埼玉県久喜市の酒蔵「寒梅酒造」が地元の食べるお米で「酒米に負けないクオリティの高い純米大吟醸」をつくり、「軽やかな50」と「華やかな40」を無濾過生原酒でＭakuake限定販売いたします。

はじめまして。埼玉県久喜市の寒梅酒造で、お酒造りの責任者である「杜氏」をしている鈴木と申します。現在弊社では「きれいでバランスの良いお酒」を目指し、細かいところにも目の行き届くような、小さな仕込みで酒造りをおこなっています。今回、酒造りの技術にさらに磨きをかけるための新しい挑戦として「食べるお米でも美味しいお酒をつくる」→「自分達にしかつくれない味わいの創造」を目指し、純米大吟醸の飯米を使った仕込みに取り組みました。

寒梅酒造株式会社 杜氏 鈴木 隆広

一般的に飯米は「麹造りが難しい」「米が溶けにくく味が乗りづらい」「仕込み作業時にべたついて扱いづらい」などお酒造りに向いているとはいえません。それ故に酒造りに適した「酒米（酒造好適米）」があるのです。しかし一方で、酒造りには「原料処理」から始まり、「麹造り」「酒母」「仕込み」「発酵」「上槽（しぼり）」「火入れ」「貯蔵」など状況に応じて味わいを調整できる（工夫できる）ポイントが多々あり、飯米でも質の高いお酒をつくることが可能ではないかと考えました。

なぜ飯米を使用するのか？

飯米を積極的に使っていこうと考えたのには大きく２つ理由があります。

ひとつは、地元のお米を使って酒造りをするということです。埼玉県には独自の酒米「さけ武蔵」があり、弊社では最初の試験醸造の段階から長年使用し続けてきていますが、この「さけ武蔵」だけでは年間使用するお米のすべてはまかなえません。そこで、今までの経験を活かし地元の飯米を、主力の純米吟醸などに使うことで「地元の酒米・飯米両輪で酒造りをする」ということを考えました。

そしてもうひとつが、飯米で酒米に負けないお酒をつくることは技術的に非常に難しく、達成すれば価値のあることではないかということです。実際に純米吟醸で飯米を使った仕込みに取り組み始めたところ数々の壁にぶちあたりうまくいかないことだらけで、それまで自分なりに工夫をして酒造りをしてきたつもりでしたが、味の出かたひとつとっても知らず知らずのうちに酒米の性能に頼っていたことを痛感しました。その一方でその経験を活かし、徐々にですが納得のいく味わいのお酒も醸せるようになってきました。26歳で杜氏になって何もわからなった時に、まず一番シビアな大吟醸造りを最初に深く学び、それを活かし技術・知識全体の向上につなげたように、杜氏としての成長が緩慢になったと感じるこのタイミングで飯米を使った酒造りに、純米大吟醸でより深く「挑戦」することでもう一段成長できるのではないかと思っています。

埼玉独自の食べるお米「彩のかがやき」

今回使用する飯米「彩のかがやき」は埼玉県独自の食べるお米です。このお米は、個人的な感想ではありますが、「さばけが割と良い（蒸したお米がくっつき合いすぎず広げやすい）」ので使いやすく、原料処理に工夫が必要なものの雑味があまり出ず素直できれいな味わいになりやすいという印象です。

そのような特性なので、きれいな酒質を求めるのであれば、大吟醸などに使っても面白いのではないかと仲間の杜氏さんと話していたこともあります。余談ですが、「かがやき」という名前もひそかに気に入っています。

タイプの違う２種類のお酒

今回のお酒は２種類で「①軽やかな純米大吟醸」と「②華やかな純米大吟醸」です。①は穏やかな香りでスッキリと飲み飽きしない味わいを目指したお酒です。②は２年程前から試験的に山田錦を使った大吟醸に代わるものとして取り組んでおり、吟醸らしい華やかさと、生もと系仕込み※１による味わいの滑らかさ・幅をもったバランスの良いお酒を目指しているものです。

それぞれ、原料処理、麹造り、仕込み配合、酵母、発酵過程など工夫し丁寧に醸し上げ、その２種類を今回はMakuake限定で「無濾過生原酒」※２の状態でお届けいたします。

