五島椿の花に新たな命を吹き込みたい！

株式会社チームふらっと（福岡市）は、フリーライターとして九州各地を30年余り取材してきた晴野まゆみを代表に、2011年に九州沖縄の道の駅を中心に配布する無料情報誌「ふらっと」（現在休刊中）を発行する出版編集会社として発足。2013年、五島特集で取材した際に、五島列島が約1000万本の藪椿を有し、「日本一の椿の島づくり」を標榜していることを知りました。高品質の椿油を産出していますが、潜伏キリシタンの歴史を持つ島の教会のステンドグラスなどの装飾は、実は椿の花をモチーフにしているのです。潜伏キリシタンたちは椿の木を「霊木」として崇めていました。某大手化粧品メーカーのシャンプー剤の原料にも使われているなど、椿とは切っても切れない縁があります。つまり、五島の椿には物語があるのです。

しかし、五島では椿の産業的価値は椿油を搾取する実にあり、美しい椿の花は鑑賞以外は落花して土に還るだけの存在です。地元では椿の実を拾い、製油所に持ち込むことでいくばくかの収入を得ているとも聞きました。椿の花は実を結ぶために在る。もちろん、それは非常に大切なことですが、花の価値はそれ以上でもそれ以下でもありません。

実際、6年前に試験的に椿花ジャムを作って五島の知人らに「椿の花でジャムが作れる」と伝えても、なかなか理解されませんでした。一方、五島も少子高齢化の時代で人口も減少しています。五島列島の歴史ある教会の建物を維持していく為にも、皆さまにこの現状を知ってもらうきっかけになれば、嬉しいです。

一度は諦めかけていた五島の椿の花ジャム作りですが、地域資源活用に価値が見いだされる今こそ、土に還るだけの花に新たな価値を吹き込みたいと決意しました。そして、ジャム「椿姫の恋」（仮称）だけでなく、ドレッシング「椿姫の祈り」（仮称）も作ることで活用範囲を広げることにしました。さらに、その売り上げの５％を教会施設保全の為に、維持費として寄付致します。量産できるようになれば、椿の実だけでなく、花を拾うことも収入になる。観光客に買って頂くだけでなく、椿油搾り体験同様にジャム作り体験という体験メニューにもできると考えています。それが本プロジェクトの主旨であり、目標なのです。

大切な椿の実に敬意を払って、新鮮な花を拾う。

五島の素材を極力使って新たな地域商品を。

先述の通り、五島にとって椿の実は高級油の椿油を得る大事なものです。花びらでジャム・ドレッシングを作るために生木から花を取ることは許されません。それは島の産業を脅かすことになります。だからこそ、この大事な実を生かすために、私たちはその日落花したばかりの椿の花を拾いました。私とレシピ開発をする豊川信子氏など、２，３名で五島に通い、市役所や地元椿園の許可を得て、地道に拾いました。

しかし、落花した花は刻一刻と劣化します。時には泊まり込みで下ごしらえするなど、試行錯誤を繰り返しているのが現状です。しかも、1月、2月、3月始めと全く同じ場所、同じ木から採取しても、時期によって仕上がりの色が微妙に異なることに驚きました。でも、これこそが自然の色なのだと思います。花の力が微妙にその日の気温や天候などで左右されるのでしょう。
また、極力五島の素材を使いたいという想いから、花肉を煮詰めたハードタイプのジャムには五島のキンカンを、ドレッシングには五島の天然塩と椿油（油分の一部として）を使うようにしました。（※五島のキンカンが2月に販売が終わったため、試作品での使用です。来年以降は全て五島のキンカンで作る予定です）

私たちは五島の椿の花のロマンを伝えたく、ジャムは「椿姫の恋」、ドレッシングは「椿姫の祈り」と名付けることにしました。

ジャム・ドレッシングのアレンジ活用

椿の花ときんかんを煮詰めた「椿姫の恋・ハードタイプ」、椿の花のエキスで作った「椿姫の恋・ジュレタイプ」はトーストやサンドイッチに、あるいはヨーグルトのトッピングにするのはもちろん、スポンジケーキやフルーツ、生クリームなどと一緒に重ね入れて、トライフルにすればおしゃれなスイーツに。ハードタイプをシフォンケーキに加えて焼くと、花の色は出ませんが、椿の花びら入りと思えばやはりリッチです。葛餅の餡に使用し、花びらを葛に乗せて蒸せば椿花の和菓子に。

