はじめまして、cravatta by renacnatta（クラヴァッタ・バイ・レナクナッタ）代表の大河内愛加と申します。

このブランドでは着物のアップサイクルをテーマにネクタイを中心としたファッション小物を展開しています。

はじめに私とブランドのことを少しお話しさせてください。

私は2016年に「renacnatta」というブランドを、そして2021年にこの「cravatta by renacnatta」を立ち上げました。

ブランド名「レナクナッタ」は使われなくなったもの、着られなくなったもの、作られなくなったものを使うところに由来しています。

会社のビジョンである「普遍的な価値を見出し、それを時代に寄り添う形で再提案する」ということを目指し、さまざまな取り組みをしています。

<2019年に行ったMakuakeではrenacnattaから西陣織のドレスを発表>

この活動の原点には私が10〜20代の13年間をイタリア・ミラノで過ごした経験が大きく影響しています。イタリアをはじめヨーロッパの国では、古くから残るものを尊重し、それらと自然な形で共存している場が多くあります。その環境で育った私は居心地の良さを感じるとともに、現地の人たちに尊敬の念を抱きました。

日本に帰ってきた時、新しいものがハイペースで生まれ続ける社会の中で、何千年、何百年と残り続けてきたものが日本にもたくさんあることを知り、とても魅力的に感じました。そして、これらを残していくことに私も力を注ぎたいと思い、ブランドを立ち上げ、伝統産業の方達と一緒にものづくりをしています。

<以前訪問した久留米絣の下川織物さんにて>

普遍的な価値に魅力を感じてくれる共感者をより増やし、弊社のブランドを通しての消費行動が日本の産業の未来を明るくする力となるようにーーー思い描く目標に近づく大きな一歩を踏み出したく、今回Makuakeを実施する運びとなりました。

今回はブランド初の試みのレザーアイテムの発表です。
デッドストックのレザーと着られなくなった「着物」や伝統工芸「金彩」を掛け合わせた小物アイテムをお届けします。

伝統技術「風琴マチ」「菊寄せ」を用いた名刺ケース

「風琴マチ」とは、海外には見られない日本独自の伝統技術でマチがあるのに厚みがほぼないのと、優れた使用感が最大の特徴です。薄いのにもかかわらず、厚めの名刺が20枚以上とたっぷり入ります。

よくあるマチは谷折りですが、風琴マチは山折りの形。中のカードがひっかかることがないので取り出しもスムーズに行えます。

風琴マチにするには、革のすき（革同士を張り合わせるところだけ薄くする加工）や裁断も精密に行わないといけず、高度な技術と手間を要します。そのため、大量生産・大量消費が主流のいま、その技を伝承している工房もごくわずかとなっているのが現状です。

革の端の処理には「菊寄せ」を採用。端の直角に合わさった革の余分な部分に細かく均一にヒダを畳んでいく技術です。放射状のヒダが菊の花のように見えるため、菊寄せと呼ばれています。

菊寄せを見れば、その職人の技量がわかると言われるほど、職人の腕の見せ所でもある技術です。本製品はこの菊寄せ部分も細かく丁寧に刻み、美しく仕上げています。

また、仕上げ工程では「ネン引き」をしています。ヘリ先から数ミリの場所に放熱するコテで線を引くことでヘリの接着性を高めると同時に、ステッチの真横を走るシャープなラインは、レザーアイテムの表情をぐっと引き締めます。

そして内側には個性豊かな着物地を纏っています。表からは見えない内側だからこそ華やかな着物地が引き立ちます。

小さなアイテムの中に美しく機能的な日本の手仕事を散りばめた名刺ケースとなりました。

名刺入れ完成までの工程はこちらの動画から↓

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名刺入れ詳細：
サイズ：縦7.7×横10.8×厚み1.0cm 開いた時の縦幅16.0cm
仕様： 内側にメインポケットx1、サブポケットx2 外側にサブポケットx1
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持ちやすさとミニマルなビジュアルを兼ね備えたクラッチバッグ

ストラップ付きのシンプルなクラッチバッグ。ストラップはギボシで取り外し可能なのでシーンに合わせて持ち方を変えることもできます。

クラッチバッグは抱えて持った時、手にフィットするよう、底はマチなしにしています。サイドのマチは広く取っているので開けやすく収納もしやすい仕様にしています。（ケータイ・長財布を同時に入れることが可能です。）

