プロジェクト概要

はじめまして。
北海道十勝帯広でベリーを栽培し、6次化農業に取り組んでいる『ときいろファーム』です。

※ドローンにて撮影

私たちは家族で本州から北海道に移住し、縁あって、十勝の山間のベリー農場を引き継ぎ、今年で12年目になるベリー農家です。
除草剤、化学肥料などは使わず、 先代が丹精込めて作った生きた土壌を守り、ラズベリーをはじめハスカップ、ブルーベリー、カシス、シーベリーなどを愛情込めて栽培しています。

シーズンには、珍しいベリー摘み取り農園として開放し、ご家族連れや海外からのお客様に喜んでいただいております。

その中でも1番多く収穫しているのはラズベリーです。

日本でのラズベリー栽培は、ブルーベリーやイチゴに比べると盛んではなく、全国でも数軒しか見つけられません。 その理由は、ラズベリー栽培は手作業で地道な作業が多く、本当に根気とラズベリーに対する愛情がないと続かないからだと思います。

国産ラズベリー食べたことありますか？

スーパーなどでは、輸入された冷凍ラズベリーが安く売られています。
また、一般的にスィーツに使われているラズベリーやそのピューレは、ほとんどが外国産の輸入ラズベリーです。

海外ではベリー農家もかなり機械化されてシステマティックに栽培されているためですが、当園のラズベリーと比べて食べてみると、味の違いは歴然です。

また、あまり知られていませんが、ラズベリーにはいろいろな品種があり、酸味や香り、形や大きさが違います。
当園では、一般に売られていない、味の良い品種を多く栽培しています。

『ヌートカ』
・酸味がほど良く、食べた後の鼻に抜ける香り芳醇

『カールベック』
・小粒だけれど、酸味と香が強く、パティシエさんが好んで使用

『セプテンバー』
・秋と翌年の夏に実をつける二期成り品種で、特に秋の実は香りが強く酸味が少ないので、お子様でも食べやすい

『マーリングデュライト』
・薄い朱色で酸味程よく、もっちりとした食感で食べごたえがある

『ワイダーレッド』
・酸味程よく、大粒でトッピングに使うとインパクト大

『イエローラズベリー』
・酸味少なく、洋ナシに似た味

ラズベリーは、品種ごとに栽培、保管しています

販売する際、使い方をお聞きし、品種ごとの特徴を生かして、ご希望にそえる品種をご提案しています。

ラズベリーってこんなにすごいの？

就農して以来、ラズベリーを調べていくと、色々な有効性がわかってきました。

※見た目も可愛いラズベリーの実

【ラズベリーの実】

実はビタミンCやE、鉄、亜鉛、カルシウム、カリウムなどのミネラル分、ルテイン、クエン酸、エラグ酸、アントシアニンなどのポリフェノール類をはじめとして栄養が豊富です。
見た目も鮮やかな赤色で丸い形で、スイーツの飾りとしても使われますが、私は心が癒されます。

【ラズベリーの葉】

ラズベリーの葉は、ヨーロッパでは古くから、乾燥させて『ラズベリーリーフティー』として飲まれています。
味はノンカフェインでクセがなくて、飲みやすく、ほかのハーブともブレンドしやすいです。
海外からも輸入されていますが、最近は国産のリーフティーも見かけるようになってきました。

【ラズベリーのオイル】

種に含まれているオイルには、ビタミンA、Eが豊富で、抗酸化成分であるエラグ酸も多く含まれており、また、必須脂肪酸であるオメガ３や６を多く含んでいることでも有名です。

しかし、このシードオイルは、私が捜したところ、国産のものは無く、輸入されているものしか見つけられなかったため、自分たちで栽培しているこだわりのラズベリーから搾ってみようと思いました。

私たちが作っています

大学卒業後、東京で旅行関係の会社で働いていましたが、憧れのヨーロッパを肌で感じたい！と、仕事を辞め、当時、趣味だった自転車（MTB）を持って、ヨーロッパ横断の旅に出ました。

大阪から上海行の船に乗って、北京、ウランバートル、モスクワ、サンクトペテルブルクと列車で移動し、シベリア鉄道でフィンランドのヘルシンキに入り、ヘルシンキからは自転車で移動、キャンプ場か空き地でテントで寝て、スウェーデンからヨーロッパ大陸最北端、ノルウェーのノールカップ岬まで北上し、デンマーク、オランダ、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルク、フランス、スペイン、そして最西端、ポルトガルのロカ岬、それから最南端のジブラルタルからモロッコに渡り、パリ・ダカールラリーを砂漠で観戦し、その後、パリで旅を終えました。

旅の間には、色々な事がありました。
あまりにもみすぼらしかったからか、職務質問され、警察に連れていかれたことが、ロシアで1回、スペインで1回。オランダでは、日本から持ってきた自転車が盗まれ、現地で購入したが、自転車王国のオランダであるにも関わらず、日本のように性能の良い物はなく、ママチャリに似たような自転車で旅を続けることに。

