”ちょっとそこまで”に適したとにかく動きやすいアウター登場

今回のプロジェクトで開発するのは、素材の高い機能性と動きやすい設計を

とことん考えたアウターです。特にリモートワークのある暮らしを想定し、

短時間の外出に使いやすいということを重視しています。

＜リモートワークにちょうどいいアウターとは何か？＞

このシンプルな問いかけからこのプロジェクトが企画のスタートでした。

働き方が大きく変わり、在宅勤務やリモートワークという形態が

特別なものではなくなった今、そうした暮らしに寄り添うアイテム

を開発していくことが、服作りに携わる自分たちのやるべきこと

ではないかと感じています。

そんな想いに日本有数の繊維商社である瀧定名古屋の51課が手掛ける

「PRODUCT LAB.®」と10年以上人間中心設計のアパレルを探求し続ける

「キアレッタ」が共感し、今回のプロジェクトを実行することとなりました。

＜特長①とにかく動きやすい仕様＞

１）ラグランスリーブ

スポーツウェアでよく見られる仕様ですが、アウターでは採用される

ケースは少ない印象です。

肩から腕まで一つのパーツで作ることで、肩回りの動きやすさが格段

に良くなります。

今回は、このラグラン仕様に加えて、脇部分に伸縮性の

高いニットリブを使用することで、より広い肩の可動域を実現しました。

２）マグネットボタン

フロントボタンには、マグネット式のユニバーサル仕様のボタンを採用。

寒い日に手がかじかんで指先に力が入らなくても着脱しやすいよう工夫しました。

片手で取ることもできるので、ケガや障害で手が不自由な方にも便利に

使っていただけます。

もちろん、両手でバッと外すこともできるので、とても脱ぎやすい仕様になって

います。

３）ポケット位置

かなり細かい部分ですが、ポケットからものを取り出す動作にも着目し

手がとても入れやすい位置にポケットを配置しています。

このように、着用中はもちろんのこと、着脱の動きやポケットから

ものを取り出す動きも考えて、仕様を決めています。

ちなみに、着脱のしやすさは試着したメンバー全員が「着脱しやすい！」

と言った一押しのポイントです。

＜特長②多彩な機能素材＞

１）機能性の高い中綿「37.5®テクノロジー」

綿そのものに調整機能があり、一定の湿度温度に保つ機能を持つ「37.5®テクノロジー」という素材を中綿として使用しています。アメリカで開発され、日本での特許申請もされている技術です。

※『37.5®テクノロジー』はCocona社の登録商標です。

※37.5®テクノロジーに関する資料は全て、Cocona社の試験データに基づき瀧定名古屋㈱にて作成した資料より抜粋しています。

２）リサイクル素材の中綿を使用

中綿はポリエステル100%ですが、この素材は全てリサイクルポリエステルを

使用しています。目に見える機能ではありませんが、少しでも環境負荷の少ない

選択肢を取れれば、と採用しました。

３）表生地に抗ウイルス加工・制菌加工

表地には評価試験をクリアした、抗ウイルス・制菌加工を施しています。

京都の高橋練染さんという会社で2019年に開発された、

「DEOFACTOR® Antivirus」を使用した加工です。

繊維上の細菌の繁殖を抑制し、ウイルスの数を減少させます。

外出での心配事や不安を低減するために、素材からも暮らしをサポートできる

よう今回のプロジェクトでは設計しています。

「お子様の送迎の際にも着用してもらえるように」

など色々なシーンをメンバーで考え、とことん生活に寄り添うことを

意識しました。

＜特長③ミニマルデザイン＞

１）脇ポケット（シームポケット）

今回のプロジェクトでは大きな部分を占めるわけではありませんが

どんな良い設計や機能でもデザインが微妙だと着てもらえません。

そこで様々なアパレルブランドのアウター製品を手掛けてきた瀧定名古屋

の知見を活かし、デザインの主張は少ないけれども、服装に合わせやすい

ミニマルなデザインを目指しました。

脇ポケットは目立たないよう、縫い目に添わせたシームポケット仕様に。

上述の通り、位置にもかなりこだわって配置しています。

２）比翼仕立てのボタン

比翼仕立てとは、ボタンを前から見えない状態にする仕様のこと。

ボタンを隠すことにより、目に付く装飾性を減らし、シンプルな

コーディネートをしやすくしています。

また、比翼ボタンスタイルには、日常の暮らしの中で小物やバッグの紐・

アクセサリー類に引っ掛かることを防ぐ、というメリットもあります。

３）ユニセックスデザイン

全体としては、男女共に着て頂けるデザインにすることで、服というよりはリモート

ワーク生活に寄り添う日用アイテムになってくれれば、との想いを込めています。

４）パッカブル

自宅以外でのリモートワークの方を想定し、持ち運びのしやすいパッカブル

仕様になっています。内ポケットに収めて鞄に入れて持ち運べます。

重量はMで515g、Lで545gです。

生地に機能性を付加する加工の関係で、今回は200着分だけ生地を用意しました。

もしmakuakeプロジェクトで完売してしまった場合は、一般販売はすぐには

行えません。あらかじめご了承ください。

＜人間中心設計＞

今回開発するアウターで一番重視したのは、

人々の暮らしに寄り添い、溶け込むことを考えた

「人間中心設計」の製品にすることです。

やはり、服は着てもらってこそ価値を発揮できるものです。

それならば、使って頂く人々をサポートするもの、

あくまで中心は使い手である”人”であることが重要だと

考えました。

今回のプロジェクトで生み出す製品はそうした意図を

様々な角度から反映させました。

＜サイズ＞

女性162cm Mサイズ

男性168cm Mサイズ

男性177cm- Lサイズ

＜スケジュール＞

大まかではありますが、下記の流れで予定をしております。

2020年10月下旬オーダー集計

2020年10月末~11月前半 生地加工

2020年11月後半 裁断・縫製加工

2020年12月前半 仕上げ・検品・輸送

2020年12月末 ご支援者の皆さまへの配送作業

＜実行者紹介＞

冒頭でも紹介しましたが、このプロジェクトは日本有数の繊維商社である

瀧定名古屋株式会社と、10年以上人間中心設計のアパレルを探求し続ける

キアレッタ合同会社による共同開発です。

名古屋で150年以上の歴史がある瀧定名古屋の生産背景や素材に関する知見

と、ユニバーサルデザインをはじめとする人間中心設計のものづくり分野に

おけるキアレッタの実践を融合させました。

大手と中小の垣根を超え、今までのアパレル生産とは違ったアプローチで

生み出したこの製品が手にとったみなさまの生活に寄り添うものになる

ことが、開発チーム一同の喜びです。