学校や会社、冠婚葬祭でワイシャツを着用した時、こんなお悩みはありませんか？

今回お届けするのは、衣服による肌への刺激に敏感な子どもたちの声を元に開発した、着る人に「やさしい」ワイシャツです。

あらためまして、カンコー学生服です

私たちは、今年で創業170年を迎える学校制服・体操服メーカーです。ご自身やお子さまがカンコーの制服・体操服を着ていたり、CMをテレビでご覧になったことがあったり、今までどこかで接点があったかもしれません。

長年の制服・体操服づくりで積み上げてきた技術と、一人ひとりに寄りそったものづくりのノウハウを持つカンコー学生服だからこそ実現できた「やさしい着心地」と「フォーマル性」を両立させたワイシャツをご紹介します！

生地の端を巻き込む巻き伏せ縫いを採用しました。縫製の手間はかかりますが、端が肌に当たらずフラットな状態になるので、着心地が格段にアップします。

裾部分は、肌側ではなく外側に折り込んでおり、折り込み部分が肌に当たらないようになっています。

首元についていることが多いブランドマークやサイズマーク。すべて外し、サイズなどの必要な内容はケアラベルに記載しました。

また、ケアラベルも肌に当たらないように胸ポケットの中につけました。生地が2枚重ねになっている部分につけているので、透けて見えることはありません。

剣ボロと呼ばれる袖口の切り込み部分。着脱しやすくするためには欠かせませんが、従来品より短くすることで、その分の生地や縫い目、ボタンをなくし、着心地をアップさせました。

シャツの襟部分には、通常生地の内側に「芯地」が貼られています。洗濯をしても剝がれない強力な糊を使用しているため、型崩れを防いだり、綺麗な仕上がりになったりするメリットがある一方で、どうしても肌触りが硬くなるというデメリットがあります。

今回のやさしいシャツでは、着心地を究極に高めるため、水に通すと糊がはがれる仮接着芯を使用しました。洗濯をするとソフトな風合いに変わるので、着用前に一度洗濯していただくことをおすすめします。

襟は襟羽と襟台の2パーツから作られることが多いですが、やさしいシャツは一続きにしたワンピースカラー仕立て。生地の厚みも縫い目も大幅に減らしました。

綿は、繊維の長さが長いほど、細く繊細になり、上質でランクが上がります。衣類では中繊維綿が良く使われていますが、やさしいシャツでは生産量が少なく希少な長繊維綿の生地をセレクトしました。

さらに、今回使用しているエジプト原産の綿は、長繊維綿の中でも均質で強度が優れています。また、適度な油脂を含んでいるため、やわらかい風合いが特徴です。

従来品では普通糸の単糸を使用していますが、今回は100番手の双糸という非常に細くしなやかで品質の高い糸を2本より合わせた糸を使用しています。

こうした細く長い繊細な糸により、肌触りの良い生地が出来上がりました。ただし、その繊細さゆえに色の濃いインナーを着られると透けが気になる場合がありますので、着用前に一度ご確認ください。

最大限柔らかい襟元を目指しましたが、体調や天候などによっては首回りが気になる日があるかもしれません。そこで、1番上のボタンを外しても、だらしなくならないボタン間隔にこだわりました。

ここまで紹介してきた様々な仕様を盛り込みつつ、外観は従来品と大きく変わらず、着心地とフォーマル性の両立を実現しました。

生地を触ってから購入を決めたい方へ

生地の肌触りを確認してから購入を決めたいという方もいらっしゃるかと思います。

今回、数量限定にはなりますが、ご希望の方に生地サンプルをお送りします。

※費用はかかりません

・サンプルのサイズ　15cm×15cm

・お申し込みは　10/22（日）まで

・郵便でのお届けになるため、申し込みから到着まで少し時間がかかります

お申し込みは＜こちら＞からお願いします。

開発のきっかけ

感覚過敏という言葉を聞いたことがありますか？

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などが非常に過敏で、日常生活に支障が出る状態のことをいいます。

しかしながら、感覚過敏という言葉の認知度はまだまだ低く、例えば子どもたちは「なぜか学校から帰ってくるとぐったりして動けなくなる」といったような体調不良の原因が分からないままひとりで悩みを抱え込んでしまうケースもあります。

「服はみんな痛いのを我慢して着ているものだと思っていた」

「みんな我慢しているのに、自分は我慢できない。それは、わがままなんじゃないか？」

そんな自己嫌悪に陥いるといったお声もあります。

私たちが「感覚過敏」という言葉を知ったのは、部署内でのアイディアコンテストがきっかけでした。

「誰一人取り残さない制服・体操服作り」を目指し、まだ可視化されていない・広く知られていない子どもたちの悩みを調べていくうちに「感覚過敏」という言葉に出会ったのです。

感覚過敏ゆえに制服が着られず、不登校になってしまう子どもたちがいるという事実に、学校制服メーカーの社員として、正直動揺しました。

そして、調査やヒアリングを重ねていくにつれ、感覚過敏の子どもたちが実は多く存在すること、またその中には「本当はみんなと同じ見た目のものが着たい」といった切実な思いを持っている子どもがいるということが分かってきました。