しかし、親切な方にも助けて頂くこともたくさんあり、そんな旅の経験から、今度は旅行者をもてなす宿泊業に携わりたいと、帰国後は企業の保養所を管理運営する会社に就職しました。
そこで、6年間、支配人夫婦として、料理や経理、接客、すべてを行い、そして2006年、『自分たちの宿を持ちたい。』『自分たちにしか出来ないことを北海道で見つけたい！』と、家族で、本州より北海道に移住しました。
しかし、なかなか良い土地が見つからず、試行錯誤する中で、たまたま摘み取りに訪れていたベリー農家さんが後継者を探していることを知り、後を継ぐことを決めました。

今まであまり経験のない農業をやっていこうと思ったのは、次の点からです。

①慣行栽培の大規模畑作農家が多い十勝で珍しい小規模農業であること。
②先代の村田さんが、こだわった栽培をしていて、良い土が出来ていること。
③栽培加工販売まですべて自分たちで行う６次化農業であること。
④もともと酸味のある果物が好きなこと。
⑤ベリーはヨーロッパ自転車旅行の時の思い出があること。

※「（公社）北海道農業改良普及協会発行「農家の友」平成２３年６月号掲載より」

2年間、村田さんに研修を受けるも、まだまだ生計を立てていくのには、知識も収量も設備も足りず、試行錯誤する毎日でした。
時間のかかる手作業が多いため、朝は日の出とともに起き、日が暮れるまで畑で作業をし、夜は加工や選別をしています。
きっと、除草剤や農薬や化学肥料を使うともっと効率よく作業がはかどるかもしれません。
でも、村田さんがこだわって作ってきた土壌を守っていきたい、食べて頂ける方に少しでも良いベリーをお届けしたい、という想いで、11年間、何とか続けてこられました。

食べるだけじゃない！ラズベリー活用法

試行錯誤する中で、調べてみると、今まで、ジュースを作る時に、裏ごしすると残渣として捨てていた種の中に、オメガ３，６といった不飽和脂肪酸や、ビタミンEなどが多く含まれるオイルがあり、日本にも海外からラズベリーシードオイルが輸入されていることを知りました。

そこで、国産のシードオイルを探したが見つからず、自分たちが栽培したラズベリーの種からもオイルが搾れるのか、研究してみることにしました。

まず、菜種油を搾油している企業に問い合わせると、スクリュー式の小型搾油機を貸し出していたので、レンタルして搾ってみました。
搾れはするものの、すぐ種が詰まって停止してしまい、効率が良くないのと、回転して砕いて搾るため、原料に熱がかかってしまい、希望通りにはいきませんでした。

次に、地元の大学で、植物の機能性について研究している助教授に相談し、当園のラズベリーシードオイルと輸入されている市販のラズベリーシードオイルについて比較して調べてもらいました。
この時、研究用の薬品で、オイルの含有率を調べて頂いたのですが、乾燥種には25％ほどのオイルが含まれていることが分かりました。

また、非加熱で搾油するために低温圧搾機で搾ってくれる業者を探し当て、委託して搾油できるようになりました。

大学との研究で、化学薬品を使って搾油すると25％ほどのオイルが採れるのですが、低温圧搾機で採れるオイルは、そのうちの5～8％ほどで、とても貴重なオイルです。

ラズベリーシードオイルには以下のような成分があると云われています。

①ビタミンＡ、Ｅが豊富
②必須脂肪酸の『オメガ３、オメガ６』が非常に多く含まれる
③SPF値が28～50あるといわれている（天然のオイルでは突出）
④ポリフェノールの1種である『エラグ酸』が豊富

この希少なオイルを、もっと、広く周知させたいと思っています。

ラズベリーは実だけではなく、葉も、種からとれるオイルも活用できることを知って頂き、ラズベリーの見て癒され、使っても有用なすばらしい植物であることをもっと広めたいです。

また、コロナ禍で、収入が激減しているのですが、先代から生きた土づくりをしてきた畑をなんとしても守っていくため、また、これまで摘み取りのお客様として来園いただいたり、商品をご注文してくれたり、イベントや物産展でご購入してくれたお客様や、今までサポートしてくれた方々、そしてベリーの栄養成分を必要としている方々に、これからも栄養価が高く、愛情のこもった美味しいベリーを生産し提供できるよう、畑存続のための農機具農業資材購入の資金にもしたいと思っています。

これから貢献していきたいこと

①当園のこだわった栽培で育てているラズベリーの実や葉やオイルの周知と、このリターンを機会に実際利用していただき、ラズベリーの機能性をもっと知って頂きたいと思います。

