創業宝暦12年(1762年)。260余年にわたり、九州山地の水がめ、阿蘇カルデラの外輪山が生み出す清冽な水と、米、人で酒を醸し続けてきた山村酒造。これまでほとんど熊本県外にお届けすることがなかった阿蘇の酒「れいざん」を、全国の皆さんに知っていただき、味わっていただきたいと今回の企画にチャレンジします。Makuakeさんでのオンライン日本酒市では2度目の挑戦です。今回は前回と趣向を変えたお酒をお届けします。

【阿蘇の酒れいざん とは？】

なんといっても日本酒「れいざん」。地元熊本でその多くが消費されており、これまで全国でお目にかかることはなかなか無かったのではないかと思います。

山村酒造の蔵は、九州の中心、世界的にも知られている阿蘇のカルデラの外輪山の中にあります。阿蘇が生み出す清冽な山水のすばらしさは全国でも評価されていますが、その最上流に位置する高森町で260余年にわたり、酒造りを続けています。

その阿蘇の山々が生み出す素晴らしい水に加え、蔵が位置する場所の標高は550m。南国九州ながらも極寒の冬と清涼な夏は、酒造りには極上の環境にあります。今まさに今期の仕込みの真っ最中です。

阿蘇の水・米・人で醸しあげるその味わいは派手さこそ無いものの、吟醸造りの礎を築き黄金期を支えた熊本酵母で醸しあげる実直で爽やかな味わいで、熊本の飲食店をはじめ地元の多くの皆様に愛していただいています。食に寄り添い美味しく仕上げてくれる穏やかな香りと、程よいコクとキレが相まって皆さんの楽しいひと時の名バイプレーヤーとして楽しい気分を演出できる酒だと自負しています。

これまで、「阿蘇の酒れいざん」は、特に地元である熊本の食文化の永遠のスタンダードを目指して酒造りをし、多くの皆さんに愛していただいています。もちろんその姿勢はこれからも変わることはありません。熊本・阿蘇の雄大な自然が生み出す恩恵とともに醸しあげ、食に寄り添い、人に寄り添える酒。それが「れいざん」です。

【新型コロナウィルス騒動が街にもたらした影響】

弊社の地元、熊本県において阿蘇山や九州山地を擁する山々と有明海が生み出す豊かな食材は、世界に誇る自慢である食文化を育ててきました。そのような中、昨今のコロナ禍がもたらした飲食業界への影響は、今や計り知れないものとなりつつあります。

街の灯を絶やすまいと、老舗から新進気鋭の飲食店まで、これまで「れいざん」を育て支えてくれた熊本の夜の街も、この難局を乗り切るべく様々な努力、苦労をされています。本当に早くこの騒動が収束することを願うばかりです。

【今だからこその「れいざん C1」】

そのような中、県内のみならず全国の多くの酒蔵が飲食業の売り上げの低迷に伴い、今期の減産を余儀なくされました。弊社、山村酒造もこの冬の製造量を本来よりも減らす計画をせざるを得ないという状況です。

ただ、その製造計画を立てる中で、製造を減らした今だからこそ、その空いたスペースであえて実験的な取り組みができるのではないかと杜氏をはじめ私たちは考えました。

そこで、今期はこれまで造ったことの無いタイプの日本酒を1本、実験的にチャレンジで仕込んでみようということになり、できたのが今回の「れいざん C1(れいざんシーワン)」です。

Challenge 挑戦 Creative 創造的 Colorful 色とりどり Cordial 真心こめた

Cozy 心地よい Cool かっこいい Cheers 乾杯　など、

様々な「C」の意味を込めて、「阿蘇の酒れいざん」の意欲作である日本酒の第1弾を「れいざんC1」と名付けました。

今回は、瓶内2次発酵タイプの発泡清酒です。あえて詳細なスペックは公表せずに、先入観無しでいろいろなシーンで楽しんでいただいて、皆さんのご感想を伺えればと考えています。

そして、冒頭のような様々な「C」をイメージして、これからも不定期にはなりますが山村酒造 杜氏・山村純平のチャレンジ日本酒シリーズ、「れいざん C-series」をリリースできればと考えています。

日常を少しだけ離れて、笑って飲んでいただければ幸いです。

【セットに含まれるお酒】

「れいざん 春待酒 ささにごり」

早春限定で発売している新酒です。やわらかな、薄くにごったささにごりの純米酒です。本来、地元高森町の「新酒とふるさとの味まつり」に合わせて発売するのですが、今年は大きくイベントを開くことも難しく残念な気持ちです。
春霞のような雰囲気と、穏やかな味と香りで春を体感いただける一本です。

「れいざん しぼりたて純米生原酒」

この時期限定の新酒です。純米酒の生原酒で、もろみを搾ってそのまま瓶詰めした、フレッシュな味わいが自慢のお酒。程よい甘みと純米ならではの酸で、濃醇ながらもキレのよい仕上がりになっています。この時期だけの味わいをご堪能下さい。

「れいざん にごり酒」

この時期限定の新酒です。昔ながらの製法で醸しあげた、懐かしいにごり酒です。にごり酒独特のもろみ由来の甘口ではありながらベタっとした甘さではなく、見た目のわりにスッキリとした飲み口で、ご好評いただいている1本です。
※製法は日本酒としての元来のままですが、液体に含まれる清酒もろみの含有量が多いため、弊社ではラベルに「リキュール」表記しています。

【プロジェクトチーム紹介】

山村酒造合名会社

創業宝暦12年(1762年)。260余年にわたり、九州山地の水がめ、阿蘇カルデラの外輪山が生み出す清冽な水と、米、人で日本酒を醸し続けてきました。
現在、その製造量の9割近くは熊本県内で楽しんでいただいています。県外の方々には馴染みの少ない銘柄かと思いますが、これを機に皆さんに知っていただき、愉しんでいただければと思っています。

【最後に】

これからも「れいざん」の基本的な姿勢が変わることはありません。トラディショナルかつスタンダードな酒を造り続けることは、特に熊本においては使命でもあると考えています。

ただ、それに加えてたまには飲み手の方々に面白がってもらえる飛び道具的なアソビのある酒も、あればまたそこに新たな呑みの話題を提供できると思いますし、昨今の、これまでには無かった多様性のある日本酒業界において、新たな発見や出会いを生んでくれるのではないかと考えています。そしてそれは「れいざん」の未来に向けた取り組みにもなっていくと思います。

これからの「阿蘇の酒れいざん」も、皆様どうぞよろしくお願いいたします。れいざんで乾杯！