津山市手づくり加工研究会は長年「津山市のこだわり抜いた食材を、手作りで丁寧に加工する」ことに注力してきました。そのおかげか、地元津山市では私たちの食品を多くの人が手にとってくれて、喜んでくれています。少しずつ津山市の手作りの味が受け入れられてきた所で、一つの疑問が湧きました。

本当に手作りの味を求めているのってどんな人だろう？
その人にはどんな届け方をしたら喜んでくれるのだろう？

このプロジェクトはそんな疑問から始まりました。例えば、津山市を離れて都会で仕事や学業を頑張っている人。また、津山市に関わらず、地方から都会に行った人たちの心の支えになるような取り組みができるかもしれない。徐々にそんな考えになっていきました。

最終的に行き着いたのが、「仕送り」です。2020年現在では、単身率が約3割、2040年までには約4割にのぼると言われています。ここまで単身で頑張る世帯が増えた中、生活のちょっとした時間になにか安らぎを与えれることができる環境が大切だと考えました。また、それが私たちの「手作りの味」を「仕送り」のような形で送ることで実現できたら非常に喜ばしいことだと思っています。

こだわり抜いた食材を加工した手作りの味だけでなく、食品を送る際に、お便りも同封いたします。津山市のお母さんがあなたのことを想って書いた文章です。

配送スケジュール

旬な食材を自ら探して、加工作業に入るので、配送は隔月になります。隔月なので、少し忘れた頃に津山市のお母さんから仕送りが届く。そんな体験をお届けしたいと思います。

津山市手づくり加工研究会の取り組みは、「岡山県津山市の農産物を使って、香料や保存料、着色料などの添加物を入れないで特産物を作りたい」という想いから賛同する人々が集い、取り組みが始まりました。津山市の食材を使うことで

・農家さんの食材を買うことができるので喜んでくれる

・野菜売り場に並ばない野菜も買うことができる

・野のものも採りにくくなっている中で資源を大切に使える

ことができます。さらに、「子供たちにも、自然由来の健康的な食事を食べさせてあげたい」、「好き嫌いがあっても食べられるようなものを作りたい」、「昔からあるものも子供たちに食べてもらいたい」という気持ちもあります。食材集めはとても大変ですが、皆様の「美味しい」「昔懐かしい」という声を励みに日々頑張っています。

津山市の食材を使い、昔からあるものしか作っていません。しかし、だからこそ「丁寧に」、「丹精に心を込めて」作っていくことで喜んでくれる方がたくさんいます。昔ながらの食は飽きがこない、またそこに戻ってきたいという気持ちにさせてくれると思っています。毎日続けて食べることができる、誠実なものを作っていきます

地元産の大豆にこだわり、しっかり選別された大豆を使用しております。長年付き合いのある地元農家の人たちが協力してくれるので、非常に質の高い大豆が集まります。

地元産の米をJAより購入し、こうじに使用しております。

蒸した米を少量冷まし、 麹菌をよくまぶして、 まんべんなく手早く混ぜます。蒸した米の残りにこの種を混ぜ、米全体に行き渡るように手もみしますこれを3回繰り返しもろぶたにきちんと詰めて麹室に入れます。

麹は味噌の味を決めるのに、非常に重要な役割を果たします。大豆だけでなく、麹までこだわって調理するのが私たちの強みです。

常温にて10ヶ月〜1年間かけて冷暗所で発行を促します。さらにそのあと、天地返しという作業を行います。天地返しは、必ずやらなくてはいけないものではありませんが、発酵を促し、みその風味が一層アップします。調理工程の最後までこだわり抜いて作りたい。そんな想いで日々加工に挑んでおります。

塩分控えめでまろやかな味になっています。じっくり発酵させているので、優しく仕上がっています。

津山市周辺の野山に自生しているフキですが、近年は入手が困難になっています。環境の変化もあるのでしょう。しかし、会員一丸となって集めて、皆様に喜んでいただけるよう頑張っています。

3-4cmに切ります。その後、アク抜きをするために柔らかくなるまで茹で、水にさらします。さらに調味料を加えて3時間程かけてフキの水分がほとんどなくなるまで煮詰めます。黒色になってきたら火を止めます。こげつかないよう火加減を調整することが重要で、とても難しい工程です。

いまや高級になった自生のフキにタレを漬け込むことで、しっかりと味がつき、ついご飯が欲しくなる佃煮に仕上がります。

【岡山県津山市のお母さんからの”旬”の仕送り便】

津山市手づくり加工研究会メンバーが食材の調達から加工まで一貫してこだわった旬の食材を「仕送り」の形式でお送りいたします。
※仕送りは隔月25日頃の配送となります。

【配送スケジュール】

2月 福神漬け（130g）、味噌（250g）

4月 桜茶（20g）、きゅうりと人参の粕漬（きゅうり２本分と人参１本分）

6月 ケチャップ（130g）、フキの佃煮（100g）

上記に加えて配送時にはお母さんのお便りも同封

余計なものを入れない。ひとつずつ丁寧に。

大量生産できない味、食材も限られているなかで大切に、生み出したい。手作りでしか出せない味があると思っています。津山市ならではの味・食材を活かした商品や昔ながらの品物を大切にし、又現在にも通用するような商品（パスタ、ケチャップ）も考え、会員みんなで知恵を出し合い、お互いの意見を取り入れ楽しく取り組んでいます。世間話にも花が咲くのもひとつの楽しみです。

津山市手づくり加工研究会は、JAの女性部が元になっていて、昭和58年に発足した農家の主婦達の集まりです。いまも農家の主婦が中心になっていて、だからこそ、いい食材が集まりやすいことが強みです。津山市ならではの加工品に取り組んでいます。難しい問題にもぶつかりますが、知恵を出し合い乗り切っています。

岡山県津山市について

津山市は、岡山県の北東部に位置しています。北は中国山地、南は中部吉備高原に接し、市内中心部を吉井川が東西に貫流して津山盆地を形成し、四季折々の自然と豊かな歴史と文化を持つまちです。和銅６年（７１３）に、備前国（びぜんのくに）の北６郡を分離して美作国（みまさかのくに）がつくられ、現在の津山市総社に国府が置かれました。それ以来この地域の政治・経済・文化の中心として栄えてきました。江戸時代には津山城の城下町となり、今でも津山城跡や昔ながらの町並みなどの歴史名所が数多く残っています。

人口はおよそ１０万人、周囲は山で囲まれているため、１日のうちで昼と夜には温度差があります。冬には低温になり、県境に近いところでは雪が降り積もることもあります。