東洋大生BOISENプロジェクトです！

はじめまして！私たちは東洋大学の学生です。
大学の講義で得た学びや経験をもとに、環境について考える活動をしています。
今回、私たちの活動を多くの方に知っていただきたく、makuakeにチャレンジする運びとなりました。

私たちが目指すのは環境に優しい化粧品づくり

※引用：資源エネルギー庁/令和3年度エネルギーに関する年次報告
（エネルギー白書2022）

私たちは大学の講義の中で、人の活動で消費されるエネルギーや、その際に生じるCO₂等の温室効果ガスが世界中で増加し、自然環境や生物の多様性に影響を与えている現状を知りました。

この問題は非常に大きなことで、私たち学生がすぐに解決できるようなものではありませんが、何かできることはないだろうか？と考え、ディスカッションを重ねていきました。

「BOISEN プロジェクト」が目指すこと

ディスカッションの中でも意見が多かったものは、やはり私たちの身近な物事から始めてみようというものでした。
そこで、私たちが毎日使用している「化粧品」に着目。
「化粧品」に私たちが日々研究している環境問題へのアプローチをプラスし、新しい価値を与えることができたら。そんな思いから、『BOISEN プロジェクト』はスタートしました。

BOISENプロジェクトに込めた願い

「BOISEN」には、次の意味が込められています。

日本でも、気温の上昇や集中豪雨発生回数の増加など年々問題になっているように、地球規模で抱えている課題についての取り組みが、一層重要となっています。

　そんな中で、私たち大学生が自分たちで考え、自分たちの悩みに寄り添いながら、環境にも人にも優しい商品を作ることができれば、学生の私たちにも環境課題への取り組みをより身近に感じられるのではないかと考えました。

「ハンドクリーム」を選んだ理由

化粧品といっても、数多くの製品が存在しています。
より身近に感じてもらえるアイテムとして、年齢や性別を問わず、毎日使用できるものとの理由から、商品化するアイテムは、『ハンドクリーム』に決定しました。

ハンドクリームといえば冬に使うイメージが強い商品ですが、近年の傾向として、手洗いやアルコール剤使用の増加など、新しい習慣によって、手荒れを感じている人が多くなっています。

さらに、私たち学生はこの2年間、リモート授業など『巣ごもり』を体験しました。
そんな状況下において、生活の中にちょっとした「ご褒美」があることの楽しさは、多くの人に共感してもらえるのではないかと思っています。そして、日常にスペシャルケアを取り入れることで、手をケアする度に、環境課題への取り組みへの関心や生活にも潤いを与える『きっかけ』になればと考えています。

低エネルギー製造の「ハンドクリーム」

通常ハンドクリームは、製造する際、原料をボイラーで生産した高温の蒸気で乳化釜ごと加熱し、混ぜ合わせてから、冷却水を使って乳化釜全体を冷却するといった工程で製造されています。

そのため、乳化釜全体を加熱・冷却するために大量のエネルギーを使用することとなり、環境への負荷が高くなることが化粧品製造において課題とされています。

そこで私たちは、世界知的所有権機関が設立した「WIPO GREEN」のデータベースに参画されている株式会社資生堂様の「乳化化粧品の低エネルギー製造」に関する技術に着目しました。

この製法技術は、「第4729126号　乳化化粧品の低エネルギー製造技術」というもので、この技術を利用すれば、使用するエネルギー量を抑えて製品を作ることができるのではないかと考えました。

こちらは、昨年実施した、「BOISEN」製造時のデータです。
製造は、群馬県館林市にあるシーエスラボ様にご協力いただきました。
この技術を利用した工程でハンドクリームを製造したところ、同規模の量で製造した通常のクリームと比較して、製造工程で使用するエネルギー量を削減することが確認できました。

この結果を基に、更に使用エネルギーの削減を目指して処方の見直しを行い、
人にも環境にも優しいハンドクリームの商品化にチャレンジしています。

地域活動から、魅力的な素材との出会い

ハンドクリームの製造を依頼しているシーエスラボ様の取り組みで、地元の耕作放棄地を利用して、地域の農家さんと「館林ボイセンベリー」を育てていることを知りました。

　東洋大学板倉キャンパスが近隣であることと、「館林ボイセンベリー」をハンドクリームに活用することで、地域につながる活動ができるのではないかと考え、この事業に参加することにしました。

上の動画は、今年の６月に実施した収穫の様子です。
初めての作業ということもあり、ボイセンベリーの棘に苦戦しながらも、地域の方とも一緒に作業を行うことができました。

ボイセンベリーの研究結果

今回私たちが収穫した「館林ボイセンベリー」の成分を分析しました。

ブルーベリーと比較して、
　・　アントシアニンの量は１.5倍、
　・　エラグ酸は2倍
　・　葉酸は5倍
　・　亜鉛は2倍
もの成分を含有していることがわかりました。
※東洋大学生命科学部三浦研究室調べ
化粧品の原料として活かせるのではないかと考えました。

リターンについて

BOISENハンドクリーム

　今回の商品名にもなっている「ボイセンベリー」は、日本ではあまりなじみがありませんが、海外では「ベリーの宝石」と呼ばれる果実です。ボイセンベリーの果実はジャムやシロップに利用されることがほとんどで、化粧品の原料として加工された例は多くありません。

