日本の冬に必要なのは防寒もんぺではあるまいか

みなさん！突然ですが、なぜ日本では屋内でも膝掛けが必要なのでしょうか？理由はいくつかありますが、外はもちろん屋内でも足元が冷えやすいのは、日本の冬の特徴です。

その割には足元の防寒着は手薄な印象です。下半身が多少分厚かろうが布一枚の衣服で、コートやジャケットだけ頑張っても「頭隠して尻隠さず」であると、野良着メーカーである私たち「SAGYO」は考えます。

そこで、足元の防寒を強化しようというのがこの防寒もんぺまくるです。

もこもこもテカテカもない防寒ズボン

早速ですが、こちらがSAGYOの防寒もんぺまくるです。

正面です。

パッと見では防寒着と分からないと思います。裏地で分厚くなる分、動きやすさのため前ポケットは省きました。

裏返した状態。

太もも付け根あたりが一番広く、逆に裾はニットで足にフィットする仕様です。

もともと、SAGYOのもんぺまくるシリーズという裾がニットになった特徴的な製品があったのですが、それに裏地にフリースをつけました。

この防寒仕様は、腰回りにゆとりのあるもんぺの形にハマりました。フリースが全面的に肌に密着することなく外気をシャットアウトできます。もんぺはある種、日本の冬の防寒着に理想的な形であることが判明した次第です。

ハイテクではなく形が大事

フリースを裏地に採用（ガンガン洗えます）

よくこの時期に世間を見渡すと新素材、ハイテク素材を謳った品物が溢れていますが、形自体は従来通りで、実際には作業向きなものは少ないのが現状です。

例えば、水分発熱系素材などは、ちょっと身体を動かしただけで過剰に発熱しがちなので、作業には不向きだと感じます（SAGYOには農家メンバーもおります）。

素材がハイテクかどうかよりも、形が大事です。形の力は侮れない！ということもこのプロジェクトでお伝えしたいことです。

さて、古来の日本の知恵を生かしたSAGYOのもんぺの形には次の3点の狙いがあります。

1)裾から冷気が入らない

2)外気をシャットアウトできる身体と生地の距離

3)衣類の内部空間が広いことによる蒸れの防止

2)について少し解説すると、毛布は、直接体に掛けるより掛け布団の上に掛けた方が効果的なのと同じです。

フリースで冷気をシャットアウトして、もんぺ内部の空気を暖かく保つわけです。タイツなど空気を保持する肌着がより効果的になると思われます。

裾のフィット感を求める方は少し小さいサイズがいいかもしれません。
（モデル身長169cm サイズ2着用）

裾をまくった状態
冬なのでそうそうまくることはないかもしれませんが、暖かい部屋に入ったらまくって温度調節もできます。

知恵の結晶としての和服のかたち-裾と腰回り

裾はニット

古来のもんぺも裾が絞られていました。色々なものの裾からの侵入防止と、引っ掛かり防止が狙いと思われます。SAGYOのもんぺまくるは、さらに進化させるべく裾にニットを使い体に沿うまで絞れるようにしています。

腰回りのゆとり
腰から太もものあたりのゆとりを取ることで動きやすくしつつ、防寒着としてはフリースが体に密着しにくい仕上がりになりました。

結果として蒸れにくくなっています。空間が広ければ湿度が満杯になりにくいのです。とはいえ裾がスカスカだと、広い空間に冷気がガンガン入り込んで冷えてしまい、この形は成立しません。裾の絞りで空間のゆとりが生きてくるわけです。

よくできている…！と開発者ながら思いました。

もっとも、これはわれわれの成果というより、何世代にも渡って無名の庶民が自家用の野良着を気候風土に合うように改良し続けてきた成果です。

SAGYOはそのような野良着に一工夫加えているだけです。

クラウドファンディングですので、「われわれはスゴい！」とブチ上げるべきところ地味で恐縮ですが、偽らざる本音でございます。しかし、モノとしては良いものができたと思います。

