2019年の台風15号、19号による記録的な大雨、暴風により各地で甚大な被害が広がっています。

被災地の報道を見るたびに大変心が痛む思いであります。

被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

わずかではありますが、本プロジェクト達成金額の一部を台風による災害支援に寄付させて頂きたいと思います。

オーガニックへの挑戦

今回、私たちはオーガニックを目指した安心安全な苺づくりに挑戦していきます。

そのための土壌づくりを皆さんと一緒にやっていきたいと考えたので、

このプロジェクトを立ち上げました。

なぜこのような挑戦をしようと思ったのかですが、

ネットなどで、苺は農薬まみれでとても危険 という記事を見かけます。

実際はそんなことはないですし、私たちの農園では低農薬を心がけて美味しい苺を栽培しようと日々精進しております。

ですが、世間では「苺が危険」という悲しいイメージがあるのも事実です。

なので、そんなネガティブなイメージを払拭して

皆さんに安心して美味しい苺を食べてもらいたい！

そんな思いを胸に、オーガニック認証（JASマーク）という目に見える安心安全に注目しました。

私たちについて

静岡県清水の町で苺農園を営んでいます。

ストロベリーフィールド４代目園主の萩原康央です。

私達の地域では苺の栽培が盛んで、観光農園として今まで数多くの方に来ていただきました。

皆様に美味しい苺をお届けするために日々、苺の栽培に精を尽くしております。

マクアケさんを通して、私たちが今まで育んできたことや思いをお伝えし、

皆さんと一緒に美味しく安心安全を目指した苺を作っていければと思っています。

私たちの育てている石垣苺について

私たちの農園は100年以上前の明治時代からスタートしました。

当農園の歴史がスタートしてから現在まで、大正皇后陛下、ヘレンケラー女史、与謝野晶子女史など各著名人や海外の視察団などがご来園され、

昭和に入ってからは天皇家にお送りする献上苺にも選ばれた歴史があります。

なぜここまで各方面から注目していただけたのか、

その理由は、当時ではとても画期的だったある特殊な栽培法にあるんです。

私たちの育てる苺は石垣苺と言われ、この地域一帯で栽培されています。

石垣を積み上げ、その間で苺を栽培することからこの名で呼ばれています。

この石垣苺には、私の曽祖父にあたる初代園主の清作が石垣による栽培法を発見し、

この地域に広めたことから始まったというのが一説で、

その特殊な栽培法が評価され、天皇家や各著名人、各国の視察団にご来園いただくまでになりました。

なぜ石垣による栽培なのか？

まず一つとして、この地域に適していたのが石垣栽培だったからです。

この地域は駿河湾に面して山が広がっているので、海のそばにすぐ山（斜面）という特徴があります。

なので、平地の少ないこの地域で何か農作物を始めて、畑を広げるためには山に沿った段々畑のようにする必要がありました。

そこで試行錯誤の結果見つけたのが、石垣を積み上げた畑による苺の栽培だったのです。

二つ目の理由として、石垣栽培が当時の苺の生育にとても適していたからです。

石垣栽培には地熱の温度を上げ植物の生育を助けるという特徴があります。

当時はまだビニールハウスもなく苺が寒さで育ちにくかったのですが、

太陽にまんべんなく照らされた石垣の熱によって地熱が上がり、水はけのよさも相まって苺を美味しく栽培することが可能になりました。

その結果、全国で見ても初期にあたる苺農園ができあがったのです。

実際、普通に栽培するより苺の糖度が上がり、より甘い苺ができるようになります。

そして、その栽培法が評価され各国各方面から注目されるようになったのです。

このように私たちの農園は100年以上この地域で苺を育ててきた伝統と誇りがあります。

そんな中で、苺は危険というイメージがあるのはとても寂しいものです。

やはり、苺狩りに来てくれるお客さんには笑顔になってほしいですし、

安心安全で美味しい苺を食べて頂きたいのです。

ただいくら、無農薬や減農薬とうたっても、それを証明するものがないと

お客さんも心から安心はできません。

なので、安全性が高いという一つの指標でもある

オーガニック認証（JASマーク）

これを目指すために現在は動いております。

一番大本にあるのは、安心安全な美味しい苺を食べて笑顔になってもらいたいという思いです。

オーガニック認証を取るために

そして、その思いを実現していくために、今回は土壌改善に挑戦します。

オーガニック認証を目指すためには、栽培する土の状態が大変重要な項目になってきます。（有機JAS規格によりオーガニック栽培に適した土壌を３年間保たなければいけない）

