まろやかな“雪中貯蔵酒 ”飲み比べに挑戦

「雪の中で貯蔵することで本当に味がまろやかになっているのか？」

若手社員から出た問いから始まった企画です。

社員だけで確認をする方法もありましたが、どうせなら皆様と一緒に検証を行いたいと考え、今回は【Makuake限定】での飲み比べ企画に挑戦します。

雪中貯蔵酒とは

雪国では野菜を雪の中に埋めて保存する雪中（雪下）野菜という方法が行われてきました。

新潟県小千谷市は県内でも有数の豪雪地帯として知られ、古くから宿命的な雪に抗うだけでなく共存する取り組みも進めてきました。その一つが冷熱エネルギーとしての活用です。

この習慣にヒントを得て取り組んだのが“雪中貯蔵酒”です。搾ったばかりの生酒をタンクに入れて、最も気温が低くなる１月から４月までの約１００日間熟成させます。

天然のサスティナブルな貯蔵

会社構内の雪を利用し、まだ新酒の酵素成分が生きている生酒の入ったタンクに直接、高さ約５ｍ、総重量約５００ｔの雪を積み上げます。雪山の中は、全部が雪で覆われるので湿度が高く、ほぼ平均０℃、空気の対流もほとんどない状態となります。

外部電源を使わずに温度変化のほとんどない０℃の低温貯蔵が維持できるだけでなく、コンプレッサーなどの機械装置による振動や空気対流の影響を受けないので、ゆっくりと眠りにつくことができるのです。

高の井の伝統的手法だからこそ出せる味

我々は昭和６２年、全国に先がけて雪の中に日本酒を埋め込むこの“雪中貯蔵酒”に挑戦しました。

約１００日間貯蔵することで独特の熟成が進み、新酒の硬さがとれ、トロっとした独特なまろやかな味わいが生まれます。

新酒のフレッシュさはそのままに、まろやかな独特の味わいに仕上がる雪国ならではの“雪中貯蔵酒”です。

雪中貯蔵に取り組んだ当初、官能検査では「やわらかい」「まろやか」などの変化が感じられるのに、分析（酸度、アミノ酸度など）では変化がなく客観的に証明するものがありませんでした。

しかし近年では様々な研究も行われ、雪利用貯蔵では不快臭である生老香（なまひねか）の主成分であるイソバレルアルデヒドの生成が大きく抑制され、飲み口のマイルドさに影響していると発表されています。

製造に関わる杜氏、蔵人は昨年度、名誉ある「越後流酒造技術選手権大会」で新潟県県知事賞（首席）を受賞、また一昨年、昨年と２年連続で「世界酒蔵ランキング」※で星を獲得するなど卓越した技が世界的にも評価される技術者集団です。
※日本酒コンテストの受賞実績をポイント化し格付けしたランキング

（杜氏・木村明裕）

なぜ比較するのか？

弊社を退職された先輩からは「丸みを帯びて味わいがまろやかになった！」という話しが伝わっていますが、ここ最近はそれぞれの味の比較をしておりませんでした。

たしかに雪に貯蔵する前からすでに、味わいが丸くて柔らかなお酒の可能性もありますので、再度検証することになりました。

さらに今後の研究のために貯蔵してある、『雪中貯蔵＋氷温貯蔵 ３年熟成』のお酒も加え3点を飲み比べすることにしました。

“蔵元直送”で皆様のお手元へお届けします。

雪中貯蔵酒の味わいと楽しみ方

フルーティーな吟醸香と新酒の持つフレッシュさを残しながらも、硬さの取れた独特のまろやかな味わいのお酒です。

食前酒としてはもちろん、ナスの揚げ浸し、野菜のおひたし、もやしのナムルなどのさっぱりとした野菜料理との相性は抜群です。

また、日本酒は燗か常温か冷やして飲むといった、そのまま何も加えないで飲まなければいけないというイメージがありますが、そのようなことはありません。

夏の暑い日には氷を入れてロックにしたり、割り材などでカクテルにするなど、自由に楽しんで良いと思っています。（最初の一口は、そのままで味わっていただきたいですが）

雪中貯蔵酒を炭酸で割った日本酒サワーという飲み方も美味しいですよ。

キャンプなど初夏の気持ちの良い青空の下で楽しむお酒は爽快です。ぜひ試してみてください。

[作り方]

１．グラスいっぱいに氷を入れます
２．雪中貯蔵酒と炭酸水を１：１の割合で注ぎ静かに混ぜる
３．レモンを８分の１にカットし搾り入れる

比較商品ラインナップ

越の初梅 純米大吟醸（低温貯蔵） ※非売品【Makuake限定】

[商品紹介]

