創業90年あまりの桐箱の老舗 増田桐箱店から、希少な国産桐を使用した「米びつ」と「まな板」が登場。国産桐特有の美しい木目や艷やかな質感を楽しめながら、桐が持つ圧倒的な軽さと機能性で毎日の家事が快適になるプロダクトです。

90年続く、桐箱の老舗。

私たち増田桐箱店は、福岡県古賀市に工場を構える創業90年あまりの「桐箱の老舗」です。

古くから着物は桐のたんすにしまわれるように、大切なものを保管する役割を担ってきたのが桐という素材です。

今日では製品のパッケージとして用いられる桐箱から、何百、何千万円もするような工芸品を収める箱まで手掛け、今日では日本に流通する桐箱のなかでも大きなシェアを手掛けるに至りました。

機械で効率的につくるものから、熟練の職人が一つ一つ手仕事で作るものまで、実に様々な桐箱を一日におよそ5000箱という数を作りあげています。

機械で作ると言ってもスイッチを押せばパッとできあがるわけではなく、人の手と眼によって作られる手仕事という点に変わりはありません。

老舗として、作り上げる製品の品質に一切の妥協はないのです。

そんな私たちが今回お送りするのは、「会津桐」という国産の高級桐を使用した米びつと、同じく国産の津南桐を使用したまな板です。

これらの製品は山から木を切るところから、ものとして作り上げて皆様にお届けできるまでに膨大な時間と人の手がかかって作られています。

そのものづくりの裏側を知っていただくことで、製品の良さを感じていただきたい。そして感謝を届けたいという理由があるのです。

希少な会津桐との出会い

国産の桐は、1970年代頃をピークに年々生産数が大きく減少し続けています。

昨今では、国産桐の丸太は決まった数が定期的に市場に出回るわけではありません。特に高品質とされる会津桐の丸太はまとまった数を仕入れようとしても、次はいつになるかわからない状態が続いています。

そんな状況にありながら、この度偶然にもまとまった数の上質な会津桐の丸太を手に入れることができました。

この会津桐をどう活かすかを考えたときに、私たち桐箱店ができることとして、まずは日常で触れられる生活道具をお届けし、その良さを知っていただきたい、という思いから今回のプロジェクトは始まりました。

材にするのに、3年以上。

そもそも桐は「木材」になるまでに非常に手間のかかる素材です。

木材の中でもひときわタンニンが多い桐は「アク抜き」が肝心。桐は切り出してそのままだとすぐに表面が黒ずんでしまうのですが、数年間太陽に当て、雨に晒すことで、じっくり丁寧にアク(タンニン)を抜いていくのです。

▲組んで1ヶ月ほどのもの(左)と、4年ほど経つもの。表面が黒くなっているのがアクが出てきている証拠。

「実は桐って、厳密に言うと木じゃないんです。アク抜きの工程がこれだけあるのは、木材の中でも桐くらい。本当は機械で乾燥するほうがずっと早いんだけど、そうすると桐の中の油もなくなっちゃうんです。

桐の表面の艶っていうのは油なので、油膜を落とさないためにゆっくりアク抜きするのが一番良い方法なんです」

そう語るのは、福岡は八女にある明光製材の馬場さん。増田桐箱店が使用する材の製材を、昔から担ってくださっています。

▲桐は一般的な木とは違う、ゴマノハグサ科の一種。茎のように中心が空洞になっている。

このように、材にする段階ですでに何年もの月日と手間を掛けているのです。

一方で、天然の素材ならではの一筋縄にいかない問題点もあります。それが木の節(ふし)。木の生長の過程で生じる、黒ずんだ部分です。

これがあることで性能や耐久性にはまったく違いはないものの、今までは見た目が良くないという理由で製造工程からはじかれてしまっていました。

木目の細かさは丸太の断面を見れば検討はつくものの、節の具合は仕入れてから実際に切ってみないとわかりません。ある意味「賭け」のような難しさがあるのです。

しかしそれでは多くの木材の無駄が生じてしまい、国産桐を使った製品の価格がさらに手の届きにくいものになってしまいます。

▲側面のわずかに黒い筋が「節」の例

せっかくの希少な桐を無駄にせず丁寧に製材し、人の手で一点一点作りあげる製品を手の届きやすい価格でお届けしたい。

その思いから、今回はわずかに節がみられるものも製品に使用しているのです。

上質な国産桐を日常に。

今回の米びつ、まな板のどちらにも上質な国産の桐を使用しています。

米びつは、今や希少となってしまった「会津桐」。

その名の通り福島県を中心に生産される桐で、厳しい寒さに晒されゆっくりと生長することで年輪が細かく生じ、繊細な木目と天然の油分による煌めくような艶を楽しむことができます。