白ワインやカクテルに入れるのもお勧め。特にハードタイプはお酒の中で花びらが広がり、最後の一滴と共に食べるとワインなどの味が染みて別の味わいに。ジュレタイプも底に沈んで彩を添えます。

ドレッシングは野菜サラダにかける、だけではありません。ポテトサラダやライスサラダに加えたり、茹でたネギにさっとかけても美味しいです。また、白身魚のお刺身にも合います。

「椿姫の恋」ハードタイプ

椿の花びらと蜜の部分（花粉は除外）、裏ごしきんかんをグラニュー糖で煮詰めています。色は大人のえんじ色。そもそも椿の花には強い香りも味もありません。きんかんの甘酸っぱい味の後、花びらの苦みがかすかにします。恋は甘酸っぱく、そしてほろ苦い後味がする。そんなイメージです。保存料・着色料・増粘剤は使用していません。（※花の採取時期によって微妙に色合いが異なります。写真は1月に採取して作ったジャムです。また、時間経過によっては色がより濃いえんじ色になることがありますが、品質には変わりはありません）

「椿姫の恋」ジュレタイプ

椿の花びらをグラニュー糖で煮詰め、エキスを抽出。さらに水とグラニュー糖、少量のペクチンを加えてジュレ状に煮詰めています。花びら少量をそっと浮かせ、鮮やかな赤のジャムに仕上げています。甘くロマンチックな恋のイメージです。保存料・着色料は使用していません。リンゴ由来のペクチンを使用しています。（※花の採取時期によっては微妙に色が異なります。写真は1月に採取して作ったジャムです。）

「椿姫の祈り」

椿油と国産菜種油に、酢と細かく粉砕した花びらの酢漬け、玉ねぎ・ニンジン・リンゴも加えました。五島の海水にがりで作った天然の焼き塩を調味に。椿花のエキスも入っています。保存料などを使わず、非加熱処理ですので、開栓後は冷蔵保存の上、お早めに使用していただくことになります。

（花びらは時間経過とともに黒っぽくなりますが、酢による褪色で品質に異常はありません。また、やはり時間経過とともにエキスの色が透明になり、野菜などが沈殿しますが、これも品質に異常はありません）

スケジュール

既に椿の花のピークは過ぎ、集めてきた花で仕込みを済ませています。一部は容器詰めも進めています。ドレッシングは小ロット専門の食品加工業者に委託する予定です。

恋と祈りをリターンでお届け！

「椿姫の恋」のハード/ジュレのいずれか1個

椿の花そのものを味わうようなハード、鮮やかな色を楽しむジュレ。どちらかをお選びください。

「椿姫の恋」のハード/ジュレ各1個セット

まずはどちらも試してみたいという方にお勧めです。使い分けもお楽しみください。

「椿姫の祈り」1本

高級油である椿油を使い、優しくまろやかな酸味がサラダだけでなく白身魚のお刺身にも使えます。見た目の色も美しいドレッシングです。

「椿姫の恋」ハードまたはジュレと「椿姫の祈り」のセット

「椿姫の恋」2タイプと「椿姫の祈り」のセット

資金の使い道

ご支援いただいた資金はこれまでのプロジェクトに要した費用の一部とさせて頂きますが、皆様の反響を今後の改良開発や地元での量産体制に向けた資料（金銭ではない資金）として活用する予定です。

実行者紹介

株式会社チームふらっと 代表取締役社長 晴野まゆみ

長年フリーライターとして九州各地を取材。2011年に九州沖縄の道の駅を中心に配布する旅の無料情報誌「ふらっと」を発刊。2012年法人化。

現在は「ふらっと」を休刊していますが、九州の観光を元気にしたいという想いは変わらず、かねてからの夢でもあった五島の椿の花ジャム作りに挑戦しています。

私自身はライター・編集者であり、商品を作るのは現在76歳になるベテラン料理家の豊川信子先生です。二人ともシニア？すが、夢と情熱は恋する乙女のように？持っています。

さて、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。このプロジェクトの成功を祈って、椿の花言葉を添えます。

「我が運命は君の手に」