　今回、私たちが開発したハンドクリームは、
「しっとりするけれど、べたつかず、すぐにスマホやパソコンが触れる」
そんな使用感にこだわって仕上げました。

さらに、「BOISEN ハンドクリーム」において、以下の点に着目し商品化しました。

＜レシピ・製造＞
世界知的所有権機関が設立した『WIPO Green』に参画されている資生堂様の技術を用いて、ハンドクリームの製造工程におけるエネルギー使用量の削減を実施。

＜パッケージ＞
最後まで使い切りやすいこと、
チューブタイプと比較しプラスチック使用量が 43 ％抑えられる、
パウチタイプのパッケージを採用。

＜こんな人に買ってもらいたい、使ってもらいたい＞
・手指の乾燥が気になる方
・スマホ等の電子機器に触れる機会が多い方
・環境の保全に役立ちたいと考えている方

＜ハンドクリームのサイズ感＞

大きさはiPhone13とほぼ同じサイズです。
ハンドクリームは、ポーチやバッグに入れておく人も多いことから、商品の薄さにもこだわりました。

製品仕様

・販売名：ＴＹＵ ハンドクリーム
・内容量：50g（約1ヶ月分）
・全成分表記：水、エチルヘキサン酸セチル、水添ポリイソブテン、ＢＧ、グリセリン、ステアリン酸グリセリル（ＳＥ）、ジメチコン、ＤＰＧ、ステアリン酸ＰＥＧ－５グリセリル、セテアリルアルコール、ペンチレングリコール、ホホバ種子油、ヒアルロン酸Ｎａ、ツボクサ葉エキス、ソメイヨシノ葉エキス、ルブス（イダエウス／ウルシヌス）果汁エキス、トコフェロール、ベヘン酸、イソステアリン酸、バチルアルコール、ステアリン、カルボマー、水酸化Ｋ、クエン酸Ｎａ、クエン酸、ＥＤＴＡ－３Ｎａ、香料、フェノキシエタノール

スケジュール

９月25日　マクアケスタート
10月24日　プロジェクト終了
11月～　準備でき次第順次配送
11月４日～５日　東洋大学　板倉キャンパス『雷祭』にて限定販売

TOYO SDGs Students Project
（東洋大学公認SDGs関連学生団体）

東洋大学では、『TOYO SDGs Students Project』と称し、SDGs 行動憲章を掲げ、地球社会の明るい未来づくりに貢献し、SDGs の目標達成のために学生が中心となって活動を行っています。

今回、環境に配慮したハンドクリームの製造を行うため、世界知的所有権機関が設立した『WIPO GREEN』に登録されている株式会社資生堂様の技術の使用許諾を得ました。
その『乳化化粧品の低エネルギー製造技術』を活用し、化粧品製造時に使用するエネルギー量の削減に取り組んでいます。
上の画像は、結果報告のために、資生堂様にお伺いした時のものです。

過去の活動

上記の商品は、試作品1号です。このプロジェクトは約2年前に始まりました。
ここから、使用者のアンケートなどをもとに、使用感や香り、パッケージなどを改良して、今回のBOISENハンドクリームが完成しました。

学園祭では、学生や一般の方など多くの方に試作品を配布し、アンケートにご協力いただきました。実際のアンケートで集まった声は以下の通りです。

■Bさん、10代女性
サラサラで塗った直後から作業ができるのが嬉しいです。

■Aさん、50代男性
価格にもよるがもう少し保湿感が欲しい。

■Cさん、30代女性
ハンドクリームが手に馴染んでいた。つけ心地が良い。

■Dさん、20代男性
香りやテクスチャーが丁度良いが、購入は価格次第。

■Eさん、20代女性
香りがいい、ハンドクリームを塗った後のサラサラが良い。

さらに、学外の活動として、シーエスラボ様の創業祭に参加させていただき、来場いただいた方に、試作品を使用していただきました。

化粧品を製造している方々からもご意見をいただけたことで、より良い商品に近づけることができました。

これらアンケートの結果をまとめ、学園祭等のイベントで使用する資料は、BOISENプロジェクトの魅力が伝わるよう、学生で意見を出し合って作成しました。

さらに、試作品に使用したボトルタイプもアンケートの結果から大きく変わりました。ご意見で多かった内容を新商品に反映させました。
今まで採用していたボトルタイプの容器ではなく、より環境に配慮したパウチタイプの容器に変更することで、プラスチック使用量の削減とともに最後まで使い切ることができ、使っていただく方の満足感も上げることができました。

今年は初めてボイセンベリーの収穫に参加させていただきました。
例年より少し早く、5月下旬～6月上旬での作業でしたが、実際に参加してみると、ボイセンベリーは、木には棘が多く、素手では触れませんでした。
そして、熟した実はやわらかく潰れやすいなど、実際に体験してみてわかることが多く、たくさんのことを学ぶことができました。

最後に

現代社会が抱える問題を少しでも解決しようと活動するにあたって、学生である私たちが、今だからこそできることを追求したいと考えています。
このプロジェクトは東洋大の学生が主体となって立ち上げ、株式会社シーエスラボ様との共同開発は3年目を迎えました。

化粧品を皆様のお手元にお届けすることは、地球環境の課題に対して小さな行動に過ぎないかもしれません。それでも、この行動がつながり、私たちが企画・製造したハンドクリームをお手に取っていただいた皆様一人一人のご協力で、何かを変えられるのではないかと私たちは考えています。
私たち学生の『BOISENプロジェクト』が、皆様にとって、環境問題について考える『きっかけ』の一つになれば幸いです。