プロジェクト実行者
プロフィールストーリー
- 世界最古の舞台芸術「能楽」の故郷、奈良県多武峰(とうのみね)に佇む談山(たんざん)神社
- 能の大成者 観阿弥・世阿弥が舞った談山神社の庭に、当代最高の能楽師が集う「談山能公演」
- この「談山能公演」を神社の庭で毎年開催し、日本の伝統を未来に繋げるために野外能舞台を贈りたい
2019年4月、奈良盆地を見下ろす多武峰(とうのみね)の連山。山頂の談山(たんざん)神社の空は青く澄みわたり、咲き誇る桜の花。この日のために組まれた能舞台の上を、白色の翁の面をつけた観世清和が進み、黒の装束に身を包んだ野村萬斎がからすの化身のように飛び跳ねる。時を刻む、人間国宝・大倉源次郎の鼓。広場には神聖な寿ぎの気が立ち上っていました。
能楽を大成した観阿弥・世阿弥がかつてここで舞台に立っていたことから「能の故郷」と呼ばれる談山神社。室町末期にすたれたこの神社での演能を、2011年に「談山能」と題して復興。奉納公演〜神に捧げる公演〜として、現代の能楽界の重鎮が一堂に会し、本年まで断続的に開催しています。
今年は初めて、観阿弥・世阿弥がまさに舞い謡った神社の庭に舞台を組み、満開の桜を背景に野外公演が開催され、息をのむほど美しく荘厳な雰囲気でした。
この想いから、このプロジェクトは始まりました。
なぜなら、今年組んだ舞台は取り壊されてしまって来年以降は使えない。
毎春、談山能公演の際にこの庭に設置し、繰り返し使えるような舞台を作れないものか・・・。
この地には能舞台が必要です。
世界に誇るべき日本の舞台芸術の聖地に、宮大工の手による舞台を贈る。
「談山神社・能舞台奉納プロジェクト」スタートです。
奈良県の桜井駅から車で約30分、多武峰に佇む談山神社。多武峰は、飛鳥時代に中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(のちの藤原鎌足)が、日本の歴史を大きく動かした大化改新について密談を交わした場所と言われています。このことから「談い(かたらい)山」と呼ばれ、これが「談山」神社の名の起こりとなっています。
以来、談山神社は藤原鎌足公へのあつい信仰を保ち、鎌足公を弔うために建立した十三重塔は談山神社のシンボルとなっています。現存する重要文化財の十三重塔は、室町時代に再建されたもの。木造の十三重塔としては日本唯一で世界最古です。
大化改新にちなんで毎年4月と11月に行われる蹴鞠(けまり)祭も有名です。また本殿(重要文化財)や朱塗りの華麗な社殿は、徳川家康が日光東照宮の手本にしたほど。春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉と季節ごとに大変美しく、関西の日光と言われています。
私たちは談山神社を訪ね、長岡千尋宮司から談山神社が能の故郷と呼ばれる理由をお伺いしました。
「江戸時代まで、ここは神仏習合。神社と天台宗の寺が併存していました。寺にはフリーランスな立場の僧として、近隣の村から多くの若者が入山していましてね。お勤めの合間に書庫の経典や古典を読み込み、連歌や舞い、そして“能”と呼ばれた、今で言う芝居をたしなんで行事の際に披露した、そんな記録が残っています。いわば山全体が芸の目利き。この土壌が、ふもとの村に豊かな芸能を育てたのです」
多武峰からは、寺川という川がふもとの奈良盆地へと流れ込んでいます。その流れに沿うように、円満井座、坂戸座、外山座、結崎座、「大和四座」と呼ばれた芸能集団が生まれ、毎年、寺のお堂の前の庭で新作を披露する習わしでした。
「それを目利きの僧たちが、いい悪いと評価する。非常に熱い芸能空間ですよね。この結崎座こそが、後の観世座。観阿弥、世阿弥親子が座頭を務めました。つまり彼らは多武峰で芸を鍛え、現在の能へと磨き上げた訳で、今は古典となった『羽衣』も初演は多武峰。能の故郷と呼ばれる所以です」
