京都、大阪、神戸の都心部から御車でおよそ1時間。大阪府高槻市の最北、樫田という所に心根はございます。人里離れた山奥まで、わざわざお越しいただく道中もおもてなしの１つと捉え、日々常々より少し上の贅沢を、DNAから癒されるこの地で味わっていただきたく思います。

「心根」のお料理はすべておまかせのコースのみ。二十四節気に寄り添い年１２回メニューが変わります。

必ず温かいものから始まる全１２品のお料理は、お客様のおなかを温めさせていただくことから始まります。心にやさしいお料理が心根の真骨頂。

店主の朝は、まず山に入ります。氏神様にご挨拶をして一日の無事を祈り、山の草花を摘みます。四季折々、いろいろな表情を見せてくれる草花。御料理の構想がわいてきます。その足で農家様を回り、農家様はもちろん、土や野菜との会話をします。今日は炊いてみましょうか、それとも炭火で焼いてみましょうか…。

市場を回りすべてを整えて入店します。

毎日の献立はおおよその軸だけ決めて、その日の獲れたて摘みたて掘りたてもぎたてでお料理を構成します。

古民家ではありますが民芸茶屋のそれではなく、あくまで上質な空間にこだわりました。重い扉を開けると広がる土間。足を運んでいただきますと、左官屋様が手間をかけて手磨きした朱塗りのおくどさん。ガラス張りの背景に自然の移ろいが見える漆のカウンターは、栃の木の一枚板。

テーブル席には天井に意匠を凝らし、襖には唐紙をしようしており、どのお席もゆったりとおくつろぎいただけます。

山の空気もごちそうに、上質な古民家の空間でのひとときをお過ごしいただきます。ほら、お腹だけではなく、皆様の心までいっぱいになっていますよ...

心根オーナーシェフである片山城は、自然が豊かな大阪府交野市に生まれ育ち、学生時代は日々バスケットボールに明け暮れる。大学卒業後、１年間法律事務所で勤務。夢あきらめきれずに料理の世界へ。

魚匠銀平などで研鑽を積み、２００９年、３３歳の時に枚方にて心根を開店。独立後、一線で活躍されているたくさんの料理人との出会いをいただき、指導を受け、決して立地の良い場所ではないにもかかわらず、予約の取れない店となる。

地元の食材に耳を傾け、肉や魚の旨味を用いて野菜を前に打ち出す。日本料理をベースにしながらも、各ジャンルの技法を用いて調理し、そこへ気を込めセンスを光らせる様は、まさに唯一無二の「片山料理」である。

住所 : 大阪府高槻市中畑久保条１５－１

営業時間 : 12時～２２時 (不定休)

席数 : ２３席

店主がこの地を選んだ理由は、地球存続のため…と言うとあまりにも壮大ですが、第一次産業の間近で営むことがそれに繋がると考えるからです。海もそうですが、農家様は野菜を作るのではなく土を作っておられます。良い土壌ができることで連鎖もうまく周り、公害だらけの地球に歯止めをかけておられるのです。その農家様が潤わなければ、続けて営む数が減ります。その農家様の産物を世に広げる一番近い存在は、我々料理人ではないかと。料理人は地方へ行き、地場産業を盛り上げるべきだと考えます。

もう１つは、氏神様である豊宇気毘売神様です。伊勢神宮の下宮に祀られる御神は、天照大神の料理を作られている方です。『人の手から波動が出ている。良い波動（気持ち)で作る料理は必然として良いものとなる』と唱えておられます。店主は、恥ずかしながらこの御神の事を存じあげませんでした。が、氣を込めて料理することが一番と常々尽力しておりましたところへの移転という転機。正に御導きいただいたと感じております。

心根では『氣』を込めておもてなしをさせていただくことを大切にしております。様々なシチュエーションでご利用くださるお客様に対し、お一組様ずつ『氣』を込めなおして、おもてなしをさせていただき、お腹を満たす料理屋ではなく、心を満たしていただく場として、日々尽力してまいります。

開店後はお料理にはさらなる磨きをかけ、朝食、お薄の一服、和菓子などとより一層力を入れてまいります。

築100年の古民家を改修するにはそれなりの資金がかかります。是非皆様方のお力添えをくださいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。