薬としての食）」として牛肉食を認められていた数少ない地域の一つでした。そのため津山地域は“牛肉王国”と称されるほど独自の食文化が息づいていました。

　 その土地で育まれた知恵の象徴が「そずり肉」です。「そずる」とは津山の方言で「削る」、すなわち骨のまわりの肉をそぎ落とす行為を指します。そして、この「そずる」動作こそが、肉を余さず大切に使い切る先人たちの工夫の結晶でもあります。
　 そずり肉は、骨の近くに残った部位ゆえに旨味が非常に濃く、脂分は控えめ。他の部位よりも弾力が強く適度な噛みごたえと噛むほどに増す旨味が特徴です。そのため、鍋、煮込み、うどんの具材などとして、深い味わいを生み出してきました。日常の家庭料理として、あるいは寒い季節に体を温める滋養食として、地域の暮らしに根ざしてきた料理です。

　津山ではこのほかにも、「干し肉」「ヨメナカセ（牛の大動脈）」「アキレス腱の煮こごり」など、肉のあらゆる部位を活かす食文化が発展。これは、限られた資源を大切にし、無駄なく生かす「使い切り」の精神が育んだ結果です。

　そしてこれらの独自の食文化は文化庁の「100年フード」に認定されています。この制度は、日本各地で長く受け継がれてきた食文化を未来へつなぐ取り組みで、津山の牛肉料理はその歴史と独自性が評価されました。認定理由には、江戸時代から続く「養生喰い」の習慣や、骨のまわりの肉を余さず使う知恵が挙げられています。これは、現代の「持続可能な食のあり方」にも通じる価値であり、津山の食文化が単なる郷土料理にとどまらず、日本の食文化の中で重要な役割を果たしていることを示すものでもあります。培われてきた「使い切り」の精神は現代におけるフードロス削減やサステナブルな食の取り組みにも通じるものです。
　
　しかし、流通や食習慣の変化によって、こうした地域独自の食文化は今、忘れられかけています。「そずり肉」は、単なる食材ではなく津山の歴史と先人たちの工夫、暮らしの知恵が詰まった文化そのものです。この文化を未来につなぐため私の料理人としての知恵と経験を振り絞り“つやまの和牛そずりそば”を開発しました。

そずり肉×十割蕎麦—津山の食文化が香る“つやまの和牛そずりそば”

　「つやまの和牛そずりそば」は、津山地域の食文化を象徴する希少部位「そずり肉」と、地元食材の魅力を大きく活かした、当店のスペシャリテです。

　主役となる「そずり肉」は、牛の骨のまわりに残った肉を丁寧に削ぎ落とした部位。脂は控えめながら、骨に近いことで旨味が濃縮されており、適度な弾力で噛むほどに深い味わいが広がります。この肉の持つコクと香りは、蕎麦の繊細な風味と絶妙に調和し、他にはない一杯を生み出します。

　そして、このそずり肉の旨味を素晴らしく引き立てるのが、そば粉100%の十割蕎麦です。小麦粉などのつなぎを使わないことで、蕎麦本来の香りと風味が際立ち、口に含んだ瞬間に広がる香ばしさと、しっかりとした食感がそずり肉の旨味をしっかりと受け止めます。十割蕎麦は蕎麦の魅力を最も純粋に味わえる反面、打ち方や保存が難しいのですが、研究を重ねることで、打ちたての風味と食感をそのまま閉じ込め、ご家庭でも本格的な味を楽しんでいただけるよう工夫しました。

　さらに勝英地域特産の黒大豆で作った黒々茶を加えただし汁は独特のコクと深みをもたらし、岡山発祥の黄ニラの薬味の柔らかな甘みと香りはそば全体の味に奥行きを与えます。

　調理はとても簡単。麺は電子レンジで、つゆは湯煎で温めるだけで、店舗と同じ本格的な味をそのままご家庭で楽しんでいただけます。「つやまの和牛そずりそば」は、津山の食材が持つ力を引き出し、津山の風土を五感で味わえる一杯です。ぜひご自宅でご堪能ください。

この一杯に、津山の未来を込めて — プロジェクトの目的

「つやまの和牛そずりそば」は、私が津山の食文化と向き合い、素材と技術、そして想いを重ねて生み出したスペシャリテです。
　このプロジェクトは、単なる商品のPRではありません。津山地域に根付く「そずり肉」という食材の魅力を、蕎麦という日本の伝統食と掛け合わせることで、地域の歴史や風土、そして人々の暮らしに息づく“食文化”そのものを未来へとつなぐ挑戦です。
　かつて津山では、牛肉を「養生食」として受け入れ、骨のまわりの肉まで余すことなく活かす知恵が育まれてきました。その精神は、今の時代にも通じる「持続可能な食のあり方」でもあります。
　この一杯には、そんな津山の誇りと、私の料理人としての集大成が込められています。そして、皆さまの応援があってこそ、この味が全国へと広がり、津山という町の魅力が新たな形で伝わっていきます。

あなたの応援が、この文化を守る力になります。
津山を知らない方にも、「この文化を残したい」「そずり肉を広めたい」と思っていただける理由があります。それは、津山の食文化が日本の食の歴史を語る貴重な存在であり、未来に継承すべき価値だからです。

　どうかこのプロジェクトを通じて、津山の食文化に触れてください。そして、未来の食卓にも「そずり肉」の物語が語り継がれていくよう、皆さまの応援購入を心よりお願い申し上げます。

実行者紹介

店舗情報

蕎麦・甘味処　あかりあん

店主　綱島　章彦

所在地： 〒709-4335 岡山県勝田郡勝央町植月中２１４８−１

電話番号： 0868-38-5668

営業時間：11時00分～14時30分（木曜定休日）

メッセージ
「津山の食文化を未来へつなぐために、皆さまの応援を心からお願い申し上げます。
この一杯が、地域の誇りを全国に広げるきっかけになりますように。」