古式ゆかしい 甕(カメ)入り 生どぶろく

今回私たちがお届けするのは、火入れ工程をしていない「生」のどぶろく。神話の時代より受け継がれてきた古代酒が、自然との対話へいざないます。

通常、火入れをすることで糀・酵母菌の発酵を止め製品化しますが、この工程を入れずに皆さまのもとへ「生」のどぶろくを甕(カメ)に入れてお届けします。火入れ済みのものと比べ、「生」のどぶろくは味の深みが段違いです。お客様のもとへ届いてからも、1日1日と変化し熟成されていく「生」ならではのお味をお楽しみください。

生どぶろくの甕は柄杓(ひしゃく)付きです。お祝い事や、少し特別な晩酌にもオススメ。

古代から受け継がれる伝統

『どぶろく』は、古代より五穀豊穣を願い作り継がれてきた、日本酒の原型と言えるお酒です。神事の際には神前に捧げ、人々が祈りを捧げてきました。また、近世においては、村々の各家で醸す家庭の酒でもありました。

高千穂に受け継がれる「神楽」にも、神々がどぶろくを醸す様子をあらわした舞が伝わっており、どぶろくが特別な酒であったことが伺えます。

整えすぎない面白さ

米と糀を酵母で発酵させて作り、これをどんどん濾し酒粕と分離させていくと日本酒になります。この濾過の過程がないため、白濁したお酒＝どぶろくが出来上がります。かつては、家ごとにどぶろくの味があり、村の祭りでは自分の家の酒を持ち寄ることもあったそうです。

濾過により雑味を払い、研ぎ澄ませていく日本酒とは違い、どぶろくは雑味の宝庫のようなもの。一口ごとに味わいが違う気さえします。野趣にあふれ、米と菌の織り成す自然の営みを感じることができます。

また、濾過されていないことにより、酒粕＋日本酒の栄養成分を含んでいるため、ちょっとお得なお酒と言えるかもしれません。

「生」だからできる自然との対話

通常、瓶詰めのどぶろくは、加熱殺菌＝火入れによって発酵を止めて出荷します。常温での輸送の場合、生きた菌の呼吸によって二酸化炭素が発生し、圧力によって栓が飛んで爆発してしまうためです。

今回お届けするのは、火入れの過程を経ない生きたどぶろくです。冷凍便でお届けすることにより、発酵は休眠状態でお手元に到着します。その後ご家庭で、冷蔵庫の温度まで上げてやると、ゆっくり発酵が再開します。室温程度まで温度が上がるとさらに発酵が進むため、酒宴の席に出しておけば、宴の最初と最後では味わいが違っているはずです。

「今夜飲み切る！」と決めたなら、傍らに甕を置き、時折混ぜて空気を含ませ世話をしてやって、発酵の進みを促してやるのも良いかもしれません。運が良ければ、菌の出すぷくぷくとした発酵の泡を眺めることができるでしょう。

甘口から辛口まで 3種類の味を飲み比べ

高千穂ムラたびでは、３種類のどぶろくを常時ご用意しています。酵母・度数の違いにより、それぞれ違った味わいをお楽しみいただけます。「～まいり」と名付けられたこのシリーズは、「高千穂にお参りにきた清らかな気持ちをお土産として持って帰ってほしい」という我々の思いが込められています。

お選びいただいたお味を甕に入れ、「生」の状態でお届けいたします。

●千穂まいり （甘口、アルコール8％）

トロリとした甘さとフルーティな香りで、女性にも飲みやすく、きつめのお酒が苦手な方でも、ほんのりほろ酔い気分が味わえます、まるで甘酒のような甘みのあるお味で、女性からの支持がとても高い一品。熊本で行われた酒類の国税審査会にて、香り・味などにおいて最高評価の『優』であるとお墨付きをいただきました。

・飲み方：冷やして◎／常温○

・アレンジ：どぶろくハイボール（千穂まいり：ジンジャーエール＝1：1）

　　☆ジンジャーの爽やかさがプラスされ、清涼感のある飲み口に。

●神呂木まいり （ワイン酵母仕込み、アルコール12％）

ワイナリーおすすめのワイン酵母で仕込んだやや辛口。白ワインのような香り高さの中に、日本酒のしっかりとした味わいが楽しめます。

「神呂木(かむろき)」とは、夜神楽の際に神様が宿るとされる四隅の木のこと。高千穂には「興梠(こうろき／こうろぎ)」の苗字を持つ人が多く、かむろきが訛ったものと言われています。高千穂ムラたびの杜氏も「興梠」さん！女性杜氏ながら、いつも繊細かつワイルドなどぶろくを仕込んでくれます。こちら、興梠杜氏＆製造スタッフイチオシの逸品です。

・飲み方：冷やして◎／常温○

・アレンジ：興梠スペシャル（神呂木まいり：白ワイン＝1：1）

　　☆間違いなく合う、兄弟同士の組み合わせ。甘めのワインがオススメ。

●神楽まいり （辛口、アルコール15％）

どぶろく通の方におすすめしたい、これぞ「どぶろく」。日本酒の原型ともいえる素朴な製法ながら、飲みごたえ抜群の濃厚なお味。キリっとした辛口です。ロックでもすっきり美味しい上に、燗にすると穀物本来の香りと味が際立ちます。

