「CABIN(キャビン)」は木を素材にものづくりを楽しむ人の遊び場を目指しています。地下鉄早稲田駅から徒歩1分。40年以上も製本工場として使われていた小さくて古い建物を、小さな家具や雑貨をつくれるシェア工房としてリノベーションするプロジェクトを始めます。このワクワクなプロジェクトを是非ご一緒しませんか。

みなさん、はじめまして。TSUMUGI inc.の桑原憂貴(くわばらゆうき)と申します。

最初の映像で見ていただきましたように、僕らは震災以降、奇跡の一本松で知られる岩手県陸前高田市で、家具から家まで組み立てられる杉キットの開発「KUMIKIプロジェクト」に取り組んできました。近隣の木材工場が被災し、復旧を断念したことから、行き場を失った地元の杉材を有効活用するための商品開発が必要。そんな社会課題の解決のためにスタートし、2013年に陸前高田市内に法人を設立。これまで様々な活動に取りくんできました。

特に2013年6月、2014年2月には、それぞれ岩手県陸前高田市内と宮城県石巻市内に、組み立てて家を作ることができるキット「KUMIKI HOUSE」を使ってみんなの集会所を地元住民とともに組み立てました。

震災から3年がたち、大きな津波被害を受けた土地に土が盛られはじめる一方で、いまだに仮設住宅に暮らし、住宅再建の目処も立たない人が多いなか、どんなに明るい未来を夢みても、一向に変わらない現実に心を締めつけられる人も多く、仮設住宅から出てこなくなる大人もたくさんいました。そんななかで「KUMIKI」を使ってコミュニティセンターを作ると提案した時、地元の人は半信半疑でした。

「素人が集まったところで家を1棟立てられるわけがない！」

でも、変わったんです。

陸前高田では、わずか2日間でおよそ20坪の建物が自分たちの力つくることができました。以前にMakuakeで120万円を集めた宮城県石巻市内の集会所建設でも、同様にKUMIKIを使って50人の地域住民とともに協力しながらつくりあげました。

1人1人の力は小さいですが、みんなで一緒に積み重ねれば、家を1棟立てられる。未来への希望と可能性を感じられる瞬間でした。

コミュニティセンターには、いまも多くの人々が立ち寄り、まちづくりの話い合いやお祭りの準備などが行われています。建物も、花壇ができたり、明かり取りが壁についたりと日々手入れされているのが分かります。

自分たちでコミュニティセンターをつくるという挑戦を通じて分かったことは、暮らしに必要なものを手でつくりだせるということが、暮らしの可能性を拡げてくれること。そして、かけた時間や手間は愛着に変わるということでした。

そして、こうした被災地での取組を知った多くの人々から、「手でつくることを自分もやってみたい。」という声が寄せられ、僕らは次に「KUMIKI LIVING」という組み立ててつくる家具キットを開発し、提案してきました。

そして、今回はさらに一歩すすみ、「組み立てる」だけでなく、「はじめからつくる」ことを楽しむ場作りに挑戦したいと思っています。

いきなり家は難しくても、小さな家具や雑貨、小屋などをつくることができる拠点が近くにあったらいい。工具や作る場所はシェアすれば、賃貸に暮らしていてもチャレンジできる。

2014年5月に早稲田にある古い建物の活用を悩むオーナーさんに出会ったことでこのプロジェクトが本格的に始まりました。
 

このプロジェクトは、「木を素材にものづくりを楽しむ人の遊び場」を目指すものです。できるだけ気軽に、オープンに、みんなでつくり、みんなで楽しめるものづくりの遊び場。

とがった屋根が印象的な建物のカタチから、名称を「CABIN(キャビン)」と名付けました。

高度で大規模な機械に囲まれた無機質な工房ではなく、あくまでも手加工を中心にものづくり初心者が楽しめる小さな小舎のようなイメージです。でも、必要なものや内装は関わりたい人たちと一緒に考え、つくっていければと思っています。

ですが、現状の建物はかなり古くてトイレもないため、トイレや手洗い設備を入れたり、断熱をしたり、床をつくったりと、スタートにむけて最低限のリノベーションをDIYでみんなですることから開かれた場所づくりを始めようと思っています。

■CABIN詳細

国産材を切ったり、磨いたり、穴をあけたりする等、手加工を中心とした機械設備を使って、小さな家具や雑貨をつくることができます。趣味のものづくりや部屋をセンスアップしたい方などを対象に、DIY初心者でも楽しく取り組めるものづくりワークショップや体験イベント、連続講座等を実施します。

