ストーリー
- 「いまの暮らしに寄り添う漆器」をコンセプトに、あたらしいカラーリングの弁当箱を企画
- 漆器の素晴らしさを伝え、少しでも多くの方に使っていただき、伝統の文化を未来へとつなげていきたい
- 大工一筋50年の父とともにつくりあげた、初のコラボ作品。一貫制作によりコストを抑えることに成功
漆器の世界に新しい風を
はじめまして。
漆器作家の笹浦裕一朗と申します。
石川県加賀市山中温泉で7年間修行を積み、ただひたすら漆と向き合って、そろそろ20年ほどになります。
軽くて丈夫、うるしが放つ柔らかく艶やかな色彩、口当たりの良さ、あたたかみを感じる手触りなど、漆器の魅力はたくさんあります。
しかしながら、手入れや扱いが難しそう、高価過ぎて気後れする、時々しか使わない特別なもの、ちょっと敷居が高いかなぁ・・・などなど、様々なご意見を耳にします。
そんな思いを払拭していただき、日常に気兼ねなく使っていただける漆器を日々模索し続けてきました。
ー いまの暮らしに合う色合いとはどんな色か?
ー 大人も子供も使えるものは何か?
ー 天然素材である木とうるしでできた、漆器の良さを活かすものは何か?
ー 外出がままならない現状に、ほっとできる楽しい食事のシーンを提供できないか?
と、思考を巡らせました。そして今回、温かみがあってこころが晴れやかになるカラーリングで、「いまの暮らしに合う弁当箱」、「普段遣いでいつでも気軽に使ってもらえる弁当箱」を、マクアケへの出品のために一から企画してみました。
日々の暮らしの中で、ほっとできるなにかを
選ぶ楽しさも味わっていただければと思い、4つのカラーをつくりました。拭き漆の蓋との相性を考えた、日本の伝統色をモチーフにしたカラーバリエーションです。
「撫子色(なでしこいろ)」・「浅黄色(うすきいろ)」・「水浅葱色(みずあさぎいろ)」、「拭き漆(ふきうるし)」の4カラー展開です。
photo左:撫子色(なでしこいろ)
photo中央:水浅葱色(みずあさぎいろ)
photo右:浅黄色(うすきいろ)
色の漆は、乳褐色である漆に顔料を練り込んで作っていきます。どのカラーも配合率を変えて納得のいくまで微調整を繰り返し完成させたものです。また、艶を出しすぎずにややマットに仕上げていますのでいやなテカリはありません。
画像では見えにくかもしれませんが、刷毛目を残した仕上げをしていますので、見た目にも手触りとしても、漆器ならではの面白さを感じていただけるかと思います。
蓋の表(外側)は「拭き漆(ふきうるし)」で丁寧に仕上げています。
蓋の裏(内側)は、本体と同じ色になっています。
photo:拭き漆(ふきうるし)
こちらの商品は、本体内側、外側、蓋の表(外側)は拭き漆、蓋の内側は黒うるし仕上げです。
塗っては拭き取るを繰り返す
伝統的なうるしの技法である「拭き漆」は、うるし好きの方には、とても人気があります。
生漆(きうるし)と呼ば れる琥珀色の透明感のある漆を木地に刷り込んでは拭くという作業を繰り返すことで出来あがったものを「拭き漆」といいます。
木そのものの木目を活かすことができる、美しい艶を愛でることができる、それが「拭き漆」の美点です。
大小の2種類のサイズを作りました。見た目以上にたっぷりと、ご飯もおかずも入ります。
photo左:大( 縦10.5cm×幅18cm×高さ5.5cm 容量850cc 八分目650cc)
photo右:小 ( 縦10.5cm×幅14.5cm×高さ5.5cm 容量700cc 八分目500cc)
弁当箱にオムライスを詰めて、蓋を開けたときの子供たちの喜ぶ顔を期待して、あえて家の中で使ってみたところ期待通りの喜びようでした。
できたてのオムライスを、このうるしの弁当箱にすぐにいれても大丈夫です。炊きたてのご飯も、もちろんOK。保湿性が高いので温かい状態が長持ち。
家で温かいお弁当を楽しむ、保温性のある漆器ならではの使い方を、ぜひ楽しんでみてください。
日々のちょっとした幸せやほっとできるひとときを、この弁当箱を使って感じていだければ、大変嬉しいです。
すべての弁当箱に仕切り板が付属しています。
木とうるしの魅力、そこに込める想い
漆の文化が消え去りそうになっている現状を、少 しでも多くの方に知っていただけたらと、こころから思っています。木をろくろや刃物を使って手で削り、何度も何度も漆を塗り重ねて、ようやく漆の器が完成します。
この工程をすべて手仕事で行うと、かなりの時間を要します。なかなかに根気のいる仕事で、ご多分に漏れず、後継者不足で悩んでいる仕事のひとつでもあります。