外見はシンプルな使いやすいクラッチバッグ、しかし内側には全面着物を施し、誰とも被らない個性的な一面が隠れています。

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クラッチバッグ詳細：
サイズ：縦20.0×横28.0×厚み1.0cm
仕様： 内側にポケット二つ（それぞれ縦11.5cmx横9.5cm） 取り外し可能なストラップ付き
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クラッチバッグと名刺入れセット

クラッチバッグと名刺入れのセットで15%OFFの特別リターンもご用意しています。

着物柄について：

今回のプロジェクトでは着物のハッとしたクリエイティビティを感じていただきたいため柄は何が届くかお楽しみです。
赤系、緑系、茶系、青系の中からお選びいただくか、完全におまかせの５パターンを用意しています。
赤系、緑系、茶系は手描きの更紗柄（江戸時代にインドなどから日本に来た異国情緒のある模様）を中心にレザーに合う柄をコーディネートいたします。
青系は大島紬（鹿児島県奄美群島の伝統的な高級織物）を中心にレザーに合う柄をコーディネートいたします。

＜着物の柄例＞

自分で着物柄を選びたいという方は次に紹介するセミオーダー受注会にお越しください。

名刺入れ・クラッチバッグセミオーダー受注会in東京・大阪

セミオーダー受注会への参加権です。受注会では数ある着物の中から好きな柄をお選びいただけます。レザーの色も3色の中からお選びいただけます。
・日程と場所
【東京】10/29 (土) 渋谷エリア
【大阪】10/22 (土) 梅田エリア
場所の詳細は決まり次第Makuake上のメッセージにて個別にご連絡をいたします。（※9月末日までに確定いたします。）

今回のMakuake限定アイテムとして伝統工芸「金彩」をアクセントに使ったキーホルダーとブレスレットをご用意しました。（好評の場合は今後の商品化も検討いたします。）

金彩は安土桃山時代から江戸初期にかけて確立したといわれる伝統工芸の技術で、主に京友禅の着物などに施され、華やかさを添えてきました。染めた絹の生地に金や銀の箔、金粉などを接着加工しています。今回のプロジェクトでは金彩をレザーの上に施しています。

金属では表現できない、金彩ならではの上品な輝きをお楽しみください。

金彩の作業風景はこちらの動画から↓

金彩xレザーキーホルダー

レザーのキーホルダーに京都の伝統工芸「金彩」をアクセントに施しました。
レザーは3色から、金具はゴールドかシルバーかを選べます。金彩の色も金具と同じになります。
※金彩は水と摩擦に弱いです。永久につくものではないので経年変化を楽しんで頂ければと思います。また箔を貼り直したい場合のリペアの相談に乗りますのでその際は弊社までご連絡ください。

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キーホルダー詳細：
レザー部分サイズ：縦3.8×横8.0×厚み0.5cm（金属リング直径3.8cm）
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金彩xレザーブレスレット

レザーのブレスレットに京都の伝統工芸「金彩」をアクセントに施しました。細いレザーを二重につけるタイプで腕を華奢に見せてくれます。また内側には箔でロゴが刻印されています。
レザーは3色から、金具はゴールドかシルバーかを選べます。金彩の色も金具と同じになります。
※金彩は水と摩擦に弱いです。永久につくものではないので経年変化を楽しんで頂ければと思います。また箔を貼り直したい場合のリペアの相談に乗りますのでその際は弊社までご連絡ください。

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ブレスレット詳細：
サイズ：フリーサイズ（外周約16〜17cmで調整可能）
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家に眠っている着物、大切な方が着ていた着物はありませんか？それをお送りいただきましたら丁寧にほどいて洗い反物に戻し、世界に一つだけのアイテムに生まれ変わらせます。
責任を持ってお預かりし、
◆名刺ケース・ネッカチーフ・ポケットチーフ・ベルトの4点ワンセット
もしくは
◆名刺ケース・クラッチバッグ・ネッカチーフ・ポケットチーフ・ベルトの5点ワンセット
にしてお返しいたします。名刺ケースとクラッチバッグのレザーの色は3色の中からお選びいただけます。

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アイテム詳細：
ネッカチーフサイズ：90 x 25 cm
ポケットチーフサイズ：30 x 30 cm
ベルトサイズ：110 x 3.5 cm
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※着物の状態によってはアップサイクルすることが難しい場合もございます。（大きな汚れがある場合や生地が大変弱っている場合など）
※申し込み後、柄や素材の確認を行いたいのでMakuakeメッセージ上で個別にご連絡をいたします。ご対応をお願いいたします。