国産桐の中でも古くから重宝され、高級な桐たんすなどに用いられてきた、特に高価な木材です。

まな板には、新潟県産の「津南桐」を使用しています。

艷やかな表情が美しく、まな板でありながらキッチンのアクセントとなるような存在感があります。

さらに桐はただ見た目に美しいだけではなく、他の木材とは一味違った「機能」を持っている素材です。

毎日を快適にする、桐のある暮らし。

あらゆる木材の中でも圧倒的に軽い桐は、湿気をコントロールする調湿性能をはじめ虫を防ぎ清潔に保つ性能も併せ持った、特殊な素材。

米びつ」と「まな板」という道具を選んだのは、日常的に使用することで桐の機能性を存分に実感していただける製品だからなのです。

※調湿・カビや虫を防ぐ機能については、本品を使用した試験の結果ではなく、桐の一般的な機能性を指しております。

軽く、機能的な桐。

桐は様々な機能性を持つことから、古くから重宝されてきた素材。まずはなんと言っても、木材の中でもトップレベルの「軽さ」。手に持った瞬間に、その軽さに驚かれることでしょう。

毎日使うものが重たいと、それだけで使うのが億劫になってしまうような経験はないでしょうか。「軽さ」とは、日常的に使うものにはこれ以上ないほどの強い味方です。

米びつは、キッチン下の引き出しなど低い位置に置いてもさっと取り出しやすい軽さ。米びつ自体が軽いから、お米がぎっしり入っていても扱いやすい重さに抑えられています。

まな板はしっかりとした厚みがありながらも、大サイズでもたった約390gと薄いプラスチック製のものにも引けをとらない軽さです。

お肉を切ったあとに都度まな板を洗うのは面倒なものですが、この軽さなら全体を洗い流すのもラクラク。日々のちょっとしたことでも、ストレスフリーにお使いいただけます。

お米を美味しく保つ米びつ

古来より、大切なものを保管するのにも使われてきた「桐箱」。

桐という素材は、温度や湿度の変化、酸化、虫という保存の大敵となる要素をクリアすることから、実は食品を保存するのにもぴったりな素材。お米の保存にも適しているのです。

米びつのふたは、なめらかに開くスライド式を採用。

米びつを持ち上げたり、蓋の置き場所に困ることなくサッとお米を取り出すことができる、機能的な仕様です。

使いやすさにこだわった増田桐箱店の製品は、細かなところにまで気が配られています。

スライド式の扉がついた上蓋は、まるごと取り外しが可能。幅広な箱型で、米袋からでもざっとお米を注ぎやすい構造です。

さらに米びつ内面の底の角には角度がつけられており、お米が残り少なくなっても枡でしっかりと掬い取りやすいように工夫されています。

桐箱を作り続けて90年、作りの精工さにも自信があります。職人の手によりひとつひとつ丁寧に作られ、隙間を感じさせないほどぴったりと噛み合います。

乾きやすく扱いやすい、桐のまな板

まな板の形は、桐が持つ乾きやすさ、水はけのよさを活かしたデザイン。

最も水が溜まりやすく乾きにくい両端の中央部分を接地面から浮かすことで、木のまな板につきものな黒カビの発生を防ぎ、清潔を保ちます。

桐のまな板の良さは、刃当たりの良さにもあります。

木の中でも特に柔らかい桐は使用する前にしっかりと水をくぐらせることで包丁の刃を傷めづらくなり、切れ味を長持ちさせます。

トントンと心地いい音を奏でるのも、魅力の一つです。

今回のまな板も米びつも、細かな使いやすさに配慮した設計はもちろんのこと、作る上でも細部にぬかりなく手仕事で作り上げています。

こうしたこだわりは、なめらかな角の質感や、蓋の開け閉めなどの使い心地のひとつひとつに現れてくるものです。

希少な会津桐との出会いから始まった、今回のプロジェクト。

数に限りがあるため、「会津桐の米びつ」はマクアケ限定でご準備いたしました。

老舗の桐箱店の、桐素材へのこだわりと培われた技術から生まれた心地よい製品を、ぜひふだんの暮らしに取り入れてみてください。

リターンについて

■米びつ

【本体】
サイズ：w195mm、d275mm、h210mm
開口部内寸：w165mm、d110mm
重量：658.5g
材質：会津桐

【枡】
サイズ（一合すりきり）：w75mm、d75mm、h50mm
重量：31.0g
材質：会津桐

■まな板

【大】
サイズ：約w225mm、d410mm、h16mm
重量：380g
材質：津南桐
【小】
サイズ：約w210mm、d318mm、h16mm
重量：300g
材質：津南桐