平成１０年を最後に幕を閉じた幻の酒「酔人日」を、高野山の隠れ酒蔵”初桜酒造”が蘇らせるmakuakeでの第２弾プロジェクト！

皆さまお待たせいたしました。

この度は平成１０年に幻となった紀州川上酒の顔であった日本酒「酔人日」を復刻し、当時の雰囲気を楽しんでいただくためにプロジェクトを立ち上げました！

皆さま、酔人日はご存知でしょうか？

厳密には醉人日（すいとぴ）。私たちは「スイトピー」と呼んでいます。

製造は帯庄酒造合資会社で創業は１７８０年頃だといわれており、当時から川上酒の文化を継承した有名なお酒で大変親しまれていたようです。

しかし、時代の流れに逆らえず川上酒の文化が失われていく中で酔人日を製造する帯庄酒造も廃業し酔人日も失われていきました。

私たちは本プロジェクトを通して和歌山県の一つの酒文化、「川上酒」を知ってもらいたい。当時の酔人日とは違いますがこの地に関わりを持ち川上酒の想いをつむいでいる方や地域の文化にご興味のある皆様に想いをお伝えし、楽しんでいただきたいと考えています。

人が集まり酔うことで幸せなひとときが生まれる。その日を祝うお酒

酔人日の当時を知る方に話を聞いて「人が集まり酔うことで忘れられない時が生まれる。それを祝うお酒（酔う人の日 酔人日）」と再定義しました。

現在、仕事に追われ家族とのコミュニケーションが減り会っても会話が続かない、単調な毎日を送っている方に酔人日を通して、家族が集まりお酒を飲んで普段は話さない事や昔は祭りで酔人日のように皆で集まってお酒を飲んだ等の会話が生まれる楽しい一日を作り出すお手伝いができればと考えております。

また、次の年もこのような素晴らし一日を迎え、そういった想いを重ねる印として、酔人日があれればいいなと私たちは願っています。

川上酒の想いをつむいだお酒「酔人日」

酔人日は現在はもう販売されていない日本酒です。

当時の資料から「輸出用のお酒」、「スイトピー」という２つの言葉を元に杜氏と話し合い構想を練っていきました。

「華やかであるが落ち着きのあるスイトピーのようなお酒を造りたい。」「祝いのお酒にふさわしいモノ」「当時の雰囲気を感じられるお酒にしたい」これらの想いから11月に開封する秋上がりの大吟醸にいきつきました。

また、原料として高野山の麓、天野地域で育てられた山田錦を40%まで磨き川上酒伝統の手法で酔人日を醸造しました。

酔人日の秋上がり

「秋上がり」とは、夏を越えて秋⼝まで寝かせに、味・⾹り共に熟成されまろや かになった⽇本酒のことを指します。

大正・昭和の時代にこの地域では、その秋上がりの日本酒が好まれ、お祭りの場や家庭で多く飲まれていました。

酔人日では熟成された風味と当時の飲まれたであろう雰囲気を感じることのできる味わいを求めて「秋口に開封する大吟醸」にいたしました。

奥ゆきのある旨みに華やかであるが落ち着きのある香り、おすすめの飲み方は酔人日を冷か常温にし高野山名産の胡麻豆腐やきんぴらごぼうなどの味のある前菜と一緒にお楽しみ下さい。

酔人日の言葉に込められた想い、その背景にある和歌山県の一つの酒文化、川上酒をもっと多くの皆様に知っていただきたいという想いから始めました。

川上酒

川上酒とは和歌山県の一級河川、紀ノ川の上流にあたる橋本市から紀の川市までの地域で造られていたお酒のことを「川上酒」といいます。

川上酒と呼ばれたのは江戸中期頃（1700年から1800年）で和歌山県の歴史書物「紀伊続風土記」にも「各郡皆醸す。中にも伊都郡諸村にて醸するもの上品とす是を府下（和歌山県）にて川上酒と称す」とあり、当時では私たちの酒蔵があるかつらぎ町で16軒、全体では約30軒の酒蔵ありました。

規模につきましては明治時代の番付表では和歌山県は全国で5番目、その中で川上酒が造られた地域は上位の生産量を誇りました。

しかし、時代の流れの中で川上酒の文化を継承する酒蔵は減少し現在では唯一私たち初桜酒造を残すのみとなりました。

その他の詳しい内容につきましては過去のプロジェクトである「40年超のビンテージ日本酒プロジェクト。S48 Showa Hatsusakura」をご覧下さい。

創業は慶応２年、ちょうど京都で寺田屋騒動（坂本龍馬襲撃事件）が起きた年です。そこから、151年の時を高野山の麓である和歌山県伊都郡かつらぎ町で地域に根ざした「ほんまもんの地酒」造りを行ってきました。

小さい蔵だからできる手造りのお酒の良さを追求しています。

初桜酒造株式会社

代表銘柄：「初桜（はつさくら）」 「高野山般若湯（こうやさんはんにゃとう）」

〒649-7112

和歌山県伊都郡かつらぎ町中飯降85番地

酔人日の復刻記念といたしまして、今回のプロジェクト限定で酔人日専用木箱の内側にシリアル番号を付けさせていただきます。

※酔人日専用木箱は只今、製作中ですので詳しい内容などは改めてプロジェクトの投稿ページで紹介させていただきます。

※イメージとして赤丸の部分に下記のシリアル番号を記載する予定です。

No. 000/000

前回のプロジェクトから約２年、本プロジェクトでは失われた和歌山県の銘酒の一つである「酔人日」を新たな形で復刻させていただきました。

「S４８ ビンテージ日本酒」のように、知られていなかったお酒が皆様に認知される一方で過去では栄華を極めた素晴らしい文化とお酒が失われています。

私たちはこれからもこの地域の酒造り文化「川上酒」を背負い、川上酒と共にこの地域の良さを皆様に知っていただけるように活動を続けていきます。

これからも初桜酒造株式会社をよろしくお願い申し上げます。

初桜酒造4代目蔵元

笠勝敦夫