原料米…新潟県産 越淡麗１００％使用
精米歩合…５０％
アルコール分…１６度

[商品コメント]

雪中貯蔵用に仕込んだ純米大吟醸を雪に埋めずに、今回特別に冷蔵庫で保管した【Makuake限定】の非売品のお酒です。

洗米から始まり麹、酒母、仕込みまで手造りにこだわり、コンテストや鑑評会出品酒と同じ製法で丁寧に醸しました。

雪中貯蔵は雪の熟成でまろやかに旨みが増すので、それを計算に入れて少し辛めに仕上げてあります。青リンゴを思わせるフレッシュな香りと爽やかな味わいが特徴です。

越の初梅 雪中貯蔵酒 純米大吟醸

[商品紹介]

原料米…新潟県産 越淡麗１００％使用
精米歩合…５０％
アルコール分…１６度

[商品コメント]

越の初梅 雪中貯蔵酒のフラッグシップとなる純米大吟醸です。使用する「越淡麗」は味わいのふくらみと後口のきれいさを表現した新潟県限定の高級酒用酒米です。

雪中の大きなタンクの中では、生酒の酵素作用によりゆっくりとした特徴的な熟成が進み、新酒のフレッシュさはそのままに、まろやかな独特の味わいに仕上がります。

お届けするのは、雪の中から掘り出していち早くビン詰をした純米大吟醸です。目覚めたばかりの新鮮な味わいをお楽しみください。

越の初梅 雪中貯蔵酒 純米吟醸

[商品紹介]

原料米…新潟県産 五百万石１００％使用
精米歩合…５５％
アルコール分…１６度

[商品コメント]

淡麗な味わいを表現するのに最適な酒米「五百万石」を精米歩合５５％まで磨き上げました。

秒単位でのお米の浸漬（吸水）、突きハゼ麹、長期低温発酵など手仕事による吟醸造りにこだわった逸品です。

フレッシュな果物のような香りと、まろやかな雪中貯蔵ならではのトロミが口いっぱいに広がります。

越の初梅 雪中貯蔵＋氷温貯蔵 ３年熟成 ※非売品【Makuake限定】

[商品紹介]

原料米…新潟県産 越淡麗１００％使用
精米歩合…５０％
アルコール分…１６度

[商品コメント]

社内の研究用に貯蔵してある貴重な純米大吟醸です。今回、皆さまのご意見を今後の商品開発に活かしたいと思い、会社の承諾を得てなんとかご用意することができました。販売用ではないので本数は少ないですが、ぜひご感想をお聞かせ頂きたいと思います。

約１００日間の雪中貯蔵後に、さらに氷温で貯蔵を行い、合計３年間蔵の中で歳月を重ねました。時間にしか造り出すことのできない独特な熟成をお楽しみください。

リターン内容について

１．越の初梅 雪中貯蔵酒（純米大吟醸）：飲み比べ２本セット【限定５０セット】
雪中貯蔵“前”と“後”の純米大吟醸の２本飲み比べ

・純米大吟醸（低温貯蔵）（※1） 720ml ※非売品[Makuake限定]
・雪中貯蔵酒 純米大吟醸（※2） 720ml

（※１） 雪中に埋めるお酒と同じものを、雪に埋めずに低温貯蔵した純米大吟醸
（※２） 約１００日間雪中貯蔵したまろやかな純米大吟醸（精米歩合５０％）

２．越の初梅 雪中貯蔵酒 （純米大吟醸、純米吟醸）：飲み比べ３本セット【限定５０セット】
雪中貯蔵“前”と“後”の純米大吟醸と「雪中貯蔵酒 純米吟醸」の3本飲み比べ

・純米大吟醸（低温貯蔵） 720ml ※非売品[Makuake限定]
・雪中貯蔵酒 純米大吟醸 720ml
・雪中貯蔵酒 純米吟醸（※３） 720ml

（※３） 雪中貯蔵ならではのまろやかさと淡麗な味わいの純米吟醸（精米歩合５５％）

３．越の初梅 雪中貯蔵酒（純米大吟醸、氷温貯蔵３年熟成）：飲み比べ３本セット【限定２０セット】
雪中貯蔵“前”と“後”の純米大吟醸と「雪中貯蔵＋氷温貯蔵３年熟成」の３本飲み比べ

・純米大吟醸（低温貯蔵） 720ml ※非売品[Makuake限定]
・雪中貯蔵酒 純米大吟醸 720ml
・雪中貯蔵＋氷温貯蔵３年熟成（※４） 720ml ※非売品[Makuake限定]