※１ 生もと仕込みとは、自然の乳酸菌の力を借りる昔ながらの製法で、非常に難しく、熟練の技術・知識を必要とします。そこで弊社ではこれをアレンジし、現代の製法に近く、比較的簡単で再現性の高い製法に取り組んでいます。

※２ 「無濾過生原酒」とは、「濾過・割水・火入れ」をしない、しぼったそのままの状態のことを指します。濾過は、お酒を濾過することで味の調整をすること。割水は、しぼったままのアルコール分の「原酒」に水を加え、アルコール分を調整すること。火入れは、お酒を65℃程度で熱処理し、①お酒を殺菌すること、②お酒に含まれる酵素（残っていると味わいを変化させる）を働かなくさせることを目的としたものです。

商品仕様

① 寒梅 純米大吟醸 50 無濾過生原酒

穏やかな香りで、軽やかで飲み口よく飲み飽きしない味わい。

容量：720ml

アルコール分：15度

使用米：埼玉県産「彩のかがやき」

精米歩合：50％

推奨飲み頃温度：10～15℃程度

② 寒梅 純米大吟醸 40 無濾過生原酒

吟醸らしい華やかな香りと、きれいでありながらなめらかで幅のある味わい。

容量：720ml

アルコール分：15度

使用米：埼玉県産「彩のかがやき」

精米歩合：40％

推奨飲み頃温度：10～15℃程度

リターンについて

今回は４つのリターンをご用意いたしました。飲み比べができるセットもございます。

① 純米大吟醸50 無濾過生原酒 １本/720ml 3,000円（税込・送料込）

② 純米大吟醸40 無濾過生原酒 １本/720ml 3,500円（税込・送料込）

③ 純米大吟醸50＆40 無濾過生原酒 各１本/720ml 6,000円（税込・送料込）

④ 純米大吟醸50＆40 無濾過生原酒 各２本/720ml 11,000円（税込・送料込）

・本プロジェクトの商品は「火入れ」という熱処理をしていない生酒のため要冷蔵となります。皆様のお手元に届くまで細心の注意をして管理・発送等（クール便）いたします。夏場でありますのでお手元に届きましたら、要冷蔵（なるべく低い温度、冷凍は不可）での管理をしていただき、お早めにお召し上がりいただければ幸いです。

資金の使い道

ご支援いただいた資金は、今後の飯米をつかった新しい酒造りの挑戦（新しい酵母や製法などへの挑戦）に使わせて頂きます。

実行者紹介

寒梅酒造株式会社

1821年（文政４年）創業。来年で創業200年となります。

武蔵の国久喜の地にて、初代 鈴木平兵衛が酒造りを始めたとされています。鈴木家の出身は近江の国蒲生郡日野町でありいわゆる「近江商人」です。

社名・酒名「寒梅」の由来

漢詩の一説「魁春開雪中」（ハルニサキガケテセッチュウ二ヒラク）より。

雪中に咲く寒梅は、万花の魁（さきがけ）をなすもので先取りであり先駆者である。

また毅然として清楚、意志が強く忍耐強い気品に満ちた花。このような気持ちにて酒造りするようにと名付けられたと伝えられています。

創業より杜氏は「越後杜氏」（新潟）でしたが、現在は自社スタッフ（杜氏含め２名）にて、「美味しく楽しい時間」をお届けするべく、地元埼玉県産のお米を中心に使用し、小さく目の行き届くこだわりの仕込みをすることで「きれいでバランスの良い」お酒を目指し酒造りをしております。

杜氏 鈴木 隆広

現在36歳、杜氏になって約10年となりますが、理想とする味わいを探しながら、「バランス良く飲みやすい味わい」のお酒を基本にお酒造りに取り組んでいます。

2015年～2017年開催の全国新酒鑑評会にて３年連続金賞受賞いたしました。

また2017年には、KURANDとの「鈴木」というプロジェクトで多くの皆様にご支援いただき、その節は誠にありがとうございました。今も進化しながら「鈴木」をつくり続けています。