『世田谷デニム』の新しいチャレンジ

「世田谷デニム」(東京世田谷区)では、AIを利用した自動採寸システムを構築しました。世田谷デニムは岡山の老舗機屋 岡本テキスタイルが運営するファクトリーブランド。

資源を無駄にせず、皆様に本当に必要な製品を作りたいとの想いから、オンラインオーダーメイドの「CLONE JEANS PROJECT」を立ち上げました。本格始動を前に、システムテスト運用のモニターを25名(セット込)募集いたします。

70年代の生地を研究し制作した本格ヴィンテージデニムを使用し、お求めやすい価格でオーダーメイドいただけます。

毎年廃棄される大量の衣料品

「年間100万トン」何の数字だかお分かりになりますでしょうか？日本ではこれだけの量の衣類が毎年着られることもなく廃棄されています。数量で言うとおよそ33億着です。

衣服のうち約9割は、リサイクルされることなく、埋め立て処分または焼却処分され、大量の温室効果ガスを排出しています。繊維業界はサステイナブルではないサイクルが今もなお続く、最も“環境負荷の多い産業”の一つなのです。

このプロジェクトで実現したいこと

大量に捨てられていく衣料品がある中、私たちはものづくりを行っています。企業活動としては沢山作って、沢山販売、利益を上げていくことが求められますが、今行っていることは全く逆のことです。

たくさん作らなくて済むシンプルな取引構造

1. 必要な分を必要なだけ。
人によって、必要な時、必要な量は異なります。必要になったらおつくりする。至ってシンプルなビジネス形態にする。

2. お気に入りをずっと。
ファッショントレンドに追われてものを買う人もかなり減ったのではないでしょうか？本当に気に入った自分だけのベーシックを使い続けるのも新しい価値だと考えています。

テスト運用の詳細

1. 普段着用しているお気に入りのデニムの写真をA４コピー用紙と共に「前後」撮影
2. お気に入りデニムのウエストサイズ測っていただく
3. 身長を教えていただく
4. 確認用でお気に入りデニムを世田谷デニムに送る(必ず返却します)

※3D シミュレーションを画像で確認後、縫製、お届けいたします。

AI 採寸システム

アパレルの世界でも進化しつつあるAIの技術。私たちは生地のメーカーでありながら”ビネット＆クラリティ合同会社(東京都文京区)”協力の元、独自に採寸システムの研究を行ってきました。

今回テストを行うシステムは、お気に入りデニムとA4用紙を並べて写真を撮ることにより、自動採寸が行われ、ジーンズを作るための設計図がおこせるというもの。

このシステムにより生成された設計図をもとに「世田谷デニム」の縫製ラインで制作を行い、実用化前テストを行おうと考えています。

70年代のヴィンテージデニムを特別に作製

日本のファッション文化の中で極められたデニム生地。

「世田谷デニム」の母体である岡本テキスタイルはこれまで、ビンテージデニムの本質を知るため、数々のヴィンテージデニムメーカーと協業ながらセルビッチデニムを研究、織り続けてきた機屋です。この度はその集大成ともいえる70年代デニム生地を作りました。

70年代のデニムはヴィンテージの世界では比較的新しい部類に入りますが、色落ちの美しさを持ちながら、品質的な安定をそなえ、多くのヴィンテージデニム研究者たちから高く評価されています。本物のヴィンテージ研究と、当時の歴史的資料を研究しながら、インディゴ染色、糸の構成まで完全オリジナルで制作しました。

紡績工場:綾部紡績(株)(京都府綾部市)
・糸は、ブランド綿花によるおとなしい凹凸のある形状 紡績工場:綾部紡績(株)(京都府綾部市)
・色は、インディゴ染料100%の青みのブルー 染色工場:カイハラ(株)(広島県府中市)
・織は、糸に負担をかけないシャトル織機で製織 製織：弊社、岡本テキスタイル
・加工は、生地を安定させるサンフォライズ加工(防縮加工) 整理加工:備中染工(株)(岡山県井原市)

【ハイテクとローテク】の交差点

縫製は東京、世田谷デニムLABOで一本づつ製作します。通常はラインを組んで生産するデニムですが、お客様に合わせて縫製を流せる仕組みを作っています。縫製:当社 世田谷デニムLAB(東京都世田谷区)

・東京 世田谷の世田谷デニムLABを使用

これまでの活動

私たち岡本テキスタイルは今年で創業67年。
これまで様々なデニムブランドと協業し、日本のヴィンテージデニムシーンをリードしてきました。

2017年、新たな試みとして、世田谷区桜新町の路地裏にデニム工場、世田谷DENIM LAB（セタガヤ デニムラボ）をオープン。

看板には前の家主だった精肉店の文字がそのまま。東京の片隅のあばら屋へ、岡山からミシンとセルヴィッチデニム生地を運び込み、デニムの聖地と世界のメゾンからも評価される岡山のクラフトマンシップそのままの工場を作りました。

そして今年2020年、これからの繊維業界のあり方を考え、AIによる採寸システムを開発、テスト運用を開始することになりました。

伝統価値を守りつつ、新しいチャレンジをし続ける会社です！

代表のご挨拶

産業が高度な発展を遂げるほど、作り手と使い手は離れていくのが文明の常です。

私たちの暮らしと切っては切れない洋服。

20世紀中ごろまで、洋服とは女性たちが家族のために家のミシンで縫い上げるものでした。

その後、日本が戦後の復興を遂げ、この国独自の産業を打ち立てようとする中、洋服作りは自らの仕事を愛し、明日を願う「職人」たちによって世界屈指の技術と品質に高められ、日本の物作りを牽引する産業となりました。

