このプロジェクトで届けたいもの

　このプロジェクトでは、佐賀県鹿島市で栽培されたお米と鹿島の伏流水で醸す限定日本酒、お酒造りに使用する仕込み水、鹿島で栽培されたお米など佐賀県鹿島市のテロワールを味わえるものをお届けします。超限定で袋吊り体験、蔵見学も実施。鹿島の地を感じる体験もご用意しております。

馬場酒造場が醸す
「能古見」とは

　私たちの酒蔵、馬場酒造場は佐賀県鹿島市という県内南西部に位置します。国道444号線沿い中川上流の川辺に見える蔵が馬場酒造場です。創業は1795年。現社長が8代目、現杜氏（次期当主）が9代目です。

　鹿島市は6つの地区から成る市で、能古見（のごみ）地区はその内の一つです。つまり能古見とは、私たちの住む地区、旧村なのです。清酒 能古見は8代目現社長が1995年に地元への強い想いをもって立ち上げた銘柄です。

　当時、鹿島市のお酒は地元の人に呑まれることは少なく、隣県の長崎県が商圏でした。また、地元鹿島では山田錦の栽培はされていない状況。さらに、当時の情勢はバブル崩壊後、酒類価格の自由化により、大手企業が普通酒を低価格で販売する世の中でもありました。

　『自分が想い入れのあるお酒を地元鹿島の人に呑んでもらいたい』そう思い立った8代目は、これまでのスタイルを一新。山田錦を地元鹿島で生産し、原料をオール地元産とした特定名称酒で生き残る道を選ぶ決心をしました。JAや地元農家の説得に7年を費やし、ようやく清酒 能古見が誕生しました。能古見の歴史は、地元農家が主体の山田錦部会と共にありました。

しかしながら、時代は変遷し、、、　

　鹿島の山田錦部会は現在も続いていますが、ご高齢による離農、承継者不足により会員は当初の半数以下。現会員の平均年齢は高くなり、今後の存続が懸念されます。さらに追い打ちをかけるのは、昨今の食用米の価格の高騰。酒米は食用米より高価ではあるが、収量の少なさ、栽培への手間、災害リスクの懸念などの理由から、食用米に転作する生産者も増えてきています。

そのような中で、、、　　　　　　　

　2024年から親子で農家を営む２人が、新しく鹿島の山田錦部会に加入してくれました。鹿島市は日本酒が盛んな街だからと、手間がかかる山田錦の栽培に挑戦。厳しい状況の中、とても明るい話でした。

私たちにできること　　 　　　 　

　今までも農家さんへの感謝をもっていましたが、お米が不足する世の中になり、これまで以上に有難みを感じました。

　現在の情勢でも、地元鹿島で酒米を作ってくださる農家さんの想いを受け継ぎ、鹿島の日本酒を造ること、これが私たちにできることだと改めて感じます。難しいけど何とかして続けていくしかない。そう思います。

「お水とお水」で感じる
鹿島産日本酒

　私たちたちが住む集落は、市の水道が全く通っていない地域です。そのため、すべての水は井戸水から確保しています。酒蔵の水はもちろんのこと、周辺住民も井戸を掘り、生活しています。私たちの水は自然の恩恵そのものなのです。

　酒蔵で使う水は佐賀県と長崎県の県境を連なる多良山系の伏流水。多良岳は、弘法大師が修行をした非常に神聖な岳です。天然林が残り、希少な動植物が生息する自然豊かな岳が、恵みの水を生み出す母体。自然のろ過作用が働き、不純物が取り除かれ、良好な水質を生み出します。

　水の硬度は30mg/L程度の超軟水。柔らかい口当たりは仕込み水由来のものです。

　原料米は佐賀県鹿島市産。山田錦部会の方々が栽培した鹿島産山田錦を100％使用します。

　お酒は、馬場酒造場の製造場で醸します。31歳の杜氏が率いる若いチームで、農家さんが栽培してくれた山田錦を活かす酒造りを行います。

　使用する酵母は佐賀県で開発された佐賀はがくれ酵母。酒母に使用する酵母は、杜氏自ら培養、管理を行います。

Makuakeオリジナル限定酒の仕様

米： 担い手不足に挑む地元農家が育てた、希少な「鹿島産山田錦」を100%使用。

水： 神聖な多良山系が生んだ奇跡の超軟水。生活用水も全て井戸水という、自然の恵みそのもので醸す。

技： 創業230年の伝統を、31歳の若き杜氏が率いるフレッシュなチームが受け継ぎ、醸す特別な一本。

　本プロジェクトで製造する日本酒は、馬場酒造場の規格にない設計で製造します。原料米は全量佐賀県鹿島市で栽培された山田錦を、酵母は佐賀県オリジナル酵母「佐賀はがくれ酵母」を使用します。８種類ある佐賀はがくれ酵母ですが、今回は弊社でも使用実績のない佐賀はがくれ酵母タイプY（StyY）を使用。洋梨のような香りが特徴です。

【①Makuakeオリジナル限定酒】

品目　　　：日本酒

原材料　　：米、米こうじ

原料米品種：山田錦（佐賀県鹿島産）

内容量　　：720mL

保存方法　：要冷蔵

パターン　：無濾過生 or おりがらみ生

※「おり」とは、醪（搾る前の固形分と液体分からなるもの）の微細な米のかけらや酵母からなる固形分のことです。おりがらみとは、を絡めたお酒のことで、うっすら白く濁っているのが特徴です。生きた酵母から成るフレッシュなピチピチ感や、お米の旨味をダイレクトに感じることができる味わいが特徴です。

