この美しい八ヶ岳の自然を守りたい！

　森林限界を超える3000m級の山頂、6～7月にかけて出合える貴重な高山植物、緩やかな裾野に広がる亜高山帯針葉樹林。これら3つの要素によって登山者に愛されている八ヶ岳。通年営業している小屋も多く、一年を通して人でにぎわいます。

　しかし、この3要素のひとつである森は、シカの食害という大きな問題を抱えています。そこで八ヶ岳森林調査隊を発足させ、11社のアウトドアメーカーの協力のもと、この問題に取り組みます。調査隊への参加、またはサポートをお願いします。

①シカの個体数増加と生息域の変化

　オオカミの絶滅と猟師の高齢化によりシカが増えました。平行して高原開発がはじまり農作物を守る保護柵がつくられ、シカは山に追いやられることに。登山者にとってなじみ深いシカですが、そもそもは山の生き物ではなかったのです。

②年々拡大する剥皮被害

　地面が雪で覆われる冬は、シカは麓に下りたほうが効率的に食べ物を見つけることができます。しかし、シカは山に閉じ込められているため、冬になっても山を下りずに、本来なら食べ物として適さない樹木の皮を食べ始めました。

③立ち枯れする木。そして・・・

　皮を食べられた木は、水と養分を吸収することができずに枯れてしまい、それが広範囲になれば低木草地（野原）となります。さらに、強い根を失ったことで、斜面では土砂が大雨のたびに流出していき、地すべりも起きやすくなくなり、裸地化（荒野）へと向かいます。いま危惧されているのは、この悪循環です。このままでは、八ケ岳は荒野になってしまうのです。

　多くの登山者で賑わう人気アウドアフィールドですが、荒野になってしまっては、魅力はなくなってしまいます。美しい森は、八ケ岳になくてはならないものです。剥皮被害により悪循環を阻止するためには、保護柵を張ったり忌避剤を散布したりしなければなりません。しかしこれには多くの人手とお金が必要です。

　八ヶ岳における亜高山帯針葉樹の剥皮被害問題は、まだまだ未開拓な部分も多く、まずは信州大学の竹田教授同行・監修のもと、八ヶ岳で最もシカの棲息密度が高い西岳・編笠山にて調査を行います。

　クラウドファンディングで集めた資金は、信州大学ほか専門機関による講師費や、資材購入費などにあてます。目標金額を上回った場合は食害対策の効果検証実験を行います（以下※部）。剥皮は積雪期を中心に起きるため、調査と検証は積雪期前後である10月と3～5月に行います。

　また、今回の活動の舞台となる諏訪郡富士見町内にて勉強会と懇親会を行います。

　八ヶ岳保全調査隊に、資金の援助だけでなく勉強会や実際の現場に参加して作業にご協力いただける方は、活動を通して専門家、有識者から自然の知識を学んでいただければと考えております。調査への参加は、登山経験がない方でも、体力度を考慮して担当エリアを分けるなどの対策がとれますので問題はありません。

　活動日の前日または当日の夜に富士見町での宿泊を希望される方は、こちらで手配することもできます。ほか活動参加に関してご不明点がありましたら、「
yamanohi_summit@outlook.jp」宛にご連絡ください。

スケジュール

・10 月10日（月曜祝日）　朝10時より食害調査。15時より勉強会と懇親会

・10月24日（月曜）　新型忌避剤の散布と保護ネット張り（※）

・3月予定　新型忌避剤と保護ネットの効果を調査し検証（※）

・5 月予定　同上（再検証）（※）

　リターンは前章で紹介した調査隊としての参加（調査、勉強会、懇親会）と、以下で紹介するサポートメーカー提供のアウトドア用品になります。アウトドアメーカーはリターン品の提供だけでなく、当日の活動に参加する場合もあります。

