私は１９９９年にカナダに移住しました。移住地がオカナガンワインの産地だったことから、ワイナリーとのご縁に恵まれ、２０００年から彼らのワインを日本に輸出販売するビジネスを立ち上げ、今年で２１年目を迎えています。

ワイン産地のオカナガン地方は台風などの自然災害に無縁な土地柄なのですが、私が経験した過去２０年間で全く災害が無かったわけではありません。

２００３年にオカナガン地方を襲った巨大な山火事は、彼らのワイナリーを直撃しました。ブドウ畑は煙を浴び、その年のブドウは廃棄されました。醸造所と倉庫の一部、オーナー家族の家は全焼しました。

既に日本への輸出販売をしていた私の元に、日本の皆様からたくさんの暖かい応援をいただきました。

そして今回のCOVID19は、先の見えない不安がオカナガン地方の全てのワイナリーを襲っています。

７月末時点でカナダへの旅行者の入国は禁止され、アメリカからの往来も禁止。カナダ住民は州内の移動は緩和されました。しかし、オカナガン地方は国内外からワインを求めて訪れる人たちによって支えられているワイン地帯のため、COVID19の影響は想像以上にオカナガンワイン全体に影響を及ぼしています。

そこで、少しでもオカナガンワインの助けになれば、、、と思いながら、今回のプロジェクトを立ち上げたわけです。

私が日本の皆様に呼びかけながら出来ることは小さなことかもしれません。しかし、こうして２０年以上に渡り、オカナガンワインと関係を続けさせてもらっている者として、何もしないわけにはいかない、という思いに至っております。

今回、彼らが作るワインの中から、非常に珍しい赤ワインと白ワインをこのプロジェクトのために用意してもらいました。

ワインの中には、複数の品種をブレンドする作り方があります。オカナガン地方には世界的に見ても珍しい品種が栽培されている特徴があり、オカナガンワインの魅力のひとつになっています。

このブレンドの赤ワインと白ワインも、非常に珍しい品種のブレンドで作られており、地元では珍重ブレンドワイン（Prized Wine）と呼ばれています。

何が珍しいのか？

使われている品種と配合割合です。

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写真左：赤ワイン　Great Canadian Red　通称GCR

50% シャンブルサン、37% フォッシュ、13% ピノノワール

容量：750ML　アルコール度数12.9%　

産地：カナダBC州オカナガン地方ケロウナ市

製造：St.Hubertus & Oak Bay Estate Winery

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写真右：白ワイン　Great White North　通称GWN

42% ゲベルツトラミネール、34% シャスラ、20% リースリング、4% ショーンバーガー

容量：750ML　アルコール度数12.3%　

産地：カナダBC州オカナガン地方ケロウナ市

製造：St.Hubertus & Oak Bay Estate Winery

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３種類のブレンドの赤ワイン（GCR）。セントヒューバータス・ワイナリーで栽培されている珍しい品種フォッシュとシャンブルサンをメインにし、ピノノワールを加えた３種のブレンドです。深く力強い香りと味わいをシャンブルサンで打ち出し、魅惑的な奥行きをフォッシュで感じながら、ピノノワールが全体を柔らかく包み込むようにバランスを整えています。バランスの良いミディアムボディのこの赤ワインは、牛肉料理はもちろんのこと、鶏肉、羊肉など、あらゆる肉料理全般との相性が良く、お料理と楽しむことができます。約２２０以上のワイナリーが集積するオカナガン地方の中で、フォッシュ、シャンブルサンを栽培しているワイナリーは極めて少なく、その希少性は地元のカナダ人の間で珍重されています。オカナガン産の赤ワインとしては、とても珍しいタイプの赤ワインです。

４種類のブレンドの白ワイン（GWN）。このワインの特筆すべきポイントは、４種類の白ブドウをオーナー自ら配合割合を何度もテストをして決めながら、優しくも上品で記憶に残る味わいを追求して いるという点です。ゲベルツトラミネールをメインにし、スイスの人気品種であるシャスラを使い、リースリングで全体を整え、強い香りが特徴のショーンバーガーでフローラルさ を強めています。絶妙なこの白ワインは、やや辛めでありながら、日本食からイタリアン、フレンチまで幅広い料理とのマッチングを楽しめます。

既に日本への輸出準備を整えています！

この赤ワイン、白ワイン共にワイナリーで最終の検品作業を終えまして、カナダからの輸出手続きを済ませております。

日本に到着後、スムーズに輸入通関を行い、その後１本ずつの検品作業を終了させた後、１０月中には皆様のお手元に届くよう進めてまいります。

「カナダでワインが作れるのですか？」

未だにこうしたご質問を受けることがあります。

「カナダは寒い国」というイメージが日本人の皆さまが抱いているためです。

しかし、カナダは日本の２７倍の国土を有しているため、場所によって気候は様々です。

このデザートワインの産地であるオカナガン地方はカナダの砂漠気候です。

ハワイからカナダ西海海外に向かう暖流に沿って暖かい風が吹き込み、アメリカ・ネバタ州から灼熱の乾いた熱波が北上し、２つがぶつかる場所が、ここオカナガン地方です。

そのため、カナダの中でこの地方だけが局地的に熱くなり、乾燥し澄み切った空気に包まれるワインのパラダイスとして世界的に有名なのです。

世界的に注目されるワインの産地

乾燥した気候のためブドウに付く病害虫が発生しません。そのため、一切の農薬や殺虫剤を使わないワインが作られるのです。

超地産地消のワイン産地

オカナガン地方には大小２００以上のワイナリーがありますが、生産量が需要に追いつかず、基本的に海外へ輸出をしていません。カナダ国内で完全に消費される超地産地消のワイン産業です。

そのため一般的に日本の市場に出回ることがないため、結果として日本の皆様がカナダ・オカナガンワインを日本で見かけることが無いというわけなのです。

滝澤 修

長野県生まれ １９９９年３月、カナダに移住。

カナダの居住地オカナガン地方ケロウナ市は、カナダを代表するワインの産地だったことと、ワイナリーのオーナーとの偶然の出逢いによって、２０００年春から彼らが作るオカナガン産ワインの日本輸出販売業を立ち上げる。

日本では全く無名で認知されていないカナダ・オカナガン産ワインを日本で広げるために、カナダワイン会、料理研究家とのコラボなど、様々な活動を通してカナダ・オカナガン産ワインの普及活動を行っている。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州 バンクーバー在住。

カナダ・オカナガン産のワインを日本で輸入して、販売活動を続け、１９年目を迎えました。あっという間だったように思います。しかし、私たちの努力不足は紛れも無い事実です。もっともっとオカナガン産ワインを日本の皆様に知って頂くために、これからも頑張って参りますので、どうぞ宜しくお願い致します。