コロナ禍で外に出ることが出来ず増えた通販。

その段ボールを開梱するという“作業”が“心踊る体験”に変わるように、金属の塊から削り出された石器のような開梱ナイフ「OOPARTS-001」をつくりました。

みなさんは、荷物を開梱するための道具は持っていますか？

無理矢理手で開けるか、ちょっと危険ですがハサミを開いて使ったり・・なんて方が多いのではないでしょうか。持っていても、世にある開梱カッターは業務用のものが多いため、引き出しなどにしまいこんで、いざという時に見つからないことも多いのではありませんか？

「OOPARTS-001」は玄関先にも美しく飾っておくことができる、オブジェの様に美しい開梱ナイフです。

新しい生活様式により家にいる時間が増えた中、家庭での生活に彩りを加えることができ、また、荷物が届いた際には目立つ場所に飾っておけるからこそ、さっと手に取って開梱に利用することができます。

「OOPARTS-001」の使い方は簡単です。

荷物が届いたら、飾ってある「OOPARTS-001」を手に取ります。全体を包み込むように深く握り、先端をガムテープに突き刺してから手前に引き、開梱を行って下さい。

刃と対になる突起の部分を接地させてガイドにすることでより切りやすくなるように設計しています。

また、ガムテープを切る際に深く刃が入り過ぎて中の荷物が傷ついてしまわないように、刃先に傾斜をつけることで切りやすくかつ深く刺さりすぎない角度に調整しています。なお、刃先はカッターや包丁のようには鋭くありません。およそ一般的なペーパーカッターぐらいの鋭さのイメージです。

純粋な金属としてアルミが発見されたのは1825年と比較的最近で、当時は金よりも価格が高かったほどです。銀のように輝き、軽く新しい金属であるアルミニウムは工業化の始まった時代の未来のシンボルでもありました。

そんなアルミは、アメリカのワシントン記念堂の冠石にも使われています。

アルミの持つ美しさを表現するため、塊から総切削した「OOPARTS-001」は、金属の持つ重厚感と輝きを楽しむことができる、高級感のある仕上がりです。

「OOPARTS-001」は、金属を切削した痕が文様の様に表面を覆い尽くして、そのまま刃先を形成するデザインとなっています。

この波のような文様は、握った時には指が掛かって滑り止めの役割もし、金属の塊とは思えないほど手触りがよく、手に馴染むものとなっています。

モチーフとなった打製石器は石を叩き割ることによって全体が形作られていますが、「OOPARTS-001」は、その素材を石からアルミへ、製法を打製から切削加工へといったように「古代の石器」を「現代的な素材と技術」によってアップデートした製品です。

今回、Makuake限定100個の販売を記念して、背面には製品名と共に分数の形でエディションの刻印が施しています。分母は限定数の100、分子はひとつづつ異なる限定番号となり、それぞれが唯一無二のプロダクトになっています。

エディションナンバーは先着でご支援いただいた方から、1/100、2/100、3/100・・・と順番に若い番号が刻印されます。どのエディションナンバーが刻まれているか、是非届くのを楽しみにしていて下さい。

製品名 ：OOPARTS-001

用途 ：開梱ナイフ

素材 ：アルミ合金

仕上げ ：アルマイト（陽極酸化処理）

寸法 ：φ78mm, h19mm

重量 ：154g

生産地 ：愛知県西尾市

製作・販売 ：株式会社セイワ

デザイン ：AATISMO

企画 ：AICHI DESIGN VISION

2021/02中旬 「OOPARTS-001」最終調整完了

2021/03初旬 「OOPARTS-001」生産開始

2021/03中旬 「OOPARTS-001」発送開始

*4月中旬頃までには全て発送完了する予定です。

「OOPARTS-001」は、私たちプロジェクトチームにとって初めて製造から販売までを行う製品となりますが、今後も「OOPARTSシリーズ」として展開を行っていこうと考えています。

皆様からの温かいご支援により集まった資金は、量産の製造費用、プロモーション費用の他、この先に生まれてくるであろう「OOPARTS-002」、「OOPART-003」･･･といった次の製品開発費用に充てさせて頂きます。

■製作・販売

株式会社セイワは愛知県の西三河地区・西尾市にあるモノづくり企業です。

自動車や産業用ロボットの分野において、各種マシニングセンタ、NC旋盤などによるアルミニウムの精密切削加工を中心に、「試作・少量生産を価値に仕立てる信頼のパートナー」として少量多品種生産で高品質な製品を提供し、お客様の困りごと解決をミッションとして業務に取り組んでいます。

今回のプロダクトは、「主体性のあるモノづくりへの挑戦」と、「100%下請けからの脱却」 を目指して2018年に結成された若手中心のモノづくりプロジェクトチーム「チーム セイワ魂」（写真左から新実拓也、加藤正和、樋口直人、伊藤翔哉）の 活動から生まれました。

http://www.seiwa-1.co.jp

■デザイン

AATISMOは中森大樹（写真左：工業デザイン・エンジニアリング）、海老塚啓太（写真右：アートディレクション）、桝永絵理子（写真中：建築設計）の3人によって、2015年に東京を拠点に結成したグループです。