※「無濾過生」はおりを絡めない状態のお酒です。無濾過ならではの濃醇さ、生ならではのフレッシュさが特徴です。生酒は、冷蔵保管でも味の変遷が生じやすいお酒ですので、数本ご購入いただくと、春先のフレッシュさ、秋口のリッチ感など時間の経過とともに様分な味わいをお楽しみいただけます。

【②水】

品目　　　：仕込水

硬度　　　：約30 mg/L（超軟水）

水源　　　：多良山系の伏流水

内容量　　：720mL

保存方法　：冷暗所保存

【③お米】

生産者　　：ユートク農産株式会社　松尾和弥（31歳）

品目　　　：お米

品種　　　：さがびより（食用米）

内容量　　：5 kg

FAQ

Q.詳しいスペックは非公開ですか？
A.現状、詳細なスペックは決定しておりませんが、プロジェクトチームが目指す酒質は以下の通りです。

　洋梨のような甘やかで芳醇な香り、みずみずしくでジューシーな甘みと酸味、リッチな旨味を感じれる、後味は軽快な純米系統のお酒を目指します！

Q.保存は冷蔵庫でしなければいけませんか？
A.生酒、おりがらみ生酒は必ず冷蔵保存でお願いします。火入れ酒も可能であれば冷蔵庫、難しければ冷暗所で保存ください。

Q.送料は価格に含まれますか？
A.はい。含まれております。大変申し訳ございませんが、北海道・沖縄を届け先に指定のかたは、リターン品目の「【オプション】北海道・沖縄への追加送料」を追加でご選択いただきますようお願い申し上げます。

Q.リターンはいつ頃届きますか？
A.2026年4月から順次発送を開始し、5月末までの到着を予定しておりますが、天候や運送の関係で多少前後する場合がございます。

スケジュール

プロジェクト期間：2025年9月～2026年1月末

製造開始時期　　：2026年2月～2026年3月

リターン配送期間：2026年4月～2026年5月

※上記日程は、プロジェクト開始時点での想定スケジュールです。変更の場合がございますので、ご了承ください。

実行者紹介

＜プロジェクト実行責任者＞

　9代目当主兼杜氏の馬場嵩一朗（31歳）。

　弊社は厳正なる審査を通過し、若手の夜明け2025に初めて出場する運びとなりました。若手の夜明けの関連事業として、地元のお米に関するMakuakeを有志の酒蔵でやってみようという話になり、手を挙げてみました。今回が初めてのMakuakeです。若手の夜明けも初出場なのに、そっちに100％集中しろよ！と自分でも思ったのですが、地元のお米が共通テーマであったこともありトライしてみようという気持ちでした！

　父の代から、地元鹿島の山田錦を使い、鹿島で酒を醸し、鹿島の人に呑んでもらう。その想いを強く持ち、今日までやってきました。私も同じ想いです。しかしながら、慢性的な生産者の離農や担い手不足に追い打ちをかけるように、昨今の米事情。山田錦の生産者は食用米へと転換が生じており、鹿島市の山田錦の未来は非常に危ういです。正直笑えませんが、生産者の立場になって考えると致し方ないです。

　しかし、それでも山田錦を作ってくださる農家さんが鹿島にいらっしゃいます。食用米を作った方が収入は増えたと思います。僕ら酒蔵は自社のお酒だけではなく、農家さんの想いや切実な現状も伝えていく必要があると思います。　　

　農業の苦労を考えると、確かにこれまでの価格は安すぎました。農業の存続、酒蔵の存続、日本酒文化の存続のため、我々はその大変さと価値を伝え、理解をいただく努力が必要だと思います。

　山田錦どころか食用米含め農業自体の問題が山積みです。鹿島の山田錦で醸す日本酒は、長くは続けていけないかもしれません。

　そうなったら、食用米で作ればいいのですが、、、、。酒米がなくなるのは日本酒の可能性を狭めるのでは。と思います。日本酒は日本の尊重すべき文化の一つであり、その原料となるお米のポテンシャルは非常に重要です。だから、食用米だねでなく、酒米も必要だと強く想います。

　近年、佐賀県は自県の酒米新品種の育種に取り組んでいます。今後、鹿島の山田錦を長く続けることは困難かもしれませんが、鹿島の酒米と鹿島の日本酒は存続させていきたい。

　日本酒文化に関係する農家、酒蔵、酒屋、飲食店、消費者、その他多くの方が、今後の日本酒文化を改めて考えるきっかけに、このプロジェクトがなればと思います。

＜山田錦生産者＞

　木下英春さん

　食用米への転換が生じる中、木下さんは山田錦の生産比率をあげてくれました。「食用米が安い時代に、酒米を高く買ってくれた酒蔵さんのために」とのことでした。非常に感銘を受けました。

　中島大輔さん

　2024年から山田錦の栽培を始めた22歳の青年です。「大変なところは普通のうるち米と比べて背も高くて倒れやすかったり、肥料も違うものやったりするところです。」と、食用米との栽培の違いの難しさを感じながら、栽培に向き合う若い農家さんです

＜プロジェクト実行メンバー紹介＞

　プロジェクトの代表実行者は馬場嵩一朗。9代目次期当主件兼杜氏を務めます。製造のメインメンバーは、坂本くんと十倉くん。20代の若い力で酒造りに携わっています。渕上さんと髙良さんは営業メインのメンバーですが、製造期は製造場でのサポートも行います。4人とも入社して3年以内と杜氏含め非常に若いメンバーです。

　この若いチームを後見するのが、社長である父と母。製造期はベテランパートさんも加わり、全体業務を10名程度で行っています。

　このように、230年続く酒蔵ですが、チームはフレッシュ。これからの伸びしろあるチームの応援いただければ幸いです。