材木屋が地域と共に歩んだ130余年

福岡県北九州市八幡。1901年に官営八幡製鉄所の創業と共に全国から働き手が集まり、発展をしてきました。働き手と家族が移り住み、多くの家が建ち、このまちの材木屋には家を建てるため、大工を探すため、材料を選ぶため、地域の人々が情報発信の場として足を運んでいたと言います。

現在、全国でも有数な高齢化の進むまちといわれ、SNSの普及などで便利になっていく一方、人と人、人と地域に距離が生まれているように感じます。後継者不足・高齢化、時代の移り変わりと共に、このまちの多くの材木屋は廃業していきました。

私たち福原材木店は、今年個人創業から数え131年。長らく地元でご愛顧いただいた材木屋が今できることは、あの時代の材木屋の役割を担うべく、「まちの情報発信地」として「コミュニティカフェ」というカタチで、再び地域の人々が集う場所をつくることでした。八幡のまちの活性化のため、皆様で応援して頂けますと幸いです。

八幡のまちのココに集う「ヤハタココ」

八幡のまちのコミュニティをうむ場として考えたのは、昭和に建てられた旧保険会社のオフィスビル。昔からあるこの建物を、安易に壊して建て替えるのではなく、頑丈な躯体を活用することとしました。「八幡のまちのココに集う」というコンセプトから、屋号を「ヤハタココ（YAHATA COCO）」とし、特別な珈琲をもって地域とつながるきっかけにしたいと考えました。

私たちがつくるカフェは、単なるカフェではなく、ヤハタココは「人と地域とをつなぐコミュニティカフェ」なのです。

▼建築士

ヤハタココの設計・デザインは、建築家の谷尻誠・吉田愛 両氏率いる建築設計事務所「SUPPOSE DESIGN OFFICE（サポーズデザインオフィス）」に依頼。広島・東京の2箇所を拠点とし、住宅、商業空間、ランドスケープなど国内外で幅広い分野のプロジェクトを多数手掛けています。

「誰もが気軽に立ち寄れるまちの集会所的な存在を目指して計画を始めました。既存の建物の記憶をできる限り残しながら、一方で道に面した建物正面のサッシは撤去、一部壁を解体し可能の限り大きく開口し開放的な印象に。まちのコンテクストから引用したレンガや、家業と紐付く木材というマテリアルを用いてまちと緩やかな繋がり、そして人々の居場所となるおおらかな場をつくっています。おいしい1杯のコーヒーを介して“まちと人、くらしと仕事”など多様な出来事とつながりを生むまちの拠り所へ。今後時間をかけて地域の価値創造を担う場として成長するであろうこの場所へ期待を込めて、あえて余白をもたせた計画としました。」（2022.08.09_w_吉田愛）

▼コミュニティカフェ「ヤハタココ」

人をつなぐ理想的な拠点とするヤハタココ。地域の方々に喜んでいただけるようなモノ・コト・人とのつながりが生まれるきっかけになれたらと、３つの運営事業を取り入れました。

★① 16年前の約束を果たすべく挑むオリジナルブレンドを用いた焙煎室と、憩いの場となるようカフェを習慣にするコーヒースタンド。

★② 日々変わる作り手、新たな挑戦を後押しするシェアブース・キッチン。

★③ アイデア次第で様々な使い方ができるコミュニティスペース。

人と人、地域と人でつくりあげていくコミュニティカフェ「ヤハタココ」です。

①ロースタリーカフェ

特別にブレンドされたココだけの生豆を輸入し、店舗で焙煎したオリジナルブレンドをご家庭で楽しめるよう販売。一方カフェブースでは、コーヒースタンドと呼ばれる360度提供できる設備を採用。こちらは国内から仕入れたエスプレッソ用コーヒー豆を使い、各種ドリンクを提供します。さらにこのコーヒースタンドでは、雑貨や食材など、アジアをはじめとした国内外の商品を多数陳列し販売する、日々新しいことを追求していく焙煎&カフェ提供ブースです。

②シェアスペース

シェアキッチンとシェアブースは、八幡のまちで開業を目指すパティシエやハンドメイド作家のテストマーケティングの場として利用できます。開業するには場所や資金の問題が必ずついてきます。「やりたい！」という気持ちを大事に挑戦する方々の後押しとなるよう、ココで1日から利用できるような手軽さで、店舗が日々変わる新鮮さや開業を応援できる仕組みづくりをしています。

