この照明器具 「黄昏ライト（トワイライト）」 はCREE社製最新LED素子と直径3ｍｍ＊のオプティカルファイバーを組み合わせた、恐らく世界で唯一のデスクライトです。一番大きな部品のベース部分でも直径7ｃｍ弱なので大変コンパクトで邪魔になりません。効率の良いLED素子と光ファイバーの採用で低い消費電力（約2W)でも実用的な照度を得ることが出来ました。　＊プラスチック製POF単線最大サイズ

開発しようと思ったきっかけは昨年インターネットを光回線に変更した折、業者に石英光ファイバーの端材をもらい興味を持ちました。照明器具の仕事に生かせるのではないかと思い色々調べていくうちにこの素材は髪の毛一本分の太さで通信専用であり、照明には向かない事が分かりました。照明用にはPOF（プラスチックオプティカルファイバー）という素材が向いているのが分かり、早速メーカーにサンプルを送ってもらい試作の製作に取り掛かりました。試作品も1、2、3号機と作り徐々に色々な問題を改善して行きました。リターン用の写真のものは4号機で、実際に販売する商品は、外観は全く同じで内部構造を改善した5号機です。

三号の時点でLED素子を米CREE社の比較的新しい素子に変更、熱の発生がかなり少ないのでヒートシンク部が不要になり、最終的に今のマユ型のケースになりました。最終型の5号機にはさらに新しい最新素子が使用されます。直径2ｃｍ弱、長さ4ｃｍのマユ型ケース内にLED素子とボタンスイッチ、ネオジュウムマグネットが内包され、そのLEDの光が光ファイバーを伝い先端から照射する構造です。

1.光ファイバーの素材は電線の様に丸く巻かれており、それを放物線状に曲げるのが大変でした。加熱温度と時間のコントロールが難しくて、縮んで太くなり、部品に合わなくなる問題も。最終的に上手く解決しました。このライトが出来たのは、この光ファイバー（以下ファイバー）の曲げ加工が安定的出来る様になったからです。元々は自動車の光通信などの用途でフレキチューブ内を通して使う様な物なので、この様に表に出したり、曲げたりしない素材です。この素材は光伝達効率が良い、三菱レイヨンのエスカです。

写真左の説明....写真の様な規整冶具をレーザーで作り、その中に一本ずつセットしてから加熱して成型します。下にあるのがファイバー素材をカットしたものです。　

2.ファイバーの入光部と出光部の仕上げ。この部分は上手く仕上げないと光の伝送効率の低下や照射光が同心円状にムラが出来たりします。メイク＆トライの積み重ねで上手く行きました。

写真中央の説明.....左側が切断直後の状態。それを成型研磨してレンズ状に仕上げてあります（右側）。

写真右の説明.....これは初期の試作品の照射写真で、端面の処理によってはこの様に同心円状の渦が出てきます。

３.ファイバーと発光素子のセンターを完全にあわせる事。野球でバットの芯にボールが当たると良く飛ぶのと全く同じ原理です。ずれると効率が落ちて暗くなる。組み立て時に自動的にセンターが出る、セルフセンタリング方式を考えました。この件写真は有りません。

下の写真左側より順にご説明いたします。マユ型のケースはスタンダード型と小石丸型の二種類、そのケースの色は銀と金の二色、光の色は電球色と白色、電源はアダプタとUSB、合計１６アイテムです。

デザインテーマでもある蚕のマユの形についてご紹介したいと思います。普通に見られる一般的な形のもの（スタンダード型）と皇室で養蚕されている小石丸型が有ります。この小石丸型は現皇后当時皇太子妃であった美智子様が飼育中止予定であった、本種の飼育継続を主張され今に至るそうです。本種の糸の特徴は大変細く、製品化が大変で高コストなので、高級絹織物専用々途だそうです。銀は通常の白いマユを、金は実際に金色のマユが有ります。これはカルテノイド繭と呼ばれています。マユ部分はアルミ合金製で梨地処理後カラーアルマイト処理がされています。

下部には電気自動車のモーターにも使われている、強力なネオジュームマグネットがセットされており、黒色の円盤状ベース部品の一部と嵌合してピロボールとし機能しますので、角度調整が自由に出来ます。