ここから着物とデッドストックレザーの持つ魅力についてご紹介します。

私たちが扱う着物は100年前のビンテージものから80年代90年代までの少し昔に作られたもの。誰かに着られ、そして着られなくなり眠っていた着物たちです。

いま私たちが多様なファッションを楽しんでいるように、人々が着物を普段着として当たり前に楽しんでいた時代がありました。今でこそ着物といえば和柄を想像しますが普段着とされていた時代に生まれた着物たちは「和」とくくるにはもったいないほど、デザインに富んでいます。
柄は現代には見ないユニークさがあり、生地の質も高いものが多いです。

実際、私たちが買い付ける着物は現代のコーディネートに混ざっても違和感を感じないもの（和柄が強調されていないもの）、そして素材としては主に絹の着物地を扱っています。

ただ、着物を全面に押し出すコーディネートでは、今のライフスタイルになかなかしっくりこないのも事実。そこで私たちは、着物をコーディネートの最高の"ワンポイント"に昇華させることを目指しています。

こうして、今まで着物を買い付けネクタイ・ネッカチーフ・ポケットチーフ・ベルトなどの小物にアップサイクルさせてきました。

着物は１着ずつ丁寧にほどき、裏地をとって、洗い、最後にアイロンをかけて反物の状態に戻します。そこから各アイテムの縫製工場に送り、生産を行っています。

これまで着物を中心としたものづくりをしてきましたが、今回デッドストックレザーの背景を知り、アイテムに活用していきたいと考えました。

本プロジェクトのパートナーの一社である山陽レザーに訪問したとき、「レザーは畜産物の副産物であり、人が肉を食す限り、牛乳を飲む限り、レザーは生まれる。」というお話を聞きました。せっかくいただく命をできる限り余すことなく使い、レザーのアイテムに形を変えたあとも長く愛情をもって使うこと、それも「いただきます」の形になるのだと考えさせられました。
そして山陽レザーではレザーの中でも生産の3パーセントはどうしても傷がついていたり、腐敗していたりして、デッドストックとなってしまうそう。原皮の状態では判断が難しく加工ののちにそういう傷の存在が分かるため、どうしてもデッドストックは生まれてしまうのです。

＜大量に積まれたデッドストックレザー＞

傷をよければ問題なく使えるものもたくさん眠っていることを知り、これをブランドで積極的に活用していきたいと考えました。

こうして今回つくったのがデッドストックの牛革を使った名刺ケースとクラッチバッグです。どちらも裏地に着られなくなった着物を使用しています。

昨年4月に自社オンラインショップだけで生まれた当ブランドですが、ありがたいことに立ち上げ当初から多くの人にお買い求めいただきました。これまでにたくさんの方に手に取ってもらい、ご愛用いただき、着物の持つテキスタイルとしての可能性を再確認しました。

着物の良さは糸をほどけば再び布の形に戻るという点です。
現在、日本では年間50万トン（約15億着）を超える衣料品が廃棄されると言われていますが、かつて日本人は衣服を最後の最後まで大切に使っていました。着られなくなればまた仕立て直し、生地自体がぼろぼろになれば、敷物や小物にしたり、最後は雑巾として使ったり。私たちはそんな日本に昔から根付いていた「循環の文化」を現代のライフスタイルに合う形で提案することを目指しています。

昔の循環は着物から価値の低いものに形を変えていくことで最後まで大事に使う「ダウンサイクル」が一般的でしたが、私たちはさらに付加価値をつけて生まれ変わらせる「アップサイクル」を提案していきます。ミラノの街を颯爽と歩く紳士がつけるネクタイが着物生地であってもなんの違和感もないような、そんなアイテムを生み出していきます。

私たちは昨年誕生したばかりの小さなブランドですが、着物が日本国内はもちろん世界に向けて、「和」にとらわれない高い品質と豊かなクリエイティビティを併せ持ったテキスタイルであることをアピールしていく代表ブランドになることを目指します。今後は海外の展示会などにも積極的に参加していく予定です。

応援どうぞよろしくお願いいたします。

2022年8月4日〜2022年9月29日 Makuake実施
2022年10月22日 名刺入れ・クラッチバッグセミオーダー受注会in大阪
2022年10月29日 名刺入れ・クラッチバッグセミオーダー受注会in東京
2022年11月中旬〜 早割リターン配送開始
2022年12月初旬〜 リターン配送開始

今回のマクアケによっていただく応援購入金はブランドの事業資金と運営費に充てる予定です。