漆には、強酸やアルカリに強く、陶器、ガラスを溶かすフッ化水素にも強いという特徴があります。 シンナーやアルコールなどの薬品でも、色褪せたり、劣化する事に耐性があります。 さらに漆には、塗装した面は抗菌作用があるとも言われております。
大地に根を下ろし真っすぐに伸びる檜、漆の木からいただいた樹液である漆、自然の力を感じ、手仕事の技を使ってあるべき形に作ることが、私の仕事だと思っています。
うるしの弁当箱をつくるきっかけ
三重県の菰野町という場所で、「おわんのささうら」というギャラリーを運営しています。「おわんのささうら」は、店名のとおり、漆のお椀を主軸としています。
和式ろくろと刃物で木を挽き、形づくる。下地作り、そして漆を塗って仕上げるまでの、すべての工程をひとりで行うことを信念として貫いてきました。すべての技術を身につけるため山中漆器づくりのそれぞれの工程において各師匠に教えを請い、職人の技を習得した後、地元三重に戻って工房を開きました。
ある時、「お弁当箱、つくれませんか?」と、お客様からご相談がありました。漆の弁当箱を作ってみたいという気持ちは前々からあり、ずっとその思いを温め続けてはいたのです。けれども時間的にちょっと難しいなあ、作りたい気持ちは山々だけど、いまはやっぱり「お椀一本」で行くべきだと、自分に言い聞かせていました。
通常、漆器制作はそれぞれの職人が分業して行うことが多いのです。でも僕はどうしても、自分の手ですべてをこなしたい、少なくとも自分の工房内ですべての工程を全うしたい。その思いは、ずっと一貫しています。ちょうどその頃、もうひとつの大きな気がかりが、74歳で現役大工の父のことでした。事故や怪我が心配で。「生涯現役!」をどうやら貫きたいらしい父に、波風たてずにやめさせる方法はないかと。
技を競い合ってつくり続ける
大工一筋50年の熟練の技を持っている。今では若い人が簡単にはできないような、細かな装飾ももちろんできる。道具を使いこなす技術も当然持っているので、思い切って「一緒に弁当箱つくらへん?」と相談してみました。
最初はちょっと悩んでいるようでしたが、そうと決めたら行動が早かった。他の商品を研究したり、試作品を作ったり。こちらが引くほどに、熱心で。
毎朝7時半頃に工房に来て、昼食の45分休暇以外は、休み無しで6時まできっかり働く。その集中力はすごいです。「明日から8時でもええよ」というと、翌日は8時に来るんですが、翌々日はまた7時半に来る(笑)、最終的に7時5分に落ち着きました。
「木とうるしの弁当箱」は、父が木地づくりを、僕が下地作りから塗りまでを担当し、二人でコラボすることで生まれたものです。父にとっては第二の人生の幕開けともなりまし た。互いに技を競い合うような気持ちで、二人ともが納得したものをだけをつくっていき たいと思っています。
また、父と共同作業することによって、木地を外部へを発注せずに同工房内で一貫して行えることもあり、弁当箱の値段を少しでも抑えることができたと思います。一般的な曲げわっぱのうるしの弁当箱は、決して安価なものではありません。その価格ゆえ敬遠されていたという方も、ぜひ今回、ご検討いただければ幸いです。
良質な素材を使い、あえて難しい方の形を選ぶ
曲げわっぱの弁当箱は、楕円形のものをよく見かけられるかと思います。個人的な好みとしては長方形がいいなと思ったのですが、技術的には楕円形よりもこの長方形のほうが難しく、形については大いに悩みました。
父の試作品を見て、長方形で行こうと心を決めました。
自分が本当にいいと思えるもの、美しいと思うものを作って届けたい、そう思ってあえて難易度の高い方の長方形の弁当箱に挑みました。
木は、「尾鷲ひのき」を使用しています。(尾鷲ひのきは、緻密で幅 が均一な年輪が形成された品質の高さ、製材技術においても伝統的手法が用いられていることから、日本農業遺産の第一号に選ばれています。)
この素晴らしい素材を使わせてもらい、手作業で曲げわっぱづくりを行っています。のこぎりで四隅の角を六本切込みを入れて、お湯に浸して曲げて行きます。接着は漆と小麦粉を混ぜた麦漆を作り張り合わせます。水漏れを防ぐために隅を麦漆と欅の粉で作ったペースト状の漆で埋めて行きます。漆を刷毛で塗り重ね、最後に色漆で仕上げます。
お手入れについて
漆器は扱いが大変そうだと思われていますが、普通の食器と同じように中洗剤でスポンジの柔らかい面で洗っていただければ大丈夫です。あまりゴシゴシすると、表面に細かいキズがついてしまいますので、やさしめでお願いします。
自然乾燥でも構いませんし、キッチンタオルで拭き上げていただくと艶も増していきます。 電子レンジ、食器洗浄機、食器乾燥機は、残念ながらお使いいただけません。