白色と電球色の二種類があります。白色はワームホワイトと言われる青みがからない4500K前後の色温度で、電球色は一般的な3000K前後の色温度です。　　

USBプラグ付きとACアダプタ付きの二種類です。アダプタは弊社のプロタスクランプ（右上実行者用画像のライト）用を使ってます。このアダプタは定電流タイプでLED照明器具用として専用スペックでの特注品です。中国製ですが、日本人技術者常駐の会社で信頼性の高い製品です。写真は◇PSEマーク（菱形ピーエスイー＝電安法）付きですが、今回の使い方は本体直結方式なのでベースの円盤裏の○PSEマーク（丸ピーエスイー）付きになる予定です。

パソコンやノート型パソコンに繋ぐばかりではなく、写真下の様にモバイルバッテリーに繋いで使うこともできます。消費電力が2Wなので、バッテリー容量により、数時間から10時間以上の連続点灯が可能です。

天井照明点灯中の場面でA4サイズの図面を照らしてみました。光の色は電球色です。

上の写真と同場面で文庫本を照らしてみました。光の色は白色です。

以上3点の写真は都内目黒区柿の木坂のインテリアショップ　゛ノーネームパリッシュ″さんのお店で撮影しました。

http://www.nonameparish.com/index.html?topCheck=not-top

http://www.nonameparish.com/products/2013/09/pro_task_lamp.html

以下店舗でスポットライトとして飾り用小物や商品を照らしての使用例です。宝石類など光るものは白色光がお勧めです。

下２点の写真は、壁面を少し照らしている光ファイバーから漏れ出る光が、デスクランプの布製の傘から漏れ出る光と共通するイメージです。

下二点の写真内のシャープな陰をご覧ください。完全な点発光なのでこの様に影がシャープに出ます。蛍光灯や他の面発光の光源では影が出ないのでシャープな表現が出来ません。この写真ではわかり辛いですが、ダイヤなどキラキラと大変良く輝いて見えます。

以上写真４点は南阿佐ヶ谷のアートスペース゛煌翔"さんのお店をお借りして撮影しました。

http://www.kohsho.co.jp/index.html

現在数種類の製品を照明器具専門店にて販売中ですが、今回の様なUSBタイプや一機種で16アイテム（形、色、光の色、電源が各々２種類）も有る様な製品はなかなか全て置いてもらえない傾向が有り、前々からB2Cによる販売に関心が有りました。偶然見た番組内でクラウドファンディングが取り上げられており、自分もやってみたいと思ったのです。USBタイプはUSBライトイコール安物のイメージを払拭し、照明器具専門店においても違和感が無いように高級感を出しました。

素材、LED素子、その他の部品全て在庫済ですので、支援金は工作機械のメンテナンス、研究開発費などに使う予定です。現在特殊セラミックを使う事によって熱放射性を高める方法を行っています。全体の大きさが小さくなりコストカットに繋がります。今回のライトにも一部採用しています。

弊社は有限会社ですが、私西尾が全て設計、製造、販売、マシン　オペレーションも行っています。プラスチック射出成型の部品を使うときは、3Dキャド、金型設計の専門家の友人に頼みます。現在中小製造業者は跡継ぎ問題、海外との競争に敗れてどんどん廃業倒産してまして、弊社外注先も大幅に減少している状態です。今回の製品はその様な状況に対応した物で外注先を使わずとも、社内の設備で全て完了出来る設計になっています。現在主に照明器具を手掛けています。NC工作機械などで、主要部品のかなりの部分を社内で生産加工しています。元々貿易業を行っており、ニシオ商会という製造業らしくない社名をそのまま使っています。古い物の修理が好きなので、今後はヨーロッパよりアンティークのライトを輸入して、配線やソケットも電気安全法に則ったものに改造しての販売なども考えています。

Q1:　使用電力はどの位ですか？　

A: 大体2W前後です。常夜灯としても使えます。その場合２４時間点灯でも月額約３０円プラスです。

Q2:　LEDが切れた場合、修理できますか？

A:　殆ど切れる事は有りませんが、もし切れても簡単に修理出来るように、熱に弱いタイプの嫌気性接着剤にてケースを一体化してあります。LED素子は２年の保証をお付けします。

Q3:ケーブルの長さはどの位ですか？

A:　アダプタ型で1ｍ70ｃｍ、USB型で77ｃｍです。