冬の野良仕事から動かない仕事まで

私は、この原稿をとあるシェアアトリエで執筆していたのですが、人の出入りもありますし、屋内でも床から足元が冷えます。屋内だからと防寒もんぺを履いてこなかったのを後悔して、その翌日に履いてきたらずいぶん快適でした。あまり動かない仕事のときも、体は冷えやすいので大いに役立つと思います。

もちろん、一番は冬の野良仕事で活躍することと思います。表地は厚めの綿生地なので、草刈り後の焚き火などでも使用可能です。アウトドア系の防寒着は火に弱いのでその点で、屋外作業にうってつけと言えるかと思います。わざわざ焚き火用のアイテムを購入しなくても大丈夫です。

あ、裾が絞られているので地下足袋や長靴にも相性よしです。さらには自転車乗りにも向いているでしょう。

これは別の通常仕様のもんぺまくるです、このようにまくれます。

仕様

製造：国産（岡山県）
表地：綿98%PU2%
裾：綿100%（ニット）
裏地：ポリエステル100%（マイクロフリース）

サイズについて）
サイズ1
腰囲：63-78cm
尻囲：119cm
股上：27cm
股下：67cm

サイズ2
腰囲：68-83cm
尻囲：125cm
股上：28cm
股下：70cm

サイズ3
腰囲：73-88cm
尻囲：128cm
股上：29cm
股下：75cm

※製品洗いを施している為、寸法には多少の誤差が出る場合がございます。

スケジュール

1月上旬より順次発送予定

リターンについて

割引コース）
先着5名 10％OFF 防寒もんぺまくる裏付1着
先着10名 5％OFF 防寒もんぺまくる裏付1着
先着5名 防寒フルセット！首巻、上着、マグロ漁船の靴下など6点セット

に加えて、旧品番を詰め合わせた福袋セットも用意しました。
お得！福袋セット）
先着7名 福袋セット 防寒もんぺまくる＋旧品番2点の福袋セット
これはおおよそ2〜3万円ほどお得です！

以上を用意しております。総じてお得です。今回の防寒もんぺまくるは、生産量が少ないので、本クラウドファンディングでほとんどなくなってしまう予想です。

SAGYOは、もともと製造原価が高いためめったに割引しません。めでたい新作お披露目の特別割引です。その代わり、興が湧いたらぜひいろいろな意見フィードバックをいただけると嬉しいです。

マグロ漁船の靴下

防寒セットにはSAGYOのもう一つの防寒アイテムのマグロ漁船の靴下が含まれています。これも話は長くなりますが、手短かに紹介しますとマグロ漁船に乗っていた漁師さん達が愛用していた靴下をSAGYOで復刻したものです。

マグロ漁船の靴下は赤、緑、灰色の3色

マグロ漁船の靴下はすでに定番商品ですが、今回のクラウドファンディングにも防寒フルセット！のリターンに含まれております。すいません、色は選べません！直感でそれぞれの方に似合いそうな色をお送りします。

SAGYOとは

「風景をつくる野良着」をテーマにSAGYOは2015年に伊藤洋志、岩崎恵子、長山武史の3名でスタートした国産作業着メーカー。

それぞれ農業現場テスト担当、生産担当、オンラインシステム担当と異なる分野のスペシャリストが別拠点で連携しながら、プロダクトから流通までを一貫して研究開発しています。

インディーズメーカーとして小資本で製造と流通を賄う手法も研究し、小さい挑戦的なメーカーが増えるための技術の蓄積にも取り組んでいます。

農作業テストを担当する伊藤は、季節ごとにさまざまな農業現場で作業をしながら製品テストを繰り返しています。その中で開発されたものがSAGYOの製品です。

こちらは梅の収穫、使用しているのはSAGYOの野良半天と野袴にたためる労帽

この本文章の担当も、伊藤洋志です。SAGYO以外には、遊撃的農家や全国床張り協会などのDIYサポート事業と著作業に従事しています。12月はみかん農家の助っ人をしています。主な著作は「ナリワイをつくる」（単行本東京書籍/文庫版ちくま文庫）など。

以上です！よろしくお願いします。

文責）SAGYOディレクター兼フィールドテスト担当 伊藤洋志