アジアのイージーパンツをアレンジしたミャンマーパンツを日本の「遠州織物」で。

アジアのスタイルを取り入れたミャンマーパンツを、日本の伝統的な「遠州織物」で作りました。

日本の着物には多くの伝統的な織物や染物が使われていますが、最近では特別な日以外にはほとんど着られなくなっています。また、着物を着るには特別な技術が必要です。そこで、私たちは日本の遠州刺し子を使い、簡単に着られて涼しげなアジア風スタイルを取り入れたパンツを作りました。前空きのデザインにより、腰回りの緩やかさと裾の動きをお楽しみいただけます。

綿織物と世界的工業メーカーの地

静岡県西部の遠州地方は、日本三大綿織物産地の一つで、古くから綿花の栽培が盛んでした。江戸時代には農家の副業として発展しました。

明治時代（1896年）に豊田佐吉が小幅力織機を発明し、これにより生産量が大幅に増加。1912年には鈴木道雄には、縦横縞模様を織れる足踏み織機を発明。明治末期から大正にかけて、豊田式や鈴木式の力織機が普及し生産拡大、大正期には海外まで販路を広げました。

豊田佐吉の息子・豊田喜一郎は自動車産業に進出し、後にTOYOTAを世界的な企業に成長させました。また、「ホンダ」「スズキ」「ヤマハ」といった自動車メーカーや、「ヤマハ」「カワイ」「ローランド」などの楽器メーカーもこの地域で生まれ、優れた技術力が地域に根付いています。

量より質を追求した、遠州織物の進化

遠州織物は第二次世界大戦後、朝鮮戦争の特需で好景気となりますが、輸出入に関する取決めや景気の波に左右され、1980年代以降はアジアからの安価な製品が増えたことで、国内の繊維産業は打撃を受けました。 

産地の規模が縮小していく中、遠州では大量生産ではなく高付加価値の素材開発に注力しました。 遠州の繊維業は、職人の手によって昔ながらの織機を使い、分業化された生産工程で生地が作られます。その質感と風合いは他にはない独特のものです。 優れた技術を生かして生地の開発に取り組み、遠州織物は国内外で高い評価を得る産地としての地位を確立しています。

榛地織物の刺し子織

ミャンマーパンツ第四弾は、榛地織物の生地から刺し子織を選びました。

刺し子は日本の伝統的な手芸で、布を重ねて刺し縫いする技法です。元々は衣服の補強や保温を目的に始まり、豊作や魔除け、商売繁盛の願いを込めた装飾として発展しました。江戸時代には消防服として耐久性が評価され、現代でも柔道着や剣道着など武道の道具に使用されています。刺し子は手作業で行われますが、刺し子織りは織機を使い、タテ糸とヨコ糸を浮かせて模様を織り出す技法です。

榛地織物、伝統の染色と製織

榛地織物は1948年に創業し、伝統を大切にしながらもニーズに応えるものづくりを続けています。熟練の職人が卓越した技術を駆使して、あらかじめ糸を染めてから織る「先染織物」を製造しており、色持ちの良さと深みのある色合いが特です。使い込むほどに味わい深い風合いが出てきます。
 

商標登録第5941670号 遠州織物
※遠州織物は、遠州織物工業協同組合の登録商標です。

榛地織物は商標権利者の遠州織物工業協同組合の構成員です。遠州刺し子ミャンマーパンツは榛地織物で製織された生地、遠州織物を使用しています。

縫製は、さいたまと岩手のハイテック

アウトドアウェアや国内ハイブランドの服も手掛ける、高い技術力を持つ縫製工場です。CADでパターンを作成し、生地を裁断してアイロンをかけ、最後に丁寧に縫製します。

柄

ミャンマーパンツは強風、運動でパンツがはだけるデザインですので、部屋着やワンマイルウェアとしての活用をおすすめしています。

▲2種類の生地の履き心地は同じです。（縞柄はサンプル品です）

▲十字裏文様

▲点と線

選べる！ミャンマーパンツとめくれない 「ふつうのパンツ」

めくれないでいいよ、という方にMakuakeではめくれない「ふつうのパンツ」も用意しました。リターンのご注文でお選びください。こちらは両サイドにポケットがつきます。

（注：参考写真は亀田縞で遠州刺し子ではありません。形は同じです）

サイズ

▲男性モデル：身長185cm/腰回り100cm、着用サイズ：LTサイズ (ウエスト110cm/ 丈92cm）。腰回り＋10cmがちょうど良いサイズです

▲女性モデル：身長168cm/腰回り80cm、着用サイズ：Mサイズ (ウエスト100cm/丈87cm）。Mサイズが女性のフリーサイズ、身長168cmはMTサイズも合います。
▲上記以外のサイズの方はTokyoPouchまでお問い合わせください。（注：参考写真は阿波しじら織で遠州刺し子ではありません。形は同じです）

