美しい色彩にため息が出る。そんな日傘です

今の日傘は、ナイロンやポリエステルといった化学繊維が主流です。急な雨でも、対応でき、しっかりとした黒の遮光生地をつけて、日射しをシャットアウトします。UV対策としても、涼しさを感じるアイテムとしても優れものです。

しかし、今回の浴衣日傘は、性能的には、いまの最先端の素材ほどではありません。
とても、伝統的な、悪く言えばアナログな傘ですが、昔から使われるものには、今よりも優れているところもあります。

まず、見た目。日傘はファッションの一部であり、夏の装いの主役です。
美しい色彩のもつ艶やかさは、今の晴雨兼用の傘では決して得られない贅沢だと思います。

特に今回使用している浴衣の反物は、江戸時代からの伝統的な染め技法で作られる反物は息をのむ美しさです。

次に涼しさ。浴衣素材の日傘は、密度が高くありません。そのため、雨が降るとどうしても染みこみがちです。しかし、だからこそ、通気性はしっかりあるので、風通しもよく熱もこもらず、反物の涼し気な風合いも相まって、木陰のような涼しさを体感頂けます。

＊遮光性もちゃんとあります

同じ日傘が二つとない。涼し気な浴衣の風合いも魅力。東京の老舗を応援する浴衣日傘

今では少なくなった東京の伝統工芸に、傘と本染浴衣があります。
どちらも江戸からの粋や文化を伝える重要な産業です。

しかし、その伝統が大きな危機に瀕しています。

2年以上に及ぶコロナ禍において、花火大会などのイベント中止も相次ぎ、浴衣の需要が大幅に減少しました。

日傘に関しては、外出時にソーシャルディスタンスを保つ有効なアイテムとなるため需要がありますが、それでもコロナ前の需要に戻ることは難しく、日本製の高単価で質のよい浴衣や日傘のメーカーはとても苦戦しているようです。

そこで私たちは、東京の日傘メーカーが、浴衣の反物を使用してつくった日傘を販売することとしました。浴衣の生地で作る日傘は、一般的な日傘とくらべ、通気性も高く、顔回りも明るくなり、涼し気な印象にもなります。また浴衣生地をつかうため、切り取る場所により柄もかわり、同じものが二つとない日傘です。

機能の良さだけじゃない。柄の美しさも日傘の魅力です

確かに最近の大判日傘と比べるとこぶりな日傘になります。
これは浴衣の反物である以上、反物の幅に合わせているためです。

全身を隠すことは難しくても、顔周りに、かすかな日差しから鮮やかな色彩の光が顔を照らすと、とても色気があり、日本の美と粋を感じます。

江戸から続く伝統の浴衣生地を使っているため、その染められた美しい色彩は日傘にするととても映えます。

もちろん、だからといって、遮光や遮熱がないかといえばそうでもなく、さしてみたら感じてもらえる涼しさと心地よさに、浴衣の日傘も捨てたもんじゃないなと思ってもらえるはずです。

＊折りたたみ傘。手元には寒竹を使用

＊長傘。手元には寒竹を使用

浴衣も傘も、東京の伝統産業

江戸時代より、傘も浴衣も江戸を代表するアイテム。
今回この浴衣日傘をつくったメーカーは東京にあります。
東京の下町の閑静な住宅地にたたずむこの会社は、半世紀にわたり上質な傘を作り続けてきました。
上質な日傘を東京で作り続けたことから、東京都の振興功労者にも選ばれています。
最近では、多くのセレクトショップなどでみかけることの多い高級傘メーカーです。

また浴衣生地は、化学染料を使用するなど着物作りの合理化が流行した時代にも妥協せず、江戸時代からの染色技法・長板中型などの手作業にこだわり、同時に素材や着心地を追求し、高い評価を受けている技法です。精巧で繊細かつ上品な仕上がりで、手に取る人々を魅了しています。
この浴衣生地を使って1本1本日傘へと仕上げた傘職人の丁寧な手仕事。染め職人と傘職人による渾身の1本をぜひ手にとって、職人のこだわりや江戸時代から続く伝統の技に触れてみてください。

応援よろしくお願いします。

仕様

スケジュール

5月下旬 プロジェクト終了

6月中旬から下旬 順次発送を開始

リターンについて

実行者紹介

私たち、アズロッソは、消費されるファッションではなく、持つことで自分に自信をもてるようなファッションアイテムを日本国内のあらゆるメーカーと協力して開発し販売しています。

SDGsの目標の一つでもある「つくる責任つかう責任」として持続可能な消費と生産のパターンを確保すべく、東京の伝統産業である浴衣生地を再利用した日傘など、日本全国の伝統産業製品から生まれた上質でストーリーのあるファッションアイテムを取り揃えていきます。

アパレルやファッション雑貨製品の大量生産、大量廃棄を前提としたビジネスモデルに厳しい目を向けられる中で、上質な日本製アイテムを長く使うことの意義は年々高まっています。

また使い捨てが常態化することで、上質なものを少量生産で作り続ける浴衣や日傘といった、東京に深く根付く伝統産業の担い手である会社が立ち行かなくなることへの損失は計り知れません。

手頃でコスパがよいということは一見いいことに見えるかもしれません。しかし、ファッションのみならず、製品を消耗品のように使用する考え方は、人の心も消耗させます。持つこと、身に着けることが誇りとなるような製品をつくることは職人の誇りです。文化的にも歴史的にも職人を大事にする日本。作り手も買い手も誇りに思ってもらえるようなブランドを作り続けていきたいと思っています。