それ以前に土が良くなれば元気で美味しい苺が育つのです。

土が良ければ、作物は元気に育つ。

これは皆さんもイメージがわくと思います。

微生物が多く栄養価の高い土を作ると、地熱が上がりよりしっかりとした作物ができます。

そして、元気な作物は自己防衛機能も高く虫などの害虫も寄り付かなくなり、

農薬をまかなくても病気にかかりづらくなるそうです。

人間に例えると、薬などの外からの要因で体の調子を保つのではなく、

免疫力を上げて病気にかかりづらい元気な体を作る。

そんな体づくりのようなことを、苺でやっていきます。

こうすることで、美味しく安心安全な苺を栽培することができるようになります。

更に、農薬の残留値の関係で輸出が難しかった他の国にも

日本の美味しい苺を広めていけるかもしれない。

この挑戦には、そんな可能性も秘めているのです。

また、この挑戦が上手くいけば農家さんの負担も減らすことができます。

冒頭にも述べたとおりに、畑は斜面に沿って作られます。

足場が狭く細かい作業も多いので、機械の導入が難しく

石垣の積みなおして中の土を耕し、100を超える全てのビニールハウスへの

農薬散布などをこの斜面の中、全て手作業で行っているのです。

これは肉体的にかなりの負担になります。

ですが、今回のような土壌改善を続けていけば、

石垣を積みなおさなくても中の土を微生物の多い良い土壌にできたり、

農薬の散布にかかる負担をなくすことができるのです。

これは、私たちの農法に対してとても嬉しい効果です。

挑戦することで、とても大きい成果が生まれるのですが、

これはとても難しいチャレンジになります。

以前にも、私たちの農園では無農薬栽培の試みをしました。

結果としては失敗。

前回は、農薬の代わりにデンプンなどの害のないものを使って、

虫よけや病気の予防をしていきました。

ですが、それもあまり効果が出なく苺の大部分をダメにしてしまいました。

苺はとても繊細なので、農薬を使わないで栽培するのはとても難しい

そんな現実を突きつけられたのです。

ここで１つ皆さんに知っていてほしいのですが、

農薬を使った栽培法がものすごい危険かというと、そんなこともありません。

国が定めた健康被害の出ないであろうごく少量の農薬だけで栽培していますし、年々の研究で農薬の安全性も高くなってきています。

とはいっても、農薬＝体に悪いもの というイメージもありますし、

ない方が良いのも確かです。

私たちの農園では、前々から農薬を極力使わない低農薬栽培や、

イチゴの実には絶対に農薬をつけないという配慮をずっと続けてきています。

そして、もっと安心して私たちのイチゴを食べてほしい。

そのための一つの道である、オーガニック認証取得を目指した苺づくりを

皆さんと一緒にやっていきたいのです。

終わりに

私たちは今まで、たくさんのイチゴを育てたくさんの方に食べて頂きました。

いろいろと大変な場面もありましたが、皆さんが笑顔で美味しいと言ってくれる。

その言葉がなにより嬉しく、頑張ろうという気持ちにさせてくれます。

これからもより多くの方に笑顔になってもらいたいし、私たちもより一層励んでいきたいと思っています。

苺を食べてくれる人と農家さんをもっと笑顔にするための試みと、

歴史ある自慢の石垣苺をみなさんとつくっていけたら嬉しいです。

最後まで文章を読んでいただきありがとうございました。