チタンナイフシリーズの更なる進化を目指して

昨年、皆様からのご支援のおかげで無事成功致しました前回のプロジェクト

<チタン>+<螺鈿>堅いチーズや崩れやすいケーキも崩さず切る チタンナイフ「彩」　https://www.makuake.com/project/chitan-knives/

終了後も改良を重ね、いくつかのバリエーションを開発しました。

その中から菓子切りとして使いやすいサイズに小型化、形状をより繊細にシンプルなデザインに設計し直したものがこのナイフです。

チタンナイフ「彩」の機能性はそのまま受け継いでおり、極めて錆にくく強靭な特性をもつチタン製で、薄いブレードは軟らかい練り切りは勿論、弾力のある餅菓子、崩れやすい焼き菓子や堅いチーズにもスッと食い込み、細工を崩す事無く美しい所作で食べることができます。

「彩」が京都オパールを用いた華やかな螺鈿装飾であったのに対し、今回は銀粉と黒漆の層を重ねて砥ぎ出した虫食い塗の技法を用いております。

「墨流し」

このモデルに「墨流し」という名前をつけた由来は私のナイフメーカーとしての経験から。

ナイフや包丁を作る際の鋼材の中で、異なる2種の鋼材をパイ生地のように重ねた積層鋼材、ダマスカス鋼材というものがあり、それは削る角度や捻り・穿孔等の加工によって様々な模様が出ます。

接合しただけのものを叩き延ばし、削った模様は墨流しと呼ばれ、意図せず出る模様は二つと同じ物が無く、ありのままの美しさが魅力です。

設計当初、ダマスカス鋼材そのものを装飾に用いる事を考えましたが、加工の難易度が高い事、美しいが工業的で温かみが足りない。日本的な魅力が足りないという壁に突き当たりました。

それを解決する糸口となったのが私の漆職人としての経験でした。

漆の世界にも若狭塗りや津軽塗りのように漆を重ねた研ぎ出しの技法が無数にあります。

変化をつけて塗り重ねた漆と銀粉の層を砥ぎ出す技法の実験を重ねた結果、墨流しそっくりの模様を出すことに成功し、更に漆特有の深みのある黒が銀の光沢を抑え、落ち着いた、それでいて鋭さのある雰囲気を出す事ができました。

【今後のチャレンジ】

現在、出てくる模様をパターン化して「天候」や「季節」、「伝統的な文様」等のテーマに沿ったシリーズを作る研究を進めております。

【製品仕様】

●　日本製

●　全長　105ｍｍ

●　ブレード部分長　51ｍｍ

●　重量　約5g

●　使用素材　・Jis2種チタン　・漆　・銀粉

製造を一貫して当方で行う為、用意できる数は限られますが、ご要望の多かった革製のケースをご用意いたしました。

ご希望の方はケースつきのリターンを選択してください。

また、今回のプロジェクトでは素材にも拘り、装飾に使用する漆は国産のものを使い、日本製漆の推進に協力させていただきます。

【お届けまでのスケジュール】

作業の大部分が一人による手作業なので、一月辺りの製作数に限りがあるため、製品は順次製作、完成しだい発送致します。

リターンの受注数によっては予定よりも早くお届けが可能になる場合があります。

また、予期せぬ事態で発送が遅れる場合は、その旨をご連絡致します。何卒ご了承ください。

【注意事項　お申し込み前にご一読ください】

●　本品は手作業にて作成しております。工程の性質上、一つ一つに微妙な差異が生じます。

●より良い製品作りのためにデザインや仕様に変更が加わる場合があります。

●　包丁のような鋭い小刃（エッジ）はつけておりませんが、硬い素材ですので怪我にはご注意ください。

●　刀身は強靭ですが、強い力を加えると曲がり、破損する可能性があります。特に、柄部分の曲がりは漆装飾の剥離につながります。

●　洗浄は市販の食器用洗剤とスポンジで大丈夫ですが、硬い素材と擦れ合うと表面に傷がつき美観を損なう可能性があります。

また、長時間水に浸かる、あるいは濡れた状態での放置は漆装飾の剥離につながります。