プロジェクト実行者
ストーリー
- 世界が認めた歴史的デザインの復刻版
- 手に取った瞬間、30年の時間といのちの不思議を感じる「物語のある道具」
- 国内の工芸職人でも難易度の高い加工を行い実現
もう二度とつくれないかもしれない。だから、いま。
「席を取っています」を意味する長崎弁「とっとっと」。その響きが左右対称のかたちと呼応し、名付けられたこのポット。
1995年の誕生から30年、世界中で愛されながらも、いつしか「幻」と呼ばれるようになったTOTTOTTO Y-potが、ついに復刻を果たします。

世界で最も影響力を持つ、近代美術ミュージアムに「東西の架け橋」と評価されたプロダクト|Y-pot

1930年代初頭に生まれたバウハウス直系の巨匠W.Wagenfeldの銘品をThen(昔)と呼び、右ページ: 70年後のNow(今)はトミタのTOTTOTTOであるというお墨付き。ツルは「東西の架け橋」と評された。 かたちもさることながら、日欧の狭間で活動を続ける富田一彦の創作の本質を捉えようとした、世界的オピニオンリーダーの記念碑的ページ。
洗練された造形と、茶器としての機能美
Y字に分岐する注ぎ口は、単なるデザイン上の遊びではありません。
注ぎたいカップに対して、自然に狙いを定めやすい形状になっています。

注ぎ口の角度と長さが絶妙に計算されているため、お湯や茶が美しい曲線を描いて、狙った場所へ正確に注がれます。

なぜ「いま」なのか?二度とつくれないかもしれない、二つの理由
発表から30年を経て、TOTTOTTOを取り巻く環境は激変しました。そしてその中で浮かび上がってきた深刻な問題が二つあります。
職人たちの高齢化という現実
複数の部品を組み立ててつくる ため、生地マエストロの技量が活きるプロダクトです。釉がけと窯詰めにも頃合いや按配、 配置の工夫があり、ボディが仕上がる重要な工程。
そしてツル掛けは、Y-potを製品とし て完成させるために二人がかりで息を合わせる、極めて繊細かつ力仕事です。

これらの工程を担うのは、それぞれ素晴らしい仕事をしてくれる50代後半から60代前半の職人たちです。いつまで生産が続行できるかは、神のみぞ知る状況にあります。
実際に私が過去設計したデザインでも、職人の高齢化による離職で再生産の見込みが立たなくなったプロダクトが一つや二つではありません。

部品素材の国内流通が激減
TOTTOTTOのツルで使用している“未加工ラタン”は、産出国で輸出制限がかかりました。
2000年代以降に国内での流通が激減、急須-土瓶用も磁器ハンドルや金属製、樹脂製に置き換わりました。今回の復刻版に装着されるツルはマエストロたちのご厚意で、一般的な土瓶用につくられたツルの在庫分をY-pot用に転用、再加工したもの。
入手困難な事情から今後の再調達がほぼ不可能、幸運とご厚意と職人の腕前が三拍子揃ってようやく成立するプロダクト。
職人の絶滅が危惧される今こそ作らねばと決意しました。

世界を魅了した、生命を象徴するかたち
Y字が語る、いのちの物語
デザイン表現がかなり難しい、存在そのものに関わる0から1。1から2はミニマルで 増殖する際、常に表れる命の営みそのもの。Y染色体、人間の手足や指、あらゆる血管。幹や茎から枝分かれする植物、川の流れが収束し大河となるetc― Y字として表れた生命を象徴するさまざまなかたちです。

Y-potは、日常にいのちを吹き込むよう練り上げ、選び抜いたデザイン上のサインなのです。命って本来、捉え所がないもの。

科学の力でも解明できていないところがある。かたちを与えて実体化するのは本来難しい。
生きているものの本質を造形の力で表現したい ― 長年抱いてきたその夢の実現が、このY-potなのです。

Y字に分岐する注ぎ口とフタ。フタがボディの中心に座る一般的なポットの要素配列を、根本から変えてみたいという、陶磁器デザイン初めての無謀とも呼ぶべき挑戦でした。
世界が認めた価値
1996年、改良版が完成すると、朝日現代クラフト展入選とRed Dot賞(ドイツ)受賞という栄誉に輝きました。さらにイスラエル国立美術館やトロントのGardener美術館での展示まで、世界中で高い評価を受けました。
MoMA NYのカタログには、ハンドルについて「東西の架け橋」と表現していただきましたが、この一言がTOTTOTTOの持つ普遍的な価値を物語っています。