　フィッシングベストから創業。いまではアウトドアブランドとして本国アメリカでNO.1シェアを誇る。日本でも幅広い層に親しまれている総合アウトドアメーカー。

https://www.columbiasports.co.jp/

「非売品ステッカーセット」×50点

コロンビアのほか、コロンビアスポーツウェアジャパンが取り扱うマウンテンハードウェア、モントレイル、ソレルも含めた4ブランドのステッカーセット

「非売品エコロンビアバッグ」×30点

ビニール袋の消費を減らす買い物袋（エコバッグ）を、本来なら廃棄される末端布を活用してつくった二重の意味でエコなバッグ

「ランドオブバレーズミニショルダー」￥2,900　4色×10点＝計40点

メモ帳とペン、資料を入れたりと森林調査時に便利な小型（H16×W12×D4.5cm）のショルダーバッグ。ショルダーストラップを外してポーチとしても使用できる

「バークマウンテン30L バックパック」￥9,600　4色×5点＝計20点

ザックに必要とされる機能をすべて備えた安心モデル。もちろんザックカバー付き。森林調査時の資材運搬を快適な背負い心地でサポート！

　雪物を中心としたスウェーデンのブランドで、トレイルランニングやゴルフのウェアも手掛けている。北欧ならではのセンスが光るスタイリッシュなデザインが特徴。

http://peakperformance.jp/

「Track Tee」　￥5,000　 　Sサイズ青×5点　Mサイズ赤×5点　 

化学繊維と綿（2％）の混紡素材で、とてもやわらかく肌触りのよいTシャツ。消臭・抗菌仕様。“アドベンチャー”だけでなく普段使いもできる洗練されたデザインだ

「Gust Ch SS Shirt」　￥1,1000　Sサイズ×5点　Mサイズ×5点　

化学繊維とオーガニックコットン（23％）の混紡素材。下山服として、普段着として。なにかと出番が多くなる、そつないデザインがうれしい

「W Hicks Jacket」　\2,1000　×5点

本来はジッパーの裏に当たる面をあえて表側に配置した、ジッパーデザインが特徴的なウィンドジャケット。90gと超軽量で、さらりとした着心地

　創業1917年と歴史の古いスウェーデンの総合ブランド。厳しい環境に対応するハイスペックギアが魅力だが、近年はカジュアルウェアの展開も増えている

http://haglofs.jp/

「非売品コラボボトル」×10点

BPA、フタル酸、鉛およびその他の有害物質を使用をしていない安心素材の「クリーンカンティーン／800ml クラシック」に、ホグロフスのロゴが入った限定品

　独自の新鋭素材を続々と登場させ、登山ウェアの概念を大きく替えた日本（神戸）の新鋭ブランド。グローブ類を除き、ほぼ国内生産を行っている

http://www.finetrack.com/

「非売品高機能シャツ」　Mサイズ×5　Lサイズ×5　計10点

同社独自のベースレイヤー素材でつくられてた限定品。丸首は気軽に着れるのでうれしい。　※「ドライレイヤー」とプリントされていますが、ベースレイヤー用の生地とデザインになっています

　愛知の老舗ガス機器メーカーによるアウトドア用品ブランド「ソト」。ガス機器は数多くの賞を獲得するなど世界的に認められおり、信頼度は言わずもがな

http://www.shinfuji.co.jp/soto/

「アミカスクッカーコンボ」　\5,980×10点

同社の十八番であるガスストーブ。その最新機種「アミカス」に、クッカーがセットになったエントリー層に大人気の商品。ガス缶も中におさまりスタッキングも楽々

　登山、スキー、バイク、釣りとシーンを選ばず活躍する多機能ヘッドギアという新しいアイテムを生みだしたスペイン生まれのブランド

https://buff.jp/

「Original Buff」￥2,600×20（カラーとデザインは多数あり）

素材は100％ポリエステルマイクロファイバーで高い通気性、伸縮性があり、森林調査時の虫さされ、日焼け防止に最適だ

　名を世に知らしめたダウン製品はもとより、現在ではハードシェルからグローブ、ゲイターにいたるまで、質実剛健な「山道具」を提供し続けてる

http://mountain-equipment.jp/

「ロック・ビーニー・ソリッド／トリコロール」　\3,980×5点

アクリル50％綿50％、旧ロゴをあしらったかわいいデザインで、一年中使える＆普段着でも使えるヘビーユーズ間違いなしのニットキャップ。女子にもオススメ

　独創的なシンプルさ。多様な使用方法。流行ではなく機能。カジュアルなハイカーからヒマラヤ登山家まで、受け入れられるデザインが特徴の新鋭ブランド

http://www.axesquin.co.jp/exped/

「SPLASH15」　\ 3,000×5点

完全防水で、スタッフバッグとしても、サブザックとしても使えるアイディアアイテム。H42×W24×D12 cm　110 g

　2003年にアメリカで創業。ヨーロッパの山岳ブランドにはない視点でデザインされた、履き心地のよいブーツとサンダルは瞬く間にスタンダードに

http://www.keenfootwear.com/ja-jp/

「キーンブーツ（B品）」×3点

写真左のピレネーはUS7.5（約25.5㎝）、中のデュランドはUS8.5（約26.5㎝）、右はデュランドUS9.5（約27.5㎝）。B品につき、ご了承ください。画像の関係上実際の商品と多少色が異なります。

日本の山岳史を語る上で外せない老舗メーカー。同社のテントはすべてメイドインジャパン。テン場で見かける率NO.1といっても過言ではない

http://www.arai-tent.co.jp/

「ビバークツェルト　デュオ」　\5,700×５点

「もしも…」のために欠かせないツェルト。登山中上級者の必需品ともいえる。15デニールの極薄生地のため150gと軽い。サイズ：間口80×奥行120×高さ90cm

「スマートストック（ペア）」　\14,000×５点

「岩場での転倒を避けるためにポールもザックの中に収納したい」。そんな人にうれしいゾンデタイプ。しかもゾンデタイプでは珍しいショック吸収機能付きというこだわり用。素材はユーナン社の超々ジュラルミンで強度も抜群