本来、子どもたちの学校生活に寄り添うものであるはずの学校制服が、一定数の子どもたちの困り感を生んでしまっている。

そんな現状を変えたいと強く思い、私たちは商品開発をスタートさせました。

当事者の方にしか分からない感覚や経験について、もっと深く知りたいと思い、「感覚過敏研究所」所長で、自身も当事者である加藤路瑛さんに協力を仰ぎました。

加藤さんは、感覚過敏の方の課題を解決するためのアパレルブランドを立ち上げ、パーカーやTシャツなどのカジュアルアイテムを開発・販売されています。

最初に研究・開発に着手したのはワイシャツです。一番肌に近いアイテムであるワイシャツを違和感なく着られれば、その上に羽織るアイテムの刺激もいくらかは緩和されていくのではないかという考えの元、スタートしました。

加藤さんや感覚過敏当事者の方々へワイシャツのどこが痛く感じるのか、なにが不快感につながるのかを具体的にヒアリングし、その困り感を軽減するためにはどのような仕様がよいのか、社内のパタンナーと何度も相談しながらサンプル作成を繰り返しました。

加藤さんプロフィール

2006年2月生まれ。高校3年生。株式会社クリスタルロード代表取締役。自身の困りごとである「感覚過敏」の課題解決に向き合い、13歳の時に感覚過敏研究所を立ち上げ、商品・サービスの開発・販売、感覚過敏の研究や啓発に力を注いでいる。感覚過敏課題解決アパレルブランドKANKAKU FACTORYを展開。その他、感覚過敏に関する書籍や講演、学会発表など多方面で活躍中。

商品概要

素材

綿100％（綿の原産国：エジプト　生地の生産国：日本）

生産国

ベトナム

サイズ

サイズ表（cm）

お手入れ方法

・ご家庭での洗濯時には洗濯ネットを使用してください。

・漂白剤を使用する場合は、塩素系ではなく酸素系漂白剤を使用してください。

・ハンガーにかけて形を整えてから干してください。

・襟の形状を保つための芯地を使っていないため、アイロンを当てて着用いただくことをおすすめします。

・アイロンは中温であて布を使用してください。

Q&A

Q.女性も着用できますか？

男性体型の寸法に合わせたつくりとなっているため、女性が着用すると襟ぐり胴囲などにゆとりが出る可能性があります。サイズ表をご確認の上、ご購入ください。

Q.制服として学校へ着ていけますか？

学校により制服の決まりが異なるため、学校の規定をご確認ください。不安がある場合は先生方にご相談ください。

Q.色の展開はありますか？

今回のリターンは白色のみです。

リターンについて

【超早割】　6,000円（税込）　限定20着

【早割】　6,500円（税込）　限定40着

【Makuake特別価格】　7,000円（税込）　限定65着

【2枚セット超早割】　12,000円（税込）　限定10セット

【2枚セット早割】　13,000円（税込）　限定15セット

【2枚セットMakuake特別価格】　14,000円（税込）　限定20セット

※一般販売価格は7,920円（税込）／着を予定しています

スケジュール

プロジェクト実施期間：2023年9月21日～10月30日

リターンの発送：2023年11月

開発者の想い

私たちはこれまで、3年間変わらず着続けられるように、一般的なファッションアイテムよりも高い独自の品質基準を設け、高耐久・高性能な制服・体操服を開発してきました。

また、全ての子どもたちの「制服が着たい」という想いに応えるため、様々な工夫を凝らしてきました。例えば、身体に不自由がある方が着脱しやすいようにボタンからファスナーに変更したり、アトピーの方が着用できるように生地を綿100％に変更したり、一人ひとりにあわせたアレンジを行っています。最近では、多様な性のあり方に配慮したジェンダーレスなデザインの制服の開発などにも取り組んでいます。

今回のプロジェクトでは、今まで積み上げてきた技術と一人ひとりに寄り添ったものづくりのノウハウを活かしながら、今までのデザインや仕様にとらわれない新たなものづくりを目指しています。

感覚過敏の方の苦手な素材や風合いは多種多様です。お話を伺う中で、人によって感覚が大きく異なることが明らかになりました。

そのような現実がある中で、全ての方にとって「やさしい」シャツを開発することは、不可能なんじゃないかと思うこともありました。

しかし、「みんなと同じものを身に着けたいのに、諦めるしかない」そんな子どもたちの存在を知ってしまった以上、学校制服メーカーの一社員として、取り組まないという選択肢はありませんでした。

はじめは、制服を着たいと思う子どもたちの気持ちに応えたい、という想いからスタートしましたが、企画を進めるにつれて、きっと制服を卒業された年代の方でも同じような困りごとをお持ちの方もいらっしゃるのではないかと考えるようになりました。

「やさしい」ワイシャツは、全ての方にとっての「やさしい」を目指しています。感覚過敏や敏感肌で悩みを抱えている方にも、そうでない方にも、「やさしい」ワイシャツでありたい。

ひとりでも多くの方の「着たい」という気持ちに寄りそえるように。

そして、そんなワイシャツが、これからのスタンダードになっていくように。

今後も皆さまのお声を聴きながら、引き続き取り組んでまいります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました！ 

実行者のご紹介

1854年（安政元年）創業。

学校制服・体操服を通じて、子どもたちと学生生活を支えるすべての人々に寄り添い、さまざまな社会課題を解決するスクールソリューションカンパニーです。

菅公学生服株式会社内に2006年に創設。

子どもたちを「カラダ」「ココロ」「時代」「学び」の４つの視点で見つめるカンコーの「学生工学」という考え方のもと時代性、子どもたちの成長、嗜好などを調査し、新たな価値を創出することが私たちカンコー学生工学研究所の使命です。