私、岡本は岡山県の生地屋の二代目として生まれ、気がつけば30年も岡山でデニムに携わる仕事をしてきました。

今や岡山と言えばデニムの産地として洋服好きの方々に名前を知っていただくようになりましたが、私が生まれ育った岡山は学生服や帆布など、実用性に基づいた製品を作る場所でした。

しかし、やがてアメリカのファッションが日本にやってきました。彼らのまとうクールなデニムを、どうにかこの国でも作ることができないか。私たちの世代でデニム作りへの挑戦がはじまりました。

アイビー、DCブランド、レプリカブランド、裏原、ハイストリートなど、時代時代のデザイナーたちと共に試行錯誤を重ねる中、私たちのデニム作りは日本独自のファッションと共に進化していきました。

国内の洋服作りが熟練し、高品質な量産が可能になると、次の課題は「どうすればもっと安く、もっと多く、もっと早く作れるか」でした。私たちは効率を重視した分業を考え、機材の改良を重ね、中国に生産拠点を拡大し、新しい洋服作りを探し続けました。

グローバル化が進んだこの21世紀、様々なデザインの洋服をリーズナブルに楽しめる今は、昔の私たちを振り返っても羨ましい、選択肢に溢れた時代です。

ですがその反面、古着屋に積み上がる大量のデニムを見ると、これが私たちの目指したデニムとユーザーの在り方なのか、ふと疑問に感じる時があるのも正直な気持ちです。

ただ、これは良い、悪いの問題ではありません。

今回の、AIによる計測システム、オーダーに対応する生産ラインが全ての疑問を晴らしてくれる訳ではありませんが、生産者、消費者の人間らしい生き方につながり、地球環境を見つめ直すきっかけになればと思っています。その為に皆様のお力をお借りできれば幸いです。

代表取締役社長 岡本雅行

リターンについて

1. クローンデニム制作

皆様のお気に入りパンツのクローンを作成します。※５ポケットジーンズと異なるデザインでも形状をコピーすることはできます。生地は70'sデニムの使用となります。

Details：ボタンや、腰裏の縫製仕様などはClone Jeansのデザインとなります。

Rivet：ビンテージタイプのリベット

Selvage：腰裏は耳を利用したリッチな仕上げ

2. サコッシュ

サイズ：縦 20.5cm　横29cm

バックポケット型パッチポケッット

内側にはポケットと、キーハンガー

開発した70'sヴィンテージデニムを使用したサコッシュ。こちらも世田谷デニムLABOで縫製します。

3. ランドリーバッグ

サイズ：縦 48.5cm　横35cm

セルビッチをフロントに配置したデザイン

カラー紐でデザインを引き締めています。

開発した70'sヴィンテージデニムを使用した背負えるランドリーバッグ。こちらも世田谷デニムLABOで縫製します。

4. 使わなくなった旧式シャトル織機のシャトル

普段販売することのない、ヴィンテージデニム工場の魂とも言えるシャトルを限定で５本販売いたします。

実施スケジュール

1. クローンデニム制作

2020年6月上旬募集開始
↓
7月28日募集終了
↓
〜8月7日 お手持ちのデニムの撮影、ウエストの採寸。製品のお預かり（ご指定の場所に着払い）
↓
〜8月21日 ご支援者様へ進行の確認（３Dによる確認）
↓
〜9月中旬 生産
↓
検品
↓
9月下旬 配送

※ご支援者様には、クラウドファンディング終了後、詳細をメールにてお知らせいたします。

2. サコッシュ

2020年6月上旬募集開始
↓
7月28日募集終了
↓
〜8月7日 お手持ちのデニムの撮影、製品のお預かり
↓
〜8月30日 生産
↓
検品
↓
9月上旬配送

2. ランドリーバッグ

2020年6月上旬募集開始
↓
7月28日募集終了
↓
〜8月7日 お手持ちのデニムの撮影、製品のお預かり
↓
〜8月30日 生産
↓
検品
↓
9月上旬配送

4. 使わなくなった旧式シャトル織機のシャトル

2020年6月上旬募集開始
↓
7月28日募集終了
↓
〜8月7日 配送

最後に

ものづくりによって人間や環境を傷つけることのない社会を目指し、AI計測システムをより正確なものにしていかなくてはなりません。

実際にオーダーメイドを行った場合、上代、4~5万円の価格設定になってしまいますが。今回はモニターテストですので、特別価格にて提供させていただければと思います。未来のものづくりのためにご協力いただけますと幸いです。

＜お客様の声＞
本プロジェクトの表紙のモデルになっていただいた方に、感想をお聞きしました。

今回お話をいただいた時に、真っ先に思いついたのが、とても気に入っていた70年代の俗に言う66モデルでした。

長い間スペアを探し回っていましたが、同じ66モデルでも微妙な違いがあるので、古着屋さんでもなかなか良いものを見つけられずにいました。逆にレプリカ系ブランドを探しても、程よく洗練されてしまい、ここでも自分に合うものがない。

そんな中、自分の持っているジーンズのコピー（クローン）ができるというお話をいただき、とても興味を持ちました。すぐに、お気に入りの66ジーンズを写真をとって送ったのを覚えています。

実際に縫製され完成したジーンズに足を通した時のフィット感は驚きでした。生地が新しいので当然肌触りこそ違いますが、シルエットと、程よいゆったり感、テーパード感は正に自分の持っている66ジーンズそのものでした。

ヴィンテージになると、痛まないように気を使って履くことになりますが、クローンであれば、ガンガン履けます。ボロくなったらこの私にとってのマスターピースをまた作れば良い。サステイナブルなものづくりの実現、というお話でしたが、トレンドを気にしないけど、自分なりの面倒なこだわりがある私。こんな自分には最高のサービスだと思いました！

＜今回のクラウドファンディングはAll-in方式です。＞
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。