初めましての方も、前回ぶりの方も、まいどです！！

紀州ねる店長の島本です！

早いものでクラウドファンディングも４回目となりました。過去３回はいずれも沢山のご支援をいただきまして誠にありがとうございました。おかげ様で新しい”ものづくり”に取り組み続けることができています。

売れるものを作るのではなく、繊維にちょっとでも興味を持ってもらえるような、そんな製品のご提案ができればと思い試行錯誤するのがとても楽しく、日々充実しております。

今回のプロジェクトでは私たちが今開発中である起毛シーツを制作するための企画となります。

集まった金額については次回の起毛シーツ制作の実現に向けた最初の運転資金として使わせていただきます。そのためページ内でご紹介している起毛シーツは今回リターンにはご用意しておりません。

今回支援いただいた方へのお礼として前回プロジェクトでご好評でした商品をご用意しています。皆様からのご意見を参考にして、次回の新商品をよりいいものにしていければと思います。

ぜひ皆様からの様々なご意見を頂戴できますと幸いです。そして今回起毛シーツにご興味を持ってもらった方はぜひ次回プロジェクトにも注目していただければと思います！

皆様は起毛シーツを使ったことがありますか？もしくは毛布をシーツ代わりに使ったりすると、とても気持ちいいですよね。

じつは、この起毛シーツ、1970年～90年にかけてとぶように売れていた時代がありました。作れば作っただけ売れる。まさにバブルですね。特にかさ高いギフトとして人気を賭していました。しかし、その人気は長続きはしません。安価で粗悪なシーツが大量に出回り、起毛シーツ＝毛玉だらけになる扱いづらいシーツというイメージが定着し、気づけば市場から姿を消してしまっていたのです。

市場から消え去った起毛シーツに着目し、何点か開発し販売したところ「初めて使ったけどすごく暖かい！」といったお声をたくさんいただき、紀州ねるの人気定番アイテムとなっております。

そんななか、ちょっと変わった起毛シーツを作りたいと思うようになり何度か開発を試みたのですが、なかなかシーツに適した生地に出あうことができませんでした。そこで、第２回・３回でお世話になった織物工業様に相談したところ、シーツはむずかしい・・・でもやってみましょう！と今回のシーツの開発がスタートしたのです。

まず始めに”起毛シーツ”ということで、寒い時期に使っていただく前提で企画します。絶対にはずせないのは保温性。この保温性に優れた素材といえばウールorアクリルです。ウールは扱いづらい（虫食いや洗濯方法等）ので今回はアクリルをメインに作っていきたいと思います。また、コットンは保温性が高いと勘違いされがちですが、正確には吸湿発熱効果を持っているので、保温性という点ではアクリルが適していますね。

アクリルのメリット・デメリットを簡単にご紹介します。

メリット

・保温性が高い

・繊維の耐久性が高い

・ウールに比べ安い

・虫食いやカビの心配がない

・乾きやすい（吸水性が低い（デメリットにもなりうる））

・染色したときに色が鮮やかに染まる

デメリット

・吸水・吸湿性が低い

・毛玉ができやすい

・静電気が起きやすい

メリットが大きい分、デメリットも中々にやっかいなものがそろっていますね・・・

科学者や技術者のすごいところは、探求心にあります。

一つの素材を研究し、その弱点を補う方法を考える。アクリルにも様々な種類の機能を持たせた次世代のアクリルが開発されてきました。

今回はマイクロアクリルという特殊なアクリル繊維を使用しました。どういう糸かといいますと・・・極細ソフト抗ピルアクリル繊維なんです！！

伝わっていないと思いますので簡単に説明しますと

・極細 ＝ 繊維が極細でタッチ感がなめらか（シルクに近い）

・ソフト ＝ 軽くてふくらみ感のある糸でタッチ感が柔らかい

・抗ピル ＝ 毛玉ができにくい・なりにくい

・アクリル繊維 ＝ アクリル繊維

となります。

つまり従来のアクリル繊維のメリットを損なわず、デメリットを克服したすごい糸なんです！

出典：繊維機械学会誌39巻(1986)12号

上のグラフは代表的な繊維の熱伝導率です。熱伝導率が高いと温度が伝わりやすく、熱が奪われやすいということになります。これを利用したのが接触冷感です。逆に熱伝導率が低いと温度が奪われにくく、保温性が高いといえます。

先ほどチラっとでてきたコットンについてですが、市場でもよく知られる吸湿発熱性をもった繊維です。水蒸気が水に変わるときに周りに熱を生む原理、つまり人の水蒸気状にかいた汗を吸収し、繊維内で水となるときにあたたかくなるのが吸湿発熱です。