アートとテクノロジー、原初と未来、そして野生の思考と科学的思考の融合をテーマとし、建築・デザイン・アートなど分野を横断した活動を行っています。

Lexus Design Award Prototype Winner (2015)、Kokuyo Design Award Grand Prix (2016)、Good Design Award (2017)、iF Design Award (2018)、Red Dot Design Award (2018)など多数

aatismo.com
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■企画

「AICHI DESIGN VISION」は、㈱AMNが主催し、愛知県を中心としたモノづくり企業と、その企業の技術に惹かれ想いに共感したデザイナーを繋ぎ、コロナ禍において立ち上がったプロジェクトです。4か月という短い期間でオンラインにより打合せを重ね、新商品開発に取り組みました。

adv-aichi.com
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株式会社セイワは、抹茶や一色産うなぎが特産品として有名な愛知県西尾市にあります。西尾の中心部から車で１０分、田んぼや畑に囲まれた、のどかなところに位置しています。

従業員は６５名。工場では自動車や産業用ロボットの試作品などを主に製作しています。

今回の製品は、若手中心のモノづくりプロジェクトチーム「チーム セイワ魂」。彼らの活動の場として2018年末に増築したラボ【和LABO】から生まれました。

旋盤で形が整えられたアルミの塊が切削加工の機械にセットされ、プログラム通りに削られていきます。エンドミルの軌跡がそのまま表面の模様や刃先になっていきます。

削り上がった本体の背面に、製品名とMakuake限定１００個のエディションナンバーを刻印機で打刻していきます。

最後に、表面処理としてアルマイト処理が行われて完成です。

完成品は標本箱をイメージしたパッケージに入れてお届けします。
*パッケージはサンプルのため、デザインは多少変更する可能性があります。

Q1：耐久性はどのくらいでしょうか？アルミだと刃が使っているうちに削れてきたりしないでしょうか？

A1：本製品はアルマイト処理を行っており、通常のアルミニウムより耐腐食性や耐摩耗性が高くなっています。50mの耐久試験を行った結果、切れ味に変化はなく、刃の摩耗は殆ど見られませんでした。
*通常の開梱における耐久性です。硬い床への落下などでは刃先が破損する可能性があります。

Q2：OOPARTS-001という製品名はどういう意味ですか？

A2：OOPARTSはout-of-place artifacts（場違いな工芸品）の頭文字を繋げた語です。主に出土品などが、考古学上その成立や製造法などが不明であったり、当時の文明の加工技術や知見では製造が困難もしくは不可能に見える場合に使われます。

私たちはOOPARTSという言葉を「場所や時代を超えて素材や技術が出会ったもの」と捉えて、今回名付けています。また、今後その名の下にシリーズ化し、展開を行っていこうと考えています。今回はそのシリーズの皮切りとなる一番初めの製品となり、001のナンバリングを冠しています。

Q3：このナイフでは開梱時に何を切ることができますか？

A3：布や紙ガムテープや透明のビニルテープなど、段ボールの蓋を留めているテープまでです。段ボール自体やPPテープは切ることを想定していませんのでご注意下さい。
先端は触れても怪我をしない程度の形状となっていますが、小さなお子様のいるご家庭などはお取り扱いにはご注意をお願いいたします。

Q4：左利きでも使えますか？

A4：使えないこともありませんが、基本的には右手での使用を想定しています。今後、対称形となる左手用の製作を検討中しています。

当社は１９６９年の創業以来、愛知県の西尾市で、地場産業である自動車産業に深く関わり、自動車部品の試作加工や多品種少量の切削加工を生業としてきました。

試作品という重要な仕事をさせていただき、開発の一端を担わせていただいていることは非常に貴重で、やりがいのある仕事ですが、「主体性のあるモノづくりをしたい」、「自分たちで考えたモノをつくり出したい」その思いはずいぶん前からありました。

そして2代目社長として事業を引き継いだ２０１６年、全社員を集めた方針説明会の場で５年以内に自社製品をつくり、販売までを目指す！と皆さんに宣言しました。

その２年後に、社内の有志を集めたモノづくりプロジェクト【チームセイワ魂】を結成し、ほそぼそと「自分たちの作りたいモノをつくる」をテーマに自主的な活動を行ってきました。ただ内心は、自社製品を世に出すのは夢のまた夢だと考えていました。

２０２０年に入り、新型コロナウイルスの影響で受注の減少が見えてきた中、落ち込んでいても仕方ない。仕事がないなら時間がある。と自らのマインドを切り替え、「自社製品の開発」という長年の目標へのチャレンジを決めました。それにより、いろいろな事が前に進みだし、昨年の夏には当社として初の製品を開発し、クラウドファンディングに挑戦。結果は芳しくありませんでしたが、その経験が「今」に導いてくれました。

奇しくも私が宣言した５年という時間軸で、我々が想いをもってつくり出したモノを世に出すことが出来る。このことは非常に感慨深いです。「思う」ことにはそれだけの力があるということを実感しました。

そして今、ＡＤＶの取り組みによって出合ったデザイナーチーム AATISMOと共に活動できることに感謝をしています。

新たな一歩を踏み出した、田舎の中小企業の挑戦に関心をもっていただき、応援していただけると大変うれしいです。

株式会社セイワ 代表取締役
加藤 正和