　山でも川でも海でも。日本のアウトドアフィールドでもっともシェアされているといっても過言ではない人気の総合アウトドアメーカー

https://www.montbell.jp/

「バーサライト パック 20」　\5,700円×5点

20ℓ容量で253gと驚きの軽さのザック。槍ケ岳の穂先のピストンのような状況で、アタックザックとして便利。背中にはパットも入っているので普通に日帰りザックとしても使える

http://www.chikyumaru.co.jp/

高橋庄太郎著『ソロ山行ステップアップ術』 \1,200×10点

サポートメディアの『トランピン』から、人気アウトドアライター高橋庄太郎さんの最新書籍を提供。登山に必要なのは山道具と向上心、そしてこの本！ 

株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン

株式会社RCTジャパン（ピークパフォーマンス販売代理）

株式会社ファイントラック

株式会社アシックスジャパン ホグロフス事業部

ブルータグ株式会社（バフ販売代理）

新富士バーナー株式会社（SOTO）

株式会社アクシーズクイン（マウンテンイクイップメント、エクスペド販売代理）

株式会社アライテント

キーンジャパン合同会社

株式会社モンベル

　八ヶ岳では、10年前よりシカが稜線に姿を表し、高山植物を食べはじめました。高山植物は、その名の通り高山域にしか生息できず、麓から種が飛んでくるわけではありません。そこで、山小屋のスタッフが中心となり、保護柵を張るなど対策を施しました。おかげで絶滅は免れ少しずつ数を取り戻しています。このように、人為的干渉によって生まれた山の問題に対して、周辺に暮らす人々が懸命に取り組んでいます。しかし花はともかく対象が森となると、資金もマンパワーも不足してしまうのが現状です。

　自然環境における問題は地元の問題。地元の人間がこれに対処し、美しい自然を維持し、訪れる人を迎え入れる。これが今までの考え方でした。しかしこれには限界があります。

「現場の人にだけ問題を押し付けていていいのだろうか」

「自然から恩恵を受けているすべての人も取り組むべきなのでは」

　当然のようにこういった考えが生まれます。私たちは、解決へ向けた議論を交わすなかで、鳥取・大山の「一木一石運動」を知りました。衰退した大山山頂の植生を取り戻すため、地元団体、山岳関係者、行政が連携して、登山者に活動への参加を呼びかけた取り組みで、大山に関わるすべての人の認知と協力を得ることで植生を取り戻すことに成功した事例です。これをヒントに、アウトドアに関わる人の自然への向き合い方を見直すべきなのではと私たちは考えました。

　結論として導きだした「山の日サミット」（7/24に八ケ岳の麓で開催）は、現地の自然環境保全活動に携わる人と、アウトドア業界、そしてアウトドアを楽しむすべての人をつなぐネットワークであり、一年に一度、自然を守るための知識を共有する機会となります。さらに、現地の人だけでなく、そこを訪れる人も共に考え行動を起こすことが今後あたりまえになっていくことを目指して「山の日サミット」の一環であるこの「八ヶ岳森林調査隊」プロジェクトをスタートさせました。

　シカの食害は、知床、大台ケ原、尾瀬、南アルプス・塩見岳・仙丈ヶ岳をはじめとした全国各地で深刻な影響をもたらしています。八ケ岳も同様に悪い状況へ向かっており、20年後に景観はまったく変わってしまうと言われています。シカの食害対策に携わる硫黄岳山荘グループ代表の浦野氏はこう話します。

「現場の人間は変化に敏感なので兆候に気付いていますが、一般の登山者にはまだ問題として写っていない状況です。剥皮された木が立ち枯れしてバタバタと倒れだしたら、ようやく問題意識は高まるでしょう。しかし、その時点で動き出しても手遅れであるかもしれません.....」

　竹田教授も「八ケ岳の亜高山帯針葉樹、とくにシラビソとオオシラビソの剥皮被害は全国的に最も深刻」だと見ています。森はすぐに失われるものではありませんが、全体で取り組むことを必要とする段階にきているのです。このプロジェクトだけでは、すぐに状況が変わるわけではないかもしれません。しかし、「それぞれの立場で、それぞれができることをする」というメッセージを伝えるという点で、意味のある一歩になると考えています。

　アウトドア・アクティビティの舞台は言うまでもなく美しい自然です。アウトドア・アクティビティを楽しむすべての人は、美しい自然から恩恵を受けているものとして、自然を守る責任があるという考え方もできるのではないでしょうか。アウトドア・アクティビティを楽しんでいる人にとって山は第2の故郷です。八ケ岳に愛着のある人はぜひ、この八ヶ岳森林保全隊への協力をお願いします。