■ワークショップ・体験イベント
CABINのオープンにむけて、興味のある一般の方々に参加いただき、DIYでリノベーションに挑戦します。建物のBefore/Afterを楽しむことに、全力で挑戦みたいと思っています。（笑）

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◎第１弾：常夏のハリハリ大作戦〜屋根と床をリノベーション！
日時：2014年9月初旬（3時間）
定員：15名
費用：無料

◎第２弾：残暑のクミクミ大作戦〜家具・雑貨を楽しくメイキング！
日時：2014年9月中旬（3時間）
定員：15名
費用：無料

第３弾：初秋のトントン大作戦〜外装をグッとオシャレに大改造！
日時：2014年10月初旬（3時間）
定員：20名
費用：無料

＊全３回開催する本ワークショップはオープン前に行われるもので、Makuakeでのリターンに入っている「DIYワークショップ」とは別のものになります。

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オープン後については、ピクニックやアウトドアウェディング、フードコーディネーターなど、様々なジャンルの団体や個人の方々とコラボレーションをしながら、実用的でデザイン性の高いプロダクトをDIYする企画を続々と仕込み中です。

その、一部だけご紹介すると…

◎DIYワークショップ：「森のピクニックマット」をつくろう！

日時：2014年10月下旬（3時間）
定員：10名程度

晴れた日の公園で、本を読むときも。ベランダに座って、ビールで一息するときも。夏のビーチや野外フェス。ありそうでなかった杉でできたピクニックマットを、みんなでワイワイつくるワークショップを開催します。国産杉の間伐材を利用するから美しい森づくりにもつながります。パタパタと折り畳めるし、片手で持てる軽さだから持ち運びもかんたん。お出かけに気軽に連れていけちゃう１人用のマットです。

■施設・設備DATA（＊現在、検討中）

オープン日：2014年10月中旬
利用形態　：10：00〜21：00（火・水・木・土・日）
利用面積　：40平米
機材設備　：
・スライド丸鋸
・手持ち丸鋸
・ボール盤
・インパクトドライバー
・手持ちサンダー
・スピンドルサンダー
・糸鋸　等

住所：東京都新宿区早稲田町７２番地　
アクセス：地下鉄早稲田駅徒歩１分、JR高田馬場から徒歩15分

■費用の内訳
・内外装工事費　￥３０万円
・設備工事費　　￥７０万円（主にトイレ・電気工事等）
・機材設備費　　￥２０万円

みんながものづくりを楽しめる都会の場づくりとして、特に初期の立ち上がり段階におけるリノベーション費用をぜひともご支援いただければありがたいです。また、手間をかけることで愛着が生まれる空間づくりのため、DIYリノベーションに１人でも多くの方に参加いただき、手を貸して頂ければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
 

最後になりましたが、このプロジェクトを通じて伝えたい想いを少しだけ書かせていただきたいと思います。


「心地よい未来を生きるために、暮らしを手づくりする人を増やしたい。」

大量生産・大量消費を可能としたこれまでの便利な暮らしは「豊かさの総量」を増加させた一方で、効率重視の社会が多くの社会的課題を生み出してきました。東日本大震災から３年が経過し、東京オリンピックへの期待をはじめ、次第に被災地への関心が薄まりつつある今だからこそ、、改めて震災を教訓に「豊かさの質」を問い直し、掘り下げていく未来を、次の世代のために本気で考えていけないでしょうか。

手で暮らしに必要なものを作り出せるということは、貨幣に縛られない自由な生き方を約束してくれるはず。それは同時に、素材や生産地への想像力を育むことにもつながります。

これまでの取組から、便利さを少しだけ手放すことの「面倒さ」を「ワクワク」に変えるために、ともに取り組む「人」の存在が必要不可欠でした。

だからこそ、僕らは「つくる楽しみとつながる喜び」という価値を世の中に提案し続けていきたいと考えています。


ものづくりを工場から手のひらへ取り戻すこと。

早稲田に生まれるものづくりを楽しむ人の遊び場「CABIN」は、その第一歩になれればと思っています。

人の暮らしをもっと居心地がよく、安心感があって、楽しいものにできるはず。
そんな心地よい未来を、一緒に創っていきませんか。

早稲田に生まれる「遊び場」に、みんなで集えることを心から楽しみにしています。

TSUMUGI inc.