保温性に優れたアクリル×吸湿発熱性を持ったコットン

お互いの不足を補った組み合わせで、理論上とってもあたたかい生地のできあがりです！

さらにさらにこだわっていきます。

生地のベースになる部分に吸湿発熱のコットンを、生地の毛羽部分・直接肌にあたる部分に保温のアクリルを配置しました。

66年、三代にわたって培ってきた起毛技術を使い、糸や組織に適した起毛加工を行っていきます。少し特殊な改造を行った起毛機を使用するためお見せできませんが、下の写真のような機械で起毛を行います。

丁寧に生地の表面を毛羽立たせたあとは、余分な毛羽をカットしていきます。余分な毛羽をカットすることで表面の毛羽が揃えられ、高級感のあるなめらかでマットな手触りになります。また、毛玉防止にもつながります。

（社長がシャーリング機で余分な毛羽をカットしています）

そして出来上がった生地の表面のアップが下の写真です。

表面の毛羽はしっかりと密度が高く、なめらかな肌触りに仕上がりました。

四隅にゴムを縫い付けた敷パットタイプのシーツにしました。

サイズ：205cm×100cm シングルサイス

組 成： アクリル50% 綿40% ポリステル10%

（タテ糸：綿 伸縮ポリエステル ヨコ糸：マイクロアクリル）

試作段階ですのでデザインが変わる可能性があります。

また、色糸は下の色見本の中から３色組み合わせた４パターンの予定となっています。あくまで、上の写真の色は試作段階ですので採用されるかは未定となっております。

（アクリルは染め上がりが鮮やかなのでキレイな色合いの糸です）

１１月中旬公開予定のページ内で、詳細をお伝えさせて頂きます。また、今後の進展につきましては逐一ご報告させていただきますので、是非とも本ページをお気に入り登録していただけますようよろしくお願いいたします。

申し訳ございませんが、今回公開させていただいた起毛シーツについて、不確定要素が多すぎるため、リターンの登録はひかえさせていただきました。起毛シーツのリターンをご希望の方は次回11月中旬公開予定のクラウドファンディングよりご支援を宜しくお願いいたします。

【1,800円コース：紀州ねる人気定番アイテム】

ティッシュBOX型ピロケース（枕カバー）

サイズ：30×40cm フリーサイズ

組成：レーヨン（モダール）73％、ポリエステル 22％

ナイロン ３％、ポリウレタン ２％

ストレッチ性に優れていて、よく伸びます。35×50cm/43×63cm/50×70cmなど、いろんなサイズの枕にワンタッチ取り付けでぴったりフィット。「モダール」という植物性の再生繊維をメイン素材とし、とろっとした滑らかな肌触りが特徴です。

※各色30枚

【7,200円コース：Makuake限定10％Off】

クラウドファンディング第１弾 「超やわらか六重織ガーゼケット」

サイズ：140×190cm シングルサイズ

組成：綿100％

表面を起毛し、中の層にも空気がたまりやすくなる加工を施した、とてもやわらかいタッチのガーゼケットです。襟元は折り返して縫製しています。使い込むほどに柔らかさが増し、ボリューミーになっていきます。

※各10枚（グレー×オフホワイトは新色のため20枚）

【9,000円コース：Makuake限定10％Off】

クラウドファンディング第２弾 「ボタニカル・ダイ 極上ブランケット」

サイズ：140×190cm シングルサイズ

組成：綿90％、ポリエステル10％

重さ：約840g

ボタニカル染めをしたオーガニックコットンを使用。丁寧に起毛をかさね、軽く・暖かい・やわらかい、理想のブランケットです。

【7,200円コース：Makuake限定10％Off】

クラウドファンディング第３弾 「ボタニカル・ダイ リバーシブルガーゼケット」

サイズ：140×200cm シングルサイズ

組成：綿90％、ポリエステル10％

重さ：約860g

ボタニカル染めをしたオーガニックコットンを使用。春・秋は起毛面（白い面）を、夏はガーゼ面（カラー面）を使うことで年中ご使用いただけます。

今回ご支援いただいた金額の一部を、次回公開予定の起毛シーツの開発資金にあてさせていただきます。公開時期は11月中旬を予定しています。今回のページよりも、より詳細な部分を発表させていただきますので、ぜひとも今回のクラウドファンディングページを「お気に入り登録」してください！※公開のタイミングで通知が入るようになります。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

もともと「起毛」を知ってもらうために始めた製品開発部でしたが、「紀州ねる」では過去３回にわたるクラウドファンディングや、地元のフリーマーケットへの参加を通して「お客様が使って喜んでもらえることへの喜び」をたくさん感じ、その度に「もっと良い物・感動してもらえる物を作らねば」と”ものづくり”を楽しめることがとても幸せに思います。

今回のクラウドファンディングでは、ずっと作りたいと思っていたシーツの企画に取り組むことができ、ご協力いただいている各社様と皆様のあたたかいご支援のもと、完成に一歩づつ近づいております。さらなる“良い物づくり”のためにも、今回のプロジェクトへのご支援・応援をよろしくお願いいたします。

紀州ねる店長 島本和典

（余談ですが一番左が私です）