また長時間のつけおきや高温のお湯を直接かけることもヒビの原因となりますのでお控えください。
ギャラリー(実店舗)について
昨年の 2021 年 12 月、三重県菰野町に、カフェを併設したギャラリーをオープンしまし た。カフェの名前は「akaitori cookies&coffee」。店舗の奥に、作品を展示しております。
実際に手で触れていただけると、木や漆の持つ強さ、あたたかさを実感いただけるかと思います。こちらのギャラリー&カフェの建物も、父の手によるものです。
菰野町は自然豊かなところです。御在所岳という山がすぐ目の前にあり、山の麓には温泉もあります。美味しい空気を味わいに、ぜひ遊びにいらしてください。
最後に
~本当に良いと思えるものを、いつまでも残していくために~
ここまで読んで頂きまして、本当にありがとうございました。
うるしの弁当箱をずっと作りたいと、ただ単純に渇望していました。 父とのコラボが続けられるまで、ひたすら真面目に丁寧に、納得できるものだけをつくり続けたいと思っています。父とともにひとつの作品を作れたことに、そして「makuake」 という場をお借りして、新しい作品を発表させていただけましたことに、深く感謝しています。
確かに漆器は、電子レンジや食器洗浄機はお使いいただけないなどの多少の不便さも、ほんの少し気を使っていただく必要もあります。いまの時代とは逆行している点もあるかも しれません。
けれども、木や漆などの天然の素材の素晴らしさ、手仕事としての漆器の伝統を未来に伝えていくことの大切さを痛感し、それが自分の使命だとも自負しています。
漆を磨き上げていくことで、自分の感性をも磨いているのだと常に感じながら作業をしています。ものを作るという行為を通して、作り上げる喜びと作品そのものが出来上がってく過程を楽しみながら、自分自身もともに成長していきたいと思っています。
そして、素晴らしい日本の伝統品である漆器を、使っていただくことで応援いただき、ひとりでも多くの方にこの日本の誇るべきものを一緒に守っていただけたら、これほどにうれしいことはありません。
商品仕様
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ
大: 縦10.5cm×幅18cm×高さ5.5cm 容量850cc 八分目650cc
小 : 縦10.5cm×幅14.5cm×高さ5.5cm 容量700cc 八分目500cc
カラー:撫子色(なでしこいろ)
浅黄色(うすきいろ)
水浅葱色(みずあさぎいろ)
拭き漆(ふきうるし)
重 量
大 150g
小 130g
保証について
配送時には商品チェックに万全を期しておりますが、万一不良品等がありましたら、商品到着から 1 週間以内にお申し出いただき、着払いにてご返送ください。新しいものとお取替えいたします。
スケジュール
2022 年2月4日 プロジェクト開始
2022 年3月30日 プロジェクト終了
2022 年4月より ご購入者様への発送開始
リターンについて
こちらの商品は、ご注文をいただいてからの受注生産となります。そのためお手元にお届けするまでに、2~3ヶ月かかります。何卒ご了承ください。
実行者紹介
笹浦裕一朗
1978 三重県四日市に生まれる
2002 石川県挽き物轆轤技術研修所に入所
2003 高岡クラフト出品「金賞」受賞
2004 伝統工芸展作家の畠中重民氏に乾漆を学ぶ
2006 下地職人の田中育太郎氏に弟子入り
2007 人間国宝の村山明氏に刳り物を学ぶ
2009 三重県四日市に戻り独立
2012 茶懐石料理、茶事を大阪で学ぶ
2017 「繋げよう、伝えよう、お味噌汁の会」を発足
2018 三重県四日市に工房併設ギャラリー「おわんのささうら」open
2019 NewYork の三ツ星料理店「Masa」の漆器を制作
2021 三重県菰野町にカフェ併設のギャラリーを open
リスク&チャレンジ
制作スケジュールについては、現在プロジェクト成功を想定した数で調整しておりますが、想定を上回る応援購入者の申込みがあった場合、制作工程上の都合や配送作業に伴うやむを得ない事情によりお届けが遅れる場合がございます。 本文中に記載させていただいたスケジュールは、あくまでプロジェクト公開時点の予定です。応援購入の性質上、配送遅延のおそれがございます。 原則として、配送遅延に伴う応援購入のキャンセルはできませんが、リターン配送予定月から6ヶ月を超えた場合には、希望者に限りキャンセルにて対応させていただきます。
サポーターからの応援コメント