「11年前、お堂から、能面の原型と考えられる19面もの古面が発見されました。世阿弥たちも同様の面をつけていた可能性があり、この大発見を機に、小鼓の人間国宝である大倉源次郎さんが中心となって、途絶えていた能公演を復興してくださったのです。もちろん、檜(ひのき)の舞台であればなお素晴らしいでしょう。ただ、制作には700万という多額の資金が必要で、修復しなければならない建物が山積みの現在、我々にはどうしてもその余裕がない。地元には腕のいい宮大工の棟梁もいるのですが・・・」
その棟梁、山本吉治さんを訪ねました。桃山時代にこの奈良盆地に移り住み、神社仏閣の建築に携わってきた一族の九代目。「大工はどれだけいい木を持つかが勝負」と、倉庫にはうなるほどの材木が蓄えられています。もちろん、檜(ひのき)の板も。
「もしも多武峰の能舞台を手掛けられるなら、これほど光栄なことはありません。床にはこの板を敷いて、脇にはこちらを、と僕の頭の中ではもう設計図が出来上がっていますよ」
そう笑った山本さんが思い描くのは、祭礼や公演の現場で組み上げる、移動式の能舞台だといいます。背面に松図の鏡板は立てず、神社の自然を借景にする。ある時大倉さんと夢を語り合う中で生まれたこの形について、大倉さんはその真意を語ってくれました。
「多武峰だけではなく、奈良のどこでも、能や狂言を上演したいとなったら貸し出し出来る移動式舞台を作りたいのです。能を育て、磨き上げたこの奈良の地で、世阿弥の時代のようにそこかしこで能楽が上演されるようになったら素晴らしいではないですか」
再び談山神社の庭に立てば、その舞台が目の前に浮かび上がって来るようです。
真白い檜(ひのき)の橋掛かりと、方形の舞台。
この舞台を現実のものとするために、あなたの援助を、今、求めています。
●和塾について
和塾は、日本の豊かな芸術・文化を学び、広め、支えたいという発起人の思いから創立されたNPO法人(特定非営利活動法人)です。
主な事業は、さまざまな日本の文化・芸術に関する催事(公演・講演・ワークショップなど)の実施。平成16年の創立以来、人間国宝(重要無形文化財保持者)をはじめ、各分野のトップの担い手・専門家とご縁をいただき、「正統・本流・本格・本物」の体験を皆さまにお届けしてまいりました。
卓越した日本文化と生活者および企業の接点を創りだし、日本文化の発展的継承を支援することを目指しています。
歌舞伎・茶の湯・陶芸・染織・武道・数寄屋造り・懐石料理・・・。
日本には、世界に誇るべき多様で高度な文化があります。そのすべてが、長い歴史を刻み、時代も世代をも越えて継承され、グローバル化とともにその存在価値をますます高めています。能楽もその代表的な1つ。
ところが、その実態は、程度の差こそあれ、いずれもいささか厳しい環境にさらされています。中には、絶滅が危惧されたり、その継承が困難になっているものも。
この国の素敵な文化を、世界に誇るその得難い価値を、次の時代・次の世代へと引き継いでゆく責任があると私たちは考えています。
本プロジェクトはそのための重要な一歩。
世界最古の芸能と言われる能楽の活性継承を応援するために、能舞台を贈りたい。でもまだ資金が足りません。ぜひ皆さまのお力をお貸しください。応援よろしくお願い申し上げます。
リスク&チャレンジ
・ご支援の状況によりリターンの配送時期が遅れる場合があります。
サポーターからの応援コメント
文章のTOPへ
このプロジェクトはAll in型です。目標金額の達成に関わらず、プロジェクト終了日の2020年02月28日までに支払いを完了した時点で、応援購入が成立します。
5,000円(税込)
【限定】談山神社「御朱印」