②集まった支援金を利用して、もう少し設備を充実させ、さらにより良いラズベリーをご提供したいと思っています。

③そして、私たちは、自分の畑で採れたベリーを、加工販売もする6次化農業を行っているのですが、コロナの影響により、イベントや販売会が中止になり、また、飲食店の時短や営業自粛、不要不急の外出の制限などにより、収入が激減しました。そこで、この支援金を無化学農薬、除草剤不使用、有機肥料のみで作ってきた畑を守るための資金にしたいと思っています。

今後のスケジュール

～4月上旬 今年度の畑作業開始
～4月中旬 クラウドファンディング募集終了

リターン商品

〇ラズベリーシードオイル（10ml）
当園のラズベリーの種を熱をかけない圧搾製法で搾った非精製シードオイル

〇ベリージャム(各70ｇ)
当園で収穫したベリーを加水、ペクチン無添加で、甜菜グラニュー糖のみで煮詰めました。少量ずつ銅鍋で作るのでベリーが凝縮しています。

〇ベリースムージーパック（各100ｇ）
当園で収穫したベリーを果肉を残して裏ごしし、甜菜グラニュー糖で美味しいスムージーに仕上げました。（果汁40～50％）［冷凍］

〇ベリージュース(80g)
当園で収穫したベリーを果肉を残して裏ごしし、甜菜グラニュー糖だけで仕上げました。常温保管できるビン入りです。

〇ラズベリーリーフティー
ラズベリーリーフとは木イチゴの葉のことで、欧米では『ウーマンリーフ』と呼ばれ古くからハーブティーとして飲まれています。栽培期間中、化学農薬、除草剤不使用の自家栽培のラズベリーリーフを乾燥させ、フリーズドライのラズベリーの実と一緒にティーバッグにしました。ラズベリーの色と香りと共にお楽しみ下さい。

〇冷凍ベリーホール
栽培期間中、化学農薬、除草剤不使用、有機肥料で愛情込めて作りました。
食べごろを見計らって、1粒1粒、手で収穫し、すぐ冷凍した、ベリーたちです。スイーツのトッピングにのせるだけで華やかになります。

〇フリーズドライベリー
当農園産ベリーをフリーズドライ法で乾燥させました。フリーズドライなので栄養素、色、香りがそのまま残っています。
そのままポリポリ召し上がったり、シリアルやヨーグルトと混ぜて、また、スイーツ作りのトッピングなどにご利用ください。

〇ベリー摘み取りご招待券
摘み取り開放シーズン（7月28日～8月13日）に使える、60分ベリー食べ放題ご招待券

※コロナの状況次第で摘み取り開放が難しい場合は、金額相当の冷凍ベリーをお送り致します。

実行者紹介

『ときいろファーム』のはじまり

この場所でベリー栽培を始めた先代の村田さんは、ヨーロッパ北部の、庭先にベリーが成っている豊かな生活様式を研究し、また、北海道でも戦後の食糧難の時に、繁殖力の高いベリーを植えていた歴史もあったことから、ベリー栽培に興味を持ち、今から40年ほど前から畑にベリーを植え始めました。
勉強家で興味の持ったことはとことん突き詰める性格から、肥料は豆ガラと鶏糞を合わせた自家配合肥料などを施し、防除には植物から抽出したニームや木酢やホタテの貝殻からできている焼成石灰を使うなど栽培方法にこだわり、 バランスの良い環境と土壌を作りました。
いろいろな機関にも問い合わせたりし、一般には出回っていない美味しい品種の苗を集め、自分の畑に移植して、ほぼ一人で作業し、どんどん増やしていきました。
シーズンには摘み取り農園として開放していて、私たちは摘み取りで訪れる客でした。

「北海道で、何か自分たちにしかできないことをやりたい!!」と移住してきた私たちに、村田さんが、後継者を探している、との情報が入り、こだわった環境で農業が出来ること、ベリーには、欧州自転車横断旅行で良い思い出があること、大規模農家が多い十勝で、珍しい小規模のベリー農家に挑戦できることから、「もしこれが軌道に乗ったら、北海道に来てよかったと思えるよね。」と、後を継ぐことを決めました。

しかし、私たちは、農業の知識がなく、また、村田さんは、本職が他にあったので、ベリー栽培だけで経営していくには足りない機械や設備がたくさんあり、前職でためた貯蓄をほぼ使い果たし、業務用冷凍庫や大型倉庫、トラクターやその他諸々、買わなければならず、まだ小さい子供が3人いるので、生活が成り立つ経営が出来るのかどうかわからない不安もありました。

そんな中、栽培面積を増やし、何とか卸先を増やしたり、全国の百貨店の物産展やイベントに出店したり、試行錯誤しながら続けてこれて、今年で、就農12年目になります。

そして、コロナに負けずこの厳しい状況を乗り越え、これまで化学農薬、除草剤を使わず、作り上げてきた、生きた土壌の畑で、農業を続けて、こだわりのベリーをもっともっとお届けできるように、是非、お力をお貸しください。