唐沢俊一に「雑学」の印象を持たれる方は、今だに多い。それは唐沢がフジテレビ「トリビアの泉」のスーパバイザーとして、一般視聴者から一躍脚光を浴び、その後のテレビ出演の場でも多くは「雑学」の知識を開陳する中で、醸成されてきたものである。出版関係者の中でも、唐沢が「雑学」とは異なる企画書を提示すると、「それは、それとして、雑学本を...」というのが定番 となっている。 しかし、そのルーツのひとつに、横浜そごう劇場（現・新都市シアター）でのミニ・ミュージカル劇演出を皮切りに、企画から舞台出演までこなしていた、若き日の「演劇人」としての顔があることは、あまり一般には知られていない。 

　トリビアブームでのイメージの固定化を嫌って再び演劇の道に足を踏み入れた唐沢は、役者・プロデューサーとしていくつかの劇団に関わった後、2011年に自らの演劇ユニットを立ち上げ、年に1～2作の新作戯曲での公演を主に、着々とその固定的なファン層を広げ、「演劇人」としてマニア好みの作品を次々と産み出し続けている。
そうした唐沢俊一の演劇界での活動のひとつの結実の証しとして、本作「お父さんは生きている」は企画された。演劇的なアプローチに留まることなく、広く豊富な雑学の知識の中から抽出され たハイブローなエッセンス、映画的記憶から呼び起こされる幾多の名監督、名作へのオマージュ的な映像演出は、必ずや多くの観客に懐かしくも新鮮な映像体験をもたらすことだろう。 そして音楽の領域にも造詣の深い唐沢ならではの、サウンドトラックも見逃せない魅力のひとつとなるだろう。劇場の大スクリーンに映し出される唐沢ワールドの摩訶不思議な感覚は、 閉塞感を払拭しきれない現在の映画界に新風を巻き起こすことは疑いの余地もない。

劇場本編ならではのクォリティと制作過程、そして第一線で活躍するカメラマン、照明マンらの技量を、何とか限られた予算の中で活用し、作品自体を多くの観客の皆さんの鑑賞に堪えうるものとして、磨き上げていきたい。現在、原資となる予算だけでは、その総てを賄うのは難しく、「唐沢俊一ユニット」として6年間、7公演を行なってきた実績と、そのオリジナリティ溢れる世界観、人間観、エスプリに魅了された多くの観客の皆さま、支援者の皆さまのお力添えで、本当にお届けしたい映像作品を、出来る限り無理の無い予算枠の中で実現していきたい。その思いからクラウドファンディングによる制作予算のご支援を賜りたいと考えました。





「唐沢俊一ユニット」で培った演劇的なアプローチに留まることなく、広く豊富な雑学の知識の中から抽出され たハイブローなエッセンス、映画的記憶から呼び起こされる幾多の名監督、名作へのオマージュ的な映像演出は、必ずや多くの観客に懐かしくも新鮮な映像体験をもたらすことだろう。 そして音楽の領域にも造詣の深い唐沢ならではの、サウンドトラックも見逃せない魅力のひとつとなるだろう。劇場の大スクリーンに映し出される唐沢ワールドの摩訶不思議な感覚は、 閉塞感を払拭しきれない現在の映画界に新風を巻き起こすことは疑いの余地もない。


 

劇場本編制作資金の一部となります。




株式会社アビテックス

桑田佳祐「悲しい気持ち」PV、吉川晃司「BOY'S LIFE」などを制作。

日産自動車公式サイト「羅針盤」において多数の映像素材を

提供するなど、映像とマルチメディアのプロフェッショナル集団。

唐沢俊一ユニット

気心が知れた役者とスタッフにより、第７回公演までを好評の内に実現。

唐沢ならではの、博学的な知識に裏打ちされ、人情の機微を豊かに描く

その作風は、多くのファン層に支持されている。

Q:目標額に達成しなくても映画は作成されますか？

A:はい、現在の自己資金などで完成をいたします。

Q:芝居版「お父さんは生きている」とは何ですか？

A：同じ役者（予定）、同じ設定で、全く違ったストーリーが展開される

　 10月公演予定の演劇のことです。一定額以上の支援者の方を

　ご招待させていただきます。

【企画意図】
親が子供を、子供が親を憎み、殺すという現代社会の最大の悲劇。その悲劇にまつわる人間心理の根源を、ホラー風味を交え、ブラックな喜劇としてえぐり出したい。
悲劇と喜劇は、いつの世も隣り合わせだからである。

【登場人物】
蛭谷 孝三 お父さん
蛭谷 範子 お母さん
蛭谷 みのり 長女
蛭谷 和加 次女
蛭谷 太一郎 長男
魚住 賢人 みのりの不倫相手
畑貝 和佳奈 孝三の不倫相手
荻 柚莉 太一郎の担任
村野 久美 区の調査員
溝呂木 刑事
天田 医者

 蛭谷孝三は定年までもう間もない平凡なサラリーマンだったが、唯一の楽しみは株で、ちょっとした金を溜め込んでいた。だが、家族にはその金を一銭たりと使わず、会社のＯＬの畑貝という女をその金で囲っていた。

 妻の範子は心痛で病気がち、子供たちはみなまともな職についてはいなかった。孝三は、自分は女好きのくせに、長女・みのりが妻子ある男とつき合っていることを、決して許しはしなかったし、次女の和加が援助交際をしていると知ったときは顔が腫れるほど殴りつけた。しかし、家族全員、孝三の金に頼って生活をしており、逆らえなかった。あると
き、みのりと恋人の魚住が孝三と口論し、魚住は孝三を殴りつけてしまう。

 孝三は逆上し、みのりの顔にひどいアザが出来るまで、殴る蹴るの暴力を加える。たまりかねた家族は、孝三を毒殺する計画を立てる。だが、
毒を入れた食事を平らげても、孝三はなかなか死なない。逆に、神経が興奮したのか、やたらにしゃべり出す。若い頃の恋の話、どんな家族
を持ちたかったか、というような話。聞いている家族は神経がイラ立ち、とうとう限界になり、孝三に襲いかかって絞め殺してしまう。
 翌日、主のいない食卓。卓袱台につき、黙々と飯を食べているみんなの前に、ごくごく普通に、いつも通りという感じで、孝三が現れた……。
幽霊なのか？ 生き返ったのか？ 愕然とする家族。ただ、その顔や言葉には、何か生気がない。殺した家族と、殺された父親の、奇妙な同居
生活が始まるが……。