（※４） 雪中貯蔵後にさらに氷温で貯蔵した３年熟成の純米大吟醸

４．越の初梅 雪中貯蔵酒（純米大吟醸、純米吟醸、氷温３年熟成）：飲み比べ４本セット【限定２５セット】
雪中貯蔵“前”と“後”の純米大吟醸と「雪中貯蔵酒 純米吟醸」、「雪中貯蔵＋氷温貯蔵３年熟成」の４本飲み比べ

・純米大吟醸（低温貯蔵） 720ml ※非売品[Makuake限定]
・雪中貯蔵酒 純米大吟醸 720ml
・雪中貯蔵酒 純米吟醸 720ml
・雪中貯蔵＋氷温貯蔵３年熟成 720ml ※非売品[Makuake限定]

特別豪雪地帯 新潟県小千谷市

高の井酒造がある新潟県小千谷市は、米どころとしても全国的に有名な魚沼地域に位置しています。良質米となる理由として言われているのは、厳寒期に２メートル以上の積雪になる山間地の地域特性です。

昼夜の寒暖差が大きく、夏の暑い時期も山からの冷たい湧き水が田んぼに流れ込みます。また、その水がお米の生育に必要なミネラルや栄養分を与えてくれることで、美味しいお米が育つと言われています。

雪国に生きる人々にとって雪は暮らしの一部となっていますが、豪雪になると生活に大きな影響が出る場合もあり、雪との共存が大きなテーマとなっています。

小千谷市も昭和５４年に「克雪都市宣言」を行い、宿命的となっている豪雪を克服するだけでなく、さらに雪を利用する取り組みも行っていこうと宣言しています。

私たちもこの宣言に賛同し、この地域の魅力を活かした商品開発を行い雪山の中で日本酒を埋め込む“雪中貯蔵酒”など、地域の恩恵をお酒に込めて全国に発信し続けています。

資金の使い道

現在“雪中貯蔵酒”をはじめ、地元の四季折々の豊かな自然を注ぎ込んだ商品づくりを進めています。

商品を知っていただきファンが増えることで、酒米を生産していただいている中山間地の耕作地拡大につながるだけでなく、魅力あふれる地域を発信することに繋がると考えております。

そんな想いから２０２２年３月に、事務所の一部を改装して蔵元直売所「ゆきみず庵」をオープンいたしました。

お酒のＰＲだけでなく、錦鯉柄のお猪口（小千谷市は錦鯉発祥の地）、お酒・酒粕を使用したスイーツなど小千谷市ならではの物産や地元企業様とのコラボ商品などの販売、またエントランスホールでは地域全体の魅力をパネルやパンフレットで紹介するなど、最寄り駅から徒歩８分の好立地を活かして観光拠点としてもさまざまな発信を行っております。

これからも、訪日客増加を見越した酒蔵見学内容の充実、酒米生産農家様の農産物販売など販売アイテム拡大を図っていきます。

お客様と地域を結ぶ場として何度も足を運んでいただいて、小千谷市の交流人口の増加に寄与できるように、常に新しい取り組みを進め魅力的で楽しい場所していきたいと考えています。

ぜひ、私たちの想いに触れていただき、小千谷市というまちの風土や文化にも興味を持っていただければ幸いです。

■酒蔵見学

・事前予約制（有料：大人1名５００円）
・開始時間／①１０：３０～ ②１３：３０～（所要時間 約３０分）
・休止日／水曜、日曜、祝日、年末年始
（１２月は繁忙期のため休止）
社員がご案内いたします。

■蔵元直売所「ゆきみず庵」

・営業時間／１０：００～１６：００
・定休日／日曜、祝日、年末年始
・試飲あり（有料：６種類５００円）
・直売所直通TEL／０２５８-８６-６０９０
詳しくはホームページをご覧ください。

実行者紹介

我々は現在“雪中貯蔵酒”や登録店限定の“田友”など地域の資源を活かした商品づくりを進めています。

原料米はすべて新潟県米を使用しておりますが、将来的には全量小千谷産米にできるよう取組みを進めています。

酒造りは地域のすばらしい自然環境があってこその産業です。これからも様々な形で地域の魅力を商品に込めて発信していきたいと考えています。

最後に“雪中貯蔵酒”を手に取った皆さまに喜んでもらえるよう、社員一同取り組んでまいりますので、応援よろしくお願いいたします。

高の井酒造株式会社
取締役総務部長 大久保剛