●本プロジェクト限定の談山神社「御朱印」を作成し授与いたします。
※画像はイメージです。
●感謝状
※本件は所得税等の寄付金控除の対象とはなりませんのでご了承ください。
のサポーター
2020年05月末までにお届け予定
10,000円(税込)
【限定】談山神社「芸事守」木札
●今回の談山能舞台制作の過程で出たヒノキ材の端切れを活用し、本プロジェクト限定「芸事守」の木札を作成し授与します。
※画像はイメージです。
●感謝状
●本プロジェクト限定 談山神社「御朱印」
※本件は所得税等の寄付金控除の対象とはなりませんのでご了承ください。
のサポーター
2020年05月末までにお届け予定
30,000円(税込)
談山神社内に設置する奉納額へのお名前掲載
●支援者様のお芳名を記した「奉納額」を作成し、談山神社内に掲示します。
※お名前はご登録いただいた本名を使わせていただきます。また、公序良俗に反する記載と機種依存文字の記載はできません。
※連名はできかねかます。
※画像はイメージです。
※最低掲載保証期間は2020年6月1日〜2021年4月末までとなります。
●感謝状
●本プロジェクト限定 談山神社「御朱印」
●本プロジェクト限定 談山能舞台制作の過程で出たヒノキ材の端切れを活用した「芸事守」木札
※本件は所得税等の寄付金控除の対象とはなりませんのでご了承ください。
のサポーター
2020年05月末までにお届け予定
50,000円(税込)
2020年談山能出演者サイン入り「公演プログラム」
●2020年談山能の公演プログラムをプレゼントします(出演者によるサイン入り)。
●感謝状
●本プロジェクト限定 談山神社「御朱印」
●本プロジェクト限定 談山能舞台制作の過程で出たヒノキ材の端切れを活用した「芸事守」木札
●支援者様のお名前を記した「奉納額」の談山神社内への設置
※お名前はご登録いただいた本名を使わせていただきます。また、公序良俗に反する記載と機種依存文字の記載はできません。
※連名はできかねかます。
※最低掲載保証期間は2020年6月1日〜2021年4月末までとなります。
※本件は所得税等の寄付金控除の対象とはなりませんのでご了承ください。
のサポーター
2020年05月末までにお届け予定
100,000円(税込)
【5名様限定】2020年談山能 観覧席
●2020年談山能にご招待します。
・観覧席のご用意
・公演後に、能楽大倉流小鼓方十六世宗家・重要無形文化財保持者(人間国宝)の大倉源次郎師からのご挨拶
※2020年春公演予定です。公演日は決定され次第、活動レポートにて告知させていただきます。
※開催場所は談山神社(奈良県桜井市大字多武峰319)となります。現地までの交通費は別途ご負担ください。
●感謝状
●本プロジェクト限定 談山神社「御朱印」
●本プロジェクト限定 談山能舞台制作の過程で出たヒノキ材の端切れを活用した「芸事守」木札
●支援者様のお名前を記した「奉納額」の談山神社内への設置
※お名前はご登録いただいた本名を使わせていただきます。また、公序良俗に反する記載と機種依存文字の記載はできません。
※連名はできかねかます。
※最低掲載保証期間は2020年6月1日〜2021年4月末までとなります。
●2020年談山能出演者のサイン入り「公演プログラム」
※本件は所得税等の寄付金控除の対象とはなりませんのでご了承ください。
のサポーター
2020年05月末までにお届け予定
「Makuake(マクアケ)」は、実行者の想いを応援購入によって実現するアタラシイものやサービスのプラットフォームです。このページは、 社会貢献カテゴリの 「世界遺産・能楽の故郷【談山神社】に能舞台を贈ろう!日本が世界に誇る芸能を次代へ!」プロジェクト詳細ページです。