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このプロジェクトはAll in型です。目標金額の達成に関わらず、プロジェクト終了日の2022年03月30日までに支払いを完了した時点で、応援購入が成立します。
円(税込)
8,000うるしの弁当箱 小 拭き漆
うるしの弁当箱 小 拭き漆×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆
大きさ 縦10.5cm×幅14.5cm×高さ5.5cm 容量700cc 八分目500cc
重 量 130g
蓋の裏側は、黒のうるしで仕上げています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,000うるしの弁当箱 小 浅黄色
うるしの弁当箱 小 浅黄色×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ 縦10.5cm×幅14.5cm×高さ5.5cm 容量700cc 八分目500cc
重 量 小 130g
蓋の裏側は、本体と同じ浅黄色になっています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,000うるしの弁当箱 小 水浅葱色
うるしの弁当箱 小 水浅葱色×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ 縦10.5cm×幅14.5cm×高さ5.5cm 容量700cc 八分目500cc
重 量 130g
蓋の裏側は、本体と同じ水浅葱色になっています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,800うるしの弁当箱 大 拭き漆
うるしの弁当箱 大 拭き漆×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆
大きさ 縦10.5cm×幅18cm×高さ5.5cm 容量850cc 八分目650cc
重 量 150g
蓋の裏側は、黒のうるしで仕上げています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,800うるしの弁当箱 大 浅黄色
うるしの弁当箱 大 浅黄色×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ 縦10.5cm×幅18cm×高さ5.5cm 容量850cc 八分目650cc
重 量 150g
蓋の裏側は、本体と同じ浅黄色になっています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,800うるしの弁当箱 大 水浅葱色
うるしの弁当箱 大 水浅葱色×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ 縦10.5cm×幅18cm×高さ5.5cm 容量850cc 八分目650cc
重 量 150g
蓋の裏側は、本体と同じ水浅葱色になっています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,800うるしの弁当箱 大 撫子色
うるしの弁当箱 大 撫子色×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ 縦10.5cm×幅18cm×高さ5.5cm 容量850cc 八分目650cc
重 量 150g
蓋の裏側は、本体と同じ撫子色になっています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
円(税込)
8,000うるしの弁当箱 小 撫子色
うるしの弁当箱 小 撫子色×1点
素 材:尾鷲ひのき、本漆、顔料
大きさ 縦10.5cm×幅14.5cm×高さ5.5cm 容量700cc 八分目500cc
重 量 130g
蓋の裏側は、本体と同じ撫子色になっています
仕切り板付き
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
のサポーター
2022年04月末までにお届け予定
「Makuake(マクアケ)」は、実行者の想いを応援購入によって実現するアタラシイものやサービスのプラットフォームです。このページは、 プロダクトカテゴリの 「【尾鷲ひのき使用】職種を超え親子二代で丁寧に仕上げたうるしのお弁当箱」プロジェクト詳細ページです。