30年の物語
デザイナー人生の起点
すべてはゼロから始まった
1995年、陶磁器工房を主宰する長谷川武雄氏から、長崎の伝統ある磁器産業にたずさわるきっかけとして、磁器を自主製作する提案がありました。彼の工房の全面協力のもと、石膏原型から鋳込み型、そして成形から焼成に挑んでみようというのです。

これまで木工塾を経て木や金属、樹脂の切削造形に多少の自信はありましたが、石膏は初めて。3ヶ月にわたる試行錯誤の末、1995年夏、長崎県美術博物館でのDUE NAGASAKINI(長崎出身デザイナー二人)展に出品しました。
初期型は500ccに満たないやや小ぶりなY字で、結んだ紐を引っ張って取り出すフタでした。
そして「幻」となった10年
開発の型自体は完成に近づいてきたものの、その希少性とは裏腹に、生地の精度のレベルが高いものです。
しっかり作りこんでくれる適任の生地マエストロの協力が必要です。
例えばツル掛けはディテールですが、精度が高ければツルが綺麗にかかります。
口元つまり注ぎ口周辺も同様で、接着の精度や仕上がり具合で全体像がキマる。
本格的な製造販売に至るまでに確固たる腕前を持ったマエストロに出会う必要がございました。
2025年、奇跡の復刻 ― マエストロたちとの出会い
30年という節目の年に
誕生から30年という節目の年、2025年。ついに生産型を修復再生させての復刻が実現します。一度は眠りについた型を蘇らせることは、決して簡単ではありませんでした。
今回の復刻を可能にしたのは、窯元を通じて知り合えた、マエストロたちとの運命的な出会いです。
世界の巨匠も認めた逸品

ヴィコは1997年にイタリア入りしたTOTTOTTO Y-potを誰よりも先にご所望になり、誰よりも先に個人蔵にしました。お客たちに「これは私の教え子の記念碑だ。」
と紹介していたのも一度や二度ではありません。Y-potはヴィコ邸のリビングの窓際に、ずっと飾られていました。
MORODEが出来た時も、穴あきソーサーの完成度をマダレーナ(デパドバ)にみせびらかして自慢し、自分が行けないからと、Laboratorio PesaroやRorstrand(Ittala)からの依頼に僕を送りました。陶磁器作品が増えていった背景には、素材と僕の形態言語との整合性以外にヴィコのアニキ風が吹いていたのでした。
プロジェクト実現に関わってくださたった方々から頂いたメッセージ

ゼロから企画したデザイナー本人のものづくりへの熱意に応えたいと思いました。神さまから戴いた天草陶土に感謝を込めて、この特別な形状を仕上げています。

取り付けるツルが割れにくいよう、180度カーブをひっくり返す工法を編み出しました。Y-potが、広く知られていくのを楽しみにしています。

絵付けを専門とする伝統工芸士となっても、Y-potに関しては釉掛けと窯詰めを続けています。磁器としての美しい品格が備わるよう、真っ直ぐに向き合っています。

インバウンドは今や誰もが知る常識語。30年前にアウトバウンド=輸出を前提に制作し、実際に海外での高い評価にまでつなげた画期的商品。吉田開窯四百周年直前の中興の成果、それがTOTTOTTOです。