・飲み方：冷やして◎／常温○／ぬる燗◎

・アレンジ：カルピシュ（神楽まいり：カルピス：水＝1：1：1）

　　☆アルコール感がぐっと抑えられ、すいすい飲める魔法のお酒に。

酒粕の粒を無くすことにより味わいに集中

どぶろくの特徴である酒粕の粒。最終工程で濾過する日本酒との最大の違いですが、料理と一緒に楽しむには向かないことも。

高千穂ムラたびのどぶろくは、酒粕の粒を丁寧にミキシングして挽くことで、日本酒とも従来のどぶろくとも違う、滑らかな口当たりを実現しています。

標高600mで磨かれた棚田米

霊峰・諸塚山のお膝元のうつくしい棚田では、うつくしい米が育ちます。古くより受け継がれてきた棚田はムラの宝。豊富な湧水と山間の盆地地形が生み出す朝夕の寒暖差が、米の旨味を一層引き出します。

品種は、宮崎の燦々とした太陽をたっぷり浴びた“ヒノヒカリ”。小粒で丸みを帯びたキュートな見た目ながら、もっちりと柔らかな味わいです。

御神水と水源を同じくする水

秋元集落は、水源豊かな水の里。たくさんの水源から湧き出た小川は、集落のあちこちを流れています。その中でも、地域の氏神「秋元神社」の御神水は、超軟水の稀に見る銘水として、県外からの参拝客も多く訪れるほど。その御神水と水源を同じくするのが、高千穂ムラたび製品の仕込み水なのです。

清らかな流れは夏でも冷たく、村にはせせらぎの音があふれています。

先人が切り開いた棚田を守り、活かす

私たち高千穂ムラたびが社屋を構える秋元地区は、人口約100人で過疎化の進むいわゆる限界集落。高千穂の中でも指折りの秘境です。この秋元出身の飯干淳志が、「何かしなければこの村はなくなってしまう」と村の現状を憂い、55歳で役場を退職しこの地で家族と共に民宿とどぶろく造りを始めます。耕作放棄地となった田んぼを再生させ、標高約600ｍの棚田で育む旨味の強いお米と、稀に見る超軟水といわれる豊かな湧水、この2つの地域資源を最大限に活かし、私たちのどぶろく造りはスタートしました。

大変な山奥にある秋元集落に初めて訪れる方は、「こっちで本当に合っているのかな？」とドキドキだそう。この先本当に人の住んでいる集落があるのか？と2回くらい不安になった所に、私たちが住む秋元集落が現れます。

御年67歳の飯干淳志。今日も元気に山に向かいます。

神とともにある暮らしを体現する

どぶろくは、豊作を祈願するための神聖な酒として古くから親しまれてきました。

高千穂町の冬の風物詩「夜神楽」でも、夫婦神である伊弉諾(イザナギ)・伊弉冉(イザナミ)がどぶろくを醸す様子を模した“御神体”という舞が舞われています。ザルと桶を持ってどぶろくを醸し、酔っぱらうというユーモラスな舞です。

秋元地区では例年11月頃に秋元公民館が神楽宿となり、夜通しで33番の舞が行われ、県内外から多くの参列者で賑わいます。高千穂ムラたびの社員も、淳志を筆頭に舞手(ほしゃどん)を務めます。淳志の6歳のお孫ちゃんも、そろそろ神楽デビューかもしれません！この伝統的な地域文化を、私たちはこれからも大切に継承してまいります。

●生どぶろくの保存方法について

冷凍輸送で一時的に発酵を止めた状態でお届けいたします。冷凍から出して温度が上がると再度発酵が進みます。保存は、必ず冷蔵または冷凍でお願いいたします。冷蔵状態でも発酵は進みます。

瓶ボトルでお届けする通常品は、火入れ済みのため発酵は進みませんが、こちらも冷蔵保管(冷凍不可)をお願いいたします。

いずれも、開封後は1週間以内に飲み切っていただくことをおすすめいたします。

◆早割20％OFF

①【限定15組】甕入り 生どぶろく（900ml×1種）＋ どぶろく飲み比べセット（300ml×3種）：7200円

②【限定15組】甕入り 生どぶろく（900ml×2種）：8800円

◆通常品

①甕入り 生どぶろく（900ml×1種）：5500円

②甕入り 生どぶろく（900ml×1種）＋ どぶろく飲み比べセット（300ml×3種）：9000円

③甕入り 生どぶろく（900ml×1種）＋ 乳酸菌入り甘酒「ちほまろ」セット（150ｇ×12本）：9000円

④甕入り 生どぶろく（900ml×2種）：11000円

⑤甕入り 生どぶろく（900ml×1種）＋ 乳酸菌入り甘酒「ちほまろ」セット（150ｇ×30本）：13000円

⑥甕入り 生どぶろく（900ml×3種）：16500円