③コミュニティスペース

子供・学生・子育て世代・年配の方・留学生など、ココで幅広く人々が交流できる場として作りました。習い事教室（英会話・習字・着付け・裁縫・DIYなど）やセミナー（税金・相続・保険・家づくりなど）、作家の作品展示や町内会議、イベントなど様々な用途で活用いただけます。

特別なコーヒーのご紹介

▼オリジナルコーヒーブレンド

YAHATA COCO BLEND 「#01.Starry sky」

ブレンドのメインは、グアテマラ・ウエウエテナンゴ地域。この地域は、55の地域共同体が400余りの農家と共にコーヒーを栽培している地域です。今回はその中から、スペシャルティグレードの厳選されたコーヒーを生豆の状態で輸入し、自家焙煎します。

［原材料：コーヒー豆（生産国：グアテマラ・コロンビア・ケニア）］

［ネーミングの由来・特徴］

ブレンドの主となるのはグアテマラ・ウエウエテナンゴ地域のコーヒー。ウエウエテナンゴとは、マヤ文明の言葉で、夜空に輝く星（Starry sky）を意味します。

そして、私にとってこのプロジェクトに関わる多くの仲間たちとの出会いは、いつも夜遅くまで笑って過ごした日々。あの日の夜空と星たちは今も鮮明に覚えており、「私たちの一番幸せだった瞬間が、幸せになれたのは、素敵な人たちと一緒だったから」だと思いました。

夜空に輝く星（Starry sky）

このコーヒーは、誰もがふと夜空を見上げ、そんな幸せな時間を思い出していただけるように、甘みを中心としたほのかなバニラの香り、柔らかい酸味が楽しめ、飲み込んだ後、口の中で感じられるミルクチョコレートのボディ感とベリー類の風味が特徴です。

スケジュール

2022年9月29日：プロジェクトスタート

2022年11月11日：プロジェクト終了

2022年11月12日：以降順次リターン品発送準備・発送

2022年11月22日：ヤハタココオープン

プロジェクトへの想い

福岡県北九州市生まれ。創業131年となる福原材木店の後継者であり、元バリスタという経歴を持つ福原功夫（40）。

「おいしい」と共有できることに幸せを感じる、私にとってのコーヒーは相手がいて成り立つものでもあり、「目の前にいる人とつながるためのツール」だと思います。

16年前、学生時代に留学した韓国でも、コーヒーはある出会いをもたらしました。

韓国大手カフェチェーンのロースティングプラント運営統括を任されているキム・ヒョソプ氏（43）。16年前の当時、お互い二十代だった私たちは、コーヒーの魅力を広げていきたいと意気投合し、いつかカフェ開業をしたいという私の夢に、「君がカフェをするときは、必ず駆けつけて力になる」と約束してくれました。

留学先で目指した私のカフェ開業の夢は、オーナーの不幸により断念。帰国後、建築資材問屋での修行を経て、父親の家業である材木店を継ぐ決意をし、たどり着いた地元老舗企業の「地域活性化」という使命。

そこに、どうしても必要なものがありました。

人と人をつなぐ特別なコーヒーです。

16年前の約束は、お互いの立場を変えてもずっとどこかで思っていました。

ココの特別なコーヒー「#01.Starry sky」は、彼が農園から買い付け、ブレンドしたものを輸入し、八幡で焙煎します。

最後に・・・

2014年4月、このまちでお祭女として地域活動の中心的存在だった母を亡くしました。

夏になると、ハッピ姿で山笠に出ていた母。冬には厚着をして私のニット帽を目深にかぶり火の用心の夜回りに勤しんでいた母。葬儀には800名を超える地域の方々が参列くださり、福原材木店と地域をつないでいたのは間違いなく母であり、明るく盛り上げてくれていたのだと思いました。

母が亡くなった年の夏、山笠の皆さんが母に会いにきてくれ、遺影に黙祷を捧げてくれました。

地元企業には、その地元を盛り上げる使命があります。

母の代わりはできませんが、母が好きだったコーヒーで、たくさんの人々が集える場所をつくり、この八幡のまちを再び活気あるまちにしていきたいと思います。

「ココに集合ね」「ココで待ってて」「ココに行こう」

そんな声が、この八幡のまちに溢れ、人と人、地域と人の笑顔が続くよう、老舗材木店の役割を果たしたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

また、応援購入してくださった皆様にも心より感謝申し上げます。

［店舗情報］

ヤハタココ／YAHATA COCO

2022年11月22日(火) オープン予定

住所：〒805-0069 福岡県北九州市八幡東区前田２丁目４番１１号

営業時間・定休日は決まり次第活動レポートにて公開してまいります