石膏や土と格闘しながら、また、実に保守的な産地の体質と、彼が最もこだわるモノ作りの歴史や蓄積の狭間の中で、相当な時間を費やした事は多くの人達の知らないところです。(中略) 新しい価値観の伝統をひっさげてのさらなるインターナショナルな冨田一彦の活躍を期待しています。
プロジェクトオーナー
富田一彦からのメッセージ
30年前、30歳の私が命を削って実現したY-pot。それは、デザイナーとしての私の起点となった、かけがえのない存在です。
生命を象徴するY字のかたちに込めた思い。世界中で評価されたときの喜び。そして、生産が途絶えたときの無念さ。すべてを乗り越えて、いま復刻という形で蘇らせることができる。それは、マエストロたちとの奇跡的な出会いがあったからこそです。
しかし、この復刻は、おそらく最後のチャンスです。職人たちの高齢化、ラタンの入手困難、型の寿命 ― すべてが限られた時間の中にあります。
だからこそ、この物語に共感してくださるあなたと一緒に、手仕事の未来をつなげたい。Y-potを手に取ったとき、あなたが感じるのは、ただの器ではなく、30年の時間と、いのちの不思議と、職人たちの情熱と、絶滅から救われた手仕事の物語です。
どうか、この復刻を支えてください。あなたの応援が、未来への原動力となります。
富田一彦
プロジェクト実行者について
富田一彦|Kazuhiko Tomita プロダクトデザイナー。1965年長崎県生まれ。1995年にTOTTOTTO Y-potを発表し、デザイナーとしてのキャリアをスタート。以降、数々のプロダクトを手がけ、国内外で高い評価を受ける。
経歴
長崎市立浪平小・梅香崎中・長崎県立東高卒(1984); 千葉大工学部工業意匠学科卒(1989);
日本人で初めて伊カッシーナ社から奨学金を得て、ロンドンRCA(王立美術大学院)MA修了(1992);
ミラノアトリエ「意匠二次元半」設立(1993);
3.11を機に帰国(2011)
日本の伝統産地を連携し、グローバルな国際市場にMade in Japanを輸出する事業に力を注ぐ。 数多くのテーブルウェア、ファニチャーやインテリアをデザインし、伝統的な素材や技術を未来的なライフスタイルに提案している。
日 Good Design・中小企業庁長官賞; 国際陶磁器展美濃・審査員賞(ティモサルパネヴァ氏); デザインアイ国際コンペ’89・審査員賞; 朝日現代クラフト展入選 独 Red Dot Design賞; DesignPlus x3受賞(フランクフルト); 「21世紀のデザイン」に掲載(ケルン)
伊 Italian Design on Tourに2作選定
米 Forbes誌に掲載(2022)
英 ロンドン・国際デザイン年鑑に通算4年 5作掲載; 「デザインの150年」に作品掲載
仏 パリ・Maison&Objet国際見本市 ParcourDecopremier賞
18ヶ国 のべ約1万人とリアルにコラボレーション(1985~)
COVO社(イタリア 2000-2002); NUSSHA(日本 2004-2010)のアートディレクター
日本製品を欧州やアメリカ+台湾や東南アジアに輸出(1996~現在)
NY・MoMA-LA・日米文化会館-ロンドン・英国博物館-パリ・BonMarche-伊系Rinascenteデパート-東京新美術館-長崎県美術館で作品販売;パリ・ルイヴィトン財団美術館Cafeで作品供用
10ヶ国120誌以上のデザイン誌・情報誌・専門書に作品及び本人掲載(1989~現在: 確認済みのみ)
「ガイアの夜明け」に出演(2006); NHKまちかど情報室-Moco’sキッチンで作品紹介(2013)
日テレ系ドラマに作品出演(「ドS刑事」ほか 2015~); 伊RAI料理番組に作品出演(2007)
知的障害者と初コラボ商品の花器制作(奈良県香芝市GoodJobセンター2021)
ソウル・国民大学デザイン科や千葉大デザイン科の非常勤講師等を歴任
長崎県美術館主催「トミタリア/ 富田一彦の世界」展(常設展示室400㎡における個展2015)
富田一彦のポートフォリオはこちら(Googleドライブに飛びます)▶︎
よくある質問
Q: 配送はいつ頃になりますか? A: 製作工程の特性上、お届けまでにお時間をいただく場合がございます。詳細なスケジュールは活動報告でお知らせいたします。
Q: 電子レンジや食洗機は使えますか? A: ラタンツルの劣化を防ぐため、電子レンジと食洗機のご使用はお控えください。
Q: 一つひとつ違いがありますか? A: ひとつひとつ手作業で製作するため、若干の個体差が生じる場合がございます。これも手仕事ならではの味わいとしてお楽しみください。
Q: サインはどこに入りますか? A: 富田一彦のサインは、本体底部に入ります。
リスク&チャレンジ
※本文中に記載させていただいたスケジュールは、あくまでプロジェクト公開時点の予定です。応援購入の性質上、配送遅延のおそれがございます。 原則として、配送遅延に伴う応援購入のキャンセルはできませんが、リターン配送予定月から3ヶ月を超えた場合には、希望者に限りキャンセルにて対応させていただきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【商品等の不具合による返品・交換】 ◾️対応条件:商品に破損、色の間違い ◾️返金額:応援購入と同額 ◾️返品送料/再送料:実行者負担 原則として、サポーター都合によるキャンセル・返金は承っておりません。 (サポーター都合のキャンセル不可の例:サイズが合わない、誤注文、長期不在) ◾️対応条件: 商品の初期不良、またはお届けした商品がご注文内容と異なる場合、到着後14日以内にプロジェクトページの「実行者にメッセージ」よりご連絡ください。状況を確認の上、返金対応、または良品との交換対応をさせていただきます。 ◾️返金額: リターン金額(税込)の全額 ◾️返品送料/再送料: 実行者負担 【返品・交換をお受けできない商品】 ・サポーターの責任により破損、汚損が生じた商品 ・商品のタグ、付属品、パッケージ(箱、袋など)を紛失、破棄された商品 ・事前にご連絡をいただいていない商品 ・商品到着後、15日以上経過した商品 【交換をお受けできないケース】 ・限定品や同一商品の在庫がない場合など、代替品をご用意できない商品
サポーターからの応援コメント
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