▲ウエストはゴム＋紐で調節できます。体を締め付けないデザインですので、療養中の方などにもおすすめです。

▲ポケットがつきます！

▲簡単にはけます！（注：参考写真は備後節織で遠州刺し子ではありません。形は同じです）

▲パンツの裾をたくし上げれば、海や川でも濡れずに快適です。

軽い！遠州刺し子ミャンマーパンツ

遠州刺し子パンツは、makuakeに掲載した備後伏織・亀田島パンツより軽く、快適なはき心地をお楽しみいただけます！

備後節織・亀田縞： 430g前後 / 遠州刺し子： 270g前後

仕様

【素 材】綿100%
【原産国】生地・縫製ともに日本
【ご注意】
・映像ではパンツのデザインを見せる動きをしています。強風、運動でパンツがめくれるデザインですので、部屋着としての活用をおすすめしています。
・洗濯で縮みます。表記は洗濯後のサイズです濡れたままです。放置した場合、色移りや色落ちをする事がありますのでご注意ください。
・手洗いをお勧めしていますが、洗濯機を使用する場合は、30°Cで洗い、タンブラー乾燥はしないでください。直射日光を避け、陰干ししてください。

2017年、ミャンマーへの旅。

135の民族がいるといわれ、伝統服ロンジーを着て生活しています。

市場で見つけた、スカートのようなパンツを旅の途中で購入しました。それが、思いがけず旅のマストアイテムに。

日本に戻ってからも“ミャンマーパンツ”と呼んで愛用していましたが、2本目が見つからない。
――それなら、作ってしまおう。

そうして、日本の生地で女性用パンツを制作。Tokyo Pouchはアトリエで自社製造していましたが、パンツは難易度が高く、生産に悩んでいたところ、学生時代の友人が経営する縫製会社に出会い、埼玉と岩手の工場での生産が実現しました。

▲2021年、アロハシャツ用トラ柄生地のミャンマーパンツ

販売開始後、男性も愛用してくださる方がちらほら、、よし！次は男性向けを作ろう！と2022年に「備後節織ミャンマーパンツ」Makuakeでのプロジェクトが始まりました。おかげさまで目標金額を達成し70着のパンツを生産・配送することができました。

また、海外クラウドファンディングにもHakama Pantsとして挑戦し、欧米を中心に130名以上の方に応援購入いただきました。

日本各地の伝統織物との出会い

2022年夏、天然藍の名産地・徳島へ。藍染体験をし、阿波しじら織の老舗「長尾織布」さんを訪問。2023年には、阿波しじら織のミャンマーパンツとして再チャレンジしました。

その後も、生地探しの旅は続きます。2024年は展示会で出会った新潟の伝統布「亀田縞」を用いて新作を制作。国内外のクラウドファンディングにも積極的に挑戦しました。

そして遠州織物。「産地の学校」で全国の繊維産地やテキスタイルの知識を学び、工場見学で訪れた浜松の遠州織物へ再訪。榛地織物さんの工場にて、大量の生地サンプルから「刺し子織」に出会い、2025年の新商品として動き出しました。

ミャンマーへの想いをこめて

ミャンマーパンツを立ち上げた2021年、残念ながらミャンマーでは軍のクーデターが起きました。さらに2025年には大きな地震が発生し、多くの方が被害を受けました。平和で穏やかな日々がミャンマーに戻ることを願って、売り上げの一部を人権団体や慈善団体へ寄付しています。

2021年度 一般社団法人Earth Companyを通じて、ミャンマーの人権活動家・ウェイウェイ・ヌーの活動
2022年度 ミャンマーの平和を創る会(チィチィキンキン）が実施しているミャンマーでの食料・教育支援活動
2023年度 ミャンマーの平和を創る会(チィチィキンキン）が実施しているミャンマーでの食料・教育支援活動
2024年度 ミャンマーの平和を創る会(チィチィキンキン）が実施しているミャンマー地震緊急支援活動
https://readyfor.jp/users/1497721

実行者紹介

みかん Tokyo Pouch オーナー。企画戦略・Webデザインなどの仕事に就き、2017年、Tokyo Pouchを立ち上げる。世界を旅して見つけた生地でポーチの制作、販売を行う。2021年よりMyanmar Pantsを販売。

みーちゃん Tokyo Pouch猫店長。2013年5月生まれ。ブランドの顔としてポーチのチャームやタグに登場。毎日アトリエの見回りを行う。

オリジナルブランドのTokyo Pouchを展開しています
◎世界の生地を楽しむTokyoPuch
https://www.pouch.tokyo/
◎Myanmar Pants
https://mpants.tokyo/

ご協力生産者
◎生地：榛地織物
https://www.shinchi-orimono.com

◎縫製工場：有限会社ハイテック（埼玉・岩手）
http://hytec.jp/

撮影協力モデル
パーソナルトレーナー @ikechan_kamakura